SCP-2966
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アイテム番号: SCP-2966

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2966は前哨基地117にて収容し、いかなる時でも他のSCPオブジェクトと共存させてはなりません。液化フッ化トリウム原子炉は常時稼働させ、SCP-2966格納容器との熱力学的接触によって直接的に熱交換を行わせる必要があります。SCP-2966の使用前には、少なくとも2.04×1017ジュールの熱エネルギーがSCP-2966格納容器内へ熱力学的に流入可能かどうかを監視機器によって確認します。使用中においては、この熱エネルギー流入の状態が物質消費速度と合致しているかを注意深く監視しておく必要があります。

死傷者発生の危険を最小限に抑えるため、基幹要員を前哨基地117に駐在させます。この機関要員は、液化フッ化トリウム反応炉の維持管理の訓練を受けた職員3人、SCP-2966と反応炉の両状態を監視する研究員4人、前哨基地117が位置する地点の外周25kmを巡回して一般人の立ち入りを阻止する保安要員の4人小隊2組、およびSCP-2966を使用するDクラス職員1人で構成します。

Dクラス職員には1日3回、8時間間隔 (8時、16時、24時) でSCP-2966を使用させます。使用の際は、SCP-2966から最低でも10シートを千切って使うように定められています。SCP-2966が使用される速度を適正化するため、使用時の様子は厳重に監視するとともに、使用中は常時Dクラス職員と交信可能な状態を維持してください。SCP-2966が使用される速度の不可避の変化に対応するため、反応炉上に設置された調整弁でエネルギー出力を適宜調節します。SCP-2966の質量は格納容器に取り付けられたスケールを用いて常時監視し、その結果を監視職員に通達します。

万一SCP-2966が臨界期に達した場合に備え、隣接のより大規模な財団施設への避難および連絡のための手段としてジェット機用滑走路を建設することが現在検討されています。

説明: SCP-2966は異常な性質を持つ█████ブランドのトイレットペーパー1ロールです。インシデント2966-35Aを起こす結果となった質量減少の試みも空しく、このロールは現時点で平均で約█.█キログラムの質量を保持しています。SCP-2966から千切られたトイレットペーパーのシートは、散在した糞便物質を拭き取る上で非常に効果的であることを除いては異常性を示さず、エネルギー的にも安定となります。SCP-2966のロール部分は壁掛け用器具が付属した鉄製のコンテナ内に格納されているため、ロールの交換や除去を行うことが不可能となっています。格納容器に対する非侵襲的実験では容器内部の鮮明な写真を得ることができていませんが、侵襲的実験はSCP-2966の揮発性により非推奨となっています。加えて、格納容器はSCP-2966と反応炉との間での熱移動を可能にするためのメインヒートシンクとしても機能します。そのため、この熱力学的接続部が損傷を受けるとSCP-2966は臨界期に達する恐れがあります。

端的に言うと、SCP-2966の異常性はトイレットペーパーのロールが無限の長さを持っているという点にあります。████年██月██日に収容を開始して以降、約██kmのトイレットペーパーがSCP-2966から除去されてきました。質量または追加のトイレットペーパーを供給する手段は見つかっていないほか、[編集済]試験により、異なる地点あるいは次元から追加分の紙を一時的に取得することはないと判明しています。この現象が与える影響については十分に解明されているのに対し、SCP-2966がこの現象を起こすメカニズムは完全には明らかになっていません。

SCP-2966は質量/エネルギー保存則に従い、不明な方法を通じて、トイレットペーパーを構成する物質を生成するために周囲からエネルギーを吸収します。SCP-2966の1シートは約3グラムであるため、SCP-2966の1シートを生成するのに約2.04×1016ジュール、すなわちおよそ65トンのTNTに相当するエネルギーが必要となります1。SCP-2966のロール内には████シート、すなわち[編集済]メガトンのTNTに相当するエネルギーが存在しているものと推定されています。

一度に10枚以上のシートがSCP-2966から千切られた場合、シートが使用されるのとほぼ同じ速度で周囲のエネルギーを吸収します。実験により使用中には周囲の音エネルギーも減少することが判明しているなど、SCP-2966は選好性を示していませんが、吸収されるエネルギーはほとんどの場合で熱エネルギーの形態を取ります。SCP-2966に動力供給を行う外部エネルギー源が存在しない場合、シート1枚を生成する際に必要とされる大量のエネルギー (2.04×1016ジュール) がその周囲に存在する熱から吸収され、迅速に半径██メートル以内の全物質の温度を絶対零度付近にまで低下させます。この事象はこれまで動力源トラブルの間に2度発生しました。両事例ともに、10シートを千切るための生贄となっていた現地職員が低体温症で即死しました。持続可能な収容方法とは言えませんが、こうした彼らの犠牲によってSCP-2966の臨界が防がれてきました。

SCP-2966は使用されていない場合、最後の使用からn分経過した時点で、毎秒e(█.██)nジュールの速度でそれまでに取得した物質を消費しエネルギーに再変換し始めます。このエネルギーは熱となって周囲に放射されますが、稀にアルファ粒子となって放射されることもあります。特別収容プロトコルにも反映されているように、このエネルギー放射がシート使用によるエネルギー吸収と均衡するまでにおよそ8時間強の時間を要することが分かっています。この再変換の速度は指数関数的に増加するため、SCP-2966は最後に使用されてから約██時間で臨界期に達し、エネルギーの放射速度が急速かつ無限大に増大します。実質的には、この状態に達したSCP-2966は残存質量全てを一瞬でエネルギーに変換することとなります。これはおよそ1x10██ジュール のエネルギー、すなわち████メガトン分の爆発を発生させると推定されています。2 前哨基地117は人里離れた場所に位置していますが、SCP-2966が完全に臨界する事態が起こった場合、財団の体制では対応しきれない程の死傷者が出ると推定されています。

SCP-2966の使用中には、Dクラス職員が時折室温の低下を報告しています。Dクラス職員はまたSCP-2966から千切った紙が非常に心地よく、効果的で強靭であるとも報告します。SCP-2966からシートを千切って、ロールし直した上で財団施設で使用したいという要求は拒否されています。

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