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クレジット
タイトル: SCP-3046-JP - 死際留学
著者: ©lacto
作成年: 2024
アイテム番号: SCP-3046-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3046-JP-1は標準居住型収容室に収容されています。SCP-3046-JP-1に対しては人間型オブジェクトに与えられる基本的な権利が認められていますが、その例外として担当職員の許可なく食材を調理することは認められていません。
SCP-3046-JP-2の話者の捜索は継続されています。
SCP-3046-JP-Aが発見された場合、SCP-3046-JP-Aは特別収容サイト-8116一般市民居住区画にて収容されます。SCP-3046-JP-Aに対しては財団管理下のもとサイト-8116内部での一般的な市民生活と母語習得講座が提供されます。
SCP-3046-JP-A全個体はサイト-8116内の個別収容セルに収容され、母語習得講座が提供されます。
説明: SCP-3046-JPは、東京都世田谷区三軒茶屋に存在する喫茶店「新星」で提供されていた「アクシアカレー」という名前のスパイスカレーです。SCP-3046-JPは、スパイスとして従来スパイスカレーに用いられるものに加えて未知の植物を用いて作成されています
SCP-3046-JPを摂食した人物(以下、SCP-3046-JP-A)は、22時から翌日2時までの間に就寝した場合、レム睡眠に移行した時点で一時的に仮死状態となります。仮死状態の間、SCP-3046-JP-Aは一切の蘇生を目的とした処置の効果を受けません。この仮死状態はSCP-3046-JPを一度摂食した後は毎度発生しますが、前述の時間以外に就寝した際には発生しません。この仮死状態は最長8時間継続した後解除され、SCP-3046-JP-Aの生命活動は再開されます。また、SCP-3046-JP-Aが自ら目覚まし時計をセットした場合、その音声が発生した時点で仮死状態は解除されます。SCP-3046-JP-Aは自らが仮死状態であったことを認識しておらず、「上質な睡眠を取った」という自覚を持ちます。SCP-3046-JP-Aに対する仮死状態解除後の診断においては、仮死状態の間に理想的な睡眠を取っているのと同様の結果を示します。
仮死状態が解除された後、SCP-3046-JP-Aはそれまでに自身が習得していなかった言語に対する解語能力を習得します。この言語は様々であり、これまでに55件のSCP-3046-JP-Aによる31の言語の習得が確認されていますが、その法則性は判明していません。以下はSCP-3046-JP-Aが習得した言語の抜粋です。
確認された言語 |
説明 |
フランス語 |
SCP-3046-JP-A-1をはじめ7名が習得。この習得者数は確認された言語の中で最多である。 |
英語 |
SCP-3046-JP-A-13をはじめ3名が習得。習得者はいずれも未就学児であった。 |
上代日本語 |
SCP-3046-JP-A-21が習得。1ヶ月程度で財団所有の古文書を完全に書き下せるまでになった。 |
エスペラント |
SCP-3046-JP-A-24が習得。 |
日本語 |
SCP-3046-JP-A-28と-41が習得。前者は英語話者のイギリス人、後者は当時生後3ヶ月の乳児である。後者は習得後3日で流暢な発話が可能になった。 |
[不明] |
SCP-3046-JP-45と-55が習得。これまでに確認されている既存の言語のいずれとも不一致だが、発話や記述の規則性から言語体系として成立しているとされる。習得開始から1ヶ月を過ぎた時点で発話内容を非習得者が一様に理解できるようになったため、ミーム伝達性質を有していると思われる。後にSCP-3046-JP-2に指定(補遺2)。 |
SCP-3046-JPは、「新星」の経営者を自称する人型実体(以下、SCP-3046-JP-1)によって調理・提供されています。SCP-3046-JP-1はアラビア語と簡単な日本語を用いて会話を行います。SCP-3046-JP-1に対する遺伝子検査の結果、SCP-3046-JP-1はイスラム圏をルーツに持つと鑑定されました。しかし、SCP-3046-JP-1自身は自らを日本人であると主張しています。SCP-3046-JP-1以外の喫茶店「新星」の従業員は確認されていません。SCP-3046-JPに用いられている未知の植物はSCP-3046-JP-1によって「الجحيم」と呼称されています。
補遺1: SCP-3046-JPに対する調査が行われました。本調査は、SCP-3046-JP-Aが仮死状態となった際、実際にはその意識が夢を見ている状態にあるのではないかというイスム研究員による指摘に基づいて実施されました。これまでのSCP-3046-JP-Aへの聴取では仮死状態の間の出来事について有用な条件が得られなかったことを踏まえ、夢界学部門による明晰夢訓練を受講したフィールドエージェント3名が調査に参加しました。以下は、本調査計画の概要です。
調査計画SCP-3046-JP 2013/05
日付: 2013/05/13から2週間
調査責任者: イスム研究員(SCP-3046-JP収容担当者)
調査担当者: Agt.ラカブ, Agt.クンヤ, Agt.ナサブ(エージェント3名は明晰夢訓練を受講、全員アラビア語母語話者)
対象: SCP-3046-JP
調査内容: エージェント3名はSCP-3046-JP-1の協力により作成されたSCP-3046-JPを摂食する。その後、毎日22時から翌日2時までの間、サイト-8116内実験室32にて就寝する。就寝中の様子およびバイタルサインはイスム研究員によって観測される。就寝によって発生する仮死状態からの回復後、イスム研究員によって聴取が行われる。本調査の期間は、調査担当者の要請によって延長される可能性がある。
本調査計画は承認されたため、実際に3名の調査担当者によるSCP-3046-JPの摂食および調査が開始されました。これにより調査担当者はそれぞれ計画書に記載された順にSCP-3046-JP-A-53、-54、-55に指定されました。
以下はその調査報告です。
報告担当者: イスム研究員
付記: 本調査報告書は調査計画SCP-3046-JP 2013/05終了後、調査担当者の供述と観測結果を基に調査責任者によって書かれた。
供述報告: 調査初日、エージェント3名が就寝した後次に意識が覚醒した瞬間には共通して白を基調とした学習塾のような部屋(以下、「教室」)にそれぞれ1人でいました。「教室」の壁面には窓があり外の様子を確認することができます。窓の外の様子は「大きな塔が雲の上までそびえ立っている」という一部分を除いてエージェントによって相違がありました(表1参照)。その他に扉、ホワイトボード、教壇、アナログの壁掛け時計、机と椅子12セットが存在し、エージェント3名は椅子に着席した状態でした。「教室」の内部では自由に行動することができますが、扉から外に出ることや窓を開けることなどは不可能であり、「教室」は密室状態でした。壁掛け時計はおおよそ就寝した時刻の15分程度後を示していました。
覚醒してから「教室」内部の時計でおよそ15分程度が経過した時点で教壇に不明な1体の人型実体が発生します。その後の供述からこの実体は「教室」における「教師」の役割を果たしていると考えられます。エージェントによる「教師」への質問や物理的干渉は後述の授業に関係する質問を除いて全て反応がありませんでした。
発生後、「教師」は不明な言語を用いてエージェントに対してある言語についての授業を行いました。エージェントは皆、その不明な言語の意味を理解することが可能だったと述べています。エージェントに対する授業は「教室」内部の時間で90分行われ、その教授法は全て「教師」がその言語で書かれた絵本を読み聞かせるという形式で行われました。授業が終了すると、エージェントは「教室」内部で強烈な睡魔を感じ、その後肉体の仮死状態の解除とともに覚醒するまで意識がありません。
上述した内容は調査の1~6日目、8~13日目に観測されました。7日目、14日目において「教室」での意識の覚醒は発生したものの「教師」は発生せず、教室内部で肉体が仮死状態であったのと同程度の時間過ごすこととなります。
表1: 各エージェントが習得した言語と「教室」の外の様子
エージェント |
習得した言語 |
外の様子(供述を基に記述) |
補足 |
Agt.ラカブ |
サンスクリット語 |
外部は常に薄暗く、大きな川が見られる。川の周りにはヒガンバナに類似した花と未知の植物、石が積まれたオブジェが見られる。石が積まれたオブジェの中心に塔が立っている。 |
Agt.ラカブは未知の植物は「पारमिता」であると説明。 |
Agt.クンヤ |
現代ヘブライ語 |
外部は明るく、上空に巨大な白いゴシック建築様式の扉とそこに繋がる階段が存在する。扉の周囲には未知の植物が存在する。扉の先には塔の上部が見える。 |
Agt.クンヤは未知の植物について「שָׁמַיִם」であると説明。 |
Agt.ナサブ |
不明な言語 |
外部は明るく、一面に未知の植物が群生して草原を作っている。その草原の中央に塔が立っている。 |
Agt.ナサブは未知の植物について「[記述不可能]」」であると説明。Agt.ナサブが習得した言語はSCP-3046-JP-A-45が習得したものと同一であると考えられる。 |
総合分析: SCP-3046-JPによる言語習得は仮死状態の間に報告内の「教室」と呼ばれる概念空間で行われるイベンを原因とするものである可能性が非常に高いと推察します。「教室」内部に存在する人型実体や外部の様子、窓の外から見られる未知の植物とSCP-3046-JPに用いられている未知の植物の関連性などの調査のため追加調査を行うことを進言します。特に、Agt.ナサブが習得した不明な言語についての解析については早急に進めるべきであると考えます。 -イスム
現在、SCP-3046-JPの収容状態は安定しており、財団職員がオブジェクトに指定されることへの懸念や明晰夢訓練の実施コストからイスム研究員の進言の大部分は保留されています。しかしながら、SCP-3046-JP-A-55を対象とした調査についてはその実施が承認されました。
補遺2: SCP-3046-JP-A-45およびSCP-3046-JP-A-55が習得した不明な言語についての追調査が行われました。また、この追調査に伴い不明な言語はSCP-3046-JP-2に指定されました。
調査計画SCP-3046-JP
日付: 2013/02/13から2週間
調査責任者: イスム研究員(SCP-3046-JP収容担当者)
対象: SCP-3046-JP-A-45, SCP-3046-JP-A-55(財団職員 Agt.ナサブ)(対象者は2名ともSCP-3046-JP-2を習得)
調査内容: 対象に対し以下の実験を行う。
- 日本語で様々な名詞や文、図表などを提示し、それをSCP-3046-JP-2を用いて発話、記述させる。
- 対象同士にSCP-3046-JP-2を用いて会話を行わせる。
- 対象以外のSCP-3046-JP-A個体と会話を行わせる。
調査の結果、SCP-3046-JP-2に対する以下の性質が判明しました。
SCP-3046-JP-2は、ミーム伝達性質および限定的な反ミーム性を有する未知の言語です。SCP-3046-JPのミーム伝達性質は、SCP-3046-JP-2非習得者に対して習得者がSCP-3046-JP-2を用いて発話を行うことで発生します。SCP-3046-JP-2を聞いた非習得者は、習得者がSCP-3046-JP-2を用いて発話した内容を理解することができます。この理解は、既存の言語を用いて表現される範疇を超越します。例えば、SCP-3046-JP-2習得者がそれを用いて表現した図形や画像、動作などを非習得者は言語的理解ではなく概念的に理解することが可能です。SCP-3046-JPの性質は発話にのみ適用され、SCP-3046-JP-2のものと思われる文字は非習得者にただの記号として認識されます。
SCP-3046-JP-2の発話内容は習得者が伝達対象として認識している人物以外が理解することは不可能です。これに付随して、SCP-3046-JP-2を用いた発話の映像や音声を理解することも不可能です。これは、発話時点で伝達対象として認識されていた人物も同様です。
SCP-3046-JP-2の反ミーム性は、非習得者がSCP-3046-JPの影響以外の方法でのSCP-3046-JP-2を試みた際に発現します。SCP-3046-JP-2は発話内容と文字に対する言語学的・文化学的分析から言語体系としての成立が認められるにも関わらず一切の習得の試みは失敗に終わります。具体的には、SCP-3046-JP-2によって記載された文字および単語の読みや意味、その発音について非習得者は認識・記憶することができません。これは、SCP-3046-JP-A-45、-55以外のSCP-3046-JP-A個体に対しても同様です。
SCP-3046-JP-A-45、-55以外のSCP-3046-JP-2話者の存在については現在調査中です。
補遺3: SCP-3046-JP-Aの一部個体が自身の母語に対する解語能力を喪失していることが判明しました。その後、監視対象のSCP-3046-JP-A全個体に対してそれぞれの母語についての言語テストを実施したところ、全事例で同年代の母語話者の平均を下回る結果となりました。このテストの結果より、SCP-3046-JP摂食によって習得した言語の習熟度が高い個体ほど母語の解語能力の低下が著しい傾向が示されています。この母語能力は訓練により再習得することが可能です。これにより、本オブジェクトの特別収容プロトコルが改訂されました。
補遺4: 解語能力を喪失したSCP-3046-JP-Aはその後、その外見が習得した言語が使われる地域の人種によく見られる特徴を持ったものに変容しました。解語能力の喪失から変容までには個体差が存在します。遺伝子調査の結果、それらの個体はその言語の語族をルーツに持つものと鑑定されます。変容した個体はSCP-3046-JP-Bに再指定されます。
補遺5:
2023/07/17、SCP-3046-JP-A-45のSCP-3046-JP-Bへの変容が暫定的に確認されました。この変容において、SCP-3046-JP-B-45の外見はおおよそSCP-3046-JP-A-45から変化はありませんでしたが、SCP-3046-JP-A-45を目撃した人物の一切がSCP-3046-JP-A-45が他のSCP-3046-JP-Aの変容と同様の変化を経たと認識しました。これは、SCP-3046-JP-B-45がミーム的性質を獲得したためだと推察されています。また、映像記録からこの時SCP-3046-JP-B-45の手元に1冊の本が発生したことが確認されており、後の探査からこれは旧約聖書の写本であることが判明しています。
変容直後、SCP-3046-JP-B-45は不明な発話を行い、その後周囲の人型実体に対してSCP-3046-JP-2を用いた旧約聖書の音読を行いながらサイト-8116内部の移動を開始しました。。SCP-3046-JP-2による発話を受けた人物は直ちにSCP-3046-JP-2を習得しました。なおこの時、SCP-3046-JP-B-45の移動経路に合わせて不明な植物が発生し、後の探査によりSCP-3046-JPに用いられたものと同一であると判断されました。
その後、SCP-3046-JP-B-45の影響はサイト-8116全体に拡散し、サイト-8116に存在する人型実体の約90%が本インシデントの影響下に置かれました。その後、本インシデントの影響を免れたイスム研究員による救難信号を察知した近隣サイトによりサイト-8116への隔離処置が行われました。隔離から12日後、SCP-3046-JP-B-45の影響が解除された報告を受けた近隣サイトより派遣された機動部隊は-3("分化")による探査の結果安全性の確認とイスム研究員を始めとする非影響下職員の救助が行われ、隔離は解除されました。
本インシデント発生後の探査により、サイト-8116内部で███人の死傷者が発見されました。この中にはSCP-3046-JP-1、SCP-3046-JP-B-45、およびその他のSCP-3046-JP-A実体、-B実体が含まれます。この内、SCP-3046-JP-B-45の死体のみ██個に分割されていました。検死の結果、全死体の中で最初に死亡したのはSCP-3046-JP-B-45であると考えられる他、死亡直前は仮死状態であったことが推察されています。SCP-3046-JP-B-45以外の死傷に異常性の現象の痕跡は見られませんでした。
本インシデント終了後に行われたサイト-8116全体聴取によりSCP-3046-JP-B-45の影響下にあった人型実体は自らの母語以外の言語に対する解語能力を喪失していることが判明しました。なお、SCP-3046-JP-A実体、-B実体においては母語ではなくSCP-3046-JPの影響で習得した言語の解語能力のみを有しています。また、上述のSCP-3046-JP-B-45の発話内容についての供述を除いたインシデント当時のサイト-8116に対する聴取内容はそれぞれの供述の間の齟齬が多く、有力な証言は得られていません。
本インシデントの被害を受け特別収容プロトコルの大幅な変更が予定されており、それに先立って暫定的な収容プロトコルが設定されています。また、SCP-3046-JP-A-55の変容の際に同様のインシデントが発生する可能性が考えられることから、SCP-3046-JP-A-55の終了手続きが進められています。