SCP-2944-JP
評価: +135+x
blank.png

通知


アクセスが記録されました。貴方がこの文書を閲覧している場合、自身がRe./OPREmpr-000031の一員であることを示したことになります。もし貴方が誤ってこの文書を発見、もしくは前述の条件なしにアクセスしたのならば、ウインドウを即座に閉じてください。未認可でのアクセスは記憶処理、財団からの解雇、あるいは/および終了により罰せられます。

・・・

・・・

・・・

[記録を展開します…]


アイテム番号: 2944-JP
レベル3
収容クラス:
esoteric
副次クラス:
Truculent
撹乱クラス:
amida
リスククラス:
critical

%E9%83%BD%E5%B8%82.jpg

暫定収容エリア-KEの崩壊に伴い、遠距離から撮影されたSCP-2944-JP。

戦略的対処プロトコル: 既にその性質上極めて困難であると認知されているものの、SCP-2944-JPの収容・無力化の試みが継続されています。全職員は最大限の努力の下で割り当てられた職務に殉じ、すでに観測されているSCP-2944-JPの顕在的影響を緩和・軽減してください。統括的な対処計画は現在開催中である財団最高司令部の合同討議により決定されます。

説明: SCP-2944-JPは能動的な激甚性語義-実存分類的侃諤災害の発生によって、言葉・真理・理性・概念・意味・論理・命題・事実・理由・定義・理論・思想・議論・論証・整合・言論・言表・発言・説教・教義・教説・構造・質問・伝達・文字・ダイモーン・イデア・名声・理法・原因・根拠・秩序・自然・物質・本性・事柄・人間精神・思考内容・思考能力・知性・分別・弁別・熱意・計算・比例・尺度・比率・類比・算定・考慮を、最上級多能性を持って歪曲する能力を有するレベルⅤジャヴァアヲォック級源理λόγος改変実体です。 

SCP-2944-JPの実存的性質が現実に与える影響を考慮して、その性質/種族/外見を正確な形で定義・説明することは禁止されています。これはSCP-2944-JP戦略的対処プロトコル(暫定版)に基づきます。以下は財団誤伝達部門によって精査された断片的な許可済み情報です。すべて無害な表現的改編が為されていることに留意して下さい。

3424645268_fa36069026_q.jpg

SCP-2944-JPの画像。状況不明。

  • 大喰おおぐらいに引千破ひっちゃぶあぎと1
  • 遠きに掻き抱く鈎爪the claws that catch continental
  • 尾揃おそろしき這いずり。
  • 烱烱爛爛けいけいらんらんと燃えめく4対もの両の眼2
  • おぐらてしきTiefenpsychologieの奥より、羽根飄々と風切り移ろい飛び来たる。龍。
  • 空白
  • 空白

以上です。

SCP-2944-JPは人類に対し文明スケールで極めて敵対的であり、自身の異常性を完全には制御できていないにもかかわらず、その濫発汎用な意味論的修辞改変を通した基底世界源理秩序の崩壊(AK-クラス"狂気",RK-クラス"無因果再構成",ER-クラス"至上君臨"シナリオの発生を含む)を齎すことを希望し、それを動機として行動していると考えられています。

SCP-2944-JPの源理改変プロセス(当報告書ではこれ以降"解体"と表記されます)は多様な結果を産み出すものでありながら、極めて単純な道筋に沿って作用します。即ち、形而上における語義の破壊的変換と固定・現出を通した形而下世界への干渉です。SCP-2944-JPの解体対象となった事物は一見無関係なワードサラダ様に抽象化/曖昧化され、それに伴う語義の崩壊が認知と現実の著しい不協和をもたらしつつ滝流連鎖カスケード的に影響が滲出することにより、付随する物理法則の根底から壊変の影響を逃れ得ません。

源理改変については、白波瀬博士による源理改変のオリエンテーションの書き起こしを参照して下さい。

起源/発見: 複数の状況証拠から、SCP-2944-JPは現在までのところ財団サイト-81AMにおける3つのオブジェクトの未認可偶発的相互作用(オブジェクト・クロス4)によって発生したと推測されています。発生当時の20██/06/03、サイト-81AMはGoI-101-y("カリュスポの根冠")5による同時多発的な襲撃を受けており、完全な収容機能を維持することが困難な状態でした。

以下は、20██/06/03以前に記録されていた各オブジェクト(現時点でそれぞれSCP-2944-JP-A,-B,-Cと指定)の概要です。

補遺: その発生から現在に至るまでの間、SCP-2944-JPは自身の異常性を無差別に行使することで直接的/間接的に基底世界源理秩序へと多大なダメージを与え続けています。以下は、何らかの形でSCP-2944-JPが行った源理改変の既知のイベントログです。参照性の向上のため、"解体"前の事物は"解体"後はで着色されています。特にこのログは不完全であり、より多くの情報の発見によって変更される必要があることに留意して下さい。

20██/06/04
[13:00頃]

サイト-81AMの常駐監視型AIシステム「Amalgam#86」からの信号途絶に続き、81AM周辺に設置された複数の映像機器がSCP-2944-JPの初期発生段階を記録。サイト-81AMの喪失判定に伴い広域収容統括エリアから派遣された初期評価チームは、81AM周辺の上水道管"解体"の影響により架空送電線、テールランプ、燕巣箱へと改変されていることを確認(目視のみ)。

予防的措置に伴う周辺地域への偽情報テンプレート-74"懸濁"の流布と同時に民間人の避難誘導が速やかに開始される。


20██/06/04
[13:20頃]

SCP-2944-JPが東の方角へと前進を開始する。通過経路周辺に存在するアルファベットが刻印/印刷されている物品表面からヒト脳漿と削り節(Katsuwonus pelamisのもの)が相次いで噴出する。都市部への避難勧告発令。

また、地下水脈"解体"によってSCP-2944-JP付近の地盤が大規模に崩落。中古HDMI端子およそ2万個にSCP-2944-JPが埋没し、一時的に進行が停止する。


20██/06/04
[14:20~19:40頃]

世界オカルト連合による介入の開始。連合による誘導爆撃ユニット-77-C-大型貫通爆弾及び磁気流体爆裂弾MEHEMの使用と制圧力は"解体"により北海道における山雉の異常発生と雷管及び呪的融合媒体の回帰性フラクタル構造化へと改変され、有効性が確認されなかった。SCP-2944-JPは周囲の石英含有土砂国有指定埋蔵文化財及び都市鉱山へと改変されたことにより更に沈降したまま固着する。

この時点で財団はSCP-2944-JPが源理改変実体であると断定。封じ込めを確立させるため物流部門により大量の概念的無固晶6が現地へ配備された。


20██/06/05
[01:10頃]

埋没地点(暫定収容エリア-KEに指定)の周囲は完全に概念的無固晶で覆われ、隔離されたにもかかわらず、SCP-2944-JPの"解体"と思しき異常現象(氷点下6フィート下化、建設用コンパネからの頭を垂れるほどの稲穂発生など)が断続的に確認され続ける。概念的無固晶ケージが緊急仮設されたことに起因する不備であると判断され、再検査が開始される。

形而上学部門による懸案報告の緊急上奏: SCP-2944-JPの源理改変能力がその制御下へと収束/先鋭化しつつある可能性について


20██/06/05
[06:45頃]

日の出。同時に以下の事象が多発的に発生、前後関係は不明。

  • 概念的無固晶ケージの検査員が、その割れ目からSCP-2944-JPの眼を視認する。
  • 暫定収容エリア-KEから東方12kmまでの土壌気化水銀化。
  • 概念的無固晶ケージの原因不明な自重崩壊。
  • エリア-KEに配備されていた人員の内、32%の頭部脱落。
  • SCP-2944-JPの完全な解放。

20██/06/05
[13:4█までに発生]

財団"解体"レンソイスなる牢獄、正統ならざる法的権限主張者、実験的過負荷、イタリアン・プログレッシブ・ロックへの改変、それに続く全世界における30█27█6件を越える源理改変事象の発生。残存勢力により直ちに新組織たる国際確保収容戦線がかつてのGOC(全国連理事国の歴史的崩壊に伴い壊滅)との合併により構築された。


なお、この過程において通常数理学及び10進数が実世界との接続を失い空論化したため、数値の不安定・不完全化が生じている。SCP-2944-JPの前進がさらに進行。


20██/06/05
[未定義:█4までに発生]

病跡学、鳥獣戯画、ストップモーション、疑似相関、Kevin Dooley他20万種以上の概念が人類の合意的現実上から喪失。"解体"後の様態は「極めて多数であること」「認識災害的概念であること」の二点から詳細不明。

源理改変事象の発生件数の分析とSCP-2944-JP-Bの出自を加味し、自然環境(特に太陽光)とSCP-2944-JPの源理改変能力との間に相関性が存在する可能性について仮説が提唱される。各種概念兵器の使用に平行して、有効な対抗策として気象環境操作が実施され始める。


20██/06/05
[未定義:████.█までに発生]



日が落ちない。


20██/06/05
[未定義:████.█までに発生]

以下の文書が収容戦線司令部の保護されたサーバー上へと出現する。

少なくとも、文字の上では全てが真実になる。君たちの宇宙の法則はそう決まっている。だが、こんなことが起きるとは思わなかった。予定された筋書きは既に崩壊しつつある、私は、後3時間足らずのデッドエンドに向かって正しく決着が付くよう尽力しなければならない。君たち自身もだ。

すまない。私は、ただ誤字らという世界の欠陥を通して、あの一過性の狂熱へ再び意味を与えたいだけだったんだ。


????/??/??
[??:??]

"解体"永遠にして至上なる光翼が全天へと展開される。著しい太陽の光量上昇(1200%以上[オーバーフロー])。地球地表の不居住化宣言の発令。


この時点で、あらゆる抵抗無意味となり、SCP-2944-JPによる源理支配構造が確立されたことが判明しています。


補遺2: 以上の記録が明白に示している世界終焉シナリオの実現にもかかわらず、財団は現時点で存在を止めていません。以下に示される回収記録によれば、この矛盾はSCP-2944-JPが20██/06/06,[23:59]に自発的に崩壊したことに起因するとされています。

注記


以下の資料は、財団保有記録機器"解体"の結果として一面に広がる草原へと改変・散逸していたことによって偶発的に回収されたSCP-2944-JP-A,-Bによる音声記録の断片を、未詳資料/目録編纂室が再構成したものです。閲覧する職員は、上記の点に留意して下さい。


— 未詳資料/目録編纂室:81管区室長代理、転眼式見



オーディオログ
TIMESTAMP MISSING


もうじき全てが正しくなる。帝国の再興は遂に成る。

なぜこんなことをする?


弁語人、貴君も光栄に思うべきだ。
君のその能力が無ければ、私もここまでのことは出来なかった。

僕は理由を聞いているんだ。なぜ忘れ去られるべき墓を暴いた?


それが我々の正統世界であるから。母なる大地であるから。

既に消えてしまって、
再び日の目を見るrevisionことも出来ないというのに?


貴君もそうであろう。
既に忘れられた過去の遺物。
一過性の狂熱。
我々の違いが何処にある?

ああそうかもしれない。
だが僕の頁は未だに残り、めくられ続けている。


だからこそ、我々とは根本的に違うとでも述べたいのか。

いいや。だが僕は、
こんなことをしてまで花道に返り咲きたいとは思わない。

僕はただの事務員で、
同僚と穏やかに「意味の無い」日々を過ごしていく。
それだけで良かったんだ。

それだけで……


そんな日々はもう来ない。
Weltanschauungは我々の色となった。
いまここから!我々の偉大なる復古が始まる!
誰にも止めること能わない永劫の先進が!

いいや「誰にも」じゃない。僕がまだここにいる。


単語の羅列しか出来ない貴君に何が出来る?
この世界の法則は既に、この司法卿たる子猫ちゃんへと握られたと言うのに!

……今、何をした?

仰るとおり、僕には意味の無い単語を羅列することしか出来ない。
だけど、だからこそ、君のここまで苦心して造り上げたトーンを崩すには、
「無意味にするには」十分だ。

紅葉狩り、オーバーテクノロジー、誤報、いちごオレ、カモフラージュ、OCG、レイリー散乱、若奥様、ソラリゼーション。


やめろ!これは一体一行で笑ったら寝ろ、ぬめり、『それは暗い嵐の夜のこと……』、おつカレーライス飲食禁止、アウフヘーベン、爆買い、カントールの塵、バクスター効果、一挙両得、つっけんどんな爆弾低気圧、個人情報保護法、ドーナツ化現象、ランサムウェア・ビーサムウェア、@頑張らない、マイルストーン、幕府、デブ大騒ぎ。

空白

駿台、インスタ映え、同族嫌悪、進捗どうですか、ハイディンガーのブラシ、疼痛、もうこれは「崇高な使命に殉ずる臣民の話」じゃない。文字characterの羅列が織りなす、ただただ胡乱で出来の悪いクラックフィックに堕した凡作だ。

空白

馬鹿な!そんな馬鹿な!こんなふざけたことがパルプ・フィクション、バク転土下座、おサイフケータイ、B級映画、殺人の謎、スライドムービー、猛暑の、その通り、これは単なる馬鹿騒ぎだよ。ノルハルマン、爆発、エディントンのイプシロン、美味、インターネット、墾田永年私財法、ベルメスの顔、見た目以上に、今更気づいても後の祭りだ。無限の猿定理、バックアタック、No.107、アルキメデスの牛の問題、ヌン茶、ミートソーススパゲティ、言わせんな恥ずかしい、さあ、来なよ。朝顔に つるべとられて もらい水、割れ窓理論。

空白
空白

打ち鳴らそうぜ。

空白
 
空白
 
空白

空白
 
空白
 
空白

刻 未だ満ちぬ


空白
 
空白
 
空白
 
空白
 
空白
 

 
空白
 
un reloaded……
 
空白
 
空白
  
空白
 

[回収された記録 終了]

上記の文書は全て、財団深淵目録サーバーから回収された内容から復元可能な部分を解読し、再構成したものです。内容から推察される事項は、SCP-2944-JPが自身を"解体"し、意味を持たない無数のワードサラダへと改変・希釈消滅したことを明示しており、そしてその結果、現実に劇的な変化が生じ、SCP-2944-JPの発生直前と変わりなく再構成されたという可能性を暗示しています。

SCP-2944-JPと関連する事象を記憶していたのは特定のサイトディレクター、監督評議会メンバー、財団深淵目録サーバーに関する情報を集めた元国際確保収容戦線所属職員、そしてサイト-81AMの検査室において大量のアマリリス(Amaryllis)に埋没する形で発見されたSCP-2944-JP-Aのみでした。

監督評議会は、これ以上のSCP-2944-JPに対する調査を賛成10-反対2-棄権1で「無意味」と決議しています。現在最重要監視下に置かれているSCP-2944-JP-Aにこのまま更なる異常現象の兆候が確認されなければ、SCP-2944-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedへと再指定される予定です。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。