SCP-3018
評価: +8+x

アイテム番号: SCP-3018

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3018を収容しているフランス中央高地の森林地帯は大型フェンスで囲われ、自然保護区として民間人の立ち入りが禁止されています。SCP-3018を収容域内に保つために、38~44 kHzの周波数1を放出する超音波放射装置をフェンス上部に一定間隔で配置します。サイト-31保守スタッフは4日ごとに放射装置の故障を点検し、収容状況に漏れが生じていないのを保証すべきです。サイト-31のスタッフは — クリアランス3/3018以上の職員が発行した書類を提出して — 収容ゾーンで一晩過ごすことを申請できます。これは士気を大幅に向上させることが明らかになっています。

説明: SCP-3018は、フランス中央高地にある小規模な森林区画に固有の、樹木食性甲虫の異常な一種に対する指定名称です。SCP-3018はHylotrupes2にあたります。SCP-3018個体群は社会性を有し、一度に1本の樹木に集中して群れで移動しているようです。問題の樹木をくり抜く代わりに、SCP-3018は樹木を殺すことなく幹の側面に複雑な紋様を“彫り込み”ます(アルバン-C事象中を除く)。この紋様はケルト結び目の様式です。

SCP-3018の群れは自分たちの彫り込みを新鮮な花3や葉4で装飾し、紋様上でしおれた花や枯れ葉は新しいものに取り換えます。SCP-3018は夜間(20:00~8:00)、紋様の上で休眠状態に入り、彫刻された樹木に危害を及ぼすことを意図する存在には敵対的に振舞います。しかしながら、SCP-3018は休眠状態に入る前に、これらの樹木と並んで横たわる動物や人間を花や葉で飾ります。

SCP-3018は年一回のみの行動を複数有しており、総称してアルバン事象と呼称されます。これらは無害と判断され、実行を看過されています。事象の発生理由は不明です。

アルバン事象
アルバン-A | 12月21、22日: 全てのSCP-3018個体は一見ランダムな森の一角に集合します。この時、1つの群れは5~10本の棒を持参します。全ての個体が集まり次第、集団の中から小さな群れが出て、棒の上で“踊り”ます(飛翔と落下の繰り返し)。他の個体は棒の周囲を丸く囲みます。踊る群れは不定間隔で集団内のSCP-3018個体と入れ替わるため、最終的には全ての個体が最低1回踊ります。この事象は日没(17:00頃)に始まり、夜明け(8:45頃)まで続きます。

アルバン-B | 3月21日: SCP-3018個体群はヨーロッパアカマツの樹木から落ちた松かさを探します。群れは松かさの周囲に寄り集まり、下の地面を掘り下げます。松かさが小さな穴(深さ8~12cm)の中に入ると、群れはその上に土を被せて山にします。SCP-3018個体群はこれらの土山を1~3個の花で飾った後、別の松かさを探しに向かいます。この行動は日の出(7:00頃)に始まり、正午(12:00頃)に終わります。

アルバン-C | 6月21日: SCP-3018の全ての群れは森の中にある1本の樹木に集合し、それを貪り始めます。この過程の不確定な時点で、全てのSCP-3018個体は樹木から全ての葉を摘み取り、樹木を取り巻く華美なケルト結び目紋様へと配置する行動に移行します。この行動が終了すると、全てのSCP-3018個体は葉で描かれた紋様の上に留まって羽ばたき続けます。これによって低いハム音が生成されます。この行動は正午(12:00頃)に始まり、3~5時間続きます。

アルバン-D | 9月20、21、22日: 全てのSCP-3018個体は休眠状態を維持します。SCP-3018全体の約25%はこの事象中に死亡します。死因は判明していません。その後、22日の朝に、群れは死亡したSCP-3018個体を収集し、前記アルバン-C事象の対象となった樹木の中に配置します。この行動は20日の休眠時(20:00頃)に始まり、22日の朝(10:00頃)に終了します。

補遺 | 聖堂発見
1998年10月19日、収容区域内で休暇を取っていた職員は、SCP-3018が示す奇妙な行動に気付きました。SCP-3018の大集団が、彫り込みのある樹木ではなく、地面の顕著な隆起部を円形に囲んで休眠状態に入っていました。更なる調査の結果、石灰岩で作られた小さな丸屋根が発見されました。

GPR(地中レーダー探査)は、奥行き4.5m、幅4.5m、高さ6mの円筒形構造物と、ヒトの骨格5体の存在を明らかにしました。発掘調査は1999年1月2日に始まり、構造全体が掘り出されました。問題の構造は聖堂のように思われ、柱4本で支えられた屋根があり、中心部の台座に鉢が乗っていました。鉢の底にはケルト結び目紋様が彫られ、キチン質と乾燥した人血で大幅に変色していました。それぞれの柱には蝋燭1本分の燭台があり、煙の跡は4本中3本の蝋燭が点灯されていたことを示唆しています。ヒト骨格5体は全て、銀の指輪を嵌めた成人女性と特定されました。4体の死体は骨格の付近または内部から鏃が見つかっており、うち2体の頭蓋骨には深刻な衝撃外傷が及んでいました。5体目の死体は聖堂の鉢の近くから、半透明の緑色の物質にまみれた生贄儀式用の短剣と共に発見されました。この骨格は肋骨が5本折れており、恐らくは刃物による損傷が眼窩骨に加えられていました。

SCP-3018は現在、アルバン-A事象を聖堂の鉢の上でのみ執り行っており、夜間は鉢の上で休眠状態に入ります。SCP-3018は定期的に聖堂の基部に彫られた人物像の周囲に集まり、それらを花で飾ります。

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