SCP-306-JP
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アイテム番号: SCP-306-JP
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エージェント・P██の撮影したSCP-306-JP。

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-306-JPの周辺には国道██号が敷かれており、一般人の侵入を防ぐため周囲20kmは鉄製の柵で覆われ封鎖されます。万が一、一般人がSCP-306-JP内に侵入した場合はBクラスの記憶処理を行った後に開放してください。

SCP-306-JPから20mの地点には簡易の管理施設が設けられます。対象は常に3名のセキュリティー担当者によって監視され、SCP-306-JP内の点灯が確認された場合はサイト-81██に報告してください。消灯後のSCP-306-JP内部の調査は機動部隊ぷ-1("家庭訪問")によって行われます。SCP-306-JP内部で発見された物品はサイト-81██のA-3保管室で管理されます。

説明: SCP-306-JPは██県████市の旧█████村近くに位置している廃屋です。SCP-306-JPは19██年まで診療所として利用されており、佐久間 ███氏という医師によって経営されていました。現在、佐久間氏は行方不明となっており、廃業直前に血縁者によって捜索願が提出されています。血縁者や当時勤務していた看護婦などにも調書を取りましたが、依然手がかりとなる情報は得られていません。
SCP-306-JPは通常の家屋同様に損傷を受け、家屋自体の特異性は確認されていません。また、SCP-306-JPを建設したと思われる業者や不動産を調べた結果、SCP-306-JPが建てられた土地の権利書、業務記録などが見つかり、正式に建築された家屋であることが判明しています。

SCP-306-JPは不定期的に未確認の実体によって侵入されます(以下、侵入者をSCP-306-JP-1とする)。現在まで███回の侵入が発生しており、SCP-306-JP-1を捕獲する試みは全て失敗しています。また、その正確な姿も確認されていません。この侵入は外部からSCP-306-JPを監視している場合にも発生し、SCP-306-JP-1が外部からSCP-306-JP内に侵入する様子などは観察されません。なお、抜け穴や地下通路といった、侵入経路となりうるものも発見されていません。しかし、外部からサーモグラフィカメラを用いた調査を行った結果、身長約175cmほどの人間と思われる実体がSCP-306-JP内で行動している様子が確認されており、SCP-306-JP-1の存在は証明されています。現在これらの侵入手段の特定が行われています。
SCP-306-JP内にSCP-306-JP-1が侵入した場合、照明、家電が使用不能であるにもかかわらず部屋内部の電灯が点灯します。なお、財団職員が内部に侵入した場合は点灯せず、何ら異常性は見られません。これらの点灯が行われるのは主にSCP-306-JPの二階部分であり、一階が点灯したケースは報告されていません。これらの現象は1時間から24時間の間隔で続き、その後消灯します。SCP-306-JP内部に監視カメラを設置した結果、部屋内部の点灯が確認されましたが、SCP-306-JP-1を撮影することは出来ませんでした。死角が出ないように監視カメラを設置した場合も同様の結果となりました。また、██回のDクラス職員によるSCP-306-JP内への潜入を試みましたが、外部からは点灯が確認されているにもかかわらず内部は非点灯を維持しているという現象が発生しました。これらの場合もSCP-306-JP-1を発見することは出来ず、なお、調査中にサーモグラフィカメラを使用した場合もSCP-306-JP-1と思われる実体が観測されました。

消灯後、SCP-306-JP内にはSCP-306-JP-1によるものと思われる、家具等を使用した形跡、靴跡、指紋などの痕跡が発見されます。現在、これらの調査を行っていますが、個人の特定には至っていません。また、二階に設置されている事務机の引き出しに収納されている書類の増加、人体の一部、臓器、胎児の遺体などの出現も確認されており、書類や証拠物件等はサイト-81██のA-3保管室にて管理、それ以外は検死担当官に送られています。

SCP-306-JP内部で発見された文章の抜粋

患者番号1085647 氏名:田野 ███ (男性)

症状: 変則的な頭痛。

・19██年 ██月█日 心拍数の上昇、瞳孔の収縮を確認。

・19██年 ██月██日 脳組織への観察を開始。神経の一部を摘出。対象の意識は未だ鮮明。治療再開。

・19██年 █月██日 脳下垂体への干渉。患者の状態を観察するため、治療は麻酔を用いること無く実行した。結果、10秒間に渡る患者の手足の痙攣を確認。左脳████野█番の切除を行った結果、それらの症状は完治した。また、痛覚の除去に成功。治療を続行。

・199█年 █月█日 前頭葉部分の切除を開始。患者はおよそ17時間の間、嘔吐、脱糞を繰り返し、意識不明となる。回復を促すため、右脳██野第█番への電気ショックを開始。患者の意識が回復した。しかし、脱糞と嘔吐の症状は依然確認され続けたため、特別治療室へと移動。これらの排泄物はサンプルとして保存。成分分析を行ったが異常は見つからなかった。

・199█年 █月██日 患者の回復が見込めず、脊椎部分の治療を開始。

・199█年 █月██日 脊椎第███号への術式を試みる。左腕の痙攣を確認。その為、部分的切除を試みた結果、痙攣は停止。治療は完了。その後、脱糞、嘔吐も止まった。しかし、心拍数の低下が発生。体温の低下も確認。それらを補うため、人工心肺への接続を開始。また、体温低下を止めるため、腹部内部に発熱剤を移植した。体温の上昇を確認。

・2000年 ██月██日 患者の心停止を確認。原因追求のために心臓を摘出。しかし、原因は分からず、心臓を廃棄した。現在も、患者の回復は見込めていない。さらなる治療が必要。

患者番号2416398 氏名:浅川 ██ (女性)

症状: 腹部の肥大化。吐き気。

・19██年 █月█日 患者の腹部の肥大化を確認。経過を観察する。

・19██年 ██月██日 さらなる肥大化を確認。早急な治療が必要である。しかし、患者は治療を拒んでいる。更に経過を確認する。

・19██年 ██月█日 患者の摂食障害が深刻化した。栄養素の偏りが顕著になる。特に酸味のあるものを欲する傾向にあるようだ。早急な治療が必要になる。

・19██年 ██月██日 患者への説得を試みたが失敗した。最早、考えている時間はない。

・19██年 █月██日 第一手術を開始。現在、胸部の肥大化が確認されているため、その部分の切除を始めた。初めに右胸部を切除。その際、大量出血が発生したため、血管の縫合を行った。その後も出血が続いたため、新たな形成を行った。チューブを代用することで治療が完了。出血が止まる。残りの増加した脂肪部分を切除し、術式を終える。後日、左胸部の切除を開始する予定。

・19██年 █月██日 第二手術を開始。腹部のさらなる肥大化は現在確認されていないが、+9.6kgにも達している。早く切除しなければ。左胸部の切除を開始。前回の反省を活かし、出血すること無く術式を終了。後日、腹部の手術を開始する。

・19██年 █月█日 第三手術を開始。肥大化部分の右側面部分から切開。その際、異臭を放つ体液が漏れだした。原因は不明。吸引器を用いて体液を除去。術式再開。内部に異物が確認された。患者の体内と、管状の組織で繋がれており、この肥大化の原因であると思われる。見た目は人間を縮小したような形状をしている。重量はおよそ1500g。管を切断し、異物を除去。その後、肥大化した皮膚部分を切除し、再形成を行った。大きな出血もなく、治療は完了。異物は廃棄した。

・19██年 █月█日 患者が舌を噛み切るという現象が発生。以前摘出した異物の後遺症と思われる。治療を行い、現在患者は麻酔で眠らせている。今後は患者の精神治療に重点を置く。

患者番号4444444 氏名:██ ████ (男性)

症状: 妄想癖。

・2000年 2月1日 患者のおよそ20回にわたる暴走を確認。その為、両手足を切除し、拘束することにした。また、鎮静剤の投与も開始。経過を観察する。

・2000年 2月9日 患者の証言をまとめる。これらが、さらなる治療への架け橋になるかもしれない。患者は基本、「ここから出せ」といった言動を頻繁にする傾向がある。これは恐らく、患者自身の抑制された精神状態から来るものであると推測される。その為、患者の過去を調べ、こういった精神疾患の原因となった事柄を特定する必要がある。次に「[編集済]」といった言動も見られ、暴力的な行動をする原因も先程の問題に起因していると推測される。

・2000年 2月14日 [データ削除済]

・2000年 3月██日 治療の最終段階に差し掛かり、今後[データ削除済]。経過を観察する。

・2000年4月27日 [データ削除済]。医学のさらなる躍進のために。

SCP-306-JPは200█年の█月█日にエージェント・P██によって発見されました。当時、エージェント・P██は個人で定期的に行っているSCPオブジェクトの捜索を行っており、その際にSCP-306-JPを発見。監視を続けた結果、その異常性を確認し財団の監視下に置かれました。
現在もSCP-306-JPへの侵入は発生しています。今後、SCP-306-JPのさらなる調査とSCP-306-JP-1の特定が行われます。

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