SCP-2911-JP
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アイテム番号: SCP-2911-JP Level 3/2911-JP
オブジェクトクラス: Safe Classified

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財団サイト-311と連合ステーション-NA-019。


特別収容プロトコル

SCP-2911-JPの収容は、ハドソン川協定に基づき財団-世界オカルト連合の共同管理下にあります。世界貿易センター複合体(WTCC)のうち5、6WTCCビルディングが財団に割り当てられ、サイト-311に指定されています。境界線イニシアチブとサイト-311のホットラインは24時間体制で維持されます。

マンハッタン島の形而下的空間安定性を保つため、常時12基6セットのハウス-ニコラス神的平面真空ユニット1を稼働状態に保ってください。いずれか2基のH-Nユニットが常時余剰エネルギーを上空に排出しているため、WTCC上空への侵入はいかなる物質的存在にも許容されません。

崩壊した旧・世界貿易センタービルのツインタワー北棟(1 WTC)は耐震補強され、外周を隔壁で封鎖した状態で維持されます。1 WTCの全域がSCP-2911-JP-Aであると考えられています。1 WTCへの民間人の立ち入りを禁止し、SCP-2911-JP-Bとの接触を防止してください。1 WTC外部へ進出するSCP-2911-JP-B実体はセーフゾーンに勾留されます。実体が意思疎通可能かつ基底現実への滞在を希望する場合、合衆国憲法ならびに国際法に従って滞在ビザを交付してください。

説明

SCP-2911-JPは、マンハッタン島の表面積のおよそ3%が基底現実から崩落する形で発生した異常次元です。2011年時点の次元物理学は、これらの異常次元のフリックポイント2について説明できません。SCP-2911-JPは不明な供給源から高密度のエネルギー供給を受けており、このエネルギーは次元外部からの観測では純粋アキヴァ放射に類似しますが、SCP-2911-JP内部においてはおよそ87%が物質化しています。それらは典型的には水蒸気、硫黄、卑金属、気化した低級アルコール、不明な生物の血液です。

SCP-2911-JPとの確立されたポータルはSCP-2911-JP-Aに指定されています。コンクリート、鉛、聖別済みのステンドグラス、スクラントン現実錨による複合封緘はポータルの半永久的な閉鎖に有効です。

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SCP-2911-JP-B実例。

SCP-2911-JP内部に存在する悪魔実体群は、一括してSCP-2911-JP-Bに指定されています。SCP-2911-JP-Bはおよそ12の神学的・文化論的類型を有しますが、総じて外見上は人間に類似しており、身体の一部分が何らかのエネルギー発振器官に置換されています3。SCP-2911-JP-Bは低レベルの知能を有するほか、奇跡論的な手法による形而下的現象への限定的な介入が可能です。SCP-2911-JP-B実体はSCP-2911-JP外部では急速にエネルギーを発散し無気力・不活性状態となりますが、一定の代価を提示して契約を結ぶことで、その行動をほとんど完全に制御できることが判明しています。

2001年9月11日に発生したカオス・インサージェンシーによるニューヨーク・マンハッタン島への超常テロ攻撃において、SCP-2911-JPは出現しました。事件の初期展開において、航空機を用いた奇跡論的攻撃によってマンハッタン島南部が未知の次元に崩落し、不特定多数のSCP-2911-JP-Aがニューヨーク市の広域に展開しました。9月18日までの一連のタイムラインにおいて、財団-連合-境界線イニシアチブ-アメリカ合衆国軍の合同部隊は現在のSCP-2911-JP指定領域を除く全てのマンハッタン島地域を基底現実に復元し、市内のSCP-2911-JP-B実体群を排除しました。補遺を参照してください4


補遺.2911-JP.1 > 経緯

1998年のイベント・ペルセポネ発生以後、財団-世界オカルト連合-プロメテウスグループ-アメリカ合衆国政府の4者協議による北米大陸のアノマリー評価報告システムが速やかに確立されました。SUSEOCT5の拡張的枠組みとしてメキシコ湾条約が締結され、財団・連合の特殊資産が集中する北米全域における衝突の防止、ヴェール・プロトコルの段階的廃止におけるモデルケースとして運用されました。

1999年2月、ランブイエ和平が世界オカルト連合監督下で成立して以降、カオス・インサージェンシーはメキシコ湾条約締結勢力への批判を本格化しました。デルタコマンド6は不特定のチャンネルで攻撃を予告し、うち幾つかが実行されました。2000年末までに、東欧・中東・中央アフリカに跨る秘匿された超常犯罪ネットワークが確立されたと考えられています。これらの地域では闇資金と超常兵器の供給が急増し、概して紛争の激化を招きました。

2001年9月1日に開会した国際連合超常問題特別総会は、7.12事件から3年間の国際情勢を鑑み、これらの問題への対処方針を策定するためにニューヨーク市の国連本部ビルで開催されていました。カオス・インサージェンシーの本来の標的は特別総会に出席中の各国高官、プロメテウス社重役、異常領域国家の大使、パラヒューマン人権活動家、ならびに世界オカルト連合事務総長D.C.al Fineであったと考えられています。


補遺.2911-JP.2 > 事件発生 - 9月11日

2001年9月11日の午前8時20分頃、不明な数の工作員により、大陸横断路線の旅客機5機7がハイジャックを受けました。このうち3機がニューヨーク市への進路を取りました。乗務員に対する精神操作には、プロメテウス社製の精神同調機器が用いられたと考えられています。

午前8時46分までの間に3機はマンハッタン島上空に達しました。民間の映像芸術家によって偶然撮影された記録によれば、3機は空気力学的に異常な飛行を行い、飛行軌道は赤熱して十数分に渡り空中に残存しました。未知の奇跡論的作用によってマンハッタン島全域の現実性が低下し、財団および世界オカルト連合による状況の発見に至りました。

以下はオーティス空軍州兵基地の管制室から回収された、事件初期の音声記録です。

初期の状況把握の混乱により、財団、世界オカルト連合、アメリカ合衆国空軍はいずれもマンハッタン島上空における儀式陣構築の妨害に失敗しました。世界オカルト連合による呪術的迎撃措置が部分的に成功し、テロリストグループは国際連合本部への突入に失敗、目標を変更したと考えられています。旅客機の世界貿易センタービルへの突入は午前9時3分までに行われ、突入から5分以内に世界貿易センタービルを中心とした約4.5km2の領域が異常次元に崩落、連鎖的に周辺空間への侵食が始まりました。

マンハッタン島内の基幹物理回線喪失と電波障害による混乱から、財団の対応は遅延しました。スタテン島の研究収容サイト-310に仮設本部が設置されました。以下は収容委員会の保持していた記録の一部です。

異常事象報告の初版は15時までに作成され、財団北米統合司令部に転送されました。これに伴い、東海岸区域の全サイトにレベル3警戒態勢が発令され、増援機動部隊の編成が行われました。

異常事象報告

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異常空間の遠景。近距離での撮影は不明な理由によるエージェントの喪失を招いた。


場所: ニューヨーク州マンハッタン

状態: 進行中

時刻: 9月11日 09:05 AM (現地時間) — 現在

脅威レベル判定: レッド


事象概要: マンハッタン島南部およびブルックリン西岸、ジャージーシティ近郊における侵入不可能な異常空間の生成。外縁地域におけるヒューム値の急落と、アキヴァ放射レベルの異常な上昇が確認されている。電波干渉により無線通信が途絶。複数の霊的実体ならびに不明なヒト型実体群が出現し、低レベルの破壊行為に従事している。一般市民は恐慌状態にあり、鎮静目的で広域記憶処理が展開された。赤色または暗褐色を呈するガス状実体が市街地に流入し、流入先の街区では異常空間が急速に伸張している。異常空間展開区域の人口はおよそ60万人であり、喪失したものと看做される。


補遺.2911-JP.3 > 初期収容 - 9月12日

9月11日の夕方から12日未明にかけて、マンハッタン島中部における一般市民の避難は概ね成功を収めました。散発的な避難民の回収と並行して、財団-世界オカルト連合は現場レベルの連携を確立しました。多数のSCP-2911-JP-B実体が出現したことを受け、マンハッタン区の南側は放棄され、タイムズスクエアに防衛線が展開されました。

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33番街に集結しつつある悪魔実体の集団。周辺現実性の毀損により、カメラは短時間で破壊された。

国際連合本部ビル24階に財団機動部隊の仮設指揮所が設置され、以後の作戦展開を指揮しました。アルト・クレフ博士が作戦臨時顧問に就任しました。以下は仮設指揮所によって収集された記録の一部です。

財団-連合-境界線イニシアチブによる合同対策本部が編成され、国際連合本部の敷地内は橋頭堡として概念的に拡張されました。インサージェンシーによる複数の自爆攻撃に続いてエンパイア・ステート・ビルが陥落し、前線はパーク街を保持しつつセントラルパークまで後退しました。


補遺.2911-JP.4 > 計画立案 - 9月13日

事態の長期化に伴い、SCP-2911-JP内部に取り残されたニューヨーク市民の救出遅延が致命的な問題に発展しつつある中で、財団空間工学部門は非常事態を宣言しました。非敵対的なGoI/PoIを含む空間工学の有識者リストが作成され、協力要請が送付されました。要請を受諾した個人および団体には、プロメテウス社の次世代移動能力研究委員会、ディア大学の異常構造数理学研究室、赤斑蛇の手のホヤ女史、理外研の超次元力学研究グループ、ICSUT17マサチューセッツキャンパス教授会が含まれています。招聘は12日までに完了し、13日未明から研究収容サイト-310でSCP-2911-JPに関する共同研究が開始されました。

SCP-2911-JP内部との連絡が初めて行われたのは9月13日の午前8時頃でした。SCP-3216を通じた有線通信が確立され、通信回線を防衛するために機動部隊Π-7("ボタンプッシャー")、Z-9("メクラネズミ")が投入されました。不明な手段でSCP-3216内部に侵入したカオス・インサージェンシー工作員との戦闘は16日未明まで続きました。以下は異常次元内部の財団職員によって収集された情報の一部です。

SCP-2911-JP内部との通信確立に伴い、SCP-2911-JPの中核であると推測される神格実体(UE19-1111に指定)の将来的な顕現に伴うXK-クラスシナリオの危険が明確化されたことを受け、世界オカルト連合は正式にマンハッタン島全域に対するピチカート手順の発令を通告しました。世界オカルト連合事務総長D.C.al Fineは午前10時に書簡を発表し、避難民に対する人道的配慮から48時間の猶予が設けられること、9月15日の午前10時までに神格の排除が完了しなかった場合、終結トリアージが執行されることを宣言しました。

ピチカート手順の発令までにUE-1111を排除するため、作戦臨時顧問のクレフ博士指揮の下、SCP-2911-JP内部への突入作戦が立案されました。作戦実行にあたっては、以下の要件が必要と考えられました。13日の日没までにそれぞれの対策が完了し、悪魔実体群との戦闘を経験した現地部隊を中核に突入部隊の編成が行われました。

既知の問題点 対策案
突入経路 バックドア・ソーホーの使用。SCP-2911-JPへの崩落に伴い基底現実側に出入り口が存在しないため、スリー・ポートランド内に違法に展開されていた一時的なポータルを拡張して初期人員を送り込む。
突入後の橋頭堡 サイト-28。事前の交信により、機動部隊Π-1("シティ・スリッカーズ")を含むサイト-28駐留の財団人員の多くが生存し、市民と共に潜伏していることが確認されている。
カック灰 携行型及び車載型スクラントン-アンカーの持ち込み。物理的なカック灰への接触または吸入を継続することはアキヴァ被曝による重度の健康被害を招く恐れがあり、防塵マスクが別途配備された。
補給線/撤退経路 新規ポータルの開裂。有識者委員会による共同研究の結果、SCP-2911-JP内部と外部から同時に対応する座標への空間工学的操作を加えることで、短時間であれば比較的大型のポータルを作成可能である。
SCP-2911-JP-B実体 戦術的神学部門に対する、北米地域の供給能力の上限付近までの聖水ならびに銀弾の供給要請。資材の一部はプロメテウス社によって提供される。
CI工作員/敵対存在 先制攻撃、大規模火力の使用。
神格実体 N/A

突入作戦の準備が行われる一方でSCP-2911-JP指定領域の拡大が加速し、セントラルパークを失陥した防衛部隊はコロンビア大学を拠点に抵抗を開始しました。境界線イニシアチブはハーレム区の教会を要塞化し、避難民の受け入れが行われました。日没までにマンハッタン島の75%が侵食を受け、ハドソン川の対岸にも被害は拡大しました。


補遺.2911-JP.5 > 突入作戦 - 9月14日

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進入路の一例。

突入作戦は9月14日の午前0時から開始されました。作戦は以下の3段階から構成されていました。

  • フェイズ1: 先遣隊によるバックドア・ソーホー経由での進入と橋頭堡の確立。
  • フェイズ2: 補給線の確保、ならびに増援部隊の導入。
  • フェイズ3: UE-1111の撃破または放逐、カオス・インサージェンシー主力部隊の排除。

事態対処の中核となる対神格攻撃部隊は財団機動部隊と世界オカルト連合排撃班の重装部隊で編成され、カオス・インサージェンシー主力部隊との交戦を意図してブルー・タブレット20が支給されました。民間人の収容を担当する部隊は財団に、SCP-2911-JP-B実体の掃討を担当する部隊は世界オカルト連合と境界線イニシアチブに割り振られ、物資運搬は合衆国軍とニューヨーク市警察の選抜部隊が担当しました。プロメテウス社の資産が補給物資として広く提供され、マンハッタン島内の社有資産の所有権は放棄されました。

研究収容サイト-310の有識者チームによってSCP-2911-JPの多元空間軸ベクターが解析され、仮設ポータルが設定されました。バックドア・ソーホーへの先遣隊の進入は、間もなく多数のSCP-2911-JP-B実体による抵抗に遭いました。先遣隊は夜明けを待って反撃し、午前11時頃にサイト-28跡に橋頭堡が確立されました。続くフェイズ2はカオス・インサージェンシーによる攻撃と、複数の巨大実体(UE-1109、1110に指定)の侵攻に妨害されました。

一方、14日の間にSCP-2911-JP指定領域はマンハッタン島全土に拡大し、国連本部を除く全ての拠点が放棄されました。世界オカルト連合麾下の戦艦群による市街地への砲撃が行われ、一部の緩衝地域は戦略的に破壊されました。海棲悪魔の個体数増加によって水上防衛網が崩壊したため、ニューヨーク湾の全ての水路は封鎖され、ロングアイランド湾には機雷が敷設されました。

以下は戦闘終結後に回収された記録の一部です。戦闘は終日継続し、突入部隊における財団人員の損耗は18%に留まりました。


補遺.2911-JP.6 > 戦闘展開 - 9月15日

度重なる作戦の遅延により、フェイズ3への移行は15日未明となりました。機動部隊N-7("下される鉄槌")を中核とした対神格攻撃部隊は午前4時15分までに1 WTC基部に到達しました。カオス・インサージェンシーによる頑強な抵抗とSCP-2911-JP内部の新たな異常次元の発生に伴う補給線の寸断によって部隊は打撃を受け、同時にサイト-28による管制を喪失しました。

以下は戦闘終結後に1 WTCから回収された記録の一部です。1 WTC内部における戦闘記録の大部分は損失しており、状況を包括的に把握する試みは失敗しています。事案委員会に提出された報告書は不完全な状況記録から作成されました。


補遺.2911-JP.7 > 収束

9月15日午前9時45分、リバティ島観測基地はマンハッタン島外縁地域におけるヒューム値の回復と、周期的アキヴァ放射の消滅を確認しました。これを受け、世界オカルト連合事務局はピチカート手順の一時停止を通達しました。午前10時30分、神格実体の排除が確認され、財団と世界オカルト連合は共同声明を発表して事態収束を宣言しました。

SCP-2911-JP-B群は速やかに不活性化し、SCP-2911-JP領域が縮小していく中でその活動範囲も減少していました。9月17日、マンハッタン島に残存する全てのSCP-2911-JP-Aからそれぞれ1体のSCP-2911-JP-B実体が出現しました。それぞれの実体は全裸で、木の棒またはパイプの先端に白色の布を結び付け、それらを頭上で数回振った後に消失しました。この事案を受けてSCP-2911-JP指定領域に対する探査が行われ、領域最深部にて意思疎通可能な悪魔実体(SCP-2911-JP-B-Ωに指定)が発見されました。以下は探査記録の一部です。

財団法務部門と事案審査委員会の合同審査の結果、複数の服従実験を通してSCP-2911-JP-B-Ωの供述の正確性が確認されました。包括的な契約手続きのために準備文書が作成され、収容手順は一部改訂されました。全てのSCP-2911-JP-B実体は契約に従って収容を受け容れ、地位協定文書のコピーが世界オカルト連合と境界線イニシアチブによって保存されました。両者からの公式及び非公式の抗議は現時点まで継続しています。

9月19日までに財団は被害状況の全貌を把握しました。最終的なSCP-2911-JPの侵食はマンハッタン島全域、隣接するブルックリンおよびクイーンズ、ブロンクス、ニュージャージー州ハドソン郡の計720.8km2に達し、関連して述べ1500万人が異常存在に直接的な影響を受けたと考えられています。北米大陸における財団および連合資産の有する処理能力を完全に上回るこれらの事態に対し、O5評議会は収容政策の転換を迫られました。9月20日、事後処理に伴う衝突防止のため世界オカルト連合との間にハドソン川協定が締結され、相互の協力体制の確認が行われました。

    • _

    ハドソン川協定


    世界オカルト連合(以下、連合)と財団の両者は、世界の平和及び安全の維持に寄与することを目的とし、以下のとおり行動することに合意する。

    1. 連合、財団の両者は以下の領域に関する全ての占有的主張を放棄する。
      • マンハッタン島全域
    2. 財団は以下のアーティファクトの管理を全て請負し、これを管理する。
      • SCP-2911-JP
      • SCP-2911-JP-A
      • SCP-2911-JP-B — 但し、SCP-2911-JP領域内に限る。
    3. 連合、財団の両者は以下の領域について相互の独立性を尊重し、非戦地帯とする。
      • サイト-311
      • ステーション-NA-019

    .
    .
    .

    1. 連合、財団の両者は以下の存在についてその生来の権利を確認し、正常性ならびに現実性を毀損しない場合に於いて、可能な限りその生存と自由意志の存立を擁護する。
      • 人間型異常/脅威存在

    本協定は2001年9月21日より効力を持つ。
    連合、財団の両者全ての構成員が本協定に則って職務に対する拘束を受ける。


    財団監督評議会 1号評議員

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    世界オカルト連合 事務総長

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    協定締結に伴い、SCP-2911-JP-B-ΩによるSCP-2911-JP-Bの労役提供の申し出は承認されました。財団法務部門は1800ページに及ぶ基準契約書を作成しました。労役は1 WTCの隔壁建築作業から開始され、後にマンハッタン島全域に拡大しました。

    以下はメディア戦略部門によって作成された非異常の広報プロパガンダの一部です。非侵襲的手段を用いた全世界的な大衆への認識誘導は概ね成功を収め、北米・欧州圏の一般社会におけるSCP-2911-JP-B実体への認識は当初予測を上回る改善を見せました。

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      Record 2001/11/11 - CNN-US

      CNNアメリカによる報道


      【前略】

      アナウンサー: ……素晴らしいパフォーマンス、コロンビア=カヴン認定魔女による曲芸飛行をお届けしました。それでは次のトピック、復興著しいマンハッタン島からの中継です。皆さんお馴染み、マーティン・ジェフリーズに代わります。

      [映像が切り替わる。リポーターのマーティン・ジェフリーズがブロードウェイの工事現場に立っている。背後では人間の作業員に混じって複数のSCP-2911-JP-B実体が働いている。実体は財団制式の作業服を着用し、胸部には契約書の最終ページが貼り付けられている]

      リポーター: 皆さんこんにちは、こちらジェフリーズ、マンハッタン探訪のお時間です。本日は工事中のブロードウェイからお送りします。

      アナウンサー: すごい音がしていますね、ドリルの響きがスタジオに伝わってくる。ジェフリーズ、今はどんな状況なの?

      リポーター: マンハッタン島は急速に復興しています。市庁舎の復興対策チームによれば、市域の交通の87%が復旧しました。地下鉄も8号線を除いて運行を再開し、被害の少なかったセントラルパーク以北では住民も戻ってきています。

      アナウンサー: それは良いことですね。ストライキは解決したのかしら。

      リポーター: ええ、ヨハンナ。8日までの緊急ストは平和裏に解決し、世界オカルト連合は人間労働者に対する工賃の15%増加を約束しました。ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社はまだ反対姿勢を崩していませんが、財団が間に入って仲裁を行っており、数日中にはエンパイア・ステート・ビルの復元工事は再開されるとみられています。

      アナウンサー: 大統領は年内のマンハッタン完全復興を宣言しました。現在、下院では第3次復興予算の審議が始まっているところです。ジェフリーズ、大統領の公約は実現しそうですか?

      リポーター: 1ヶ月ほど前まで、大統領の発言は時期尚早であり、国外投資家向けの過剰なパフォーマンスであると言われていました。しかし現在、財団建設部門と世界オカルト連合天地部門の全面バックアップを受け、マンハッタン島の主だった輸送経路が復活したことで、建設スピードが一気に上がっています。ニュージャージー州の建設業者は特需に湧いています。また……

      [ジェフリーズは建設現場のSCP-2911-JP-B実体を指し示す。実体は山羊の脚部を有し、高所作業の準備中である。カメラに対して実体は小さく礼をする]

      リポーター: マンハッタン・クライシス当時、敵対的存在とされていた悪魔集団ですが、現在は数万体がこうして復興作業に従事しています。財団によれば、悪魔との契約は完全に科学的・法律学的に制御されており、彼らは港湾公社とニューヨーク州法に基づく雇用契約を結んでいます。実際に、悪魔が関連した犯罪事案はこれまで確認されていません。労務局によれば、夜間作業の効率は悪魔作業員の導入によって前年比240%に向上しています。

      [カメラはブルーム・ストリートに入る。SCP-2911-JP-B実体が隔離された休憩所に集まり、座り込んで硫黄の煙を吸っている。休憩所脇で境界線イニシアチブの聖職者が世界オカルト連合の警備員と会話している。通行人は実体群を気にしていないように見える]

      リポーター: ニューヨーク市民は概ね悪魔集団を受け容れています。多くの市民にとって、近年の市内は夜間のとめどない治安悪化によって危険な場所と化していましたが、悪魔集団は契約を遵守しているようです。今の所、市内の犯罪率はかつてない低水準を保っています。悪魔集団の主な食料は硫黄とガスの炎で、雇用に回されるはずだった税金は医療費の補助と弔問金に充てられています。

      アナウンサー: 憎悪犯罪は回避されているのですね、ジェフリーズ? 彼らは心強い味方になってくれるでしょうね。

      リポーター: 無論その通りです、ヨハンナ。ニューヨーク市民は非常に抑制的で、誇り高く復興のために努力しています。各正常性維持機関の協力の下、マンハッタンはかつての姿を間もなく取り戻すでしょう。アメリカの自由と平等の精神は、この素晴らしい島に息づいています。

      [カメラはソーホー市街地に掲げられたアメリカ国旗を映す。国旗の脇に財団旗とニューヨーク市旗が掲げられている。続いてサイト-28地上事務所の銘板が映し出される。市民バンドによる国歌演奏がバックコーラスに入り、映像が切り替わる。スーツ姿のSCP-2911-JP-B-Ωが財団職員の介助を受けて銅像の定礎に献花している]

      リポーター: 先日の追悼式典の様子です。この日初めて公の場に姿を現した悪魔集団のトップは、厳重な警備の下でグラウンド・ゼロの慰霊碑に献花を行いました。境界線イニシアチブ法廷とニュージャージー州戦没遺族協会の抗議によって演説は中止されましたが、カオス・インサージェンシーによる強要の事実が明らかになったことで、市民からは悪魔集団を擁護する声も上がっています。

      アナウンサー: 彼らもテロの犠牲者だとする見方もある、ということですね。

      リポーター: マンハッタン・クライシスにおける悪魔集団の関わりについて、専門家の間でも意見が割れています。今後様々な事実が国連の特別法廷で明らかになるでしょう。現時点で明白なことは、社会の団結を破壊しようとするインサージェンシーの脅威に対して、アメリカは勝利したということです。マンハッタンは再び栄光を取り戻すでしょう。中継を終わります。

      [国歌演奏は2周目に入る。復興中のマンハッタンの写真が複数合成されたポートレートが展開し、大統領と復興担当大臣のメッセージが挿入される。財団と世界オカルト連合の旗が翻るイメージ映像が数秒流れ、映像がスタジオに切り替わる]

      アナウンサー: 大変素晴らしいことです。ありがとうございました、ジェフリーズ。マンハッタン島からの中継でした。

      【後略】

    マンハッタン島の復興事業が完了した後、契約は財団の監視統制下でニューヨーク・ニュージャージー港湾公社と市労働局に移管されました。SCP-2911-JP-B実体への半年間限定の雇用ビザ発給は2003年から始まり、続く2004年に改訂されたニューヨーク州法により、1 WTCはSCP-2911-JPの唯一の出入国管理区画として承認されました。契約に盛り込まれた収容政策としての移動制限条項により、SCP-2911-JP-B実体の移動可能な地区はマンハッタン島に限定されていましたが、2009年のメーデーを機にニューヨーク市全域に拡張されました。

    2011年現在、ニューヨーク市はアメリカ合衆国唯一の合法的な悪魔実体の居住・就労が認められた都市です。財団統計部門の集計によれば、労働人口のおよそ15%がSCP-2911-JP-B実体を含む悪魔実体によって構成されています。この割合は年々拡大しつつあり、財団は状況を注視しています。

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    2011年現在のマンハッタン島。

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