アイテム番号: SCP-2942
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: システムの基準に従わない車両登録の特定を容易にすべく、財団のwebボットSCP9ZY01およびSCP9ZY02がNaTISのサーバにアップロードされています。南アフリカ運輸省内の財団に雇用されたプログラマーは、これらwebボットのメンテナンスおよび、異常な車両登録が確認された際の機動部隊イオタ-10("ポリ公")への通知を担当し、続いて機動部隊イオタ-10の分隊がSCP-2942と疑われる実例を押収するために関連する自治体へ展開されます。確認されたSCP-2942実例はサイト-151の貯蔵セクター12へ移送されます。車両押収の際には標準沈黙プロトコルが適用されます(文書A03-HUSHを参照)。
説明: SCP-2942は南アフリカ行政交通情報システム(South African National Administration Traffic Information System)、NaTISに影響を与える現象です。1 SCP-2942の例において、既存の南アフリカのナンバープレート番号とNaTIS登録番号が通常の自動車両とは認められない、道あるいは陸で作動することを意図されていない、またはその他通常民間人による操縦が認められることのない乗り物2に再割り当てされます。
民間人による操縦を認められた乗り物の4つの標準クラス3に加え、NaTISは南アフリカ交通省(South African Department of Transport)(SADT)によって認可されていない、ちょうど90(2016/11/01時点)の乗り物のクラスを自発的に生成しました。以下が含まれます:
- G1: 重装甲戦闘車量 (20 000kg - 40 000kg)
- G2: 超重装甲戦闘車両 (+ 40 000kg)
- M1: ディーゼル・エレクトリック方式の大型潜水艇 (+ 20 000 metric tons)
- TB1: 垂直離着陸機 (VTOL)
- N3: 2頭以下の馬、ラバあるいは雄牛によってけん引される2輪車両
このように(SCP-2942を通じて)NaTIS登録番号を割り当てられた乗り物はSCP-2942-1に指定されます。SCP-2942-1実例は外装上に南アフリカの有効なナンバープレートを1枚出現させます。
各例において、登録番号が再割り当てされた車両の法律上の所有者は、元々の車両を物理的に操縦できなくなります。同時に、その人物は元々登録番号が対応していた車両(以降SCP-2942-2に指定)の内部から、特定のSCP-2942-1実例を遠隔操作できるようになります。SCP-2942-2の実例は例外なく、以前は自家輸送用として認可を受けていた軽・中量車両です。 対応するSCP-2942-1実例の、NaTISによる記録通りの登録名義人のみ(以下遠隔操縦者と呼称)のみがこの方法で乗り物を操縦可能です。NaTISを通じて既存の、あるいは新たに作られた登録番号を直接望む乗り物に割り当てることによって効果を再現することは不可能です。SCP-2942実例は人間の働きかけとは独立してのみ発生することが示されています。
遠隔操縦者が彼/彼女のSCP-2942-2実例に乗り、キーを回して点火装置を起動させようとする際、代わりにそれぞれのSCP-2942-1実例のエンジンが起動します。この時点で遠隔操縦者は半解離状態に入り、同時にSCP-2942-1実例の物理的な位置、サイズ、操縦系統に対し、増大する認識を獲得します。このイベントはSCP-2942-1実例内での、遠隔操縦者事象の物理的な顕現と想定される異常な現象(SCP-2942-3と命名)の出現と同時に発生します。これまでの遠隔操縦者の顕現は特定可能な源のない力学的な温度場、光を放ち、部分的にのみ触知可能なゼラチン質の塊、2つ以上の切断された人間の手、および生きたテストダミー1例を含みます。4
SCP-2942-3実例はSCP-2942-1の操縦装置を、SCP-2942-2内の遠隔操縦者によってなされる動きとその正確な時点で一致するように見える方法で操作します5が、2つの乗り物の差異の程度によっては、関連性の予測はより困難になるでしょう。通常の条件下での類似する乗り物を操縦する事前の経験の欠如は、高いリスクと事故率に繋がりますが、典型的に予測される程度ではありません。これがSCP-2942-3の側におけるある程度の自律性によるものかどうかは不明です。6
遠隔操縦者がSCP-2942-2から退去すると、SCP-2942-3実例は非物質化し、SCP-2942-1実例はただちに動作を停止します。セッションを反復することにより、遠隔操縦者による乗り物の全般的な操縦能力は時間経過とともに増加を示します。
乗り物の所有権をあるべき法的プロセスに従って移譲、あるいは無効化することにより、遠隔操縦者の権限を移動ないし無効化することが可能です。7SCP-2942実例はケースバイケースで対処されますが、現在のプロトコルは新たに回収されたSCP-2942-1実例を、ただちに財団人員内の、この特定の目的のために選別された要員らの1人に再登録するよう勧告しています。これに関しては、SADT内における多数の財団の工作員の存在が活動を容易にするのに大いに役立っています。
文書2942-A: 特筆すべきSCP-2942実例の記録
SCP-2942-2 | SCP-2942-1 | メモ |
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フォード・フィエスタハッチバック 2012年モデル | 元大韓民国空軍(ROKAF)運用のシコルスキーHH-60ペイブ・ホークヘリコプター。 | このSCP-2942の例はROKAF士官3名の死に繋がるおそれのあった訓練中の事故を引き起こした。車両と機体は回収され、財団の所有下に置かれた。事故はヒューマンエラーとして説明された。操縦士の"亡霊"に関する主張は頭部外傷の影響であるとして無視された。 |
2004-2010年モデル キア・スポーテージ四輪駆動 | 船外機式漁船 "ニュー・デイ"、元はニューハンプシャー、マンチェスターのマリーナに存在した。 | SCP-2942-1実例は非常に痩せた、1本腕の人間の胴体1体が乗っていることが判明した際、制限水域への侵入を試みて地域の沿岸警備隊により妨害されていた。車両と船舶は回収され、財団の所有下に置かれた。目撃者には記憶処理が行われた。 |
1998-1999年モデル フォルクスワーゲン・タイプ2 "コンビ" | ハウテン州の建設現場に位置するリープヘル8の移動式建設クレーン。 | 事件の結果として破壊された建築物は建築途中であり、無人で当時作業中でもなかった。事件は機械の故障として説明された。車両は回収された。 |
2003年モデル フォルクスワーゲン・シティ・ゴルフ | スコットランドの蒸気機関車 "アバディーン・エクスプレス"。 | 重大な民間人の犠牲者。報告によれば、生存した車掌は多数の触手が機関手室の後部から出現し、制御器を掴んだ際に列車から飛び降りた。SCP-2942-1実例は回収できなかった。 |
2013年モデル オペル・コルサ | コルカタ在住の44歳のリクシャ引き、モハマド・S・K・バタリ。 | NaTIS登録番号がリストから削除されるまで、西ケープのナンバープレートは人物の上背部からうまく取り外すことができなかった。遠隔操縦者は心理的にはバタリの自発的運動機能の大半を支配する侵入的意識として、そして身体的にはバタリの頭部に固着するタカアシガニとして出現する。この事例は今日までに記録された唯一のヒトのSCP-2942-1実例である。 |
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