SCP-3011-JP
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財団記録・情報保安管理局より通達
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アイテム番号: 3011-JP
レベル2
収容クラス:
safe
副次クラス:
none
撹乱クラス:
dark
リスククラス:
notice

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SCP-3011-JP

特別収容プロトコル: SCP-3011-JPの野生個体は絶滅寸前と考えられています。野生のSCP-3011-JP個体が発見された場合、最低限のサンプルを採取してください。SCP-3011-JPはサイト-81██の標準水棲型オブジェクト収容水槽に収容されています。実験時を除きSCP-3011-JPは霊的実体との接触は禁じられます。

ホタルイカモドキ科(Enoploteuthidae)の眼発光器の適応的意義について、適切なカバーストーリーを流布してください。

説明: SCP-3011-JPはホタルイカモドキ科(Enoploteuthidae)に属するイカの一種です。SCP-3011-JPの眼発光器は霊的発光に類似する波長の不可視光を放ちます。SCP-3011-JPはこれを利用して霊的実体に擬態している他、反射光を利用することで付近の霊的実体を探知しています。これはレベルⅢ以上の敵対的霊的実体からの防衛に用いられているとの仮説が立てられていますが、SCP-3011-JP生息域の調査ではそれに類する霊的実体は確認されていません。

発光器を持つイカの例としてホタルイカ(Watasenia scintillans)は皮膚発光器、腕部発光器、眼発光器の3種の発光器を持ち、それぞれ皮膚発光器はカウンターシェイディング1に、腕部発光器は目くらましに用いられていますが、眼発光器は明確な適応的意義が判明していませんでした。財団生物学部門による分子系統解析により、ホタルイカの眼発光器はSCP-3011-JPの霊視器官が起源であり、霊的発光を行うルシフェラーゼの一種に変異が生じた結果青色に発光し眼の影を隠蔽することで捕食者からの隠蔽に寄与していると判明しました。

SCP-3011-JPを捕食あるいは殺害していたと考えられる敵対的霊的実体は現在絶滅状態にあると考えられています。そのためSCP-3011-JPの眼発光器は本来有していた適応的意義を果たしておらず、敵対生物の探知のためにほぼ常に発光していることでエネルギー消費の観点から通常のホタルイカとの生存競争に不利に働いています。このことからSCP-3011-JPは発見以来数を減らしており、近い将来財団により保護されたサンプルを除き絶滅すると考えられています。

発見経緯: SCP-3011-JPは一部海域において改良型カーデック計数機の原因不明の不調2が報告されたことにより、当該海域の調査を行った結果発見されました。


実験記録: SCP-3011-JPの眼発光器の適応的意義を確認するため、霊的実体に対する接触実験が行われました。以下はその抜粋です。完全なリストはこちらを参照して下さい。

実験記録-01

目的: SCP-3011-JPの眼発光器の機能を確認するため、霊的実体およびそれを構成する物質へ接触させた。

実験内容: 眼発光器を切除したSCP-3011-JPとしていないSCP-3011-JPに対し、以下の対象を近づけ反応を観察する。
接触対象 眼発光器あり 眼発光器なし
常温エクトプラズム 反応なし 反応なし
SCP-3011-JPの別個体 反応なし 反応なし
霊的発光を行わないレベルⅠ人型霊的実体 対象から逃走 反応なし
霊的発光を行うレベルⅢ人型霊的実体 対象から逃走 対象から逃走

結果: SCP-3011-JPは負の走霊性を見せた。また、眼発光器がない場合は霊的発光を行う霊的実体からのみ逃走反応を見せた。

考察: SCP-3011-JPの眼発光器は霊的発光を行わない霊的実体を視認可能にしていると考えられる。

 

実験記録-04

目的: SCP-3011-JPの霊視能力の適応的意義を考察するため、人型以外の霊的実体に対する反応を確認する。

実験内容: SCP-3011-JPに対し、以下の対象を近づけ反応を観察する。
接触対象 反応
発光エクトプラズム 反応なし
SCP-3011-JPの別個体 反応なし
SCP-2095-JP 緩やかに一定距離まで離れた。
SCP-3011-JPと同程度のサイズの魚型霊的実体 緩やかに一定距離まで離れた。
大型の魚型霊的実体 対象から逃走

結果: SCP-3011-JPは自身よりも大型の魚型霊的実体から逃走し、それ以外の霊体からは緩やかに距離を取る様子が確認できた。

考察: SCP-3011-JPの霊視能力は大型の霊的実体からの逃走に用いられていると推測できる。別種のSCiPの確保のためSCP-3011-JP生息海域の調査が必要になるだろう。

 
補遺: 上記の実験を受け、SCP-3011-JP生息海域に対して、カーデック係数機及びハルトマン霊体撮影機を搭載した無人潜水艇による広域調査が行われましたが、通常海域と比較して有意な霊的実体の数量や強度の変化は見られませんでした。SCP-3011-JPが霊視能力を獲得した原因となった攻撃的霊的実体は絶滅していると推定されました。


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