アイテム番号: SCP-2981-JP
オブジェクトクラス: Ticonderoga1
特別収容プロトコル: SCP-2981-JPの収容活動は、財団の管轄外で発見された場合の事後処理のみが行われています。研究機関の監視用フローに則り、人員の派遣と検閲を行ってください。特に、顕微鏡関係の技術開発について重点的に注視されます。
一般社会におけるSCP-2981-JPの露見については、超常証跡データベース2により監視されています。
説明: SCP-2981-JPは、全ての人間の眼瞼結膜(一般に目蓋の裏と呼称される部位)に存在すると推定される文字列です。内容に関する仮説、報告書執筆時点での調査状況については補遺を参照してください。
言語能力が無い人物についてはSCP-2981-JPが確認されていません。
発見経緯: SCP-2981-JPは、2009/11/6にサイト-86で行われていた実験で偶発的に発見されました。
実験対象のSCP-TK5Kは遮眼子3のオブジェクトであり、左右いずれかの視野を遮ると、反対側の視覚の分解能が時間経過と共に異常に上昇する効果を有しています。実験はその上限の確認のために実施されていました。対象のDクラス職員であるD-TK5K-17は視認した様子の説明と視力の計測を行ない、実験時間約3時間20分頃までは予測から大きく逸脱しない報告がなされていました。しかしその後、目を閉じると文字が見えるとの旨の報告が得られました。D-TK5K-17がおよそ13件の事象に関する不明瞭な証言を行った時点で、担当職員による実験の中止が指示されました。以下はD-TK5K-17が報告した文字列の抜粋です。
証言2
1983年7月ウォー・ゲーム4を鑑賞
証言6
2010年1月27日サイト-86で夕食にサラミサンドイッチ
サイト-86の量子顕微鏡を用いてD-TK5K-17の眼瞼結膜を検査したところ、D-TK5K-17が言及した文字列と推定される実体が確認されました。また、他3名のDクラス職員の眼瞼結膜にも同様の実体が確認されました。解像度の不足より具体的な内容は判読不明でしたが、文字列はSCP-TK5Kとは無関係であると判断され、SCP-2981-JPとして調査が開始されました。
補遺: 2009/12/3、D-TK5K-17が証言した13件の文字列全てに対して追跡調査が完了しました。以下はその抜粋です。
証言2
1983年7月ウォー・ゲームを鑑賞
調査結果: 1983年7月6日にD-TK5K-17がウォー・ゲームを鑑賞したことが確認されました。D-TK5K-17は該当の映画を鑑賞したことを忘れていたと証言しました。
証言6
2010年1月27日サイト-86で夕食にサラミサンドイッチ
調査結果: サイト-86の運用計画から、該当する日付の夕食に証言内容と同等のサンドイッチが提供される予定であることが確認されました。献立内容および、サイト番号はD-TK5K-17に開示されていないことは留意すべき点です。
以上の2件を含め、全ての文字列の内容が事実であることが確認されました。発言内容の時系列について、最も古いものは1972年9月27日であり、最も先の日付は2010年3月5日でした。なお、D-TK5K-17は2010年3月13日に、非常に致死性が高い実験に配属される予定でした。これにより、観測された文字列には、D-TK5K-17が生涯で体験する全ての事象が記載されていると推定されました。
以上の性質を踏まえ、SCP-2981-JPの解読により以下の活用が期待されています。
- 未来の事象が記載されていることによる未来予知。
- 当人の記憶の有無にかかわらず、過去の体験に関する情報の取得。
- 当人が知りえない情報の取得。
有効性が実証された場合、Thaumielクラスオブジェクトとしての運用が予定されています。
補遺2: 2010/1/16、財団の保有している最新の量子顕微鏡を用いた調査が開始されました。対象は摘出したD-TK5K-17の眼瞼結膜であり、D-TK5K-17が発言した内容の確認を目的として検査が行われました。以下は観測されたSCP-2981-JPの一部です。
1984年5月7日3時34分41秒91 アメリカ合衆国████████████████2階北西の部屋、██████████████製シングルベッドの上で███████████製タオルケットと████████████製タオルケットをかけて就寝中。
1984年5月7日3時34分42秒25 アメリカ合衆国████████████████2階北西の部屋、██████████████製シングルベッドの上で███████████製タオルケットと████████████製タオルケットをかけて就寝中。
他の記載についても類型のフォーマットであり、秒からコンマ数秒間隔で事象が記載されていました。文字列に関しては眼瞼結膜全体に存在しており、横書きで左眼瞼結膜の左上から右眼瞼結膜の右下まで時系列順に並んでいる可能性が高いことが判明しました。これにより眼瞼結膜の面積と文字サイズから、D-TK5K-17のSCP-2981-JPは2×1034文字程度存在すると概算されました。現行の量子顕微鏡を用いた解析では全文の解読には600年程度の時間を要すると見積もられ、Thaumielクラスとしての運用は見送られています。
補遺3: 2010/1/27、SCP-2981-JPの活用案として以下が提唱され、検証が行われました。
運用: Dクラス職員を対象に、死亡する際の事象が記載されていると推定される右眼瞼結膜の最右下を観測する。死亡要因の特定は実験での不慮の事故、収容違反やK-クラスシナリオの発生等の確認に繋がる可能性がある。
結果: 観測結果の抜粋を以下に示す。実際の記載とは順序が逆であることに注意。
- 絶命。
- 1976年10月2日17時9分10秒 アメリカ合衆国██████████████サッカーコート、相手ゴールキーパー█████████を視認した様子を想起。
- 1976年10月2日17時9分10秒61 アメリカ合衆国██████████████サッカーコート、視界が正面を向く。
- [中略]
- 2004年6月1日7時15分7秒11 アメリカ合衆国██████████████路上を、████████方面に向けて歩行している様子を想起。
- [以下略]
以上の記載は走馬灯現象であると推定されており、他Dクラス職員においても同様の内容が確認された。想起する内容の時系列も順不同であり、想起と明記されていない内容が随所に挟まるため、実際の時系列と混同し死亡要因に関する内容の観測が困難となっている。
評価: 実用的でない。









