SCP-3015-JP
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SCP-3015-JP

アイテム番号: SCP-3015-JP
 
オブジェクトクラス: Euclid
 
特別収容プロトコル: SCP-3015-JPは後述する異常性を保護するため、サイト-8102、サイト-8122、サイト8149で収容されています。SCP-3015-JPの飼育ケージには菊理媛命を祭神とする小型祠を設置し、飼育手順は標準クモ類飼育プロトコルに従って下さい。

SCP-3015-JPは現在野生絶滅と推定されていますが、異常性発現の機序に神格実体が関与するため、異常性が変異する可能性を考慮し、定期的に野生下の個体が捜索されます。野生下SCP-3015-JPの捜索は菊理媛命を祭神とする神社および祠を中心として行ってください。手順-SCP-3015-JPが確認され、新規メス個体の産卵の有無が確認されなかった場合、および手順-SCP-3015-JPが確認されずに新規メス個体が産卵に至った場合は未収容の個体が残存しているとみなし、緊急的に先述の場所を捜索してください。

「縁結びをする蜘蛛」あるいは「白いセアカゴケグモ」に関する情報は検閲の対象となり、財団ウェブクローラによって自動的に削除されます。
 
説明: SCP-3015-JPはセアカゴケグモ(Latrodectus hasseltii)に類似したクモの一種です。形態的な特徴および遺伝情報は概ねセアカゴケグモに類似していますが、地色が白色であることで判別は容易です。SCP-3015-JPは日本全国の菊理媛命を祭神とする神社および祠に営巣していました。

性的に成熟したSCP-3015-JPのオスは以下のプロセス(以下手順-SCP-3015-JPと表記します。)で異常性を発現します。

  1. 異常性発現の24時間以上前からSCP-3015-JPは捕食行動および排泄を停止する。
  2. ヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczii)やドクダミ(Houttuynia cordata)などのヒトにとって食用とされる野草を挟角を用いて採集し、巣の近傍にそれらを設置する。
  3. 近傍の水溜まりに触肢および脚を触れさせる。この際神社に生息するものは手水舎の水を用いる。
  4. 頭胸部を地面に付ける動作を2回行う。
  5. 触肢および前脚を振る動作を数分間行う。これはハエトリグモ科(Salticidae)に見られる求愛行動に類似する。
  6. 頭胸部を地面に付ける動作を行う。
  7. 採集していた野草を微量のみ摂食する。

上記のプロセスを完了したSCP-3015-JPのオス個体の触肢からは精子が消失します。1

一方でSCP-3015-JPのメス個体は交尾行動を一切確認されていませんが、性的に成熟した後に不定期なタイミングで産卵します。産卵に至ったメス個体の巣からは、一定量のアキヴァ放射2が検出されることから、手順-SCP-3015-JPは営巣地の祭神である菊理媛命3に対する儀式手順であり、SCP-3015-JPは神格実体を利用して遠隔での交尾行動を行っていると推測されています。

追記: SCP-3015-JP確保後の実験において、手順-SCP-3015-JPが完了した後に別のケージにて飼育していたメス個体が産卵し、卵から手順-SCP-3015-JPを行ったオス個体に由来する遺伝子が検出されたことから、SCP-3015-JPの異常性は遠隔での交尾行動であると確定されました。


セアカゴケグモのオスは交尾後に高確率で捕食されることで知られており、この遠隔での交尾行動はオス個体の交尾後の生存に寄与し、生存したオス個体は複数回交尾する機会を獲得します。これにより手順-SCP-3015-JPを行う個体は性選択により有利となります。加えて、手順-SCP-3015-JPによる遠隔交尾は菊理媛命を祭神とする神社および祠の周囲5m~300m4の範囲に生息する個体間でのみ成立するため、この範囲が地理的障壁として機能し、通常のセアカゴケグモとの種分化が成立していると推測されています。

手順-SCP-3015-JPの一部を妨害する実験により、遠隔交尾の成功確率および成立距離に減弱が見られたこと、およびゲノム解析による遺伝学的な証拠から、SCP-3015-JPは菊理媛命を祭神とする神社または祠に営巣したセアカゴケグモを由来とし、偶然に手順-SCP-3015-JPに類似する行動を行ったセアカゴケグモのオス個体が菊理媛命によって遠隔交尾を成立させて生存し複数のメス個体と交配した結果、より神道における儀礼手順に近い行動を行う個体が性選択によって有利となったことで進化し、その結果日本全国の菊理媛命を祭神とする神社および祠の近傍に生息するセアカゴケグモを種分化させたと推定されました。手順-SCP-3015-JPに代表される行動およびSCP-3015-JPの体色が白色であることは神道における儀式手順へ適応した進化であると推定されています。


発見経緯: SCP-3015-JPはインターネット上に投稿された「縁結びをする白い蜘蛛」という投稿が財団の目を引き、それらの写真の位置情報を元に行われた調査によって発見されました。

この投稿は財団による実験によって確認され、遠隔交尾による産卵に至ったSCP-3015-JPのメス個体の巣は菊理媛命を由来とするアキヴァ放射が残存しており、極めて軽微ながら「巣に同時に接触した男女に、互いへ好意的な感情を抱かせる」異常性が存在していました。

当該投稿を行った山崎 真由美氏は当時友人関係であった中里 健人氏と共にこの異常性に暴露し、6ヵ月の交際の末に婚姻に至った旨を報告していました。この投稿の返信欄には「白い蜘蛛のおかげで告白に成功した」という旨の報告が4件、「冷めていた恋人への好意が再燃した」という旨の報告が2件報告されており、同時期に他にも同様の投稿が3件投稿されていました。これらの投稿を行った人物は特定され、Aクラス記憶処理を施した上で解放しました。

SCP-3015-JPの確保後、異常性の確認が完了した段階で当該情報は速やかにインターネット上から削除または検閲されましたが、削除までの██日間の間にSCP-3015-JPの巣を採取しようとした人物により███件の咬傷事故および3名の死者が発生していました。

これはSCP-3015-JPがセアカゴケグモに起源を持つため、非異常な神経毒であるα-ラトロトキシン5を毒腺から分泌することによるものです。SCP-3015-JPは非異常のセアカゴケグモと同様性格は温厚であり、噛まれたとしても注入される毒液はごく微量であるため、死に至ることは少ないと想定されますが、咬傷事故にあった被害者の多くが先述の「縁結びをする白い蜘蛛」の投稿を閲覧していたために素手で巣への接触を行っており、これによってSCP-3015-JPの攻撃を誘発し、高頻度で咬傷事故に発展していたものと推測されています。

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