SCP-2939
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ワシントン州ワラワラにおける2939-「BIG NARF」顕在化事象。

アイテム番号: SCP-2939

オブジェクトクラス: Euclid (暫定、収容プロトコル改訂が保留中)

特別収容プロトコル: 現時点ではSCP-2939の収容プロトコルは完成していません。包括委員会ナシュ-12 (“「NARF」追い”)1が、2939-「BIG NARF」顕在化事象を記録し、サイト管理者全員執行委員会2に提出するための特別収容プロトコル2939を考案するための実地調査業務を割り当てられています。

説明: SCP-2939は、“BIG NARF (びっぐ・なぁふ)”というフレーズが、近く開催予定のイベント・集会・その他の社会的集団活動の告知に、見たところ自発的に付け加えられる現象です3。現在までに確認されている全ての事例で、このフレーズの追加は、既に進行中のイベントが中断される、もしくは当初の開催予定が取り消しになるという形で、対象イベントが中止される予兆となっています。2939-「BIG NARF」発生事象は近年になってから観察された現象であり、財団は████年現在まで発生事象の詳細を見出していません。このため収容理論も未だに発案中であり、2939-「BIG NARF」顕在化事象が引き起こされる正確なメカニズムは不明です。

今日までGCN-12が実施した広範な実験では、単純にフレーズ「BIG NARF」を開催予定イベントの告知に付け加えるだけでは中止が引き起こされていません。「BIG NARF」のフレーズが観察可能なメカニズムや第三者の関与なしに自発的に追加された場合のみ、SCP-2939は発現するようです。そのため、「BIG NARF」は現在、自己増殖性のミーム系ハザードを内包する/それ自体がハザードであるというよりも、むしろイベントに対する“名刺”のようなものだと考えられています。

2939-「BIG NARF」発生事案抜粋: 以下は現在までにGCN-12が観測した2939-「BIG NARF」顕在化事象からの抜粋例です。完全版の詳細はレベル-1-2939スタッフ、および要請に応じて他の財団職員も利用可能です。

  • アメリカ合衆国ワシントン州ワラワラのメイン・ストリート・スタジオにおける、バンド“カルカッタ・ダーリン”のコンサート開催予定を記した手書きポスターに、オープニング演奏バンドとして「BIG NARF」の名が自発的に出現する様子が、コンサート開催の3日前、民間企業の保安カメラに捉えられた。この自称“オープニングバンド”の名が追加されたのは監視映像のフレーム間である。オープニングバンド名を記した筆跡は、筆跡鑑定の専門家によって、オリジナル広告の手書きと合致すると見做された。“カルカッタ・ダーリン”のコンサートは、ベーシストの魏明美ウェイ・ミンメイが開催前にインフルエンザに罹患したため中止。地方機動部隊によるインタビューで、バンドメンバー3名はいずれも「BIG NARF」の事を知らないと断定された4
  • アメリカ合衆国オレゴン州ベンドで開催された“大乱闘スマッシュブラザーズDX”のトーナメント戦において、オンライン上のトーナメント表Webサイトが試合中に更新され、現地時間12:00PMに開始予定の第13プールに“BIG NARF”の名前が出現した。12:06、第13プールのプレイヤー“JMF | The Problem”対“Frogdad”の第一試合がTwitch.tvストリームで配信される直前、イベント会場(地元のTVゲーム/カードゲーム取扱店)のブレーカーが落ち、ストリーム配信を遮断すると共にイベントを強制終了した。トーナメント表Webサイトのサーバーのログには表記を改変したユーザーの記録が残っておらず、インタビューでトーナメントの参加者および主催者は問題のプレイヤーに関する知識を持たないことが示された5
  • アメリカ合衆国オレゴン州コーバリスで開かれた詩の朗読競技会は、イベントを主催していたカフェで火災が発生したことにより強制解散となった。「BIG NARF」は朗読される詩の一つとしてFacebookのイベント告知にリストアップされていた6

他に2939-「BIG NARF」顕在化事象が関与した中止イベントには、ワインの試飲会、ライチョウの集団バードウォッチング遠征、リトルリーグ野球3試合(「BIG NARF」はラインナップカードに出現した。全て雨天中止)、バーで開かれたクイズ大会があります。

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現在判明しているSCP-2939事象の領域。

現在検討中の収容理論提言: 現在、全てのSCP-2939事案はアメリカ合衆国の太平洋岸北西部地域に限定されており、大部分はオレゴン州東部とワシントン州で発生しています。これまで一日あたり1回以上の発生は観測されておらず、また2ヶ所の離れた領域で顕在化が起こるまでの間隔は平均的な車両の輸送速度を上回ったことがありません。このため現在の収容理論は、ヒトの移動手段に制限されている ― そして主にワシントン州またはオレゴン州東部に居住している ― 人物/実体/団体がSCP-2939を引き起こしているという前提にあります。GCN-12の構成員は現在、SCP-2939によって影響を受けた地域でビデオゲーム、音楽、および関連する文化・グループに関与した個人の研究を行っています。

積極的に検討されている収容理論には以下のようなものがあります。

  • ある悪意ある個人/団体が、当該領域のイベントに関わる人物(たち)の経歴または趣味の追及に対して危害を加えようと試みている。
  • ある個人/団体が、イベントに関わる人物(たち)を反直感的に保護しようとしている。これまでSCP-2939の顕在化が発生した会場のうち6ヶ所は、電気系統または防火設備に問題を抱えていた。
  • ある個人/団体が、意図的に当該領域のSCP財団工作員の注目を集めようと試みている。レベル≥3-2939職員は、下記の“事象更新LLN”を閲覧できます。

現時点で積極的に考慮されていない他の収容理論には、2939-「BIG NARF」顕在化事象が自己増殖型のミーム現象であるとする説7、2939-「BIG NARF」によるイベント中止は財団が扱う範疇に無い非異常性のサボタージュであるという説8、2939-「BIG NARF」顕在化事象は財団職員の間に広がっている複雑に込み入ったデマに過ぎないという説9が挙げられます。

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