SCP-2967
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収容以前のSCP-2967。

アイテム番号: SCP-2967

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2967とSCP-2967-1は、塩度3.5%の水(海水)を満たした5.5m3の強化ガラス水槽に収容し、水温は常に約8°Cを維持します。この水槽は少なくとも週2回清掃し、この間のSCP-2967とSCP-2967-1は観測用水槽に短期間移されます。SCP-2967収容水槽の上蓋は、清掃と給餌の時を除いて、常時閉鎖状態に保ちます。SCP-2967とSCP-2967-1には毎日、生きた二枚貝、つぶ貝、もしくは小魚をそれぞれ2匹ずつ与えます。SCP-2967と交流する場合は、応答の動機付けとしてエビやカニを用いることが許可されます。SCP-2967とSCP-2967-1は主たる収容中の時間潰しとして、積み木・プラスチック製の魚(食べるには大きすぎる物)・ペンが付属する磁気式お絵描きボードなど数多くの“玩具”を使う事が認められています。実験または定期知性検査を行う際、SCP-2967は収容チャンバーに併設されている部屋の観測用水槽に移されます。現在、SCP-2967との監督されていない意思疎通は禁止されています。

説明: SCP-2967は異常に巨大なOctopus vulgaris1の一個体です。SCP-2967は外套長が約33cm、触手を伸ばした際の長さは約1.5mです。SCP-2967は、特定種の動物の習性・特徴を模倣する、迷彩や保護のために道具を用いるなど、複数種のタコに確認されている振舞いを見せます — ここには、おそらくSCP-2967が過去に接触していないであろうタコ種の習性も含まれています。さらにSCP-2967は、人間が用いる記号の模倣、筆記言語を介して意思疎通する能力、色彩・記号・他種生物の個体差などを見分ける能力、そして異常なほど高い知性といった唯一無二の特性も示しています。ミシシッピ州███████の██████水族館から回収されて以来、SCP-2967はその知性を急速に向上させており、現在はイヌ チンパンジー ヒトに匹敵するレベルに達しています。回収された当時のSCP-2967は特定の記号と食物を関連付ける簡単な動物IQ検査で史上最高値を記録しており、████/██/██現在は人間用IQテストで117点を獲得しています。

SCP-2967は幾度となく、未熟な手話、そしてより最近では防水加工を施された磁気式お絵描きボードに付属のタッチペンで記す筆記言語を使って、財団スタッフと意思疎通する意欲および能力を示しています。本稿執筆現在、SCP-2967は水槽の外にいる研究者たちを観察して、基本的な英語・スペイン語・フランス語を書き、理解することを学習しています。この発展により、研究者たちは水槽から約1mの地点に配置したホワイトボードを介し、SCP-2967にお絵描きボードで応答してもらう形式でのより容易な接触が可能となりました。SCP-2967は社交的でスタッフとの交流を楽しんでいるように思われ、自分自身・SCP-2967-1・財団スタッフを描いた大まかなスケッチを描いたり、またある時には研究スタッフと“○×ゲーム”をしようと試みるなどの振舞いを見せています。会話において、SCP-2967は、██████水族館の職員から発見後に与えられた“リヴァイ”という名を自称します。

SCP-2967-1は、SCP-2967と似た振舞いを見せる6匹のOctopus vulgarisの総称です。しかしながら、SCP-2967-1は平均的なサイズであり、学習の速度やキャパシティはSCP-2967と同等ではありません。SCP-2967-1はSCP-2967を指導者と見做しているらしく、ほぼ全ての状況でSCP-2967に付き従っています。SCP-2967はSCP-2967-1を“生徒”、“子供”、“友達”、そしてより最近では“軍隊”だと称しています。SCP-2967-1は現在研究スタッフと意思疎通できない、またはその意欲が無いようですが2、SCP-2967はお絵描きボードでこれらの個体を“教育”している様子が複数回観察されています。SCP-2967から引き離されると、SCP-2967-1は急速にグループとしての結束力を喪失して攻撃的になり、SCP-2967が最後にいた領域に集合します。この状態のSCP-2967-1は、恐らくSCP-2967と合流するために、収容違反を試みる様子も観察されています。SCP-2967が再び収容下に戻されると通常の振舞いが再び始まります。SCP-2967は、これは自分の存在が“好ましい影響”であるからだと主張しています。

SCP-2967は、近隣水槽の濾過システムを閉塞させたタコに関する報告をエージェント██████が受けた後に回収されました。問題の水槽で飼育されていたカニは清掃のために除去され、一時的に別の部屋へ移されましたが、SCP-2967はその後自らの水槽を脱出し、室内に侵入して多数のカニを捕食しました。動物行動の専門家だったエージェント██████はSCP-2967を隔離し、その異常に高い知性と、基本的な手話に応答する能力を確認することができました。水族館の職員らは当該事件の発生までSCP-2967の存在に気付いていなかったため、研究スタッフは、SCP-2967は餌用の魚と共に██████水族館へ手違いで輸送されてきた可能性があると考えています。SCP-2967の収容後間もなく、エージェント██████は再び水族館職員から連絡を受け、“頻繁に敵対行動を示し始め、水槽を脱出し、床に小石を並べてタコの形を描き出した複数のタコ”への対処を援助してもらえないかと要請されました。これに続き、全6匹のSCP-2967-1個体が収容されました。関与した水族館職員にはクラスA記憶処理が施されました。

補遺01: ████/██/██の定期的な知能テスト中、レイナード博士と筆談していたSCP-2967は、別の(おそらく異常な)実体との間に何らかの接点を持っていることに言及し、問題の実体を“カラス”と称しました。インタビューログは以下に収録されています。SCP-2967はこれ以降、“カラス”や、後述のインタビューにおける“次にいるため”という表現の意味に関する質問を拒絶しています。加えて、SCP-2967-1は実験のためにSCP-2967が観測用水槽に移されることへの抵抗感を強め、研究スタッフへの警戒心を見せています。本稿執筆現在、SCP-2967はEuclidに再分類されています。

補遺02: ████/██/██、研究スタッフたちは、SCP-2967が収容されているサイト-██をアメリカガラスの大群が取り巻いていると報告しました。これらのカラスはサイトスタッフに対する攻撃的な行動を示さず、SCP-2967が収容されている建物の区域を繰り返し飛行し、度々着地して近くの窓を突いていました。機動部隊ラムダ-4(“野鳥観察”)が状況調査のために招集された後、カラスは1羽を残して全て散会しました。研究スタッフから異様に巨大だと述べられている最後のカラスは、サイトから約10m離れた場所にOctopus Vulgarisの腐敗した死骸を1つ落としてから飛び去りました。カラスの群れを追跡する試みは失敗に終わりましたが、MTFラムダ-4は近くの森の中で、異常なほど大量のアメリカガラスの羽・無数の小さな掘っ立て小屋・基本的な道具を形作っている様々なゴミがある領域を発見しました。最も大きな小屋からは、SCP-2967の報告書のコピーが引き裂かれた状態で回収されました。当該領域は現在監視下にあり、上記の異常に巨大なカラス(SCP-2967-Bと指定)が捕獲された場合は標準的鳥類収容チャンバーが準備されます。SCP-2967は現時点ではこの事案のことを知りません。

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