何?
SCP-2969-JP
(出現報告から作成されたドローイング)
アイテム番号: SCP-2969-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2969-JPに関連する情報は随時収集されます。新たな遭遇者の存在が判明した場合、追跡と捕捉を行います。捕捉の際はSCP-2969-JPの行動、および遭遇時点における遭遇者の精神状態に関する情報を入手してください。その後、遭遇者からSCP-2969-JP遭遇時の記憶を抹消します。
遭遇者の捕捉にあたっては、直接SCP-2969-JPとの遭遇に言及している情報を追跡する他、SCP-2969-JPが関連すると思われる異常現象を追跡することでも可能です。関連性が疑われている異常現象についての詳細は、報告書内の一覧を参照してください。
説明: SCP-2969-JPは不特定多数の人物の夢に出現する人型の存在です。共通する容姿の特徴として、40~50代前後の白人男性と推定される容貌と体格、薄緑色の衣服の着用が確認されています。
夢に出現したSCP-2969-JPは不安定な挙動で夢の中を移動します。このとき、周囲に他者がいる場合は一定の領域からの排除を強行します。排除が完了すると、SCP-2969-JPはその場に留まりしばらく静止しますが、特に事象は発生しません。このとき、SCP-2969-JPは事象が発生しないことに自覚的な態度を示します。
次第に、SCP-2969-JPは絶叫とともにのたうち回るような挙動を取ります。同時に夢ではSCP-2969-JPを起点に不条理な状況が発生します。発生する状況はそれまでの夢の破壊や崩落、水流の渦や巨大な穴の発生、特定の人工物を模したモチーフの乱立といった破滅的イメージから構成されています。状況の発生を回避することは困難であり、多くの人物はSCP-2969-JPを中心とするイメージに巻き込まれます。
SCP-2969-JPの出現は2010年頃よりインターネットを主軸に報告され、その存在は一般社会にも共有されていました。過去には類似するネットロアとの比較検証が行われましたが、現在は財団の介入により鎮静化してます。
以下はSCP-2969-JP出現初期における、インターネットコミュニティ「パラウォッチ」のスレッドです。
cookhornet 2010/10/09 (Sat) 22:17:36 #95093153
正直4chanに投げるかTwitterに投げるかマジで悩んだけど、ここが一番いいと思うから投下する。事前に言っておくが、俺はマジだしふざけてるわけじゃないぞ。
たぶんThis Manに夢で会った。あの太眉ハゲのおっさんな。
Emperry 2010/10/09 (Sat) 22:18:49 #78095231
怒んないで聞けよ?
4chanの方がいいんじゃないか?
cookhornet 2010/10/09 (Sat) 22:23:56 #95093153
書き出したんだからそう言わないで聞いてくれよ。
昨日の夜だ。俺は普通にメシ食って風呂入ってそのまま寝た。そんで気づいたら夢でどっかの街中にいたんだよ。なんて言うかレンガ造りの街並みだったような気がする。で、俺は何かは分からないけど買い物しないといけないものがある気がして、どっかにないかって店探して歩いてた。
そしたらな、路地裏からフラフラおっさんが出てきたんだ。青いガウン、っていうか入院患者みたいな感じの服で、真っ青な顔してたように見えた。流石になんかヤバいんじゃないかと思って声かけたんだよ。太眉ハゲだった。
俺に触れる距離まで近づいてくると、おっさんは俺の服を掴んだ。流石に肝が冷えたね。次に何をしてくるか分かんなかったからさ。でも、特に危ないことはしてこなかった。弱々しく俺の腹を突いて、もう片方の手でヨロヨロ手を振った。「あっちに行け」つってるみたいだった。
は?って感じじゃん?俺は買い物しなきゃいけないってのに勘弁してくれって思った(何買えばいいかは分かんなかったけど)。でもまぁいいかって切り替えて、俺はそこから来た道を戻ることにしたわけ。別にこの道を通らないといけない理由もないしな。
だけど、何となく気になったんだよ。わざわざ俺を退かしたおっさんは何をするんだろうって。夢の中だから時間とかそういうのよく分かんないんだけど、気持ち的には5分10分くらいだったと思う。で、また来た道戻ってったんだけど。
見なきゃよかった。
PGMing7 2010/10/09 (Sat) 22:25:14 #26741963
服装は違うけどThis Manだな。
何を見たんだ?
cookhornet 2010/10/09 (Sat) 22:31:28 #95093153
角を曲がってさっきの通りまで来てひっくり返るかと思った。あのおっさん、道の真ん中でうずくまって、「んんんんんっ!」って声上げながらイキんでやがったんだ。変な汗出たわ。
いや、思ったよ。こいつここでウンコする気かよって。でもさ、俺は見守るしかできなかった。見守るっていうか、そんな野グソ野郎に関わりたくないだろ誰だってよ。そんでそのうち、だんだんおっさんの顔つきが強張っていくんだ。
だけど結局、便秘なのかおっさんは出せなかった。
おっさんは叫んだ。金切り声みたいなのと野太いがなりが混ざった声だった。叫ぶうちにおっさんは顔を上げて、叫んでても出せなくて、道の真ん中でバタバタ暴れ出した。そしたら、レンガ造りの街が揺れ始めたんだ。立ってられないくらいグラグラ大揺れして、地面にはヒビが入った。よく見たらおっさんに向かって地面が傾いてくんだ。おっさんは傾きの中心でなんでか浮きあがってて、その真下に大穴が空いてた。
絶対ヤバい。俺は逃げようとした。……でも無理だった。前から濁流が来た。ウンコの津波だった。茶色い濁流の中で俺は息もできなくて、そいつに飲まれるともう臭さで吐きそうになった。そうやって押し流された俺は、おっさんの下の穴に落ちていく。レンガ造りの街ごと暗闇に飲み込まれて、おっさんの姿が次第に小さくなっていく。最後に見たのは、血走った目で、厚い唇を歪ませて笑ってる顔だった。
……そこで目が覚めた。本当に怖い夢だったんだ。
汗びっしょりになって起きて、動悸が止まらなくて。しばらくベッドで放心してたら気づいた。ズボンの下が温かいことに。恥ずかしいことに俺も漏らしてたんだ。ウンコの方を。ベッドは汗まみれでクソまみれだった。
きっとあいつのせいだ。あいつがThis Manなんだ。あのおっさんも太眉の前髪ハゲだった。ネットで出回ってる画像とは多少顔は違った気がするけど、俺の遭遇したあのおっさんこそが本当のThis Manだ。調べたら同じようなクソ漏らし報告も何件か転がってた。
今まで俺は知らなかったんだ。This Manがこんな恐ろしいことをしてくるだなんて。みんなこんなことネットに書けなかっただけなんだよ。
それから、俺はパンツとシーツの替えを何枚か買い足した。こんなことは二度と御免だよ。お前らも気を付けろ、This Manは俺らの尊厳を奪いに来る。あいつに夢で話しかけられても無視するんだ。いないモノとして振舞え。そのほうがいい。
PGMing7 2010/10/09 (Sat) 22:32:38 #26741963
死ね
Emperry 2010/10/09 (Sat) 22:34:06 #78095231
やっぱ4chanかTwitterじゃねぇかウンコ漏らしクソ野郎
補遺: 夢でSCP-2969-JPに遭遇した人物は覚醒の際、不明な機序によって便失禁1を起こします。
この症状はSCP-2969-JPとの遭遇を経験した人物全員に共通したものであり、これまで便失禁症状が見られなかった人物にも例外なく発生しています。本事象の発生要因としては、現在までに多数報告されているSCP-2969-JPの一貫した行動が関連していると考えられます。
SCP-2969-JPに遭遇した人物への聞き取りの結果、本事象を含め直接的・間接的にSCP-2969-JPの関連が疑われる異常現象が複数確認されています。これらの現象に、SCP-2969-JPがどのような機序でどの程度影響を与えているかは現在不明です。
SCP-2969-JPの影響が疑われる異常現象、および発生割合
概要 | 詳細 | 発生割合 |
---|---|---|
便失禁 | 遭遇者は起床時に便失禁を起こす。 | 100% |
異臭の発生 | 遭遇者の周囲の物品から糞臭がするようになる。これまでの聞き取りでは、サラダチキン、花瓶および活けてある花卉、オウム等。この糞臭は3日~5日程度で消失する。 | 7% |
遺失物の発見 | 過去に紛失・破棄した物品が糞便が付着した状態で発見される。多くは過去1週間内に出先で紛失・破棄したものである。 | 4% |
記述内容の改変 | 日常的に文章を書く人物に特異的に発生している。どのような媒体かに関わらず、遭遇者が過去数日以内に記述した内容が大便や排泄に関わる内容に改変される2。 | 2% |
周辺での遺失物の発生 | 遭遇者がSCP-2969-JPと遭遇した場所の周辺で、不特定の人物の遺失物が多数発見される。最多の例ではSCP-2969-JP遭遇翌日に自宅の50m圏内で22件の遺失物の報告が確認された。 | 2% |
鳥の群れの出現 | カラスやムクドリなどの群れが遭遇者の周辺で出現する。この現象は地域への糞害を発生させるが、数日以内に群れは四散する一時的なものである。 | 1% |
高齢者の便失禁 | 過去に1例だけ確認された、他の人物への身体的影響。遭遇者と同棲している80代女性が、遭遇者の便失禁とほぼ同時刻に同じく便失禁を起こした。 | 0.8% |
研究班は現在、SCP-2969-JPの発生源の特定、SCP-2969-JP遭遇者のスクリーニングおよび事例集積と記憶処理を中心とした活動に重点を置いています。
なおSCP-2969-JPについては、その存在が実在する人物に影響されているかを含め、多くの点が不明瞭な状態です。
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Foundation Collective
維持され続ける意識
▶ FC Local Area Network への接続に問題なく成功しました。貴方は夢の中にいます。
ファウンデーション・アーカイブ 管理官通達
本報告書には進行中のインシデントに関する情報が含まれ、閲覧中にオートアーカイブシステムによる情報の自動更新が行われる可能性に留意してください。システムに影響を与える可能性があることから、事前の許可なき編集は処罰の対象となります。
FA管理官 オン・ザ・ガムボール
SCP-2969-JP
(周辺地形はSCP-2969-JPが発生させた水流により水没)
アイテム番号: SCP-2969-JP
オブジェクトクラス: Keter
暫定的収容プロトコル: SCP-2969-JPによって発生したインシデント2969-JPが現在進行中です。本報告書はインシデント2969-JPに対応する職員への情報共有のため、オネイロイ・ネットワークから自動的に収集された情報を含む形で、随時システムによって自動更新されることに留意してください。
本報告書更新時点において、SCP-2969-JPへの対応は早急な夢界からの切断による、全夢界および各コレクティブの環境の保全に重点が置かれています。この目的のため、機動部隊オミクロン・ロー ("ドリームチーム")が中心となり、コード:ドリーム・イーターの一環としてSCP-2969-JPの現実への追放を指揮します。これに合わせて、SCP-2969-JPの近傍に位置する他コレクティブとの連絡連携および協力体制の確立が、オネイロイ・ネットワークを通じて試みられます3。また、これと並行してインシデント2969-JPの影響が現実に及ぶことを可能な限り防止し、その被害を最小限に留めるため、静止任務部隊ファイ-23(“ドリーム・ディフェンス”)によって現実の財団とのアクセス確立と情報の交換が試みられます。
説明: SCP-2969-JPは、定期的に夢界内に出現・移動しているオネイロノートです。SCP-2969-JPの外見上の特徴として、40~50代前後の白人男性と推定される容貌と体格、主として薄緑色の衣服の着用が確認されています。
夢界に出現したSCP-2969-JPはその周辺環境を改変します。改変対象となった空間はSCP-2969-JPが出現させた物体に埋没し、破壊されます。なお、改変は「排泄」および「排泄物」に関連するモチーフに限定されており、結果として改変された空間には現実の汚物が発する情報とほぼ同一の情報が付与されます。詳細は後述するインシデント2969-JPを参照してください。
これまで収集された情報から、SCP-2969-JPの肉体は夢界特有の性質を持たず、現実の肉体に近いことが判明しています。よって、不明な原因によって現実に存在する肉体を伴って夢界内に転移した可能性が推測されています。これがSCP-2969-JPの改変作用の起源だと考えられます。
夢界内は現実と比較して現実性の強度が極めて低いため、相対的に実在性の希薄なオネイロイ実体であっても夢界内に存在している限りにおいては他の存在との相互作用が可能な状態にあることが知られています。しかしながら、現実の肉体が有する現実強度はオネイロイ実体と比較して100~130倍に達します4。以上により、SCP-2969-JPは外見上疑似的なクラスIIIオネイロス型幽体として振る舞い、夢界に激甚な影響を与えながら一方的な作用を及ぼしています5。
SCP-2969-JPが夢界に出現する究極的な目的は現時点では不明です。そのため、SCP-2969-JPが周辺環境に与える影響が、オブジェクト自身によって意図された行動の結果ではない可能性が高い点に留意してください。これまでの観察においてSCP-2969-JPが積極的な敵意、あるいは周辺環境・実体に対して積極的に危害を加えようとする意志を見せたことは稀であり、この点においてSCP-2969-JPの振る舞いは現実世界における現実改変者に見られる行動類型と異なります6。
SCP-2969-JP出現記録
SCP-2969-JPの最初の出現は、2010年9月中旬の夜間と考えられています。この時期から、SCP-2969-JPと見られる人物が自身の現実性の高さを利用して、オネイロイ・ネットワーク上に強制的にオーバーライドして書き込みを行ったことが確認されています。
以下は現在確認できる、SCP-2969-JPの最初期の出現記録です。
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新着メッセージ<Spectrum:> なんか臭いんだけど
<Spectrum:> 肉体持ちが行き倒れてた時にこんな臭いした気がする
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<Spectrum:> なんだこのクソ野郎
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<Spectrum:> 死ねクソッタレ
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⇐ Spectrum が退出しました
<THEEXCRETA:> すいません?
<THEEXCRETA:> すいません
またオネイロイとの意思疎通に関係なく、SCP-2969-JPは自身の思考をオネイロイ・ネットワーク上に発信することが可能だと判断されています。その状態についてSCP-2969-JPは無自覚であり、したがってこれまでの行動も現実と同様に振る舞おうとしたために発生した可能性があります。
以下は上記の記録から数日後に確認された、SCP-2969-JPの出現事例です。
redȊst すべての目が私たちに注がれている
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THEEXCRETA 何なんだ
オムツは嫌だ オマルも嫌だzapzapzapper 新しい元号は、『絶叫』であります
なんだこいつ肉体持ちか?THEEXCRETA 何なんだ
これ以上は耐えられない
我慢するのも限度がある
Tank-rusuk オールタンクドクトリン
何の話?
allforone ユニオニスト
このスレなんかすごい臭いんだけどTHEEXCRETA 何なんだ
動けるなら自分のケツくらいは拭かなきゃダメだろ
OioioioiO 重厚長大主義
なんだ、狂人かクソ野郎
zapzapzapper 新しい元号は、『絶叫』であります
狂人のクソ野郎だぞTHEEXCRETA 何なんだ
申し訳ないがまたお借りできないか聞いてみるか
allforone ユニオニスト
もう帰れお前
インシデント2969-JP
本事案は現在進行形で発生しています。
SCP-2969-JPはこれまでに夢界内に300回以上の出現を不定期に繰り返しており、都度1時間以内で収束します。その改変事象は周囲の環境に大規模な影響を与えることが多く、各コレクティブが独自に対策を講じています。
以下は現在ファウンデーション・コレクティブが把握している、SCP-2969-JP出現以後におけるインシデント2969-JPの進行および被害規模の指標となる事象、各コレクティブの対応をまとめたタイムラインです。これらの情報は随時更新される可能性があります。
2010/08/17
SCP-2969-JPとの明確な関係性が証明されていない、いくつかの異常な環境改変と情報改変の痕跡が確認される。
研究チームの分析によれば、この日を中心としてオネイロイ・ウェストおよびその近傍に位置するコレクティブにおいて、カブトムシとハエの属性的情報が入れ替わる事象が発生した。その結果、水回りやゴミ捨て場にカブトムシが集まり、影響を受けたコレクティブで一時的な混乱が発生した。
なおこの報告と前後して、一部のコレクティブ構成員による、SCP-2969-JPと見られる実体に関する投稿がオネイロイ・ネットワーク上で確認された。これによると、本実体はおぼつかない足取りでフンコロガシの大群を連れて徘徊していたとされる。
2010/09/28
ファウンデーション・コレクティブがSCP-2969-JPの夢界への転移事象と改変の痕跡を、初めて明確な形で確認する。
オネイロイ・ネットワーク上に『小便器と大便器が林立する森が裏の山にできていた』という書き込みがあり、この前後の同一人物によると思われるSCP-2969-JPに関連する風貌の実体の描写がみられた。
2010/10/09
SCP-2969-JPの夢界改変によるオネイロイ実体への被害が確認される。
SCP-2969-JPはグレイブヤードに存在する商店エリアに出現し、周囲の店舗を巻き込みながら空間の歪みを発生させたとされる。本改変の結果、7軒の店舗がその影響を受け、由来不明の大量の糞便と激甚な水流に押し流され、地面に開いた穴の中に消失したとされる。
また、周囲の店舗12軒も改変の影響の余波によって情報的改変を受け、元は夢酒の販売店であったものがトイレに関係する製品および糞便の販売店となった7。
2010/11/18
ファウンデーション・コレクティブがSCP-2969-JPの行動の直接確認に成功する。
発見時にはSCP-2969-JPは既に排便姿勢に入っており、直接的な接触は職員の実体に対して致命的な影響を及ぼす可能性を鑑み回避された。この際、SCP-2969-JPはアンブローズ夢幻茶屋にて概念料理である0匹のイナゴ佃煮を摂食することで排便を促す試みを行って失敗、0の概念の排泄ができず論理的不協和を体内で発生させたため、瞬時に夢界より消失した。
2011/01/04
ファウンデーション・コレクティブがSCP-2969-JPとの直接接触に成功する。
SCP-2969-JPは住宅を模した施設が密集するエリアに出現し、それぞれの施設にトイレを借りる交渉を行った。しかし本来のオネイロイに排泄の機能は存在しないため、施設にトイレは存在しなかった。これに対して嫌悪感を抱いたオネイロイ実体の一部がSCP-2969-JPに物体を投擲したところ、投げられた物体が便器に変換された。
この改変作用の余波で中規模のミーム的歪曲が発生し、周辺エリアにて『便器投げ祭り』が開催された。結果、周辺を拠点とするオネイロイ実体の多くが便器を模した物体を投擲するという観念に支配された。SCP-2969-JP自身はこの影響を受けず、エリアから立ち去ろうとしていた。
監視に当たっていたファウンデーション・コレクティブ機動部隊隊員ミュール・ミュールが、本部の指示により通信を試みる。通信は接続したが、意思疎通が取れたかは不明。
MuleMule - ガラスの靴の余り - 意外と破片がヤバすぎる
ここで何をしてるの?それと、貴方はこの祭りに混ざらないの?貴方が引き起こしたんでしょ?
2011/01/04 23:26
THEEXCRETA - 52歳男性 - 何だ
今度は何だ。何が起きた。なぁ。どうすればいいんだ。
2011/01/04 23:28
MuleMule - ガラスの靴の余り - こっちが聞きたいんだけど?
今は便器投げ祭りが起きてる。貴方がこのエリアで最初に便器を生み出したからね。やっぱり、気づいてない感じ?
2011/01/04 23:30
THEEXCRETA - 52歳男性 - 違う
意味が分からない。ふざけるな。クソ。全部がクソだ。何なんだ。こんな簡単なこともできないのか。
2011/01/04 23:32
MuleMule - ガラスの靴の余り - ダメかも
じゃあ何がしたいの?
2011/01/04 23:33
THEEXCRETA - クソ野郎 - それだけ
とにかく、クソしたいだけなんだ。
2011/01/04 23:35
通信終了後、SCP-2969-JPは夢界から消失した。
2011/03/21
SCP-2969-JPがコレクティブ内の環境に大規模な変化を及ぼした事例が観測される。
SCP-2969-JPはファイブイージーステップス8によるリンク広告を経由することで近傍に出現し、トイレを借りる交渉を行った。結果としてSCP-2969-JPの行動がファイブイージーステップス構成員の警戒心を煽ったために交渉は失敗、SCP-2969-JPはその場で排泄に及んだ。
その後、SCP-2969-JPは排泄に失敗したため暴走し、周辺環境を改変して地盤をブリストルスケール5相当9の大便に置換した。このためファイブイージーステップスの影響領域における州の一部が沈下したことで、これに巻き込まれたオネイロイ実体に被害が及んだと見られる10。
2011/04/07
オネイロイ・ウェストを始めとする大規模コレクティブ間で協定関係が成立する。
先に発生したファイブイージーステップスへの被害を意識してか、コレクティブの多くはSCP-2969-JPの放逐を具体的に検討している。手段としては、オネイロイ・ネットワークを切断する特性を持つ無意識的存在群の活用が有力視されている。この種は"苦く湾曲したクワガタムシの影"と呼称される異常存在であり、現在もオネイロイ間の意識接続を切断する被害をもたらしている。コレクティブ協定は技術開発を行い、この種の使役を試みている。
なお、ファウンデーション・コレクティブは異常存在の隔離手段として上記存在の研究を進めている。今回、コレクティブ協定への技術提供は保留されている。
2011/06/01
オネイロイ・ネットワークを介した侵襲的情報の流布が発生した。SCP-2969-JPはオネイロイ・ネットワークに干渉して以下のフートを投稿した。
THEEXCRETA
@THEEXCRETA
クソッ、またクソと小便まみれだ。畜生。この脚さえ。
- リフート 156
- いいね 221
0:17 AM - 4 October 2011本投稿の後、異常性を有するミームを含有したSCP-2969-JPの画像が投稿される。この影響で、一部の実体の間で糞尿を混合して周囲に塗布する行動が誘発されたため、ファウンデーション・コレクティブは画像を削除し、本事象の情報の拡散抑制を実施した。
2011/10/04
SCP-2969-JPの影響によると見られる、新たなコレクティブの発生が確認される。
2010年9月28日に影響を受けた便器の林立する森で、便器の頭を有する数体のオネイロイ実体がコレクティブを構成した。本集団は『サニタリー・ラヴァトリー』を自称し、自身の頭部と森の便器を衛生的に保つことを主目的としていることが分かっている。
また、本集団は限定的に他実体に異常な影響を及ぼすことが可能であり、非異常なオネイロイ実体の頭部を便器に沈めることで自身と同様の実体に改変することができる。これらの異常性から、ファウンデーション・コレクティブは当集団を別個の異常として認定し、隔離処置を実施している。
2011/11/26
ファウンデーション・コレクティブがSCP-2969-JPとの再度の直接接触に成功する。
SCP-2969-JPは比較的物体の少ないエリアに出現。付近に個室トイレが落下したため、SCP-2969-JPは個室トイレに入室した。直後、地面から『サニタリー・ラヴァトリー』の群れが出現する。『サニタリー・ラヴァトリー』は集団で個室トイレを持ち上げ、運搬を開始した。運搬には複数の宗教の儀式的動作が含まれていた。
ファウンデーション・コレクティブは機動部隊にSCP-2969-JPの救出と確保を指示。『サニタリー・ラヴァトリー』が抵抗するも、SCP-2969-JPの確保に成功する。確保時、SCP-2969-JPの精神状態は非常に不安定だった。
MuleMule - ガラスの靴の余り - アイツらスゲー怖い
THEEXCRETA、大丈夫だった?
2011/11/26 00:54
THEEXCRETA - クソ野郎 - ああもう
出ない。出せない。せっかくの、普通の個室だったのに。できただろ。クソ。クソ、クソ、クソ。クソ野郎。
2011/11/26 00:57
MuleMule - ガラスの靴の余り - 落ち着いてよ
ねぇ、どうしてその……用を足すのに固執してるの?ここは夢界だよ。そんな汚いこと、何でもできるこの世界じゃなくても現実で事足りるって。貴方、現実から来たんでしょ?何がしたいわけ?
2011/11/26 01:02
THEEXCRETA - 穀潰し - うるさい
馬鹿にしてるんだ。全員。俺がウンコすらできないから。夢ですら俺がウンコできないから。
2011/11/26 01:05
MuleMule - ガラスの靴の余り - え?
夢ですら?
2011/11/26 01:08
THEEXCRETA - 役立たず - 無能が
クソくらい自分でしろ。できなきゃ、他に何もできないだろ。
2011/11/26 01:14
通信終了後、SCP-2969-JPは夢界から消失した。
通信を担当した隊員ミュール・ミュールより、SCP-2969-JPは現実に何らかのコンプレックスを抱えている可能性が指摘された。このことから強制的な隔離作戦はSCP-2969-JPのさらなる暴走を招くという推測が立てられ、ファウンデーション・コレクティブはSCP-2969-JPの現実追放作戦の見直しを検討している。
2011/12/08
これまでに確認された中で最大級のSCP-2969-JPによる改変事象が観測される。
SCP-2969-JPはオネイロイ・ウェスト近傍に出現、自身で掘った穴の中に排泄を試みた。これに対し、オネイロイ・ウェストは他コレクティブと連携して"苦く湾曲したクワガタムシの影"を作動させた。この存在は技術開発の結果、任意の領域をオネイロイ・ネットワークから切断する役割を持っていた。
ファウンデーション・コレクティブは作戦の中止を呼びかけ、また協定体制下での独断専行を非難した。しかし、コレクティブ協定は現段階での被害規模を予測できないことを理由に拒否。
SCP-2969-JP隔離作戦は成功した。SCP-2969-JPは"苦く湾曲したクワガタムシの影"の包囲によって領域ごと遮断された。SCP-2969-JPは崩落した地盤に体を固定し、そのまま落下していった。
SCP-2969-JPが切断される直前、オネイロイ・ネットワークを介して以下の情報が投稿される。
THEEXCRETA
@THEEXCRETA
出ない。出せない。俺は何だ?
- リフート 286
- いいね 341
1:29 AM - 8 December 2011
THEEXCRETA
@THEEXCRETA
邪魔なんだろ。迷惑なんだろ。ウンコも自力でできない俺。何もできない俺。
- リフート 578
- いいね 837
1:31 AM - 8 December 2011
THEEXCRETA
@THEEXCRETA
あの事故さえなければ。この脚さえ動けば。
- リフート 782
- いいね 993
1:34 AM - 8 December 2011
THEEXCRETA
@THEEXCRETA
これでいい。ここが一番冷たい。一番、俺に似合ってる。
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1:41 AM - 8 December 2011切断された瞬間、落下したSCP-2969-JPの領域を起点に急激な改変作用が発生しました。観測装置による映像記録では、自身で掘削した穴に屈んだSCP-2969-JPからの発光が確認されています。SCP-2969-JPが概念としての穴を便器の概念と強制的に結合させ、穴の実在を完全に別個の存在に置換したと見られます。
この穴は現在、以前からオネイロイ・ウェストに隣接する位置に存在しているコレクティブ集団として、夢界内で認知さています。該当コレクティブの構成員の出自は判明していません。ファウンデーション・コレクティブは改変前にこのエリアにオネイロイ実体の集団はなかったとの確信を持っていますが、夢界改変と情報改変が起こされたことでオネイロイ・アーカイブ上の情報の多くが改竄されているため、その真偽は不明です。
現在、該当コレクティブからのSCP-2969-JP回収が計画されています。
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Wasteyard Collective
接続された意識
“全てはただの糞。”クロウラー: ロンリーマンBOT | クエリー: THEEXCRETA | サーチ: 渦の中
付属フィルター | アンド ノット: 人間の存在価値について | 保留: いいえ
ウェストヤード・コレクティブ(略称WC)は便器の内部に確立した集合意識です。首都は暫定的にノックノックとされていますが、この領域はWCが外に向けて開いている開口部であり、入口となっている場所です。住民が存在する領域はこの内部に位置し、直接的に首都機能をノックノックが保有しているわけではありません。
ウェストヤード・コレクティブの領域は784mi²であり比較的狭い領域を占めるのみですが、元の穴の性質から一部でループ構造を有しており、事実上この倍程度の領域が存在します。住民は基本的にこの穴の領域内にいることを好み、基本的に外部への接触を積極的に行おうとはしません。また、前提として住民は常に軽度の腹部不快感や便意を抱えており排泄への全般的な不安があることから、穴から遠く離れて移動することが困難です。
領域内は全般的な概念的排泄物によって構成されています。この性質から訪問者は不衛生な状態を好む、あるいは嫌悪しない者以外は一般的に忌避することが多く、訪問者数は少数にとどまっています。しかしながら、不要・無駄・ゴミなどの概念も同時に領域の構成要素を為していることから、切り捨てられた概念を探すダストマンと呼ばれる者が外部から訪れることもあります。
ウェストヤード・コレクティブ
首都
ノックノック公用語
排泄を我慢する際のうめき声
漏らした時のため息住民の呼称:
エクスクリーター/ダストマン政府:
放任主義時間経済:
基本的に1太陽年=WC歴1年
排泄を我慢しているときのみ現実時間1分=WC時間3時間現実:
排泄を我慢している時に限り茫漠とする心理学:
ぶち撒けた者勝ち特権階級:
掃除係移民の状態:
すこぶるスッキリしている脱出者の状態:
便まみれ
Last Edited 1:22PM OWST by DustMan
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SCP-2969-JP回収計画
この計画はリアルタイムで進行しています。
現在、SCP-2969-JPの出現位置はウェストヤード・コレクティブ内部に固定されています。出現時間は1時間程度から変化しておらず、事実上の隔離が成立しています。
しかし、自身の行動結果によって暴走状態に陥ることの多いSCP-2969-JPを孤立環境に放置した場合、精神状況の悪化から悪循環となる行動が繰り返され、さらなる大規模な改変作用に直結する恐れがあります。ファウンデーション・コレクティブは現状のSCP-2969-JPの状況を危険視し、SCP-2969-JPに対しては夢界からの追放が最も安全であると再度結論づけられました。
ファウンデーション・コレクティブはSCP-2969-JPの現実への追放を最終目的に、ウェストヤード・コレクティブに対する調査を開始しています。
<通信中…… → Wasteyard Collective>
MuleMule: 通信環境に問題なし。こちらはMuleMuleミュール・ミュール。これからWCへの調査を開始します。現在はノックノック、コレクティブの入口ですね。
[カメラが入口を映す。小屋があり、その内部にあるボットン便所を映している]
MuleMule: 潜入します……[えずき]……すみません、異臭が酷くて。入国方法は……たぶん、こうだろ。[便器を2回叩く音]
[「いるけどいないようなものです」の意味を持つ雑音が鳴る。直後カメラが回転し、暗転。洞窟のような空間を映し出す]
MuleMule: [長いえずき] 何だここ……えー、トイレの扉が乱立してます。あと私、本当は鼻とかないんですけど、さっきから異臭が。こう……脳に響く臭いが。脳もないはずなんですけど……[長いえずき]
[カメラが周辺を映す。照明が不均等な間隔で点灯しており、トイレと思しきドアが大量かつ乱雑に取り付けられている。ドアの向こうからは唸り声が聞こえる。]
MuleMule: [咳] 環境はー……最悪です。どうも住人が居住しているようなので、インタビューを実施してみます。おそらく、対象となるSCP-2969-JP、THEEXCRETAはかなり深層にいるでしょう。とにかく [咳] 何か手がかりを得てから一時帰還を……ここに長居したくないんで。
[カメラが呻き声のするドアの一つを映す。ドアがいきなり開かれる]
THEEXCRETA: え?
MuleMule: は?
[便座に座ったSCP-2969-JPが画面中央に映る]
THEEXCRETA: やめろ。見るな。やめてくれ。
[SCP-2969-JPは便座に深く座り込み、便座の穴に体を嵌めたような姿勢になる]
THEEXCRETA: 撮るな。撮るなよ。笑うつもりなんだろ。
[穴から吸われるように、SCP-2969-JPの体は徐々に便器へと飲み込まれていく。]
THEEXCRETA: クソ、クソ、クソ。馬鹿にしやがって。
[やがて脚と胸から上が便座に吸い込まれ、数秒のうちにSCP-2969-JPの体すべてが消える。]
THEEXCRETA: 俺はそうじゃなかったのに。
[言葉の後に、水流の流れる音がトイレの内側に響いた。]
MuleMule: すみません。いきなりいました。追いかけます。
[カメラが揺れ、便器の内部を映す。便器の内側は完全な暗闇であり、カメラに付属するライトの光を返す何かが見える。ズームしていくと、白い便器であることが確認できる]
MuleMule: 無限構造……あと臭いが。汚い話ですけど、こちらの目視だと便器の裏側に汚物の蓄積が見えます。そこに飲み込まれていった……[えずき] あの、現在のTHEEXCRETAの所在は……なるほど。この地下空間を直線状に、連続して落ち続けている。底に辿り着いても、どこかの便器から落ち直す。ループ構造ですか。
[数秒間の沈黙。靴の踵を鳴らす音が聞こえる]
MuleMule: あの、想定外の提案だとは思うんですが。私がこのまま追跡してもいいでしょうか。
[再度、数秒間の沈黙。交渉する本部の通信担当者の声が漏れて聞こえる]
MuleMule: 理解はしてますが。何というか、この迷路みたいな構造のエリアでいきなりTHEEXCRETAを発見できたのは、かなり幸運だと思うんです。好機を逃したくないのはあります。それに、1時間でTHEEXCRETAが消える以上、落下しているのが確かな状態で私が飛び込めば、どこかで直線と直線が衝突する確率は高いでしょう。
[数分に渡って沈黙。しばらくして、承諾の音が聞こえる。その後、先程までのトーンから一段階軽い声がカメラの録音機能まで届く]
MuleMule: 動機ですか。今さっき……いや、その通りですね。わざわざ提言する必要はないし、無駄足の可能性も高い。なのにこの汚濁に突っ込むって。別に大した理由はないですよ。私がアイツに多く遭ってたってだけです。
[縄を結んだときような、パイプの擦れる音]
MuleMule: 私がアイツにめちゃくちゃムカついてるだけです。
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MuleMule - ガラスの靴の余り - あの野郎
おい、THEEXCRETA!聞こえる?
THEEXCRETA - 役立たず - やめてくれ
何だ。何なんだ。もうやめてくれ。俺の好きにさせてくれ。
THEEXCRETA - 役立たず - やめろ
何で追ってきた。なぁ。そんなに俺を笑いたいか。ウンコしてた俺が変か。出せないのに出そうとしてる俺が馬鹿らしいか。
MuleMule - ガラスの靴の余り - 黙ってよ
勝手に私を悪人にするな。
THEEXCRETA - 役立たず - え?
……は?
MuleMule - ガラスの靴の余り - いいか?
まだ遠いか。待ってなよ。今から下水の管蹴ってそっちまで距離詰めるから。
THEEXCRETA - 役立たず - 来るな
来るなよ。お前もあれか、俺が嫌いなのか。俺が邪魔なんだろ。俺を迷惑に思ってるんだろ。
MuleMule - ガラスの靴の余り - やっとちゃんと会話できたね
当たり前だって、そんなの。でも、私も貴方には迷惑でしょ?
MuleMule - ガラスの靴の余り - もういいでしょ、それ
私をよく見なよ。ここを流れ落ちる汚水で、もうドロドロのベトベト。今までのインシデントの処理も、本当に迷惑してた。
THEEXCRETA - 役立たず - やめてくれって
ほら。ほら見ろよ。俺のせいで。お前。なぁ。は。ははは。
THEEXCRETA - 52歳男性 - やめてくれって言っただろ
なぁ。お前。何でだよ。
MuleMule - ガラスの靴の余り - 分かってるだろうに
赤の他人のオネイロイがここまでしないと、現実に生きてる貴方は理解しないでしょ。
MuleMule - ガラスの靴の余り - 言いたくないんだけど
ク……出せないのに生きて夢を見れてるのは汚れを被ってる誰かがいるからで、何でわざわざ汚れるかって、貴方にそこにいてもらいたいんじゃないの?
MuleMule - ガラスの靴の余り - 聞くよ、返せよ
便器の奥まで来たオネイロイがいて嬉しいか?
嬉しいなら、ちゃんと返しなよ。
MuleMule - ガラスの靴の余り - 完了
対象の確保、完了しました。
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SCP-2969-JP
アイテム番号: SCP-2969-JP
オブジェクトクラス: Euclid (Neutralized移行を予定)
特別収容プロトコル: SCP-2969-JPは現在、標準人型収容房に収容されています。本人の症状を考慮し、近隣の部屋には看護担当の職員を待機させます。
SCP-2969-JPが入眠する際、収容房内に設置した睡眠追跡装置を作動させます。この装置により、睡眠時の精神状態および体験している夢を観測、記録します。SCP-2969-JPの夢にSCP-2969-JPと関連性の薄いモチーフが出現した場合、夢界にて異常現象が発生していないかを確認します。
説明: SCP-2969-JPは、52歳の白人男性であるゼイクス・クレイトンです。SCP-2969-JPは現在、就業中の事故に由来する怪我のために中等度の下半身不随であり、常時要介護の状態にあります。
SCP-2969-JPは睡眠中、現実に存在する自身の肉体を夢界へと投射します。投射によりSCP-2969-JPは現実の肉体を保持したまま現実と夢界に並行して存在し、これによって現実の肉体が夢界に顕現する状況が発生します。夢界に出現したSCP-2969-JPの実体は、現実の肉体に由来する強度の高い現実性を保有しています11。
夢界でのSCP-2969-JPの実体は限定的な可変性を持ち、歩行機能の軽度回復など自身の状態を一定範囲内で変化させます。また、SCP-2969-JPは夢界の環境と比較して高い現実性を有するため、高いヒューム値を周囲に押し付ける形で夢界の周辺環境や他のオネイロイ実体を改変します。このことから、夢界でのSCP-2969-JPはクラスIIIオネイロス型幽体と同等の性質を獲得すると推測されます。
SCP-2969-JPの夢界における行動は、排泄欲求に基づきます。これは、現実のSCP-2969-JPの身体的・精神的状況に規定されたものであり、下半身不随による排泄介助への抵抗感と関連していると考えられています。このため、SCP-2969-JPの夢界における上記改変事象は、概して排泄に関するモチーフが多く見られます。一方で、身体的な排泄欲求と精神的な排泄への抵抗感が混淆することから、SCP-2969-JPの夢界内での行動は、排泄を試みるが失敗するという結果を呈する点にその特徴があります。
夢界でSCP-2969-JPと接触した場合、当該人物はSCP-2969-JPの発する情報的改変の影響下に置かれます。SCP-2969-JPは上記の通り夢界において相対的高値の現実性を保持しているため、直接的あるいは間接的12を問わず、その接触はSCP-2969-JPの保有する情報子の受け取りの強制を引き起こします。その結果、被影響者はSCP-2969-JPが発する思考・欲求・感情などの情報に基づく改変に曝されることになります。
また、夢界内でのSCP-2969-JPの被影響者は、夢界から離脱した際にも現実の肉体にその影響が及ぶことが知られています。これは典型的には起床時の便失禁の形で表れるほか、一部の事例では被影響者の周辺環境にも及びます。SCP-2969-JP研究チームは、本事象の発生原因を以下の機序によって説明しています。
段階 概要 第1段階 SCP-2969-JPとの接触時、被影響者の夢界実体にSCP-2969-JP由来の情報子の埋め込みが発生する。この際被影響者の現実性は0.3Hm程度であることが多く、SCP-2969-JPとの現実強度の差によって一方的な干渉が行われる。 第2段階 影響を受けた夢界実体は、夢界に存在する間情報子の影響で改変を受ける。夢界での滞在が長期に及ぶ場合、その実在性に不可逆の変化をもたらす可能性がある。 第3段階 被影響者の実体が夢界から離脱する際、埋め込まれた情報子が切り離される。これは、夢界実体が現実に戻ると、その現実性が現実の肉体の持つ強度に戻ることから、SCP-2969-JPの現実性との強度差が無くなり影響下を脱するためである。 第4段階 被影響者が現実の肉体に戻ると、切り離された情報子が肉体から排出される。SCP-2969-JPの情報子は排泄に強く関連していることから、その肉体への影響は便失禁の形態をとって表現される。 第5段階 SCP-2969-JPとの接触が直接的かつ密接に行われた場合、第4段階の情報子排出は被影響者の周囲にも限定的にその影響を及ぼす。この段階は実例が少ないため、具体的にどの程度の接触が必要であるかは不明である。 補遺1: 当初、SCP-2969-JPは「不特定多数の人物の夢に出現する人型の存在」として報告されていました。この人型実体が現実に実在しているかという点については不明瞭な期間が続き、財団は調査を継続してきました。一方で、SCP-2969-JPに関連する事象として、SCP-2969-JPに遭遇した人物が覚醒の際に便失禁を起こすなど、排泄に関連する異常現象が多数確認されていました。
2011/12/13、SCP-2969-JPはインターネットへの投稿が要因となり、財団に身柄を確保されました。投稿は「体験した夢」と「排泄」というSCP-2969-JP遭遇者が使用する典型的なワードを含んでいましたが、内容はその類型からは逸脱していました。この投稿が異常現象に関係しているかについて研究班は懐疑的に解釈しましたが、調査員を派遣したところ、発信元に居住するSCP-2969-JPの人相と夢に出現する人型存在の特徴の一致が確認されました。この後、財団は研究のためSCP-2969-JPの身柄を財団施設へと移動させました。その結果、研究の過程でSCP-2969-JPが異常性を有することが判明し、財団は正式にSCP-2969-JPを収容対象に指定しました。
補遺2: SCP-2969-JPは上記の異常性を喪失しつつあります。
上記の収容から程なくして、SCP-2969-JPの異常性である「現実の肉体の夢界への投射」の発生頻度が急激に下落していることが判明しました。事実、収容以前でのSCP-2969-JP遭遇者や排泄関連現象の報告頻度と比較した際、収容以後における異常性の発生間隔は急速に大きくなっています。
2013/03/28現在、SCP-2969-JPの異常性は10ヵ月間観測されていません。研究班は異常性の喪失を視野に入れつつ、経過を観察しています。異常性が観測されない期間が1年を経過した場合、異常性は喪失されたものと見なし、SCP-2969-JPをNeutralizedに指定、記憶処理後に身柄を元の居住地へ戻す計画が決定されています。以降、SCP-2969-JPは観察対象となり、定期的な検査を除いて解放される予定です。
異常性の発生頻度が下落した原因について、SCP-2969-JPは収容前後の精神面の変化を挙げています。この精神面の変化は体験した夢に起因し、結果として生活意欲の向上に繋がっています。なおSCP-2969-JPは体験した夢に関して詳細を記憶していません。記録としては、発見の要因となったインターネットへの投稿がそれに該当します。
以下、SCP-2969-JPの投稿内容について、スレッドと前後の投稿を含めて転載します。
初めて投稿します。 2011/12/9(金) 23:46:17 No.583391743 [返信] ▶
初めまして。このサイトは初めて使いました。
どうしても誰かに伝えたい話があって、書き込みをしています。家内や子供に話しても信じてもらえないような話で、最初は私だけが覚えていればいいと考えていました。しかし眠る直前になってこの体験をふと思い出してしまい、眠れなくなりました。日記でも良かったのですが、誰かにこの話を聞いてほしいと強く思ったのです。
もしかしたらこの話が、どこかの誰かの生きていく自信に繋がるかもしれない。体験した私自身のように。
昨日の夜、夢を見ました。
夢は、この数ヵ月の間に何度も見ていました。大抵は悪夢で、私が夢の世界に紛れ込むのです。夢の世界は不思議でした。人間とは思えない住民、奇妙な街。私の想像力から生まれたとは思えないぐにゃぐにゃした空間に、気づけば私は立っていました。
夢の中の私は、いつも用を足そうとしました。下腹部には違和感があり、常に出そうな状態だったのです。私は夢の世界を歩きました。若干の感動を覚えながら。今の私は、好き放題に用が足せる。その感覚に身を浸して、不思議な色に染まった風景を闊歩しました。上機嫌なのです、最初はいつだって。
しかし、出せないのです。出せるはずなのに、出せないのです。どこで屈み込もうが、どんなトイレに座り込もうが、出ないものは一向に出ない。私にはそれが、腹立たしくてたまらなかった。思うがままなはずの夢の中ですら、自分の意思で出すことができない。悔しくて、悲しくて、情けなかった。
私の感情は夢に染み出していきました。やりきれない私の心を吸い取って、元々あった不思議な情景が壊れていきます。紫の空を割って黒い穴が生まれ、便座の蓋が街を覆い尽くす。夢の住民たちは濁流に飲まれ、頭が便器に置き換わる。私はたいそう迷惑だったと思います。
私自身、どれだけ周りに不要な迷惑をかけたか、生きる最中でそんなことを気にかけていました。周りから心配をかけられる存在ではないと、ずっと思っていたのです。大人であるならば、他人に尻は拭かせられない。そう考えていました。
実際、住人たちにとって私は厄介者だったようです。彼らは夢の世界で、私を隔離しようとしました。私の心には落胆と同時に、安堵が差し込みました。ああ、やっぱりそうだったのか、と。私は周りにとって迷惑で、私が考えている価値は私にはないのかもしれない。それでも、と思っても、それを証明してくれる証拠は何一つありません。
夢の中で、私は国になりました。私だけが座り込み、やがて落ちていくまで閉じ籠るための国に。自分の意味を信じようとしても、出すものすら自由に出せない私に果たして意味はあるでしょうか。誰にも迷惑をかけず、じっと固まって冷たくなる。それが私の最善だと思ったのです。
そこに、人が現れました。その人は国の扉をいきなり開きました。私は驚き、座り込んでいた便座の奥に落ちていきました。便器の中は繰り返し便器であり、落ちても落ちても逃れられません。これはいい、と私は思いました。こうなってしまえば誰も追いかけてはこない。誰だって、一度出したものを拾わないでしょう?
けれど、その人は違いました。縄のような何かを身に着けて便座に飛び込み、私に迫ろうとしているのです。戻ってこい、と声を出しています。私は拒絶しました。きっと本心では誰もかれもが私を迷惑に思っているはずだ。貴方だって、と。
当たり前だろう。その人は返しました。だんだんと距離が縮まって、姿がよく見えるようになりました。その人の体には、周りを流れる濁流の汚れが大量に付着していました。濁流の異臭の中で、その人は大声で叫びます。
迷惑を感じながらも、それでも存在してほしいから汚れを被るのではないか。もしそれを喜ばしく思うなら、信じ返すべきではないか。私にはその叫びが正しいのか、そして本心だったのか、未だに分かっていません。ただ、しっかり覚えていることもあります。言葉は熱っぽく、温かかったのです。
私は、その人が伸ばした手を掴みました。その瞬間、夢から醒めました。私はベッドの上にいて、就寝前と同じ着物を着ていました。一ヵ所、異なる部分を除いて。
ズボンの下が、温かかった。一昨日までの私ならもう恥じに恥じて、罪悪感で死にたくなっていたでしょう。ですが、昨日の私は違いました。漏らしているのに、ひどく落ち着いていました。
この温かみこそが、生きているということなのでしょう。私は立派に生きているのだと、生温かい温度から感じさせられました。そうして夢の人の言葉を反芻して、こう思いました。もう少し、私を支えてくれている人を信じてみよう。きちんと話をして気持ちを理解しよう、と。
私の話は、結局くだらない夢の話です。私の考え過ぎなのかもしれません。でも、少し前を向こうと思わされたのは確かです。この話が誰かの支えになってくれれば、それほど嬉しいことはありません。