クレジット
タイトル: SCP-2898-JP - huge────────────────────────────────────────────────────fuse
著者: ©︎toritsukushima
作成年: 2021
アイテム番号: SCP-2898-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2898-JPは10m×10m×3mの耐火性収容室にて収容されます。SCP-2898-JPは壁から5m離した収容室の中央に配置します。1日に2度、担当職員はSCP-2898-JPから排出された燃え殻を清掃したうえで、移動したSCP-2898-JPを収容室の中央へ配置し直してください。その際には必ず専用の器具を用いてSCP-2898-JPを持ち上げ、直接身体に触れないように扱ってください。
説明: SCP-2898-JPは製造元不明の蛇玉1です。SCP-2898-JPは収容されてから現在まで途切れることなく燃焼し続けています。
SCP-2898-JPが燃焼によって失われると、その量を補うように、燃焼面の反対側から蛇玉の本体部分が生成されます。。これによりSCP-2898-JPは毎分約2.3㎝の速度で移動します。この生成を障害物などで遮ると、障害物を生成速度に合わせてSCP-2898-JPに置換する事で破壊します。SCP-2898-JPは破壊耐性を持ち、現在まで成分分析は成功していません。燃焼そのものについても水中下、低酸素状態などの条件下でも一定の速度で燃焼を続けます。また燃焼面から発生した燃え殻には破壊耐性はなく、成分分析では非異常性の蛇玉から発生する燃え殻と同一の物質であるとの結果が出ました。
補遺: 20██/09/21、収容担当者による作業中に収容担当者がSCP-2898-JPを、器具を利用せず素手で持ち上げた際2に、足に視認できない物体が触れたことを報告しました。追加調査の結果、SCP-2898-JPの生成方向に向かって紐状に連続した不可視の物体が続いていることが判明しました。この事実から、SCP-2898-JPは本来非物質的な紐状の物体であり、燃焼面に近づいた部分が実体化していると推察されています。
SCP-2898-JPの可視部分に何らかの手段で触れている人物は不可視部分に接触可能になります。不可視部分に接触した人物はその接触を保持し続けている限り可視部分をとの接触を解除したとしても接触可能状態が継続されます。しかし、一瞬でも保持を中断した場合、接触可能状態は解除され、本来不可視部分があると推察される地点に触れても不可視部分に接触することはできません。また、接触可能状態の人物に接触した人物もまた接触可能状態となります。
SCP-2898-JPの紐状部分(以下、SCP-2898-JP-1と表記)は、ある程度までは手で引き摺る事で動かすことができますが、紐の先端を逆側へ引き寄せようと試みると強い抵抗を受け失敗します。保持されているSCP-2898-JP-1自体の重量は一般的な麻縄程度であるため、これはSCP-2898-JP-1の先に何らかの理由で移動不可能な物体に接続されている可能性、もしくはSCP-2898-JP-1自体が極めて長大であり人力では動かせない重量である可能性を示唆しています。非実体部分であるにもかかわらず重力の影響を受けている理由については不明です。
SCP-2898-JP-1の先端を調査するための調査チームが発足されました。非実体部分は人間の手で確認して辿っていく以外の方法がないため、交代要員を駆使し慎重に調査が進められました。以下に調査過程を記します。
類型距離 | 経過時間 | 調査内容 |
---|---|---|
10m | 25分 | SCP-2898-JP-1は収容施設内の壁を貫通していたが、紐を左右に引き摺ることで通路にそって施設外へと出ることに成功した。紐は収容施設から見て北側へ伸びている。 |
1㎞ | 42時間 | SCP-2898-JP-1は市街地及び住宅街を直線で横断しており、幾度とない迂回が必要になった事、および人目に付きやすい日中は調査を中断3せざる終えなかったことから当初の予定より大幅に時間を要した。 |
10㎞ | 203時間 | この時点からSCP-2898-JP-1が少しずつ北北東方面へ向き始める。 |
13㎞ | 261時間 | SCP-2898-JP-1が大きく曲がり、南東方面へ伸びている事が確認される。この地点から北西20㎞先にSCP-2898-JP回収地点が存在するため、おそらく本来南東から北西へまっすぐ伸びていたが収容施設への運搬によってこの形になったと考えられる。 |
22㎞ | 348時間 | この地点から、SCP-2898-JP-1が少しずつ地面から離れていっているのが確認される。SCP-2898-JP-1の先端が空中にあると推定される。 |
23㎞ | 902時間 | この地点から完全に上空へ浮き出しており、飛行用バックパック及び標準的光学迷彩装備が必要となった。 |
25㎞ | 1162時間 | SCP-2898-JP-1の終端と思しき地点に到達。SCP-2898-JP-1の先は不可視の平面に垂直に接続されている。この平面もSCP-2898-JP-1と同様の性質を持つが、硬度が高く移動不可能である。(以下、SCP-2898-JP-2と表記) |
NA | 1219時間 | SCP-2898-JP-1接続部分から約7㎞の地点で平面の淵部分を発見。SCP-2898-JP-2は接続点を軸とした巨大な円柱型になっていることが確認された。 |
NA | 1461時間 | 円柱の終端部分を発見。SCP-2898-JP-2と同質の巨大な物体に接続されていることが確認される。現在調査継続中 |
追記: SCP-2898-JPの全体像に対する調査が終了しました。以下は調査結果を受けた収容担当者である██博士による提議です。
SCP-2898-JPに全体像を把握するための7か月に及ぶ調査が先日無事終了しました。事前の調査にもある通り紐の先には巨大な筒状の物体があり、さらなる調査によってその筒状物体の先にさらに巨大な球状の物体が存在することが判明しました。詳しくは以下に添付するSCP-2898-JP全体像概略図を見ていただきたいのですが、これがもし私の考えている通りの物だったとしたら、SCP-2898-JPにはさらなるオブジェクトクラス変更が必要になるでしょう。御一考のほどよろしくお願いいたします。 -██博士