SCP-2960-JP
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SCP-2960-JP-1(左)およびSCP-2960-JP-2(右)

アイテム番号: SCP-2960-JP

収容クラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2960-JPはそれぞれ、サイト-8155の別々のヒト型実体収容ユニットに収容されています。収容業務には標準ヒト型実体収容手順が適用されます。

説明: SCP-2960-JPは、58歳のモンゴロイド男性である柴田謙三(SCP-2960-JP-1)、および37歳のモンゴロイド男性である横山圭一(SCP-2960-JP-2)の総称です。

SCP-2960-JP-1は、東京都の私立大学における生物物理学の教授でした。SCP-2960-JP-1は、49歳の妻、および23歳と17歳の娘と共に生活していました。SCP-2960-JP-2は、北海道の実家に住む引きこもりでした。SCP-2960-JP-2は、64歳の母親と共に生活していました。SCP-2960-JP両者に超常社会との関連は確認されていません。

SCP-2960-JPの両者は、2018/10/16以降、互いの性器の触覚および性感ならびに射精のタイミングを共有しています。


補遺2960-JP-1: 収容以前の特異性発現事例

事例#001


日時: 2018/10/16

概要: SCP-2960-JP-1は、大学における講義中に突然股間を抑え、「突然の腹痛」を理由に講義を中断してトイレに駆け込みました。約7分後、SCP-2960-JP-1はトイレから戻り講義を再開しました。以降、同日行われた複数の講義において、7回に渡って同様の事例が発生しました。なお、5回目の事例ではSCP-2960-JP-1は教室から出る直前で停止し、ため息をつきながら講義に戻りました。当時のSCP-2960-JP-2の行動は未特定ですが、複数回連続して自慰を行っていたと推測されています。

事例#002


日時: 2018/10/17

概要: #001における異常な事例から、SCP-2960-JP-1は講義を休んで近隣の泌尿器科を受診しました。尿検査および血液検査を終えたSCP-2960-JP-1はそのまま帰宅しましたが、帰路において複数名の民間人が、うずくまっているかズボンの股間部分に染みができていたSCP-2960-JP-1を目撃しています。帰宅後、SCP-2960-JP-1はスーツをクリーニングに出しました。当時のSCP-2960-JP-2の行動は未特定ですが、複数回連続して自慰を行っていたと推測されています。

事例#003


日時: 2018/10/18

概要: SCP-2960-JP-1は前日同様講義を休み自宅にて休養していましたが、1日の大半をトイレの中で過ごしました。しかし、家族がトイレを使用している時間もあったため、SCP-2960-JP-1は妻との共用の部屋にて複数回ティッシュを使用しました。複数回かつ長時間トイレに籠っていたSCP-2960-JP-1を心配した妻が119に発信しましたが、途中でSCP-2960-JP-1が強引に通話を切りました。当時のSCP-2960-JP-2の行動は未特定ですが、複数回連続して自慰を行っていたと推測されています。

事例#004


日時: 2018/10/19

概要: #002や#003における不審な情報をもとに、警察官に偽装した財団フィールドエージェント吉田翔がSCP-2960-JP-1の自宅を訪問しました。妻に呼ばれたSCP-2960-JP-1が当該エージェントの前に現れましたが、直後に股間を抑えて苦しみ始めました。SCP-2960-JP-1は慌ててトイレに駆け込もうとしましたが、足を滑らせて転倒しました。立ち上がったSCP-2960-JP-1のズボンの股間部分には染みができていました。SCP-2960-JP-1はその場で泣き崩れました。

妻や家族の協力の下、エージェント吉田はSCP-2960-JP-1に発生している異常現象についてインタビューしました。以下はその内容です。

音声記録


<記録開始>

エージェント吉田: 落ち着きましたか?柴田さん。

SCP-2960-JP-1が鼻をすする。

SCP-2960-JP-1: 本当に申し訳ない。あんな、あんなお見苦しい様をお見せしてしまって。

エージェント吉田: そんな、気に病まないでください。ただ、その — ちょうど、そのことについてお訊きしたかったんですよ。

沈黙。

SCP-2960-JP-1: あの。それは、どういう。

エージェント吉田: 率直に伺います。最近、突然股間に違和感を覚えたりしてはいませんか?

SCP-2960-JP-1: えっ、いや — はい、そうです。確かに — あまり人様に言えたことではないですが、いきなり誰かが私のものを、その — しごく、って言うんですか。そうしているように感じることがあって。

エージェント吉田: やっぱり。それは、いつ頃からですか?

SCP-2960-JP-1: 本当に、数日前からです。講義中に急に — 何と言うか、触られている感じがして。慌ててトイレに駆け込むことで凌いではいたんですが、やはり限界があって。それで、最近は講義を休ませていただいています。

エージェント吉田: なるほど。先ほども、その — 発作、と言えば良いのでしょうか。触られている感覚があったと?

SCP-2960-JP-1: ええ。本当に、唐突にやってくるんです。だから、どうしても対処しきれない時があって、それで —

SCP-2960-JP-1の嗚咽。

エージェント吉田: その、大変でしたね。そこでなんですが — こちらで少し、より専門的かつ迅速な検査や治療が受けられる場所を提案できます。受けてみませんか?

沈黙。

SCP-2960-JP-1: 勿論。勿論、お願いします。もう、こんなんじゃまともに生活できない。助けてください。どうか、どうか。

エージェント吉田: わかりました。では、早速手配します。

<記録終了>

同時刻、SCP-2960-JP-2が股間に激痛を訴え、母親が119に発信しました。自宅に救急車が派遣され、SCP-2960-JP-2が搬送されました。搬送先の病院においてSCP-2960-JP-2は問題なしと診断されたものの、2つの事例の発生した時刻が一致していたことから、警察官に偽装したエージェント多賀圭太が後にSCP-2960-JP-2の自宅へと派遣されました。

SCP-2960-JP-2はインタビューを拒否しましたが、エージェント多賀が警察官を名乗った後、自室内で行うことを条件にインタビューを許可しました。以下はその内容です。

音声記録


<記録開始>

エージェント多賀: 協力ありがとうございます、横山さん。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: で?訊きたいことって?

エージェント多賀: えー、そうですね。あなたは先日 — 具体的には10月19日に、股間の激痛で救急外来に搬送されていますね?

SCP-2960-JP-2: あれか。あれは、ババアが大袈裟に騒いだだけだよ。確かに — まあ、そのなんだ、結構痛かったけど、結局大したもんじゃなかったわけだし。

エージェント多賀: なるほど。ちなみに、痛みが走ったのは何をしていた時でしたか?

沈黙。

SCP-2960-JP-2: 何って、そりゃまあ — ゲームとか —

エージェント多賀: あー、答えにくいですよね。ではこちらから申し上げますが、オナニーの最中だったのではありませんか?

SCP-2960-JP-2が立ち上がる音。

SCP-2960-JP-2: お、おま — おま、何で、何で知って —

エージェント多賀: やはりそうでしたか。大変言いにくいのですが、そうなると少し厄介なことがあなたのそれに起きている可能性があります。

SCP-2960-JP-2: え、いや。ちょっと — 何だよ、厄介って。

エージェント多賀: 場合によっては、あなたの命に関わるかもしれません。ですので、早急にこちらが案内する施設で検査を受けていただかないといけません。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: なあ — そんなにヤバイのか?俺の。

エージェント多賀: はい、恐らくは。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: ババアにも話してきてくれ。そしたら、ちょっと考える。

エージェント多賀: ありがとうございます。

<記録終了>

結果として、SCP-2960-JPの両名はサイト-8155へと移送され、性器への刺激実験によって異常性が特定されました。特別収容プロトコルが制定され、両名は異常性の説明の後にそれぞれ別々のヒト型実体収容ユニットに収容されました。


補遺2960-JP-2: 収容以後の関連事案

事案#001


日時: 2018/10/26

概要: SCP-2960-JP-1が、収容ユニット内でうずくまった後に併設のトイレへと駆け込みました。直後、SCP-2960-JP-1は担当博士に対し、SCP-2960-JP-2との対話を要求しました。結果として、対話は音声通話という形で実現されました。以下はその内容です。

音声記録


<記録開始>

SCP-2960-JP-1: なあ。

沈黙。

SCP-2960-JP-1: 名前を知らないから、取り敢えず君と呼ばせてもらうがね。

沈黙。

SCP-2960-JP-1: 君も、ここに来るときに説明されたはずだろう?我々の — その、何だ — これの感覚は、お互いに共有されているんだ。まさか、もう忘れてしまったわけではないだろう?

沈黙。

SCP-2960-JP-1: なあ、お願いだ。やめてくれ。こっちも、突然されてしまうと — えー、困るんだ。だから頼むよ、あれをするのはやめて —

SCP-2960-JP-2が机を叩く音。

SCP-2960-JP-2: 無理に決まってんだろ、そんなん!俺だってよ、あんたに迷惑がかかると思って何日かは耐えてたんだぜ?見ず知らずのあんたを、その — 辛い目に遭わせるのもな、とか思ってよ。でも、でもな!もう限界なんだよ!あんたも知ってんだろ、俺はここに来る前は毎日しこってたんだぜ!?そんなんで、いきなりはいもうオナニーやめてくださーい、なんて無理に決まってんだろうが!

SCP-2960-JP-1: し — 知らないよ、そんなことは!少なくとも、私はここ数十年オ — そんなことなんてしていない!

SCP-2960-JP-2: あんたはそうかもしれねえがな。俺は十何年もののヒキニートよ、ヒキニート!毎日毎日やることなんて飯食ってゲームして寝る以外にはしこるぐらいしかないんだから、そりゃしたくもなるだろうが!

SCP-2960-JP-1: だから、知らないと言っているだろう!君が引きこもりだから何だと言うんだ!君が引きこもりだったら、私が仕事に行けなくなるくらい苦しんでも良いって言うのか!

SCP-2960-JP-2: それこそ知ったこっちゃないね!こちとら社会不適合者だ、あんたみたいに順風満帆な人生を送ってきた輩には俺の気持ちなんてわかんねえんだよ!

SCP-2960-JP-1: あー、そうか!もう良い、わかった。君と話しても埒が明かない。先生に何とかならないか相談することにする。全く、何で私がこんな迷惑を被らないといけないんだ。

SCP-2960-JP-2: その言葉、そっくりそのまま返すぜ!クソ野郎。

<記録終了>

SCP-2960-JP-1による相談を受け、収容チームにおいて議論が行われました。結果、SCP-2960-JP-2へのテストステロン減衰剤の処方が認められました。以降、類似事案は発生していません。

事案#002


日時: 2018/11/13

概要: SCP-2960-JP-2が、深夜に起床し股間を抑えながらトイレに入りました。翌朝、SCP-2960-JP-2はSCP-2960-JP-1との通話を要求し、担当博士はこれを許可しました。以下はその内容です。

音声記録


<記録開始>

SCP-2960-JP-2: なあ、あんた。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: こないだは、大層なこと言い散らかしてくれたよな?なあ。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: あれからよ、薬のお陰で — まあ、することはなくなったよ。それは良いんだ。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: 昨日 — いやまあ今日か、とにかく、夜中の3時ぐらいに、だ。

沈黙、

SCP-2960-JP-2: したよな、あんた。

沈黙。

SCP-2960-JP-1: してない。

SCP-2960-JP-2: やめろよ、そんな無駄な嘘。あんたに俺がしてるタイミングがわかったように、俺もあんたのそれはわかるんだよ。それくらい —

SCP-2960-JP-1: してない!私がそんなことをするはずがないだろう。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: あん時、散々迷惑だの何だの言ってくれたよな。

沈黙。

SCP-2960-JP-2: それなのに — あんた、今度はあんたがしちまったのか?

SCP-2960-JP-2の堪えきれていない笑い声。

SCP-2960-JP-2: おっさん、結構な年なんだろ?で、ここ何十年かしてねえんだろ?それで?

沈黙。

SCP-2960-JP-2: それで、あんた久々にオナっ —

SCP-2960-JP-1: うるさい!

SCP-2960-JP-2の笑い声、およびSCP-2960-JP-1の震える呼吸音。

SCP-2960-JP-2: いやあ、面白れえわ、あんた。まさか、良い年こいたおっさんが — その年でまたオナニーの良さに目覚め —

SCP-2960-JP-1: うるさい!君 — 君だって、結構良い年してるんじゃないのかね!?

SCP-2960-JP-2: 多分あんたほどじゃねえよ、ジジイ!

SCP-2960-JP-2の笑い声、およびSCP-2960-JP-1の震える呼吸音。

SCP-2960-JP-2: いやあ、傑作だわ全く。まあ、でもお陰であんたの気持ちがちょっとわかったわ。だからよ、今度は俺から提案だ。

SCP-2960-JP-1: 何だ。

SCP-2960-JP-2: その — するタイミングを決めといてよ、一緒にしちまおうぜ。

SCP-2960-JP-1が立ち上がる音。

SCP-2960-JP-1: は!?

SCP-2960-JP-2: いやだってよ、自由な時にオナっちまったらお互いに困るだろ?だから、この時間にするって前から決めとけばよ、お互い気持ち良くなりたいタイミングで気持ち良くなれるってわけよ。な?

SCP-2960-JP-1: な、じゃない!いい加減にしてくれ、私は病室に戻るからな!

SCP-2960-JP-2: じゃあこっちで決めるけどよ、昼10時とか —

通話がSCP-2960-JP-1によって終了される。

<記録終了>

通話後、SCP-2960-JP-2はテストステロン減衰剤の処方の停止を要求しました。収容チームによる3回の議論がなされ、結果としてテストステロン減衰剤の処方は停止されました。

事案#003


日時: 2018/11/17

概要: 10:00am、SCP-2960-JP-1はトイレに入りました。同時刻、SCP-2960-JP-2は当時行っていた読書を中断し、股間を一瞥した後にトイレに入りました。約5分後、SCP-2960-JPの両名はそれぞれの収容ユニットに戻りました。

同日、SCP-2960-JP-2はSCP-2960-JP-1との通話を要求し、担当博士はこれを許可しました。以下はその内容です。

音声記録


<記録開始>

SCP-2960-JP-2: やったな、あんた。

沈黙。

SCP-2960-JP-1: その。

沈黙。

SCP-2960-JP-1: これからも頼む。

SCP-2960-JP-2が噴き出す。

<記録終了>

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