SCP-2907
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アイテム番号: SCP-2907

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2907はサイト-135近辺にある、SCP-2907-1を中心とする半径300mの円形区画に収容してください。この区画は私有地として一般人の立ち入りを制限します。毎日現地時間の09:00に5匹2匹のミミズを効果範囲内に配置してください。

説明: SCP-2907-1は未知の種に分類される鰓曳虫の死骸です。外見は約5億500万年前の中カンブリア期に絶滅した種であるOttoia prolificaに類似してします。SCP-2907-1は腐敗せず、オブジェクトの状態は1978年の収容当初から変化していません。

ほぼ常時、SCP-2907-1は半径143m以内に存在する数種の蠕虫1に強制的影響を与えます。効果範囲に進入した蠕虫は、SCP-2907-1を捜索し、接触することを強要されます。接触が行われると、蠕虫はSCP-2907-2AまたはSCP-2907-2Bへと変化します。

これらの実体は自発的に効果範囲から離れることはありません。物理的に範囲外へ移動させられた場合、戻ることを極端に回避する様子を示すものの、いかなる異常行動の兆候も見られなくなります。効果範囲に進入した蠕虫の数が27時間の間で5匹未満の場合、5匹に達するまでSCP-2907-2が出現します。出現するSCP-2907-2の質量の発生源は現時点では不明です。

SCP-2907-2Aはその種としての性質に関係なく通常より遥かに団結した群れを形成し、複雑な地下道システムを共同で作成します。この地下道には各個体用に貯水エリアと幼生育成用エリアが存在します。SCP-2907-2Bはコロニー上の地表を巡回し、異物や外来生物の侵入を妨害しようとします。またSCP-2907-2BはSCP-2907-1の最初の効果を受けている蠕虫を保護し、SCP-2907-1の元へと護送することによって確実に物理的接触を行わせます。ただしゴカイ種の場合は例外で、極めて敵対的な対応を受けます。SCP-2907-2Bは効果範囲内にいるゴカイに巻き付き、破壊します。死体はコロニー内に埋められます。

定期的に、SCP-2907を巻き込んだ「子嬰イベント」と呼称される現象が発生します。イベント時、全てのSCP-2907-2はSCP-2907-1を攻撃および破壊し、破壊後の破片を効果範囲周辺に撒きちらします。その後全ての個体はSCP-2907の影響下にある様子を示さなくなります。SCP-2907-1は約40日間にわたり自己修復を行い、その後強制的影響が復活します。SCP-2907の収容中、32回の子嬰イベントが発生しています。イベントからイベントまでの期間の長さは毎回変化しますが、概ね伸びる傾向にあります。これが何を意味するかは不明です。

補遺7: 1980/12/09、ブラック研究員は定期観察中にSCP-2907の収容エリア内で不明瞭な声が聞こえ、さらにSCP-2907-1に近づいたところ声が少し強まったことを報告し、助手数名もこれを支持しました。ブラック研究員は実際に声が発生しているかを確かめるため、収容エリアに音声機器とテープレコーダーを持ち込んで声を増幅させることを提案しました。彼女の要請は承認され、次の子嬰イベント後にこれらの機器が持ち込まれました。その結果、現代フランス語を話す性別不明の声が聞こえるようになりました。これ以降、毎週同時刻に同じ声による異なる内容の発言が1時間程度流れるようになりました。

補遺12: 1983/07/11のスピーチの抜粋:

今、こちらの仕事に不安を抱く者がそちらにいるかもしれないとは分かっています。ええ、それはもちろん完璧に納得できます。でもこのまま躍進せずにいたら私たちはどうなってしまうのでしょうか? 断言します。我々は栄光の時代に近づいていますし、それを見られない者たちに私は心から同情しています。あなたたちがこれを理解してくれるかは分かりません。仮に理解してもらえたとして、どれだけ私の言葉に関心を持ってもらえるかも分かりません。ですが私は、我々のしていることが実を結ぶであろうことを知って欲しいと願っています。そして偉大なる時代の到来を私と同じくらい強く望んでくれることを祈っています。

事件2907-1: 前回の子嬰イベント終了時から926日後(記録上の最長期間)に当たる1986/09/06、SCP-2907-1が震える様子が観察され、その後膨らんで破裂しました。直後、全てのSCP-2907-2(約4892体)が同様に破裂しました。約5分後、それまで観測されたことのない声によるメッセージが発せられました。この音声は性別不明でもあり、使用言語は不明です。それに続いて2番目のメッセージと推測される音声が現代フランス語で流れました。SCP-2907-1はその後40日間にわたって自己再生を行いました。異常特性に目立った変化は見られないものの、このイベント以後は27時間ごとに2匹の蠕虫しか現れなくなりました。

補遺18: 2番目のメッセージの書き起こし

あなたがたにこれを理解してもらえる確証がないことは認めなければなりませんが、そちらを見たところ奴はこの言語を話していましたので、こうするのが正しいことを期待しています。つい最近まで介入をしなくても良かったことから察するに、そちらの誰かが奴から軍団へのアクセスを断っているのでしょうね。ありがとうございます。今奴が受けている全てはしかるべき報いです。奴の嘘に騙されないでください。我々にはこの規模の存在にこれほど多くのエネルギーを費やし続ける余裕はないため、あなたがたの協力が必要なのです。我々にできるのは、ただ奴が奴隷にしたそちらの方々を自由にすることだけです。我々を失望させないでください。

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