SCP-3036
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アイテム番号: SCP-3036

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3036はサイト-43のB棟にある標準的なヒト型生物収容室に収容されます。SCP-3036には毎日正確に1時間の娯楽時間が認められています。この間、SCP-3036は類似の心理学的気質を有する異常ヒト型生物との交流を許可されます。

SCP-3036は自身の収容室内もしくは実験中を除いては異常能力の行使を許可されておらず、この条件に違反した場合は娯楽特権が3週間取り消されます。これはSCP-3036を現在の財団による拘留下の環境に順応させるためです。SCP-3036-A-1および-2の安全のために、SCP-3036はサイト-43の医療職員による健康診断に参加します。

説明: SCP-3036は全身がヒトの肉、筋組織、各種体液で構成されているヒト型実体です。身長185cm、体重100kgです。黒、白、赤のインクによる図像がSCP-3036の顔面、上半身、下半身に刺青されています。SCP-3036は神経系の存在を示しておらず、触覚を感知できません。加えて、SCP-3036は骨構造と生殖器系の痕跡を有していません。

これにも拘らず、SCP-3036は知性体であり、高次脳機能と生体恒常性が求められる活動を問題なくこなすことができます。SCP-3036は完全な英語の読み書きが可能です。SCP-3036との交流経験がある職員は、心理学者との個人的な対話においてSCP-3036が平静かつ無遠慮な態度を取ると述べています。

SCP-3036は身体を異常な長さに引き延ばすことが可能であり、最長記録は47mです。SCP-3036はこのような延伸への不快感を示しません。SCP-3036はしばしば、他の娯楽活動ができない時に、収容室内で自身を引き延ばしている様子が確認されています。延伸の実行または他者の攻撃によって損傷を受けても、SCP-3036は短期間で失われた組織を再生できます。SCP-3036によると、対象は以下の被害から生還しています。

  • 不明確な数の12ゲージ散弾銃の弾丸
  • 未特定種のクマによる攻撃
  • 頭部に食い込んだチェーンソー

SCP-3036-Aは、SCP-3036の体内に生息する2体のヒト型実体であり、どちらもSCP-3036の胃に相当する部位に位置しています。SCP-3036-Aは外科手術によって腰部分で融合しており、発育不全を示しています。この発育不全は自然なものではなく、現時点では未知の組織によって引き起こされたと考えられます。SCP-3036-A個体の位置の都合上、両個体の正確な体重や身長の記録は現在不可能です。

個々にSCP-3036-A-1およびSCP-3036-A-2と指定されるこれらの実体は、SCP-3036と寄生関係にあります。SCP-3036のX線撮影によると、SCP-3036-A-1とSCP-3036-A-2の口は、SCP-3036の喉の内側にあるチューブと外科的に接続されています。ここからSCP-3036-Aは必須栄養素を取得します。SCP-3036は胃からSCP-3036-A個体を除去するためのあらゆる試みを拒否しています。

回収: SCP-3036は1999年、GoI-233(“ハーマン・フラーの不気味サーカス”)への襲撃試行に続いて捕獲されました。SCP-3036は未知の理由で置き去りにされており、SCP-3036はこれを自身が芸人仲間と“険悪な仲”だったためであると主張しました1。SCP-3036は回収に際して抵抗しませんでした。


インタビューログ

質問者: ヘンダーソン博士
対象: SCP-3036

<記録開始>

ヘンダーソン博士: あなたのお名前は?

SCP-3036: 昔の名前は思い出せない。最後にそれを考えてからずいぶん経つ。この姿になって以来、フラーや芸人仲間からはずっとストレッチーと呼ばれてる。大した事じゃない。

ヘンダーソン博士: 何故思い出せないのですか?

SCP-3036: そんなの知るかよ。多分、手術と関係があったんだろうさ。

ヘンダーソン博士: 手術?

SCP-3036: ああ、手術だ。奴らは俺たちをそうやって作った。7歳のガキを一晩でピエロにはできないだろ。

ヘンダーソン博士: この手術はどういったものでしたか?

SCP-3036: そりゃ、分かるだろ、いつものアレだよ。ガキをかっ捌いて、手始めにそいつを人間たらしめてた物を全部ブッ千切って、脳みそに薬物を何百もブチ込んでから、軽く魔法をかけて縫い合わせる。するとアンタの手元には、感情的な重荷をアンタ以上に背負いこんだガキが残る。

ヘンダーソン博士: そちらのサーカスではピエロの品種改良をしていると思っていましたがね。

SCP-3036: おう、やってるぜ。あそこで働くピエロの大半は、元々は俺たちが占めてたんだ。研究所の奴らがもっと、あー、“人道的な”ピエロの作り方に切り替えるまではな。俺たちは人間をやめた最後の世代だった。

ヘンダーソン博士: “俺たち”?

SCP-3036: そうだ。奴らが俺1人しか作らなかったと思うか? たった1人?


ヘンダーソン博士: サーカスでは何を専門としていましたか?

SCP-3036: ピエロハンターだ。

ヘンダーソン博士: 説明を。

SCP-3036: 実はな、繁殖物のピエロは普通の奴らよりも少し、あー、どう言ったらいいかな、“反抗的”なんだ。逃げる奴が出るのはごく当たり前だったし、脱走計画が蔓延してた。フラーはそれがお気に召さなかった、そうとも当然の事だ。俺たちはもう客寄せに不向きだったから、フラーは新品種と一緒に楽しむ時間を俺たちにくれた。そして俺たちは大いに楽しんだ。

ヘンダーソン博士: どういう類の“楽しみ”があったのですか?

SCP-3036: まぁ例えば、ピエロの頭蓋骨がどれだけ分厚いか知ったらアンタは驚くぜ。マジな話、割れたガラスにちょっと似てる。

ヘンダーソン博士: それで、あなたはどれだけ長く“ピエロハンター”を務めてきたのですか?

SCP-3036: 新品種が周りにいる限りずっとさ。最初の狩りは今でも覚えてる。森の中で追い回してたピエロが喘いだり呻いたりする音を、今でも思い出せるんだ。心臓が、というかその残りカスが、俺の胸の中で脈打ってた。俺は50フィート離れた場所からそいつの喉笛を掴んで首をへし折った。ずっと離れた場所からでもその音が聞こえた。

ヘンダーソン博士: あなたはそのピエロに何をしたんですか?

SCP-3036: 教訓をくれてやった。首を折った後、俺はそいつを木に叩き付けた。ピンク色の血が腹から溢れ出してた。近くでじっくり見るとアイスクリームみたいに見える血だ。奴は生まれつきの酷い、歌うような声で叫ぼうとした。サーカスのテーマ曲を喚き散らそうとしてたんだ。俺は奴をサーカスのテントまで引きずって帰った、アイスクリームの血は奴の腹からずっと流れ出てた。何なのか知らなかったら、俺は多分そいつを食ってただろう。

ヘンダーソン博士: 何という…

SCP-3036: サーカスの敷地に戻った俺は、他の新品種どもに知らせを送った。俺はゼイゼイ喘いでる空っぽの死にかけを、10フィートの高さに持ち上げて新品種に見せつけた。奴は咳き込んで血を吐いてた。フラーに逆らった奴に何が起きるかを見せてやった。アンタはフラーが俺に何をしたか分かるか?

ヘンダーソン博士: えっ?

SCP-3036: フラーは俺を抱きしめたんだ。自分はアメリカ一誇らしいサーカス団長だって言った。俺はあいつを誇らしい気持ちにさせた。俺のことを誇りに思わせた。よりにもよってこの俺を! 報酬として、フラーはこいつらを殺す代わりに俺に委ねてくれた。

ヘンダーソン博士: こいつら?

SCP-3036は自身の腹部を指差す。

SCP-3036: 俺の弟たちだ。

ヘンダーソン博士: お — 弟ですって?

SCP-3036: ああ。見ての通り、こいつらは手術を乗り切れなかった。本当は俺みたいになるはずだったのさ。エンターテイナーじゃなく、初めからピエロハンターとして。でも台無しになった。何が起こったか知らないが、こう、弟たちの脳はグチャグチャになっちまった。この目で見たよ。白いボウルに割れた卵を山ほどブチ込んだような脳みそだった。フラーは弟たちを始末するつもりだったが、俺が仕事を終えた後、こうして俺に世話を任せてやろうと決めた。

ヘンダーソン博士: この当時、あなたは何歳でした?

SCP-3036: 忘れたよ。でも小学生ぐらいだったな。多分一桁の頃だ。そう騒ぐほどの事じゃない。こいつらが死ぬのを見捨ててはおけなかった。もし俺がそうしたかったとしても。


ヘンダーソン博士: 何故あなたは置き去りにされたのですか?

SCP-3036: 多分マスキーがわざとやった。あのチビの畜生はいつも俺を目の敵にしてた。

ヘンダーソン博士: マスキー?

SCP-3036: 綽名だ。宣伝文句では“ミスター・マスク”って呼ばれてたがね。どんな見た目にでもなれるってのが売りだった。俺と同じピエロハンターで、やっぱり俺と同じ、人間ピエロの最後の世代だ。

ヘンダーソン博士: 彼は何故あなたを嫌っていたのだと思います?

SCP-3036: 俺が、何だ、あらゆる点で奴を凌いでたからさ。この感情はお互い様だった。奴がフラーのチンポをしゃぶるのがあれほど上手くなけりゃ、今頃俺は奴の舌をぶっこ抜いてケツに押し込んでただろうよ。もう一度あのチビ助に会ったら手も足も引き裂いてやる、まず最初に野郎のチン-

ヘンダーソン博士: すみません、話を元に戻してください。

SCP-3036: おぅ、悪かった。この手の話になると時々、俺の心はどっか行っちまうんだ。ともかく、マスキーは研究所の犬だった。俺と弟たちを厄介払いしたがってた。そして奴は成功した、俺は終わりだ。

ヘンダーソン博士: どういう意味ですか?

SCP-3036: なぁ、何言ってるか分かってねぇみたいな真似は止しな。ディックに何が起きたか俺たちは皆知ってる。フラーにとって価値のある奴らはああいう目に会う。俺は終わりだし、アンタも多分終わりだよ。フラーは何処にでも目と耳を持ってる。この部屋で死なずにいられるのは俺の腹の中で生きてる弟たちだけだ。遺書用意しとけよ、博士、そう遠からずアンタと俺は二人そろってくたばるだろうからな。

<記録終了>


補遺-3036.1

SCP-3036の初期収容からおよそ1年後の2000/12/25、サイト-43のB棟で停電が発生しました2。保安職員が (1.)異常ヒト型実体による収容違反の可能性に備えた警備と (2.)サイト-43停電の原因の調査 に派遣されました3。サイト-43職員によって、B棟のバックアップ発電機が短時間の作動状態に入りました。

B棟停電から3時間後、ピエロの仮面を被った人物3名がSCP-3036の収容室付近で発見されました。保安職員が潜在的な脅威に対処するため派遣されましたが、物理攻撃によって終了されました。監視映像はこれらの人物らがレベルIII Redヒト型実体だったことを示唆しています4

この発見に続いて、サイト-43への更なる侵入を防止し、また侵入者のサイト-43逃亡を阻止するために、B棟はサイト管理官[編集済]によって封鎖されました。増援の要請に応えて、サイト-44およびサイト-22から、機動部隊ベータ-22(“ホイッスル吹き”)およびベータ-11(“正気のピエロ団”)が派遣されました。

保安職員はSCP-3036収容室への入室を試みる人物3名を排除するように指示されました。30分間の近接格闘の後、侵入者のうち1名がSCP-3036収容室に入り、他2名が財団保安部隊との戦闘を継続しました。以下はSCP-3036収容室の内部で記録されたものです。

SCP-3036: ふん、近頃のフラーは基準を相当下げたらしい、ヘヘッ。

<くぐもった声>

SCP-3036: この手の仕事には他の奴が来ると思ってた。だがマスキー、随分と好き勝手してるな?

<くぐもった声>

SCP-3036: おぅ、クソ野郎にも鉤爪はあるってか? とにかく、お前が俺を殺す気なのは分かった。だが何もそれは俺たちが楽しんじゃいけねぇって意味じゃあない —

<SCP-3036は正体不明の人物を室外に殴り飛ばす。>

SCP-3036: — だろ?

カメラ映像と生還した職員の証言によると、SCP-3036は未知の人物に攻撃を加え、結果的にSCP-3036自身と侵入者3名の両方が著しい被害を受けました。更なる30分間の戦闘と、MTF-ベータ-22およびMTF-ベータ-11の到着に続いて、侵入者3名は異常な出入り口を通って退却しました。SCP-3036は自発的に財団の拘留下に入りました。SCP-3036は戦闘終了時点で両腕をはじめとする体組織の~55%を喪失していました5

事案後インタビューより抜粋

質問者: ヘンダーソン博士
対象: SCP-3036

<記録開始>

ヘンダーソン博士: 何故自分から財団に再捕獲されたのですか?

SCP-3036: そりゃ、アンタたちこそがその理由だよ。俺一人きりであの連中を始末できたと思うか? ハッ! アンタたちは奴らの鼻っ柱をくじいてやったのさ。大抵アンタたちは奴らが来るのに気付きもしないが、謎の恩人のおかげで、今回はあのクソ野郎どもにクソでも舐めてろって言えただろ。もしアンタたちがいなきゃ、俺は死んでただろうよ。

SCP-3036や、GoI-233に関連する類似の異常存在のために、安全対策の強化が提案されています。

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