アイテム番号: SCP-2889-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2889-JPは、緩衝材で厳重に梱包した上で、有事の際でも転落の可能性が低い収容ロッカーに保存されます。SCP-2889-JPに金銭を入れる行為は現在許可されません。
未発見のSCP-2889-JPの捜索は、異常性が発現する前に発見できる可能性が極めて低いことから保留されています。
説明: SCP-2889-JPは、17 12個1のブタ(Sus scrofa domesticus)を模した貯金箱です。SCP-2889-JPに存在する穴は金銭を投入するための一つのみであり、金銭を取り出すための穴はありません。前方の右脚の部分には財団のデータベースに存在しない不明な人物を示すサインが記されています。SCP-2889-JPは陶磁器であると推測されていますが、後述する異常性により材質は特定されていません。
SCP-2889-JPの異常性は、SCP-2889-JPを破壊したときに発現します。SCP-2889-JPを破壊したとき、SCP-2889-JPはブタの皮膚と同じ材質に変化します。SCP-2889-JPの内部に存在した金銭は、破壊を行った人物が最後に購入した豚肉の部位と同種類の豚肉に変換されます。同時に複数種類の豚肉を購入していた場合は、購入量の比率は保持されます。豚肉の量は、SCP-2889-JPの内部に存在していた金銭で購入可能な量と同一です。豚肉の価値は実際に支払った金額で換算されます。また、変化したSCP-2889-JPや豚肉には異常が認められませんでした。
補遺: SCP-2889-JPは、██県██町で突然約2tの豚肉が出現し、その場にいた児童2名が全身を強く打ち死亡した事件によって認知されました。2名は兄弟であり、帰省中でした。児童2名が直前に訪問していた精肉店の監視カメラの映像からSCP-2889-JPの存在が疑われ、2名の祖父母が所有する倉庫でSCP-2889-JPが発見されました。2名の祖父母に質問を行ったところ、SCP-2889-JPは倉庫を購入した時点で存在していたことが判明しています。以前の所有者に関しては、記録が散逸しており特定が不可能な状態です。事件を目撃した町民が少なかったことから、町内に記憶処理剤を散布し、カバーストーリー「交通事故」が適用されました。
以下は精肉店の監視カメラに記録されていた映像記録です。
<記録開始>
店主: おういらっしゃい、██さんのところのたか君としん君じゃないか。大きくなったな。お使いか?
児童A: そうだよ!豚バラ肉1000gください!
児童B: こんにちは!
(児童Bの手にはSCP-2889-JPが握られている。)
店主: 大家族だもんな。いっぱい食えよ。(豚肉を量る)2001円か、キリが悪いし2000円でいいぞ。
児童A: ダメです、ちゃんと払います。真司、お金渡して。
児童B: 2001円!
店主: おお、偉いなぁ。んで、どうして豚の貯金箱持ってるんだ?もらったのか?
児童B: (頷く)
児童A: おじいちゃんからもらったんだよね、な?
店主: へえそうかい。よし、せっかく久しぶりに顔見せてくれたんだしお小遣いをあげちゃおうかな。
児童2名: いいんですか!
(店主は先ほど児童Bから受け取った千円札2枚をSCP-2889-JPに投入する。)
店主: しまった、どっちも貯金箱に入れちゃった。後でたかくんに1000円分けてやってくれ。みんなには内緒だぞ。あとこれ、豚バラ肉1000gね。
児童B: わかった。
児童A: じゃあそろそろ帰りますね。ありがとうございました!
店主: はいどうもね。帰り道も気を付けるんだぞ。
児童A: はい!っておい真司、走るな置いてくな!待て!
<記録終了>
以上の記録より、児童Bは結果的に豚肉約1000gを1円で購入したため、何らかの要因により児童Bが所持していたSCP-2889-JPが破壊された結果、内部に存在した2000円が豚肉約2tに変換された可能性が高いとみられます。









