アイテム番号: SCP-2964
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 財団検閲プロトコルが世界中のインターネットサービスプロバイダで現在アクティブであり、主要なインターネットバックボーンに組み込まれているフィルタリング装置がSCP-2964へのアクセス防止のために現在採用されています。
財団WebクローラはSCP-2964の直接言及、並びにSCP-2964を描写している/SCP-2964への接続手段の指示を提供していると思われる記事を積極的に検索しています。このように検出された記事は全て削除し、執筆者は追跡して、尋問後に(必要に応じて)クラスAまたはクラスB記憶処理を施します。
SCP-2964は財団に対してセキュリティ侵害の重大なリスクを呈しているため、適切な収容が可能になるまではその存在に係る知識を一般社会から秘匿する事が不可欠となります。
如何なる状況でも、財団職員はSCP-2964の配信動画の視界を恒久的に遮るような行動を意図的に取ってはいけません。
説明: SCP-2964は“Xtreme Videozzz”エックストリームビデオズズズという名前で運営されている動画配信サービスであり、IPアドレス███.██.███.█に直接接続すれば全ての現代的Webブラウザでアクセス可能です。このアドレスを追跡する試みは現在まで成功しておらず、有効な位置を突き止められていません。
接続するとSCP-2964は現代の動画配信サービスと同じような形式で機能しますが、例外として、利用可能なコンテンツの大半はSCP-2964外に存在しないものです。ここには実在しない俳優や監督が出演・制作した映画やテレビ番組、既知の俳優や監督が出演しているが撮影関係者とされる人物は関連知識を持たない映画やテレビ番組、繊細もしくは機密性を有するテーマを幅広く扱うドキュメンタリーなどが含まれます。
SCP-2964では毎日新しい動画コンテンツが利用可能になり、頻繁に世界的な出来事についての最新知識を示し、人間に可能とは思われないレベルの動画作成・編集速度を見せています。一例として、20██年に起きた[編集済]事案の17分後には対象を扱った3時間のドキュメンタリーがSCP-2964に現れ、その動画中には未だ放射線を帯びている建造物内の映像が含まれていました。
SCP-2964が公共知識となることによって齎されるであろう重大なセキュリティ侵害 — 財団の存在に関する秘匿性の喪失を含む — のため、SCP-2964を一般視聴者から遠ざけるためにはあらゆる努力が行われるべきです。機動部隊ミュー-7(“カー・ダウンローダー”)はあらゆるセキュリティ侵害に対処し、所在が特定された場合にはSCP-2964の原点を収容するために待機状態を維持します。前述の所在地を明かす潜在的情報が無いかを探るために、SCP-2964のコンテンツは定期的に監視されます。
観測ログ2964-A抜粋:
以下はSCP-2964で発見された注目すべきコンテンツの簡潔な要約です。完全版のログを閲覧する場合は上級研究員に連絡してください。
- “ポリス・アカデミー”シリーズの未公開映画26本。撮影後に公的に死亡が宣言されている出演者も含め、完全なオリジナルキャストが出演している。監視が始まって以来、同シリーズの新作映画は年間平均2本の割合で追加されている。
- 一般的な土曜日の朝の子供向けカートゥーンと一致するスタイルのアニメシリーズ、“機動部隊エクストリーム”。世界を旅して異常なオブジェクトを収容する非実在機動部隊、“MTFアルファ-オメガ”の冒険を描いている。留意すべき点として、同番組は大幅に誇張されているものの、財団の記録に残されている実際の収容事案をかなり正確に描写している。視覚的スタイルにも拘らず、このコンテンツは若年視聴者層に受け入れられる内容とは見做されていない。
- 財団についての37分間のドキュメンタリー。異常なオブジェクトの存在、それらを収容する手段、数多くの財団サイトの詳細を取り上げている。ドキュメンタリーには財団施設内で撮影された3分48秒の映像が含まれる。保安記録の分析はこの映像が正確であることを示しているが、どのように記録されたかを示すものは見つかっていない。
補遺1: SCP-2964の収容プロトコル開始から2ヶ月1週間後の201█/██/██、SCP-2964に200本以上のドキュメンタリーが、1日あたり“エピソード”10本の率で3週間かけて出現しました。ドキュメンタリー動画は合計で1000時間を超えており、具体的な財団施設・財団に保管されている異常なオブジェクト・特定の収容違反の詳細・財団サイト内で撮影された推定350時間分の映像といった様々なテーマを詳細に扱っています。これらの動画の見直しは、内容が正確であることを示しています。
補遺2: SCP-2964に追加された新たなコンテンツの継続的監視は、一般公開された場合に深刻なセキュリティ侵害を招く題材の割合が憂慮すべき増大を示している点に注目しています。直近2日間には、ダエーバイト文明とその歴史に関する全7部のドキュメンタリーが追加されました。このドキュメンタリーは最後の動画を除き、財団の記録と照らし合わせて正確であると確認されています。最後の動画はダエーバイト文化の既知の滅亡後に起きた出来事や関連人物を詳述しています。これに続き、Keterクラスオブジェクトを担当する多数の上級研究員にインタビューが行われています。動画に出演していた人物たちはそのようなインタビューを受けた覚えはないと主張しています。
補遺3: 継続している毎日の更新の一部として、SCP-2964に“Live-streamzzz”ライブストリームズズズと題された新たなセクションが出現しました。このセクションでは500ヶ所以上からの配信動画を視聴できますが、その多くは平凡であり(多数の身元不明の人々の家の内部、小売店舗、世界の様々な都市の通りが大半を占めています)、存在を確証可能な場所からの生配信であることが確認されています。留意すべき事に、これらの配信のうち11本は、サイト-██、-██、-███の管理官オフィスとSCP-███収容チャンバーをはじめとする財団施設の内部から放送されているようです。複数回の走査にも拘らず、これらの場所のいずれにも記録装置は発見されていません。
補遺4: サイト-██のサイト管理官K███は、自身のオフィスから動画配信が行われている事に気付いた後、“カメラ”の視点を遮る位置に大文字で“████ ███”と書き記した紙切れを配置しました。17分後、彼のオフィスからの配信動画は“お待ちください、技術的問題が発生中です”という文章を表示する静止画面に置換されました。この13分後、SCP-2964の通常の更新に加えて、“█████ K███のビックリするほどエキサイティングな人生”と題された新たな生配信動画が現れました — これは2人分の正体不明の声がサイト管理官K███の行動にリアルタイムで解説を加える実録番組の形式を取っています。この番組は今では複数の“カメラ”を使用しており、本稿執筆時点で3日と13時間に及ぶノンストップ放送を、K███管理官の睡眠中でさえ行っています。
補遺5: 上級職員の定期的な心理学的審査は、本稿執筆時点で3週間と6日間にわたって“撮影”され続けているサイト管理官K███がパラノイアの症状とストレスを増大させていることを示しています。これが視聴されているという認識への自然反応か、SCP-2964の動画が有する何らかの異常効果かは現在調査中です。これらの影響を緩和するために心理的サポートが提供されています。
補遺6: サイト管理官K███は現在、SCP-████の分泌物の誤摂取による深刻な火傷と██████中毒の治療を受けています。事案発生当時のSCP-2964配信を審査していたC█████研究員は、サイト管理官K███を追跡する配信動画の“コメンテーターたち”が当該事案の発生を前以て把握していたと信じ、彼らが管理官のコーヒーを[編集済]と入れ替えたのだと主張しています。C█████研究員はこれを阻止するうえでサイト-██保安職員に接触するのが間に合いませんでしたが、彼の試みによって齎された迅速な反応がK███管理官の命を救ったと考えられています。サイト管理官K███は回復に2週間を要すると推定されています。問題の物質がどのようにコーヒーカップに混入したかの調査は進行中です。
更新: K███管理官の追跡配信は彼の療養期間を通して継続しました。
補遺7: サイト管理官K███はSCP-████の関与した収容違反で殺害されました。生動画配信の審査は、“コメンテーターたち”が収容違反の発生を前以て把握しており、数分かけて雰囲気を整えていたことを示唆しています。管理官の死に続き、過去の“番組”で流れた様々な場面から成る5分間の白黒モンタージュ映像が流れ、その後に配信は終了しました。後日の定期更新で、配信動画の完全な未編集コピーと、エピソードを凝縮したまとめ動画がSCP-2964に追加されました。
SCP-2964がある種の予知能力を持つのか、サイト管理官K███を死亡させた収容違反に積極的に関与していたのかは現在も調査中です。EuclidからKeterクラスへの格上げが提言されており、現在審査中です。
注記: 格上げはO5-█によって承認された。