クレジット
タイトル: SCP-3061-JP - 死or生and霊
著者:
yanyan1
作成年: 2023
アイテム番号: SCP-3061-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3061-JPが発生しているビルは財団が所有し24時間体制で監視されます。現在、SCP-3061-JP-1をビル内部へと侵入させることで現象の確認と実験が行われてます。(有)███の経営状況は常に監視され、異常が発生した際は機動部隊け‐22「地上げ屋」が出動し現場の偵察が行われます。
SCP-3061-JP-1はサイト-8155の標準人型収容室に収容し、通常の人間と同様の対応を行ってください。
追記プロトコル: SCP-3061-JP-2は別サイト内に設置した保護区画内に収容してください。SCP-3061-JP-1、2の接触は異常性の拡大やSCP-3061-JP-2の精神状況悪化の懸念により推奨されません。
現在SCP-3061-JP-2の行った儀式的異常プロセスの解析を行っていますが未だ詳細は明らかとなっていません。実験を行う際はサイト管理者へ申請を行った上で専用隔離実験場で実施してください。
説明: SCP-3061-JPは██県██市███町に位置する一棟のビル内の2階と3階にて発生する異常現象です。現在、該当フロア内には3台のデスクトップパソコン、一対の事務机と椅子のみが設置され、その他のデスクや家具等は全て排除されています。該当フロア内にはオブジェクト発見時点から見ておよそ30年前に(有)███という輸入家具を主に扱う中小貿易会社が存在していましたが、現状は事実上の倒産状態であると予想されています。しかし、現時点でも(有)███の運営は継続されており、輸入家具の購入履歴および顧客への販売履歴等も存在しています。
SCP-3061-JPは該当するフロア内にSCP-3061-JP-1(本名:飯田 ██氏、年齢33歳)が存在した際に発生し、SCP-3061-JP-1に対して重度の認識災害と推測される現象を引き起こします。この際、SCP-3061-JP-1は該当フロア内にて(有)███が通常通りに運営されておりかつSCP-3061-JP-1以外の社員がフロア内に存在していると認識します。現在、この異常性により財団が該当オブジェクトを認識する直前まで(有)███はSCP-3061-JP-1によって運営され、これにより異常性の発見が遅れたものと推測されています。なお、該当フロア内に設置してあるPC機器やサーバー内の履歴を確認した結果、SCP-3061-JP-1のみで対応できる以上の商品の販売や購入記録が確認されたため更なる異常性の調査を進めています。
現在、財団調査部により(有)███の全社員は2001年█月██日に実施された██県への社員旅行を最後に失踪している事が判明しています。
SCP-3061-JP-1に対して身体検査や異常性の有無の調査も行っていますが、一切異常な点は確認されていません。しかし、SCP-3061-JP-1の証言内容と確認されている戸籍情報との間に一部差異が存在する点がある事に留意してください。
補遺1: SCP-3061-JPの存在は2020年6月12日に行われた██市役所税務課の主体で行われた住民税調査の際に発覚しました。当時、██市役所は市内の各企業に対して「住民税支払の仕様変更」を現地にて通達する業務を行っており、その際にSCP-3061-JPが発生している該当ビルへも市職員が直接訪問する事で実施していました。その際、該当フロア内でSCP-3061-JP-1だけが業務に従事する様子を市職員が目撃し、すぐさま税務課へと通達しました。この報告を受け財団調査部も現地へと赴き現状の把握を行い、SCP-3061-JPの存在が発覚しました。その後、財団はSCP-3061-JP-1を保護、関係各所への情報統制と記憶処理を行った上でカバーストーリー「異常なし」を適用して現在の収容へと至りました。
以下はSCP-3061-JP-1へと行ったインタビュー記録です。
対象: SCP-3061-JP-1
インタビュアー: エージェント・桑田
付記: インタビューはサイト‐8122の尋問室内で行われました。
<録音開始>
インタビュアー: 飯田さん。早速ですが、貴方が今の勤め先に就職した経緯を教えてください。
SCP-3061-JP-1: ……お恥ずかしながら、自分が今の会社に入る前、大体3年ほどですか。精神科に通ってまして。
インタビュアー: それは、先のインタビューでも言及された重度の鬱病の為ですか。
SCP-3061-JP-1: ええ。……前の職場も今と似たような販売の仲介してる会社でした。何件も何件も回って、自分や自社の特典を売り込むのが主な仕事です。
インタビュアー: そこを退職したのが2004年。そこからの3年間は休職し通院を?
SCP-3061-JP-1: ええ。……正直、色々と限界でしたから。医者からはストレス性障害から来る不眠症と拒食症の合併だと言われました。そう診断された時点で、もう仕事を辞めようって決めました。まあ、辞める時も苦労したんですけどね。上司に診断書を目の前で破かれた時は流石に堪えました……。
インタビュアー: なるほど。それで、どこで今の職場の事を?
SCP-3061-JP-1: 普通に求人を見ました。前職の経験も生かせそうだなと思い、思い切って応募を。実家からも、何時までも塞ぎこんでないでいい加減に次の仕事を見つけろと急かされたのもあって、目に付いた所を適当に選んだんです。
インタビュアー: 面接なども通常通りに受けたのですか?
SCP-3061-JP-1: ええ。その際、社長が自分の境遇とかもよく聞いてくれる方で、担当する仕事も最初は内勤から、次第に外の仕事も任せてもらえました。その御蔭もあってか、徐々にですが社会復帰も出来ました。本当に感謝しています。
インタビュアー: なるほど……今の職場の正確な環境などは?
SCP-3061-JP-1: そうですね……基本は分担作業ですが、商品の注文を受けてそれを配送業者に通知し、該当住所への配送を依頼する、それの繰り返しです。今では管理職をされてる氷室さんが現行システムの構築を担ってくれたので、受注と配送はほぼ自動で行われます。凄く助かってますよ。なので、自分が動く仕事は主に在庫の点検や新しい家具の仕入れの時ぐらいですかね。そう言った時に、たまに外に出て業者の方に挨拶していったりします。
インタビュアー: 外での仕事は主に貴方1人で行うのですか?
SCP-3061-JP-1: いえ、同期の田村さんと一緒に出たりします。まあ、同期と言っても彼女の方が1年先輩なんですが……。彼女、免許を持ってなくていつも電車で現場に行ってたみたいで、自分が来てからは車が使えるから凄く助かるって言われました。
インタビュアー: なるほど……分かりました。 飯田さん。少し奇妙なことを聞きますが、貴方は今も尚、あそこで本当に他の社員の方と働いているのですね?
SCP-3061-JP-1: ええ、そうですが。それが何か?
インタビュアー: その社員の皆さんは、このリストの方々で間違いないですか?[失踪した(有)███の顔写真のリストを提示する]
[3秒間の沈黙]
SCP-3061-JP-1: ……ええ、間違いないです。これが、どうかしたんですか?
インタビュアー: いえ、単なる確認です。では、今日の所はここまでで。ご足労いただきありがとうございました。
SCP-3061-JP-1: いえいえ。じゃあ、失礼します。……あ。
インタビュアー: ……どうか、されましたかーー
SCP-3061-JP-1: 田村さん。貴女も面談に?
[2秒間の沈黙]
SCP-3061-JP-1: はい、僕はこれで。……ええ、社長も今日は会社も休みにするって言うんで。……はい、例の衣装ダンスの入荷申請はもう出してあります。はい。はい、お疲れ様です。また今度、部長と飲みにでも。……はい、それじゃあ。……では、失礼します。
[扉が開く音]
[3秒間の沈黙]
インタビュアー: ……田村光莉さん、ですか。
[2秒間の沈黙]
インタビュアー: 貴女に聞きたい事は1つだけです。
[2秒間の沈黙]
インタビュアー: 勿論、貴女方の安全は保障します。安心してください。今は取り合えず、貴女方の今いる場所と、本物の飯田さんがいる場所を教えてください。
[5秒間の沈黙]
インタビュアー: ありがとうございます。……なるほど、彼は今もそこにいるんですね。
<録音終了>
終了報告書: 現在、エージェント・桑田の指摘により本オブジェクトには大規模な霊実体の関与が示唆されました。
追記1: 上記インタビュー後にエージェント・桑田によって割り出された地点を捜索した結果、██県██山沿い山道の崖下にて大破したマイクロバス1台と既に白骨化した20体の遺体、その現場近辺にて徘徊していた飯田 ██氏を自称する男性(以下、SCP-3061-JP-2)を発見しました。なお、後の調査によりマイクロバスは(有)███が所有していた車両である事が判明し、遺体の状態や車体の風化具合から該当会社が社員旅行に出た時期と同時期に車両が崖下に転落したと予想されています。現在、SCP-3061-JP-1とSCP-3061-JP-2の接触は原則禁止されており、SCP-3061-JP-2の身柄はサイト‐████の保護区画にて拘束されています。
現在、SCP-3061-JP-2には老化の傾向が見られず、重度の損傷も直ぐに治癒する異常性が確認されています。これらの異常性はSCP-3061-JP-2の証言から後天性の物であると予想されています。
以下はSCP-3061-JP-2へ行ったインタビュー記録です。
対象: SCP-3061-JP-2
インタビュアー: エージェント・桑田
付記: インタビューは飯田氏が収容されてるサイト‐████内の保護区画内で行われました。なお、SCP-3061-JP-2の精神状態は非常に虚弱な状態にあると思われ、今後はカウンセリングを交えた精神治療の対応も検討されています。
<録音開始>
インタビュアー: 飯田 ██さんで間違いないですね?
SCP-3061-JP-2: い、嫌だ……。嫌だ……。
インタビュアー: 単刀直入に訊きます。今、貴方の会社で働いているあれは一体なんですか。
SCP-3061-JP-2: わ、分からない……! 知らない……!
インタビュアー: お願いします。教えてください。
SCP-3061-JP-2: 嫌だ!
[2秒間の沈黙]
インタビュアー: では、質問を変えましょう。あの会社についてです。貴方から見てあの会社はーー
SCP-3061-JP-2: 止めろ! 何も言うな!あ、あの会社の事は、もう……!
インタビュアー: あそこは一体、何なんです。
[SCP-3061-JP-2の唸り声]
インタビュアー: 飯田さん。そもそも、貴方は本物の飯田さんですか?
SCP-3061-JP-2: な、何を……。
インタビュアー: 今もあの会社で働いている彼こそが、本物の飯田 ██なのでは?
SCP-3061-JP-2: 違う! 俺が本物だ! 俺こそが、本物の飯田 ██だ! あれは盗まれた……! お、俺の人生も、体も、何もかも……!
インタビュアー: なるほど。では、飯田さん。貴方はあの社員旅行の時に一体何をしたんですか?
SCP-3061-JP-2: お、俺は、ただ願っただけ……! 前よりもましな、俺が、人として真面にいられる場所を……! 全部取られた……! あれは、俺の願いで、俺の生霊で……! お、俺が、味わうはずの、安寧で……! あいつに、全部盗まれた……!
インタビュアー: あいつとは、今もあの会社で働いている彼ですか。
[3秒間、SCP-3061-JP-2のうめき声が続く]
インタビュアー: つまり、貴方はあの会社の、貴方自身の環境を改善するつもりで何かを実行した。理由は存じ上げませんが、貴方はあの会社自体を変えたかった。そういう事ですか?
SCP-3061-JP-2: あ、ああ……。
インタビュアー: だが、それを行使する権利をあの場所にいる彼に盗まれた。そういう事ですね?
SCP-3061-JP-2: 俺は……! 俺は……!
インタビュアー: それでも尚、貴方はあの会社でどの様な立場だったか、何が起きていたのかは語らない。貴方がそこまで追い詰められ、あの会社の社員全員を犠牲にするまでに至った理由は何ですか。
SCP-3061-JP-2: い、言えない……!
インタビュアー: それは何故。
SCP-3061-JP-2: ……い、言ったら……! 術が解ける……!
インタビュアー: 術?
SCP-3061-JP-2: す、全てを、反転させた……! そ、その為の、術だったんだ……! でも、それを語ったら……全部、解ける……! 解けたら、俺は……! あ、あいつらに……! 死んだ、会社の奴らに……! 憑りつかれる……! あいつらは、成仏も出来ず、縛られてる……! お、俺は……! 奴らに殺される!
インタビュアー: ……なるほど。
SCP-3061-JP-2: あ、あいつは、一体何なんだ!? 何で……! 何であいつがあそこに居たんだ……! あいつに、言われたとおりに、したのに……! 何も間違えなかったのに……! どうして……! 何で……!
インタビュアー: 今、何と?
SCP-3061-JP-2: 何で……! 何で……!
インタビュアー: 飯田さん。貴方にその術を教えたのは、もしかして、今もあの会社にいる彼なんですか?
[2秒間の沈黙]
インタビュアー: 飯田さん?
[SCP-3061-JP-2の叫び声]
SCP-3061-JP-2: 来るなあ! 嫌だー!
インタビュアー: 飯田さん!
SCP-3061-JP-2: 俺を開放してくれえ! 来るなあ! 生きたくない! もう生きたくない! 助けて……母さん助けて……! どっかいけえ! 来るなあ!
インタビュアー: 早く、彼に鎮静剤を。
<録音終了>
終了報告書: SCP-3061-JP-2の発言から、該当ビル内部で発生している異常現象が一種の儀式的プロセスの結果である可能性が浮上しました。その為、現状で確認されている異常現象をオブジェクトに再度指定する事で収容プロトコルが制定されます。
追記2: 2020年8月11日に飯田氏の実家に該当する家屋内の調査が行われました。結果、飯田氏の自室であった室内にて飯田氏の血液で文様が書かれた大量の札、計20体の紙人形(内部には人間の爪や毛髪が混入)、同様の血液で書かれた正六角形状の枠内に明朝体の文章が書き込まれている儀式的様式の方陣が描かれた床が発見されました。
また、追加の調査で同室内の畳の裏側を捜索した結果、15台のボイスレコーダーと43冊のノートが発見されました。内容は飯田氏が(有)███内にて行われた会話の音声記録と日記と思われる文章だと確認されています。
以下は発見されたノートの内容の抜粋です。なお、内容から飯田氏が以前に労働監督署へと提出する予定であった(有)███内での会話の記録であると推測されています。
1998年5月3日
氷室部長からの発言
「この役立たず」「お前が誰かに好かれる訳がないだろう」「俺の言われたことをただしてろよ。言われてなくても考えろよ。」「言われなきゃわからない程度の頭か、お前は」「そもそもお前にそんな能力あるわけねえか」「考える脳味噌なんて無いか」「死んでやり直せよ」「無能」「お前を生んだ母親ってもっと無能だよな」「言い返してみろよ」「何か言えよ」「喋れよ。営業だろ」「喋ってみろよ」「ゴミが」「全部やっとけよ」「帰れると思うな」
1998年5月4日
田村からの発言
「息するな」「話すな」「近寄るな」「臭いんだよ」「私が部長に言えばお前なんかいつだって訴えれる」「男の癖にこんな事も耐えられないの?」「情けな」「きも」
あと1年間、耐えて記録を残そう。診断書も貰ってきた。弁護士とも話をして、費用の工面もしなくては。あと少し。あと少しだ。
会社内でこの状況になってから早3年経った。原因は氷室部長の愛人である田村からの嫌がらせだ。会社には特定の人物を標的にする事で会社内の不和を消そうとする風潮がある。
嘘の納期を教えられる。直近の業務を押し付ける。俺のタイムカードは氷室部長が所持しており、業務成績は常に最低と記録されている。
書類上は全ての業務功績は氷室部長の功績として記録されている。
同僚は皆、俺が標的になっている事で平穏を得ている。
俺は生贄だ。
死にたい。
負けない。
1998年6月9日
新島からの発言
「いい加減慣れてよ」「お前が逃げたら次は俺らなんだよ」「お前が悪い」「俺が次のターゲットになったらお前責任とれるのかよ」「基本、無責任なんだよ。お前。」「人の事考えた事あるのか」「その顔を止めろ」「へらへらするな」「もうこの話は二度とするな」
死にたい。
氷室部長にボイスレコーダーで会話を記録している事がバレた。胸倉を掴まれた際に内ポケットからボイスレコーダーが落ちてしまった。その場で床に叩きつけられ、壊され、脅された。他に無いかと問い詰められた。幸い、全部の記録は実家に避難させている。後日、俺のアパートを他の社員を使ってがさ入れするつもりらしい。負けない。
母さん。ごめん。
1999年4月6日
実家に氷室部長と同僚3人がやって来た。実家の中を荒らされた。その際に携帯も没収され、連絡手段を失った。今も監視が付いている。俺を労基に向わせないために必死なようだ。家の前で見知った顔が俺の部屋を見ている。他の証拠は全部持って行かれた。一部のデータとこのノートだけは守り切った。負けたくない。負けたくない。負けたくない。負けたくない。
母が怪我をした。氷室に付き飛ばされて頭を打った。通報しようとしたが止められた。母さんごめん。ごめん。ごめん。ごめん。
1999年4月9日
氷室の発言
「出せ」「全部出せ」「早くしろ」「ふざけるな」「お前が俺に何かできると思うなよ」「殺すぞ」「お前の母親も殺すぞ」「俺がお前に掛けた時間を返せ」「業務に穴をあけるな」「潰すぞ」「まともに生きれると思うなよ」
腹が痛い。頭が痛い。あざになってる。家の電話線を切られた。出勤時間になると会社の奴らがやって来る。常に監視されている。仕事の量は変わらない。自分の扱いも変わらない。いつまでこれは続く。いつまで耐えればいい。辛い。辛い。辛い。
神様?
1999年5月10日
神様に会った。俺を助けてくれるって言っていた。突然、俺の部屋に現れて、俺を助けてくれると言った。儀式をしようと言われた。言う通りにすれば、全てが良くなると。
有り得ない。幻覚が見え始めている。俺の頭は等々ここまで来てしまった。壊れている。いっそ壊れ切った方が楽か。壊れたい。もう壊れてしまいたい。死ぬのは怖い。生きるのはもっと怖い。だから壊れたい。壊れたい。
2000年2月13日
母が死んだ。実家のキッチンで、死後半月経っていた。その間、俺は職場に閉じ込められていた。集めた証拠を出し切るまで、会社から帰してもらえなかった。
母は女手1つで俺を育てた。体も弱ってた。だから、定期的に実家に顔を出し、証拠もその時に移していた。看てやれなかった。会ってあげれなかった。守ってやれなかった。全部腐ってた。母の顔から蛆が湧いていた。
許さない。
許さない
ゆるさない
全員、殺す。殺してやる。
2000年2月15日
また、神様にあった。全てが良くなる方法を聞いた。儀式だ。全てが反対になるらしい。どうでも良い。全部、終わってしまえ。
神様も辛いことがあったと言っていた。信仰が集まらない、祠で独りぼっち、寂しい、今の立場を辞めたい。俺と同じだ。神様だけが分かってくれる。俺も神様の気持ちが分かる。
やる事
1,社員全員分の紙人形を作る
2,社員全員分の体の一部を集める(爪、髪の毛、肉片でも可)
3,魔法陣を血で書く
4,お札を血で書く
5,神様に祈りをささげる
6,全員を殺す
やってはならない事
1,自分のされたことを口で語る(文章は残す事。儀式の要素に必要)
喋ると反転の術が解けるらしい。
2,途中で止める事
3,恨みを忘れる事
生霊が出て来なくなるから。反転に必要な要素。
4,霊魂の解放
するつもりが無い。
2001年█月█日
準備が出来た。来週は社員旅行だ。勿論、カバン持ち兼運転手として連れてかれる。長かった。待ちに待った日だ。これで、俺は救われる。全部良くなる。やっと、俺は幸せになれる。生きられる。希望。希望があふれてる。ありがとう。ありがとう。ありがとう。やるぞ。やるぞ。やるぞ。生きている。
現在、(有)███が所有していたマイクロバスの残骸を撤去したところ、一部が倒壊した石材製の祠が発見されました。現在、この祠に該当する伝承等を調査していますが関連のある情報は一切発見されていません。