アイテム番号: SCP-2899
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2899はその大きさと北太平洋旋廻独特の状況への依存度のため、動かす事が出来ません。そのため、封じ込めはSCP-2899とその周辺に関する知識および接近の抑制に限られています。しかしながらSCP-2899は移動性であることから、専用の財団研究船が漂流物の動きと水面下の微粒子の異常な動きの両パターンを観測し、その位置と挙動を追跡し続けなければいけません。
旋廻に入る全ての航海中の船舶は監視しなければいけません。ただ単に環流を通過したいだけの船は方向転換させます。環流そのものとそこの生態系(累積した海洋ゴミを含む)に関する理由で旋廻に入る船には、可能な限り財団エージェントを乗組員として潜入させます。旋廻に入ったそれ以外の船は、動機を確認し、必要に応じて記憶処理を施すために財団資産によって制止させます。
現時点では巡航高度で旋廻上空を通過する航空機への禁止事項はありませんが、旋廻について研究を行うのに十分低い高度で領域内に入った航空機は、上記のように監視/制止する必要があります。衛星画像から収集した情報は、現在、通常の財団資産によるデータ抑制を超えた異常を捉えてはいません。
説明: SCP-2899は北太平洋旋廻に蓄積された海洋ゴミの集合体であり、少なくとも基本的な知覚力を取得しているように思われます。SCP-2899の組成は大部分が旋廻における他の海水と同じです ― 即ち、非常に高いレベルの微粒子プラスチックを含んでおり、より大きなゴミが散乱しています。しかし、SCP-2899内に含まれているゴミはより組織的に編成される傾向があり、化学組成およびゴミとなった物品の物理的特性に基づいてパターンを示しています。加えて、SCP-2899に導入・蓄積されたゴミはゆっくりとこれらのパターンに統合されていきます。パターンの頻繁さと複雑さは、とりわけSCP-2899の他の異常性も踏まえると、偶然の産物とは考えられません。
SCP-2899下部の水面下において、遠隔操作探査機は、水流や風が無い(さらには時として対向する流れや風がある)にも拘らず、毎秒30~70cmで移動するプラスチック粒子の流れを観測しました。これらの粒子の流れは通常、局所的にゴミが集中している地点で終わります。流れの経路を推定すると、殆どの場合、経路に沿って別なゴミの集中域があることが示されます。これまでに観測された最長の流れは僅かに700m超ですが、粒子の流れが形成される過程は未だに観測されておらず、実際の流れは非常に長くなる可能性があります。
SCP-2899の正確なサイズを判断するのは困難です。表面積は400~10000平方kmと推定されており、大気と海洋の状態が変わるのに合わせて変動することもあります。SCP-2899は水面の約12m下までの領域を浮遊物で包括していると考えられています。研究者たちは(70~75%の確信をもって)北太平洋旋廻で観測された異常性質はSCP-2899内で知覚力が誕生しつつある兆しだと信じていますが、現在の証拠を基にすると、外部機関に操作されている可能性を除外できません。SCP-2899の研究は、主にその異常性質の源を発見することに重点を置いています。二次的な調査は、SCP-2899または旋廻の異常を引き起こした実体との意思疎通を確立することに焦点を当てています。加えて、SCP-2899に類似する実体を発見するために、財団船が北太平洋旋廻内の他の場所および世界中の海にある環流へと派遣されています。