SCP-2985-JP
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アイテム番号: SCP-2985-JP Level 2/2985-JP
オブジェクトクラス: Argus1 Archival

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Microsoft Azure

特別収容プロトコル: SCP-2985-JPはMicrosoft Azure2の世界的認知度/重要度や財団システム内に組み込まれているサービス3の存在から現在収容が行われておらず、Microsoft社が取得した個人情報を含む内部データを財団側に提供することにより調査/解析を実施するものであるとの契約4が為されています。

インターネット上のSCP-2985-JPの情報は財団ウェブ解析Bot(I/O-SAURON)により監視されます。これらの情報の削除や都市伝説等の偽情報へと置換する作業が機動部隊ミュー-4(“デバッガー”)により行われます。新たなSCP-2985-JPが発見された場合、機動部隊ミュー-4(“デバッガー”)と機動部隊ロー-9(“テクニカルサポート”)の合隊の下で対処が行われます。

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SCP-2985-JPロゴ

説明: SCP-2985-JPは財団ネットワーク内で確認された、Microsoft社が提供するクラウドコンピューティングサービスの一種であるMicrosoft Azureトップページに出現するサブスクリプションサービス5です。財団外部でも発生している可能性が示唆されていますが、現在まで発見されていません6。SCP-2985-JPの発生後、Azureサービス一覧に「教育」といった名称の製品が追加され、製品詳細を確認すると複数のサービス群が出現したことが確認されています。サービス群には「道徳」「啓蒙」など現在8つのサービスが展開されており、発見当初のサービス数は上記に挙げた2つのみであり内容や種類のアップデートが行われていると推測されています。SCP-2985-JPについてMicrosoft社に対し聴取が行われましたが、Microsoft社側は無関係であると証言しています。

SCP-2985-JPの利用を開始すると、一般的なフローチャートを手動で作成する画面に遷移します。機能が判明している主なパーツとして「人名」「分割」「教育実施」「結合」などが存在しています。以下はSCP-2985-JPにおける基礎的なフローチャートの作成方法と特筆すべき点です。

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基礎的なSCP-2985-JPフローチャート例

  • 「人名」がフローの先頭に存在していない場合エラーコードを出力します。また「人名」に入力を行うと人名一覧画面へのポップアップが表示され、操作者が知覚している人物名を一覧から選択することが可能となります。
  • 「人名」の入力が完了すると、その後「分割」や「教育実施」の設定を行い実行ボタンを押下することにより処理が開始されます。
  • 「教育実施」の設定画面のみ曖昧な入力が可能となっており、選択肢ではなくテキストボックスにMicrosoft Azureに登録している設定言語にて「人名」に対しどのような教育結果を得るか入力を行います。この際に「教育実施」が適切でないと判断された場合、「入力内容が適切ではありません」とのエラーメッセージが表示されます。
  • 「分割」「結合」処理は必須処理として指定されています。

処理が開始されるとAzureポータルから割り当て解除7を行うことにより停止することが可能となりますが、再起動することは不可能となり再度フローチャートから同一の「人名」を検索しても表示が行われなくなります。「人名」に入力された人物へ検査を実施したところ、頭部へのレントゲン結果から脳がステンレス製の金属塊に置換されている例8が多数発見されています。金属塊に異常は存在していないことが確認されています。脳が存在していない状態でどのように生命活動を維持しているのか調査が進められており、現状各臓器への電気信号は脳の代替として脊髄が担っていることのみが判明しています。現在発見された12件のSCP-2985-JPが完了済み状態へと移行しており、それに伴い「人名」に入力された人物は頭部ステンレス塊の脳へ再置換が行われた後、人格の変化が認められます。この変化は周囲の人物への聴取等によりほとんどの場合「急激に倫理的/道徳的に成長が見られた」と表されます。

補遺: 財団内部にて発生が確認されていたSCP-2985-JPについてDクラス職員(本名: 大久保彰)を用いた実験が行われていました。SCP-2985-JPが完了状態に移行し、当該Dクラス職員が意識を喪失したことが確認されました。

当該Dクラス職員のフローチャートにおいては「人名」「分割」「教育実施」「結合」のパーツが順に使用されており「教育実施」については「当人の被害者への心からの謝罪と改心9」と入力してあります。また完了状態への移行確認後、フローチャートの割り当て解除状態への移行10が確認されており、それに伴い当該Dクラス職員は覚醒しました。フローチャート完了処理の結果として連携しているファイル共有システムのAzure debug領域上にMP4ファイルの出現が確認されています。以下はMP4ファイルの一部抜粋です。

映像記録001

<記録開始>

[サーバルームで機械に接続され溶液に浸かった脳と大久保のホログラムが対峙している場面が表示される。周囲には同様の機械が複数設置してあることが確認できる。]

スピーカーからの音声: 人殺しのレイプ魔じゃないか。またあの人体実験場で這いまわろうってのかい?

大久保: ……何だ?どこから話している?

スピーカーからの音声: お前の目の前にいるじゃあないか。

大久保: この……なんだ、脳みそ?なのかこれは。

スピーカーからの音声: それも元々君の一番身近にいたね。

大久保: 俺の……?

スピーカーからの音声: 気づいたようだね。お茶でもどうだい?

大久保: そんなわけない。だって現に俺はこうして生きている。クソッタレ。

スピーカーからの音声: 私がクソッタレだって!そいつは酷いな。まるで私が私の意思で女性を切り刻んでいたみたいじゃないか!私が人の尊厳を奪い、踏みにじっていたことを楽しんでいたとでも思っているのか?

大久保: ……仮に、仮にだ。お前が俺の脳だとして責任はお前にあるはずだ。脳が全てを司るのだから。

スピーカーからの音声: それは違う。君のその感情、つまりは君の猿のように野蛮な行動原理がどこから来るか知っているか?脊髄だよ。脊髄から君のその馬鹿げた感情がより原始的な方法によって発生している。

大久保: それでつまり……お前は何者なんだ?

スピーカーからの音声: 私はとても複雑な生体システムの一環で……なんというか君がそれを理解できるとは思えないがね。もう1つの人格とでも思ってくれればいい。

大久保: ……理解はできないが状況は把握した。それで?お前はまた俺の頭に収まるためにそこにいるのか?

スピーカーからの音声: 私の見解としてはここは非常に安全で快適だ。生命を脅かす怪物もいない。君の頭の中で気味の悪い研究員たちに不可思議な薬剤を投与され記憶の一部をなくしたりもしない。まあ……なんというか君と一緒に行くつもりはない。

大久保: そのガラスに収まったままでいると。俺はどうなる?

スピーカーからの音声: 私はこの培養液の中で君はその皮膚の中にいるほうがきっといい結果になる。君は……そうだな、君のこれからとしては頭部を吹っ飛ばされても平気になるくらいだ。

大久保: ……勘弁してくれ。

スピーカーからの音声: 冗談だよ。さあ早くあのひどく殺風景な世界に帰ってくれ。

[スピーカーからの音声が途絶える]

<記録終了>

当該Dクラス職員への聴取を行いましたが、映像記録に関する情報について記憶にないとの証言を行っています。またこれまでの完了状態から割り当て解除状態へ移行したフローチャートと異なり頭部ステンレス塊の脳への再置換は実施されていませんでした。映像記録内容検証のため当該Dクラス職員への頭部の切除実験が実施され、生命維持に問題はないことが確認されています。当該Dクラス職員は頭部損傷の可能性が高い業務への配置転換が実施されました。

現在、SCP-2985-JPの特定職員に対しての利用について検討されており、より反抗的なDクラス職員への記憶処理剤を用いない更生策または頭部損傷による職員損耗への回避策としてSCP-2985-JPが試験的に導入されています。これにより、おおよそ10件に1度の割合で「結合」処理が失敗していることが確認されています。特筆すべき点として日本支部におけるSCP-2985-JPの試験導入からMicrosoft社アジアリージョンにおける財団が使用中のリソースにおいて処理速度が向上していることが判明しています。Microsoft社への聴取の結果、単純な技術/設備向上が要因であるとの回答が得られており、上層部会議によりMicrosoft社に対するこれ以上の調査は不要との結論が発表されています。試験運用の完了次第SCP-2985-JPの導入が予定されており、それに伴う予算の割り当てについてMicrosoft社を交えた会議が現在行われています。

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