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壁に出現したSCP-2961-JPの顔
アイテム番号: SCP-2961-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2961-JPは、サイト-8102の、窓がなく二重扉のついた小型生物収容セルに収容されます。担当者は、収容セル内に設置された監視カメラを用いて収容状態を確認してください。収容セル内に設置する物品は全て無機物である必要があります。収容セル内部の清掃、物品の交換及びSCP-2961-JPへの給餌は、金属部品のみで構成されたロボットを使用して行ってください。実験以外での職員の収容セル内への立ち入りは禁止されています。
説明: SCP-2961-JPは、異常性を有するアフリカオオコノハズク(Ptilopsis leucotis)です。性別は雄で、収容当時の体長は18cm、体重は197gです。SCP-2961-JPは、顔のパーツ(目、嘴)の位置を自由に移動させることができます。顔のパーツの移動先として、現在まで実体の顔盤1付近を始めとした身体各部、及びSCP-2961-JPの視界内にある有機物2の一部が確認されています。
SCP-2961-JPは、20██年6月██日、当時タンザニア連合共和国(以下タンザニア)を訪れていた遇巣研究員が、「壁にフクロウの顔が現れる」という都市伝説を現地住民から伝聞したことにより調査が開始されました。調査開始から██日後、タンザニアのタランギレ国立公園内にある███████████ロッジにてSCP-2961-JPの顔が発見され、その後身体を含めて収容されました。収容後、SCP-2961-JPを目撃した現地住民や旅行客に対してはクラスB記憶処理が実施されました。
インタビューログ2961-JP#1:
以下は、SCP-2961-JPの収容以前に、SCP-2961-JPを目撃した現地住民を対象として行われたインタビューの一例です。
対象: タンザニア、███████████ロッジのオーナー
インタビュアー: 遇巣研究員
付記: 可読性を高めるため、会話は日本語に翻訳されています。
<録音開始>
遇巣研究員: 少しお時間宜しいでしょうか。
オーナー: 何かしら?
遇巣研究員: この辺りで夜、壁にフクロウの顔が現れるという噂を耳にしたのですが。
オーナー: [沈黙]
遇巣研究員: 何かご存知ですか?
オーナー: [ため息]知ってるどころか、何度も見てるわよ。信じてもらえないかもしれないけど。
遇巣研究員: もし差し支えなければ、その時の話を詳しくお聞きしても?
オーナー: 聞きたいの?[3秒沈黙]わかったわ。私を馬鹿にしようっていうんじゃなさそうだからね。
遇巣研究員: ありがとうございます。
オーナー: そうね、ええと、最初にソレを見たのは、確か、そう、丁度そこの廊下よ。夜、そこの廊下を歩いていたらふと壁の一部が顔に見えたの。最初は見間違いだと思ったのよ、暗かったし。でも、違ったの。
遇巣研究員: それがフクロウの顔だったと。
オーナー: そうよ。見て、普通の木の壁でしょ、でも明らかにソレは木の質感じゃなかったの。てらてら光る目と嘴が暗闇の中に見えて、その光景が脳裏にこびりついてずっとそのままよ。
遇巣研究員: 成程。ソレはどのくらいの頻度で現れるのでしょうか?
オーナー: そうね、[2秒沈黙]1週間に1度くらい?今まで多分4、5回は見ているわ。もう疲れちゃった。最近はあらゆるものがフクロウの顔に見えて、ずっとビクビクしっぱなしで。寝不足だし、おかげでミスも増えちゃった。
遇巣研究員: 怖かったでしょうに、貴重なお話をありがとうございます。一刻も早くその恐怖から解放されることを祈っております。
オーナー: ええ。こちらこそありがとう。聞いてもらえて良かったわ。[ため息]本当に、アレは何なのかしらね。
遇巣研究員: それは私にも分からないのです。ですが、襲ってくるような素振りはなかったのですよね。
オーナー: ええ、でも、フクロウなら森にいればいいのに、わざわざ人のいるところに出てくるってことは、悪意があるんじゃないかしら。本当に、気味が悪いわ。
<録音終了>
実験記録2961-JP: SCP-2961-JPの収容セル内に対象を配置し、SCP-2961-JPの反応の確認を行いました。
| 対象 | 結果 | 注記 |
|---|---|---|
| 一般的な樫の木片 | 対象を配置してから30秒後、対象の表面にSCP-2961-JPの顔が転移。その更に27秒後に再び顔が身体に戻った。 | |
| 異常性のないラット1匹 | SCP-2961-JPが対象を認識してから5秒後、SCP-2961-JPの嘴が消失。更に8秒後、ラットは悲鳴を上げながら倒れ、そのおよそ1分後にラットの腹部から嘴の先端が確認された。対象はその後SCP-2961-JPに捕食された。 | 対象自体が視界に入っていれば、その内部に顔を転移させることも可能なようです。SCP-2961-JPはこの方法を収容以前の狩りでも使用していたと推測されます。 |
| 異常性のないアフリカオオコノハズク1羽 | SCP-2961-JPは羽角3を立てて細くなり4、対象から最も遠い隅へと移動した。対象を収容セルから回収するまで、状態は変化しなかった。 | |
| D-2961-JP-1 | 対象がSCP-2961-JPに注目すると、SCP-2961-JPは自身の顔のパーツを高速で回転させ始めた。しかし、対象がSCP-2961-JPの行動に対して嫌悪感を示すと、SCP-2961-JPの顔は直ちに元の状態へと復帰した。続いてSCP-2961-JPは対象の左手背に顔を転移させたが、その際も対象の反応及びSCP-2961-JPの対応は同様であった。その後、SCP-2961-JPは対象が苛立ちや不快感を示していることを確認し、羽角を立てて部屋の隅へと移動した。 | 実験後、対象にはいかなる健康状態への影響も見られなかった。 |
事案2961-JP#1:
202█年██月██日、SCP-2961-JPが餌を食べない、部屋の隅に座り込み動かないなどの異変が見られたことから、財団獣医師による機械を用いた間接的な健康状態の検査が実施されました。しかし、検査の結果に特に異常が見られなかったことから、先の異変は身体面ではなく精神面によるものであると推定されました。SCP-2961-JPのこれ以上の衰弱を阻止するため、早急な対応が求められます。
補遺: 2024年██月██日、遇巣研究員がSCP-2961-JPの新しい研究主任に就任しました。この人選は、遇巣研究員が鳥類型オブジェクトの特性や感情等を些細な仕草から推察する能力を所持しており、他の鳥類型SCPの収容、研究に対して多くの功績を残していることを考慮してのものです。
メモ: SCP-2961-JPの精神状態の悪化は、収容以前のストレスの蓄積に加え、実験におけるD-2961-JP-1の反応が決め手になっていると考えています。D-2961-JP-1が対応を間違え、それによってSCP-2961-JPが傷付いたのだとしたら、逆に正しい反応を返せばその傷を癒すことができると考えられます。研究主任として、この仮説を裏付ける新たな実験を行います。-遇巣研究員
実験ログ2961-JP#7:
対象: 遇巣研究員
<録画開始>
[遇巣研究員がSCP-2961-JPの収容セル内に入室する。]
遇巣研究員: こんにちは、SCP-2961-JPさん。
SCP-2961-JP: [遇巣研究員から離れるように数歩移動する。]
遇巣研究員: [その場にしゃがみ込む]私は遇巣と申します。突然ですが、私と「にらめっこ」をしませんか?
SCP-2961-JP:[遇巣研究員を見つめ、首を傾げる。]
遇巣研究員: 「にらめっこ」というのは、できるだけ面白い顔をして、相手を笑わせた方が勝ち、というゲームです。
SCP-2961-JP: [遇巣研究員を見つめている。]
遇巣研究員: いいですか?じゃあ始めますからね。[2秒沈黙]あっぷっぷ。[両頬を掴んで外側に引き、目を人差し指で吊り上げる。]
SCP-2961-JP: [羽毛が少し膨らんだように見える。]
遇巣研究員: これでどうですか?[両手を離し人差し指で鼻の先を押し上げる。]
SCP-2961-JP:[遇巣研究員を見つめている。]
遇巣研究員: これなら?[瞳を中央に寄せて舌を出す。]
SCP-2961-JP:[顔のパーツを中央に寄せる。]
遇巣研究員: [吹き出す][笑い]
SCP-2961-JP: [鳴き声を上げ、羽毛が大きく膨らむ。驚いているように見える。]
遇巣研究員:[笑い]私の負けです。SCP-2961-JPさん、お強いですね。
SCP-2961-JP:[目を細め、笑っているような表情になる。]
<録画終了>
実験2961-JP#7の後、SCP-2961-JPの精神状態に大幅な改善及び体調の回復が見られました。
この結果を受けて、SCP-2961-JPの特別収容プロトコル及びオブジェクトの説明の改訂が行われました。
特別収容プロトコル: SCP-2961-JPは、サイト-8102の、窓がなく二重扉のついた小型生物収容セルに収容されます。担当者は、収容セル内に設置された監視カメラを用いて収容状態を確認してください。収容セル内に設置する物品は全て無機物である必要があります。収容セル内部の清掃、物品の交換及びSCP-2961-JPへの給餌は、金属部品のみで構成されたロボットを使用して行ってください。実験以外での職員の収容セル内への立ち入りは禁止されています。しかし、SCP-2961-JPの精神状態を良好に保つため、最低1日1回は事前に許可を得ている担当の職員5がSCP-2961-JPと交流を行う必要があり、そのための入室は例外的に許可されます。
説明: SCP-2961-JPは、異常性を有するアフリカオオコノハズク(Ptilopsis leucotis)です。性別は雄で、体長は18cm、体重は197gです。SCP-2961-JPは、顔のパーツ(目、嘴)の位置を自由に移動させることができます。位置の移動は顔の範囲内を始め、別の部位や、視界に入った別の有機物の一部に転移させることも可能です。SCP-2961-JPは人間に対して非常に友好的であり、人間を含む非捕食対象の生物を視認すると、積極的に顔のパーツを動かして対象を笑わせようとします。SCP-2961-JPは他者を笑わせることで喜びを感じ、逆に怖がらせたり不快に思われたりした場合には気分が落ち込みます。これは、SCP-2961-JPが高い社会性を持ち、笑顔を用いた円滑なコミュニケーションを試みているためと考えられています。
メモ: 大抵の人間は、笑っている人間に好感を抱き、怒っている人間を怖がります。彼もそれと同じだっただけです。笑わせたいという気持ちはあったのに、少しだけ、技術が足りていなかった。ただそれだけなのです。-遇巣研究員



