SCP-3004-JP
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SCP-3004-JP内で見られる神殿の1つ(K-515型撮影機による撮影)

アイテム番号: SCP-3004-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3004-JPは一般社会に一切の影響を与えていないため、その存在は放置されます。

説明: SCP-3004-JPは地上約1500km地点に存在する、かつて「天国」として機能していた形而上空間です。

少なくとも24世紀に至るまでの間、SCP-3004-JPは該当宗教の教義内に「天国」の概念を有する複数の神格実体による統治が行われていました。SCP-3004-JPを構成する形而上物質はいずれも相当量のアキヴァ放射1を放出しており、これはSCP-3004-JPがこれらの神格実体により創造されたという論の極めて有力な根拠となっています。

SCP-3004-JPは生前「天国」を信じていた霊的実体に対する誘引性を有しており、誘引された霊的実体群はSCP-3004-JPへの到着後自発的に内部における居住を開始します。これらの霊的実体群は、生前の信仰宗教毎に住み分けとしてのコロニーを形成する傾向があります。かつてのSCP-3004-JPはこれら霊的実体群が居住を続けるのに十分な空間、環境、娯楽を保持しており、神格実体は該当宗教のコロニー付近に神殿を創造し居住していました。

論理的に自然な推論から導かれる仮説として、神格実体群はSCP-3004-JPを、これらの霊的実体に対する理想的な居住地の提供を目的として創造、統治していたと推測されています。


科学技術の発展及び普及による世界的な宗教信仰の減退に伴い、19世紀初めから神格実体の存在強度には加速度的な減衰が発生していました。その結果として、24世紀頃より自身の存在を一定強度の元維持するため、神格実体らの間で各地へのアバターの点在2を停止しエネルギーを本体に集中させた上で、該当宗教の聖地等信仰を得やすい地点に滞在する動きが活発化しました。SCP-3004-JPの統治を行なっていた神格実体群もこの流れの例外ではなく、28世紀にキリスト教の三位一体がアバターの点在を停止した事で、SCP-3004-JPより神格実体は完全に消失しました。

SCP-3004-JPの統治システム崩壊から3315/4/13現在に至るまで、SCP-3004-JPにおいては霊的実体群らにより構成された自治組織による循環的な維持が行われています。

自治組織はSCP-3004-JPでの滞在が100年を超えた霊的実体によって組織されており、自治組織に属さない霊的実体らに対してその存在は厳格に秘匿されています。自治組織の主な行動は以下の通りです。


◾︎ 自治組織に属さない霊的実体らに対する、SCP-3004-JPに神格実体が存在しない事の隠蔽。具体的には、複数の霊的実体の融合による外見的な神格実体の模倣、自身を神の使徒と偽っての奉仕等が挙げられる。

◾︎ 神格実体の消失により供給が停止した資源の供給。これは自治組織に属する霊的実体を、SCP-3004-JP内に遺された儀式的機構3により奇跡論的エネルギーに変換する事により行われる。変換の対象となる霊的実体は、SCP-3004-JPでの滞在期間が長い順に選出される。

◾︎ 神格実体の消失に伴い不安定化したSCP-3004-JPの修繕。これらは前述の奇跡論的エネルギーを用いて行われており、奇跡論的エネルギーの不足分に対してはコミュニティの活動区域を徐々に縮小する事で対応している。


宗教信仰の減退に伴いSCP-3004-JPに到達する霊的実体の数が減少傾向にある事から、これら自治組織による活動の規模も縮小傾向にあります。宗教信仰の減退が現在の加速度で進行した場合、SCP-3004-JPの霊的実体コミュニティは後300年程で崩壊すると推測されています。

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