SCP-3019-JP
評価: +14+x
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アイテム番号: 3019-JP
レベル2
収容クラス:
keter
副次クラス:
none
撹乱クラス:
keneq
リスククラス:
warning

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SCP-3019-JPによって生成された流砂、地下水の噴出によって砂を含んだ泥水が噴出している。

特別収容プロトコル: SCP-3019-JPの発生機序は未確定のため、収容は異常性発現後の情報隠蔽に注力します。SCP-3019-JPによって流砂が生成された場合、カバーストーリー「地盤軟化」を流布し、周囲を封鎖してください。発生地が建造物の付近である場合、カバーストーリー「施工不良の発覚」を流布し、内部の人員を退去させた上で必要に応じて当該建造物の撤去あるいは地盤の補強を行ってください。
 
説明: SCP-3019-JPは突発的に流砂が生成する現象です。通常、流砂は川岸や湿地などの地下水が豊富な砂や粘土質の土地において噴出した地下水が地盤中に飽和することで生成されますが、SCP-3019-JPによって生成される流砂はそれらとは無関係に生成します。この流砂は発生から推定█日間程度の期間の間、詳細不明の機序によって水の自然な流出が妨げられます。

SCP-3019-JPによって生成される流砂は概ね半径1m程度の球状であり、確認されたほぼ全ての実例で内部にはツバメ(Hirundo rustica)の死体が確認されています。当該ツバメが異常性の成因であるとの推測から検査が行われていますが、死体に異常性は確認されておらず異常性の成因は現在調査中となっています。ツバメの死後に異常性が消失している可能性を考慮し、SCP-3019-JP発生地におけるツバメの異常性スクリーニングが行われましたが関連する異常性は発見されていません。

追記: 財団管轄の施設に設置された屋外監視カメラにより発生初期のSCP-3019-JPが撮影されたことによって、SCP-3019-JPの発生機序が確認されました。以下は確認されたSCP-3019-JPの発生機序です。

1. 鳥アスペルギルス症1に類似した症状を呈したツバメが死亡する。
2. ニクバエ類2と思われるハエが当該死体に集合し、産卵を行う。
3. ツバメの死亡から3時間程度経過すると、集合したニクバエ類およびその幼虫の蠢動と同期して死体の周囲の地盤が微細な振動を起こし、地盤が液状化し始める。
4. 地盤中の砂や泥を含んだ地下水が噴出し、ツバメの死体が沈没する。以降1時間程度をかけて流砂が形成される。

以上の発生機序から、SCP-3019-JPの成因の候補として、ツバメではなくそれに寄生している真菌類や、死後に集合するニクバエ類が調査対象となりましたが、先述のツバメに対する異常性スクリーニングにおいて鳥アスペルギルス症を罹患したツバメ類にも異常性が見られなかったこと、上記の発生機序が確認された実例において調査された周辺に生息するニクバエ類や、生成された流砂中の調査においても異常性が確認できなかったことから、異常性の発現には生物量に規定される閾値が存在するか、これらの生物を成因としない現象であると推測されています。

上記の仮説を検証するため、現在関連生物を過密飼育する実験が計画されています。


SCP-3019-JPは主に東アジアの都市部や郊外などの人間の居住地域3で発生します。このため、民間人の流砂への沈没4や、建造物の近傍で発生した流砂による地盤沈下に由来する建造物の損壊や傾斜の発生の危険があります。SCP-3019-JPによって生成される流砂は発生地の地質と無関係に発生するため、建造物の建築時点において硬質地盤5と判断された土地において直接基礎6などの工法で建造された建造物や、電柱などの狭い範囲の地盤に支えられている建造物は流砂の影響で容易に倒壊あるいは損壊します。

当報告書執筆時点の2000年7月現在までにSCP-3019-JPによって損壊した建造物の被害を以下に列挙します。

  • 電柱が倒壊したことによって発生した停電が██件、内2件は鉄道架線を支える電柱に発生し大規模な運休へ発展しています。
  • 民家を含む低層建造物の傾斜が█████件、内民家に発生した███件においてはめまいや頭痛等の健康被害が発生し、特別収容プロトコルに基づいて水平復元工事の施工が行われました。
  • 建造物の全壊に至る倒壊が██件、内█件において内部に居住していた住民が巻き込まれ、2名が死亡、17名が軽傷を負っています。

上記の被害による民間人への被害総額は███億円と見積もられ、情報隠蔽の必要性から一部を財団が負担しています。

これらの被害を未然に防ぐため特別収容プロトコルの改定が計画されていますが、SCP-3019-JP発生の機序が未確認である点、発生が突発的で予測が困難である点から改定は見送られ、情報隠蔽と事後処理を中心とした特別収容プロトコルを実施しています。

SCP-3019-JPの発生機序特定のため、異常性発現に関与している可能性がある生物種の過密飼育実験および大規模調査が予定されています。


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