アイテム番号: SCP-3010
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: 「無因性偏執病」という語の辞書における定義を「耽溺や過度のストレス、睡眠不足などの心身への負担によって健康的な脳が自然の刺激に過度に反応すること。」に保ってください。この言葉に対する全ての文化的、社会的な言及はこのようにしなければなりません。
偽の家屋の中にその「存在」を捕らえるため、1体のSCP-3010-1が複数の偽装の下に収容されています。SCP-3010に対する極端な隠遁傾向と検証可能な反応を持つDクラス職員の1人は収容違反防止のために常にそこに配置されなければいけません。Dクラスはその役割、分類、場所は知らされず、外部者とのコミュニケーションを取ることはできません。Dクラスはいかなる場合においても、自分1人が見知らぬ放棄された家屋に実体と一緒にまったく孤独で閉じ込められたと信じていなければなりません。
家屋には32箇所の窓と46枚の鏡があります。ベッドルーム、西ホール、大ホール、レクリエーションルーム、食料庫は明るくされていなければなりません。他の部屋に照明器具は存在しません。食べ物は居住者のDクラスが食料庫から適切な距離を取った際に定期的に補充します。スクラントン現実碇を建物のそれぞれの角に、さらに2つを家屋の地下にある食料庫に設置しなければいけません。
窓越しに、夜間の田舎に偽装された風景が構築され、常に暗闇の状態に保たれています。ドアはボルトで締め閉鎖し、鋼鉄で補強されなければいけません。全ての窓には厚さ7.5cm以上の防弾ガラスが取り付けられていなければなりません。また、全ての壁は厚さ5cm以上のスチールコンポジットで覆われていなければいけません。
これらの収容プロトコルはSCP-3010-1のより効果的な大量収容方法が発見され次第即座に変更されることを留意しています。
説明: SCP-3010はほぼ探知不可能な存在の異常な副産物であり、それを引き起こす存在はSCP-3010-1として分類されています。SCP-3010は「見られている」感覚、つまり何か他の人間や視覚を持つ生物によって強く凝視、監視されている感覚とみなされています。
SCP-3010-1とそれのもたらす影響はある特定の条件が満たされない限り、その出現に一貫性はありません。特に、狭い場所、個室、隔離された病室や独居房のような無味乾燥な場所、そして財団の人型収容室にはその出現を誘発する効果がないことが証明されています。唯一判明している必ずSCP3010-1を出現させる方法は、最低限の照明を配置した家屋、あるいは少なくとも500m2の居住空間そっくりの場所に一人きりにすることです。他のSCP-3010-1の出現したケースに規則性は見られません。
実体は既知の物理的特性をほとんど持たず、他者の追跡を行うある種の傾向があります。それは通常16歳から40歳までの孤独な人間のみを追跡します。自動車や速く動く車両の操縦者を追跡することはできません。最もよく見られる犠牲者は自身の所有地で1人で居た傾向にあり、発生する時間帯は午前0時から日の出までの間が多く、そのため全ての事象はそれらの時間に起き続けている傾向を持つ個人に限られています。
多くの場合、SCP-3010を経験した人々は背後の存在を報告するようになります。壁を背にするとき、近くの窓や暗い角を避ける傾向があります。鏡はSCP-3010の罹患者に極度の嫌悪感を引き起こし、しばしば彼らは家の中の窓や鏡が無い場所へ逃走します。
SCP-3010の罹患者はあらゆる状況下で眠ることができません。これは恐怖によるものではなく、メラトニンの生成、夢の調節、睡眠導入を制御する脳の部位を操り、完全に機能不全にさせるSCP-3010-1の基本的な性質によるものです。これはその場所の空気にガス状の物質がかすかに挿入されることによって引き起こされると考えられています。これにはCAP誘発型不眠症として医学的な説明が与えられています。
SCP-3010は人類に対して消極的に敵対していると認識されています。それは活性化したときに罹患者に[データ削除済]を引き起こす特定のトリガー群を持ちます。詳細は補遺SCP3010-Aを参照してください。
トリガーには以下のような傾向があります。それは、破壊や傷つけようとする意志でSCP-3010の発生源を積極的に追跡すること、鏡や窓に長時間接触すること、暗い部屋に長時間滞在すること、長時間の沈黙、実体の「存在」への直接的な接触、パニック、血液、他の人間と接触しようとする試みです。
もしこれらのトリガーのうち2つが、4回以上満たされた場合、実体は「活性化」し、前述の動作の一つを行います(ただし例外として、実体への接触や認識を試みた場合には即座に活性化します)。生存率は丁度█%です。
回避性障害等の人的交流の逃避は実体に対して極端な誘因か反発をもたらします。特に社会病質者のような人的交流に優れている個人は奇妙で比較的知られていない重大な異常を引き起こす効果をもたらします。実験は推奨されていません。そのようなインシデントの一つは「音声記録D-17729」に詳述されています。
現在、サイト-2Cは主に情報収集に利用されています。SCP-3010-1実体の数はおそらく数十万に上ることから、情報収集の封じ込め活動としての意味合いは薄く、むしろ野外における実体群の観察作戦の一環であるとみなされています。SCP-3010-1の存在、集合、場所、数量または他の関係する特性の情報が発見された場合、直ちにサイト-2Cの監督官に報告する必要があります。これにより、いかなる必要と考えられる収容プロトコルも変更される可能性があります。SCP-3010-1実体の大量収容は最優先事項です。