アイテム番号: SCP-2920
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 電気柵と保安カメラが、SCP-2920の境界から25m離れた場所に設置されています。料金所を装った検問がSCP-2920に通じる全ての道路に設けられています。SCP-2920から外に出ようと試みた全てのSCP-2920-1個体は自宅まで護送されます。収容違反が発生した場合、機動部隊デルタ-6(“サボり魔”)が全てのSCP-2920-1個体を追跡してSCP-2920へ護送するために派遣されます。その後、SCP-2920は2週間封鎖されることになります。
毎月、SCP-2920の住民たちは、供給の低下を補うための外部物資や娯楽用品を要求することができます。これらはケースバイケースで承認または拒否されます。上記の封鎖が行われた場合、権限は翌月まで剥奪されます。
サイト-59は、追って通知があるまでは、ネクサスにおける活動方針の基本ガイドラインに従ってください(最新版は文書ブロデリック-87を参照のこと)。全ての職員は、SCP-2920とサイト-59が禁煙ゾーンであることを念頭に置いてください。
更新: 事案-59-Cの観点から、SCP-2920内における全ての私的インターネット回線は切断されました。加えて、O5評議会はSCP-2920内の盗聴および不審者の家宅捜索を承認しています。どちらかを希望する職員はフォーム-E562を3通分記入したうえで、その要求に十分な根拠があると見做されるような推論を挙げる必要があります。
更新: 事案-59-Dに続き、SCP-2920住民の供給品要求権限は無期限に取り消されました。現在、緊急盗聴および家宅捜索はサイト管理官ジェイコブスの裁量で認可される場合があります。サイト-59は、SCP-2920内の治安維持のため、保安職員の数分隊を追加で割り当てられました。
更新: 事案-59-Fに続き、SCP-2920住民間の全ての通信は監視されることになりました。SCP-2920に存在するランダムな家屋10棟の立ち入り検査を毎晩行わなければいけません。
更新: 事案-59-Gに続き、組織的な反乱による収容違反のリスクを最小限にするため、SCP-2920の全住民は5名以上の集会が禁止され、午後9時の門限が設定されました。
説明: SCP-2920はミズーリ州の小さな町アミティービルであり、以前はNx-59に指定されていました1。大部分のネクサスと同様に、SCP-2920では難解(かつ不規則)な異常事象が自然発生する傾向があり、それらが中心に持つ一貫した“テーマ”が住民の生活に影響を及ぼしています。今回の場合、SCP-2920内の因果関係は、特定のイベント・季節・活動に関わる一般的な人間社会の迷信に適合するものへと改変を受けています。例として以下が挙げられます。
- この街で開かれる祭りは、前後する日付の気象条件に一切関係なく、雲一つない快晴と豪雨を交互に伴います。
- 梯子の下を潜り抜ける、鏡を割る、建造物の中で傘を開くといった行為を行った人物は、その後のあらゆる行動が全て裏目に出るようになります。この影響がどれだけ長く続くかは定まっていません。
- 女性を少なくとも2名含む4名以上の集団が、権威者から承認を得ることなくSCP-2920を取り巻く森で野営を試みた場合、翌朝に正体不明の動物から襲われ死亡しているのが発見されることになります。
- 12月20日~24日にかけて、SCP-2920の全ての道路では渋滞または何らかの損傷が発生し、車の流れが劇的に遅くなります。
- タバコ関連の製品をSCP-2920内で吹かした場合、その風味は喫煙者にとって胸の悪くなるようなものになります。これは対象者の喫煙歴や、風味に対する寛容さに関係しません。これでも喫煙を(通常はニコチン中毒のため)続行した場合、対象者は急速に肺気腫を収縮させ、1ヶ月以内に死亡します。
サイト-59の設立から5週間後の████/██/██、SCP-2920を離れた住民(帰還するまでSCP-2920-1と指定)は、上記の主たる影響を受け続けており、半径50m以内に同一の効果を及ぼすことが発覚しました2。これは、全てのネクサスにおける共通条件からの、記録上にある唯一の逸脱です。研究者たちはこの偏差の理由として幾つかの仮説を上げていますが、SCP-2920の効果はそれをネクサス足らしめている条件とは完全に無関係であるという説が最も広く信じられています。現時点では、この仮説を後押しする証拠は存在しません。
現在の収容プロトコルは、SCP-2920の住民たちと良好な関係を保ち、制御されていない収容違反の可能性を最小化するために設計されました。住民たちの感情状態を判断し、それに応じて保安体制を調整するために、隔週でアンケート調査が実施されます。3
補遺: 事案-59-C
20██/12/18、激しい嵐による一時的な停電の際に、あるSCP-2920-1の一家族が保安フェンスの突破に成功しました。電源損失とバックアップ発電機の起動までの間の時間は約15分でした。SCP-2920-1一家の失踪は、財団の気象衛星がホノルルのリゾート地近郊で穏やかな降雪を検出するまでの5日間にわたって見過ごされました。MTFデルタ-6が派遣され、SCP-2920-1の抵抗を最小限に抑えて回収に成功しました。全てのリゾート客に記憶処理が施され、雪は異常気象によるものと説明されました。環境へ及んだ損傷を修復するためにSCP-████の緊急使用が要求されましたが、不要と判断されました。家族の所持品を検査したデルタ-6は、飛行機のチケットおよびリゾート予約のインターネット領収書、SCP-2920境界線周辺での保安パトロールの動きを詳述している当座しのぎの地図、飛行機でビーチ旅行に行く計画について記された一家の最年少の娘の日記を発見しました。SCP-2920-1の期間後に通常の封鎖が実行され、収容プロトコルはO5評議会の許可を得て更新されました。サイト-59のバックアップ発電機は配置換えされました。
補遺: 事案-59-D
20██/7/4、3名の男性住民がSCP-2920の境界にある壁をよじ登ろうと試み、保安職員が彼らを自宅まで護送するために派遣されました。男性3名は好戦的であり、泥酔している様子を見せている旨が報告されました。簡潔な口論に続き、男性1名がエージェント████の銃器を奪い取りましたが、泥酔のため自分自身に致命傷を負わせる結果となりました。3名の供給品要請記録は、いずれもアルコールを定期的に要求していたものの、サイト司令部が設定した制限値を越えていないことを示しました。家宅捜索の結果、彼らはお祝いの準備と称して要求品を備蓄していたことが明らかになりました。収容プロトコルは更新されました。
補遺: 事案-59-F
20██/3/18、一連の盗聴を通じて、エージェント███がSCP-2920の複数の住民に無認可の供給用品を提供していることが判明しました。その後、エージェント███に注文したことが疑われる人物らの家宅捜索で規定外の物品が多数発見され、これらは押収されました。エージェント███はサイト-██に配置換えされ、この事案に応じて収容プロトコルは更新されました。
補遺: 事案-59-G
20██/10/31、SCP-2920住民の大規模な一団が、保安職員による自分たちの扱いを抗議するためにサイト-59に接近しました。抗議の内容は、当時正門に駐留していたエージェント█████および██によって記録されました。エージェントたちはジェイコブス管理官に苦情を通達すると約束して群衆の解散を求めましたが、暴徒たちは苦情が直接サイト司令部に届くまで去ることを拒絶し、サイト-59への侵入を試みました。即座に武器が持ち出されることは無かったものの、群衆の中には銃火器の訓練を受けていることが分かっている住民が若干名存在したため、侵入防止のための武力行使が承認されました。保安特務部隊は最小限の犠牲で暴徒を鎮圧することに成功しました。収容プロトコルは更新されました。