アイテム番号: SCP-3012-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3012-JPの特性上率先した対象の捕獲は保留されています。新たなSCP-3012-JPが確認された場合は対象からの同意を得た上でGPS付きの首輪を装着させ、その後の動向を監視してください。各地に点在するSCP-3012-JPの監視は各地区のサイト内に設置した監視班により行われます。
SCP-3012-JPの集合が確認された場合はSCP-3012-JP間で行われた議会の内容を詳細に記録し、その後に行われる各市町村の政治機関で作成された議事録との照合を行ってください。
現在、SCP-3012-JPとのインタビュー記録を基に東京都に存在するネコ科哺乳動物の検査と調査が行われています。
説明: SCP-3012-JPは食肉目ネコ科ネコ属に類似した見た目を有する実体です。SCP-3012-JPは日本全国に点在し、各個体の特徴や組成も通常のネコ科哺乳類と相違ありません。その為、SCP-3012-JPの判別方法は異常性発現の有無のみであり、異常性発現前の判別方法の研究が継続されています。
SCP-3012-JPの異常性はSCP-3012-JPが5匹以上集合した際に発現し、それに伴い人間と同等の知能・発話能力を獲得します。この時、SCP-3012-JP個体群は主に各地方における政治論理や政策についての議論を展開し、これを決定します(以下、SCP-3012-JPイベントとする)。この際、人間との会話も可能になります。
SCP-3012-JPイベントにより決定された政策や運営方針はSCP-3012-JPイベント終了後に行われる実際の県議会や市議会の決定と一致し、各地方にて施行されます。なお、SCP-3012-JPイベントで行われた議論の経過と実際の政治機関での議論の経過は一致せず、最終決定のみがこれの影響を受けます。現在、これらの異常性はSCP-3012-JPによる現実改変的要素を含んだ異常性なのかSCP-3012-JPによる未来予知を伴う異常性なのかは未だ判明していません。
東京都圏内や近辺では観測されず、関西圏で多く発見される。
現時点では日本国運営に関する影響はあまり見られず、その原因として東京都圏内ではSCP-3012-JPイベントの発生が一切確認されていない点が挙げられます。なお、これについてはインタビュー記録によりSCP-3012-JPが意図的に東京都圏内に接近していない事が確認されています。
SCP-3012-JP自体はこの一連の異常性に関しては正確には把握しておらず、SCP-3012-JPイベントによる決定が実際の県政および市政に影響を与えている事も認識していません。SCP-3012-JPによる異常性の悪用を防ぐ為にこの現象の詳細は秘匿されています。
現在、SCP-3012-JPとして認定されていた個体を捕獲した際に異常性が消失すると言う現象が確認されています。その為、対象の保護と異常性研究の観点から積極的な対象の捕獲作戦は保留されています。この事から、SCP-3012-JP研究班の見解ではSCP-3012-JPの異常性は生態的機能としての異常性ではなくネコ科哺乳類の個体に付与される第三存在に依存する異常性ではないかと推測されています。
補遺1: SCP-3012-JPは京都府██市にて現地のパトロールを行っていたエージェント・ポーズによって発見されました。当時、サイト‐81██は該当地区にて異常現象に関する報告を受けており、エージェント・ポーズを派遣することで現地調査を実施していました。異常現象として報告されていた事象に関しては非異常性を含む偶発的事象であったと判明しましたが、調査時に潜入していた地域の廃工場内にてSCP-3012-JPイベントを目撃しました。エージェント・ポーズはすぐさまサイト‐81██に詳細を報告し、その後の観測実験で異常性の分析が行われました。
SCP-3012-JPイベントを目撃した当初こそSCP-3012-JPに対する認識は「言語能力を有するネコ科哺乳動物実体」のみであり初期段階ではAnomalousアイテムへの分類が進められていました。ですが、記録部門の職員からSCP-3012-JPイベントで行われた内容と該当地区の市議会議事録の内容が酷似しているという報告が行われ、追加調査を実施しました。結果、前述した異常性が判明したため正式にオブジェクトクラスが割り当てられました。
補遺2: 以下はSCP-3012-JPイベント発生中に行われたSCP-3012-JPへのインタビュー記録です。