SCP-2964-JP(仮)
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アイテム番号: SCP-2964-JP(仮)

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2964-JPの各要素が実際に関連しあっており、その結果として導き出されている仮説が正しいとする根拠は現在発見されていません。しかしSCP-2964-JPの各要素が異常性を持っている、あるいは持っていたことは確実であるため、SCP-2964-JP研究チームは古生物学および地質学の領域を中心に、SCP-2964-JPの各要素を相互に関連付けて論じる言説が無いよう注視しています。K-Pg境界とSCP-2964-JPの関係性について着目する研究者が出た場合、Bクラス記憶処理を行ったのち解放してください。SCP-2964-JPは現在仮指定であり、蝶野博士および研究チームによって仮説が実証されたのち、本指定されます。

説明: SCP-2964-JPは、現時点では完全には証明されていない一連の仮説について、相互に関連していると考えられるAnomalousアイテム・超常現象・未解明領域に対して、仮に与えられている包括的指定です。

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ユカタン半島の衛星写真。SCP-2964-JP-3は北西部の弧状のトラフの内側にあたる。

SCP-2964-JP-1は元々AO-23918-JPとしてAnomalousアイテムに指定されていた、破壊耐性を有するティラノサウルス(Tyrannosaurus rex)の骨格化石です。SCP-2964-JP-1は胴椎下部から仙椎、尾椎上部が他の個体と比較して大きく湾曲することで腹腔が大きく取られている点、後肢の異常発達が見られる点以外は通常のティラノサウルス個体の骨格と差異はありません。この骨格からSCP-2964-JP-1は生前25トンを超える体重があったと推定されており、現在発見されている他の個体と比較して3倍以上の体格です。また腹腔が大きく取られていることから、SCP-2964-JP-1個体は下腹部が相当程度肥大しており、生前にも何らかの異常性を保有していたと考えられています。(補遺参照)

SCP-2964-JP-2は約2億年前から1億5000万年前、およそジュラ紀に発生していた、あるいは当該年代の地層に影響を与えたと考えられている異常現象です。このオブジェクトは元々PP-27485-JPとして超常現象としての指定が為され研究が進められていました。

SCP-2964-JP-2の影響を受けている地層では、動物の糞の化石、すなわち糞石が全く見られません。この点を除けば、それ以外の植物の活動の痕跡や動物の骨格化石等は正常な範囲で観測されています。SCP-2964-JP-2は地質学および古生物学の領域において半ば経験的に語られていた現象ですが、財団はこの実証のため地球上の500個所で大規模なボーリング調査を実施しました。その結果、同一の地点においてもSCP-2964-JP-2の影響下にない年代の地層では糞石が見つけられる一方、SCP-2964-JP-2影響下の地層では発見できないことが立証されています。

SCP-2964-JP-3は、元は未解明領域UE-5424-JPとして指定されていた、メキシコ合衆国ユカタン半島に存在するチクシュルーブ・クレーターです。SCP-2964-JP-3の最も顕著な異常は、SCP-2964-JP-2の唯一の例外である点であり、その根拠としてクレーター周辺でのみ最大35mの深さにわたる大量の糞石の堆積層が確認されています。発掘と分析によって、これらの糞は食性を問わない様々な恐竜種に由来するものであることが判明しており、全般的にイリジウムが混入していることが分かっています。また、SCP-2964-JP-1はSCP-2964-JP-3の中心部において発掘されており、この発見がSCP-2964-JP-3の成立について両者を結び付けて検討する契機となりました。

補遺: SCP-2964-JPの各構成オブジェクトの包括的分類はSCP-2964-JP研究チームの蝶野博士より提言されました。蝶野博士は異常生物学部門所属であり、元はその知見からSCP-2964-JP-1の生前の異常性の特定に関する研究を行っていました。蝶野博士はその研究の中で、SCP-2964-JP構成オブジェクトはK-Pg境界の成立に深く関係しているという結論に至り、その過程について以下のようなものであったという仮説を発表しました。この発表を受けてO5と異常生物学部門の協議が持たれ、SCP-2964-JPとしての仮分類が決定されました。

前提: SCP-2964-JP-1が生前保有していた異常性は、『ジュラ紀に存在していた大多数の恐竜個体の糞を自身の大腸内に転移させる』というものであり、破壊耐性はその異常性に付随する副次的なものであった。これはSCP-2964-JP-3周囲に円状に形成された糞石層のほぼ中心に、SCP-2964-JP-1の発掘地点が位置している点から推定された。また、SCP-2964-JP-3周囲の糞石の量とSCP-2964-JP-2事象が発生する確率を元に算出された、SCP-2964-JP-1の生前の異常性に影響された個体数は、ジュラ紀全期を通して存在したと考えられる恐竜個体の少なくとも89%以上とされました。

第1段階: SCP-2964-JP-1が誕生し、何らかの要因によって前述の異常性を獲得する。本個体の誕生によってSCP-2964-JP-2が発生したのか、SCP-2964-JP-2の発生のために逆因果的にSCP-2964-JP-1個体の誕生が誘発されたのかは不明である。

第2段階: SCP-2964-JP-1大腸内にジュラ紀に存在する恐竜個体の糞が転送される。SCP-2964-JP-1の大腸内で糞が圧縮される。

第3段階: SCP-2964-JP-1大腸内の糞が圧縮によって高熱となり、腸内のメタンに引火し燃焼を始める。燃焼後も糞が転送され続けることから、腸内の温度は加速度的に上昇する。この際、圧縮された糞の深部でイリジウム等が生成される。また、この段階に至るまでにSCP-2964-JP-1は下腹部が異常肥大したために、仰臥位の姿勢からほぼ動くことが不可能になっていた。

第4段階: SCP-2964-JP-1腸内の糞が大腸内で圧縮されたことによりシュワルツシルト半径以下に収縮し、極々小のブラックホールが発生する。このブラックホールは大腸壁が事象の地平面として働いたことで、SCP-2964-JP-1が臓器外に有するエネルギーを元にして素粒子が対生成されるに至り、結果的にホーキング放射を起こし発生直後に消滅したと考えられる。このホーキング放射は強力な爆発を引き起こし、SCP-2964-JP-1は腹部破裂により死亡する。この際、大腸内の糞が瞬間的に周囲に飛散すると同時に、SCP-2964-JP-1の骨格は破壊耐性を有した状態で糞の中に埋没する。この痕跡が現在のSCP-2964-JP-3である。

第5段階: 飛散した糞がSCP-2964-JP-1を中心に飛散したことでSCP-2964-JP-3周縁部にドーナツ状に堆積する。この時に放出されたガスが空気中および海中に混入したことにより、海水の酸性化と大量の酸性雨が同時に発生し地球環境と生態系を攪乱した。また、このガスが地球の各地域で引火し大規模な火災が発生したことと合わせて、白亜紀末の恐竜・翼竜・首長竜・アンモナイト等の地球上の7割とも言われる生物種の大量絶滅に繋がった。この痕跡は、現在K-Pg境界として世界各地の地層で観測することが出来る。

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