アイテム番号: SCP-2937
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2937を構成する113のアイテムはサイト-50の高価値アイテム保管施設の45の標準安全保管庫に収容されます。いかなるアイテムに対しても、研究目的か試験の実施のために保管庫から移す際はセキュリティクリアランスレベル2-2937が要求されます。
2012/04/25改訂: SCP-2937-23、-48、-57、-65、-66、-67、-81、-89、-94、-103、-105、-111はエリアー30内のいかなる建物からでも、1キロメートル以上離れた場所に最低でも5メートルの深さで埋められます。それらの回収にはセキュリティクリアランス3-2937が要求されます。また、一度に回収するのはそれらのうち一つに限定されます。SCP-2937に属する、モチーフの描かれた新しいアイテムが回収された場合、同様にエリア30の近くに埋められます。
中華人民共和国(People's Republic of China)で直接行動することの政治的な困難さにより、活動は情報改竄とPRC政府への間接的な影響もしくは交渉に集中させます。オロチョン自治旗1の考古学的な歴史に対するさらなる公的な関心を思いとどまらせる処置は引き続き実行されます。定期的に、広範囲のエリアでの先史文明の可能性を否定する専門的な研究論文と、そのようなアイデアを生み出しかねない論文すべてに対する反論が発表されます。エージェントとPRC政府内部の連絡員は、該当エリアでの自然保護組織を陳情し、考古学上の発掘、さらなる開発、居住地の拡大を妨害してください。
最優先事項は失われたアイテムの場所を調べ、可能な限り、回収することです。もしくは、その場所の近くで行われる人間の活動を妨害する手段の強化です。最終的には、衛星による観察と、可能であれば飛行ドローンでの調査が、IJA/IJAMEAの痕跡の調査に用いられます。失われたアイテムがいまだ残っているとされる場所で、人間が調査するのは避けてください。
SCP-2937のアイテムと類型学的に類似したオブジェクトが私的/公的な収集/市場に現れた場合、回収してください。考古学的なコンテキストの発見であった場合は、わかりにくくし、誤報であったというキャンペーンを実行し、オブジェクトを回収してください。
黒色の強膜と虹彩を持った大量の死体、もしくはPRCの領地内での原因不明の死が発見された場合は、PRC政府との交渉の開始が認可され、プロトコル2937-ヨミが実行されます。
イザナミ作戦のさらなる情報の回収は、シモベ教授、オカクラ将軍、クラタ将軍の消息の発見と同じく重要な活動です。
説明: SCP-2937は赤みがかった茶褐色の陶器のセットから成り立っています。アイテムの総数は不明です。現在113のアイテムが財団の収容下にあります。(39の完全なピースと、74の破片です。SCP-2937-1からSCP-2937-113まで番号が振られています。)これらのアイテムの大きさの幅は173センチメートルの瓶から、5センチメートルの破片まであります。様式分析はこの113のアイテムが単一の考古学的文明、興安文明と呼ばれるものに属していると示しています。類型学的研究で、興安文明には初期-中期-後期に分けられる連続的な継承である10の様式が立証されました2。この様式に使われる要素の存在は、縄文文明や櫛文土器文明にも見られます3。熱ルミネセンス年代測定では、これらのアイテムは現代から█████~████年前の時代と計測されました。
12のアイテム(破片であるSCP-2937-23、-48、-57、-65、-66、-67、-81、-89、-94、-103、-105、-111)は黒い絵の具でモチーフが描かれています。この破片の性質が、解釈を難しくしています。回収から後、これらのモチーフは対応する破片の内部へ、平均1センチメートル/年の不規則なペースで移動しています。この動きが破片の特定部分まで進むと、黒くなります。すべてのモチーフは、それ自身の一定の動きのパターンを持っているように見えます。絵の具の分析は、確定できない/矛盾した結果を出しました。しかし、既知のいかなる物質とも一致しないことは明らかです。
回収: SCP-2937を構成するアイテム群は旧満州国の興安省北東部(現在のオロチョン自治旗)で、1937年から1945年にかけて大日本帝国異常事例調査局(IJAMEA)によって発見されました。第二次世界大戦の終結とIJAMEAの解散後、SCP-2937(加えてIJAMEAの制御下にあったアノマラスオブジェクトの大部分)は財団のもとに移り、京都府に新たに建てられたサイト-50に保管されました。
回収された文書2937-1: 興安文化とイザナミ計画についての往復書簡
下記の文書はSCP-2937に並行して1945年10月17日に回収されたものです。日本語から翻訳してあります。
1937年10月12日
クラタ将軍様
あなたの指示に従って、異常事例調査局からの紳士たちが到着しました。彼らはただちに発掘された陶器の破片の調査を開始しました。シモベ S.教授はこれが本国の石器時代の陶器に関連しているだけでなく、古代において本国より先立つものだと確信しています。彼いわく、これは有史以前に氾アジア文明が存在した証拠だそうです。大東亜共栄圏の正当性を疑う者に反論するための補助になる証拠を得るため、調査する価値があるでしょう。(もちろん、公的な解釈として、これらの遺跡は大和民族の祖先が産み出したことになります。)
シモベ教授はこれらの陶器の破片を仮に"興安"様式と分類しました。
オカクラ K.将軍より
付記: シモベ S教授は東京大学からIJAMEAに配属された教授でした。記録によれば、彼は1937年、北満州の配置であるIJAの第79歩兵師団に送られました。オカクラ M将軍は、第79歩兵師団の未確認である連隊を監督する将軍でした。1945年9月以降、彼に関わる記録はなく、最終的な消息も不明です。クラタ M将軍は1934年から1945年にかけて日本政府の役人であり、IJAMEAの高官だったと考えられています。1945年9月7日移行の彼の消息は不明です。
補遺2937-1: 2012/04/25、イイジマ下位研究員が昼食中サイト-50で突然死しました。彼女の強膜と虹彩は黒くなり、死因はわかりませんでした。同時刻、福岡県███████の事務員である█████████ ████もまた原因不明で死亡し、強膜と虹彩が黒くなっていました。この事件のあと、SCP-2937の調査で類似のアイテムに描かれたモチーフが1センチメートル/時の速度で変化しているのが発見されました。(残りのアイテムは変化を見せませんでした。)この出来事のあと、モチーフの描かれたアイテムはエリア30へ移されました。