SCP-3063
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SCP-3063の顕現体。

アイテム番号: SCP-3063
翅の唸りが聞こえるか?
オブジェクトクラス: Keter
とても密やかに。
特別収容プロトコル: 新たに発見されたSCP-3063顕現体は速やかに報告し、任意の適切な手段で可能な限り早急に破壊するものとします。全ての財団施設と、全ての財団職員の住居には、利用可能な中で最も効果的な防虫対策が施されます。如何なる状況においても、SCP-3063顕現体の即時破壊以外で、職員が顕現体と交流する/認知することは認められません。
いつも絶え間なく。
SCP-3063との契約を交わした、またはその疑いがある全ての財団職員や民間人は、適切な収容設備1を備えた最寄りの財団施設に即時収容し、死亡するまでそこに留置します。影響者の死後、死体は収容中に体内から出現した全ての生物と共に焼却処分します。SCP-3063影響者は食料その他の外部注意を必要とせず、如何なる状況においても生存中は収容外に連れ出されません。
遠くの部屋の中に響く微かな羽音。
何らかの理由で影響者を収容できない場合、自然死する前に影響者を殺害するためのあらゆる努力が財団工作員によって行われます。これが不可能な場合、または影響者が死亡するまで発見されなかった場合、機動部隊ベータ-5が手順18-アイスリップを実行します。
私が聞こえるか?
説明: SCP-3063はテレパシー能力を保有するクラス5現実改変実体です。SCP-3063は例外無く、生理学的に異常性の無い雄のイエバエ(Musca domestica)成虫として顕現します。現在、SCP-3063顕現体は一度に1匹しか存在しないと考えられていますが、これは未だ確証されていません。顕現体は非異常なイエバエを殺害するのに十分な損傷を加えられた時点で“破壊”されたと見做され、その後は地球上の何処か異なる場所に再顕現します。これまで顕現事象は観測されておらず、SCP-3063が完全に新しいイエバエ個体として出現するのか、既存のイエバエの肉体に憑依しているだけなのかは現在不明です。
私の訪れが聞こえるか?
全てのSCP-3063顕現体は単一の目標に向けて行動します — 即ち、特定一個人との契約を交わすことです。この契約の条件は多岐にわたりますが、ほぼ常にSCP-3063はターゲットが強く望む単一の事物を、不特定の対価と引き換えに授けると約束します。申し出には多額の金、他者の愛、政治的権力、現実改変能力が含まれます。SCP-3063はターゲットの思考を読み、それに合わせて申し出を具体的に調整するという仮説が立てられています。SCP-3063は契約条件以外についての議論を拒否します。
私は来た。
対象者が契約条件に合意すると、SCP-3063顕現体は即座に燃焼して死亡し、対象者はその時点で約束された事物を受け取ります。合意しなかった場合、SCP-3063は対象者が合意するか自らの顕現体を破壊されるまで、申し出の規模を徐々に大きくしながら対象者の誘惑を試み続けます。SCP-3063顕現体が破壊されても、その後の新たな顕現体は契約に合意するまで対象者と接触し続けます。
もし手に入るなら何を捨ててもいい、
SCP-3063との契約に合意した瞬間から2,376日後、影響者は以下に詳述する一連のプロセスを経験します。
君にはそれが何か分かるか?

  • 双翅目(Diptera)の事実上全ての既知の種の受精卵が、影響者の肺、喉、胃、腸、副鼻腔、外耳道、直腸、尿管、筋肉組織に自然発生的に出現します。これらの卵の数は通常5,000~20,000個です。
  • 卵は自然に孵化し、結果的に生じるウジは体内から脱出するために3~14日かけて影響者の体組織を消費し始めます。
  • この期間が過ぎると、ウジは蛹になって休眠します。
  • 2~6日以内に、蛹からハエの成虫イマーゴ2が羽化します。
  • 新たに羽化したハエは、宿主が十分な損傷を受けて死亡するまで、宿主の消費と互いの繁殖行為を継続します。これは通常1~5週間続き、最大で5000万匹のハエを生成すると判明しています。
  • 影響者が死亡すると、生き残っているハエは繁殖を止めて休眠状態に入り、最終的にはそのまま餓死します。
  • 影響者の死後間もなく、新しいSCP-3063顕現体が出現します。

私は知っている。
影響者は上記プロセスのほぼ全体を通して意識を保ち、その結果著しい苦痛に苛まれます。影響者の約70%はこのプロセス中に自殺を試みます。このプロセス中に生成されるハエには全く異常性が無いと断定されています。もし影響者がこのプロセス中の何処かで(または先行する2,376日の間に)死亡すると、プロセスは中断され、関与したハエは死亡します。影響者の死以外でプロセスを回避する既知の手段は発見されていません。
私はそれを君に与えられる。
今日までに6名の財団職員がSCP-3063から接触され、契約条件を変更してSCP-3063に自らを無力化させようと試みましたが、いずれも成功を収めていません。以下はこれらの試みの部分的実験リストです。
あまり猶予は無いように思われるだろう。

SCP-3063実験ログ
だが、嗚呼、
実験#: 3063-1
担当者: エリザベス・ガオ上席研究員
パラメータ: “SCP-3063の死”。
結果: SCP-3063顕現体は燃焼した。実験から2,376日後、卵がガオ博士の体内に出現した。
解釈: SCP-3063は自らの“死”を顕現体の死と解釈したようである。
これは蠅にとっては
実験#: 3063-2
担当者: デイヴィッド・ロバーツ上席研究員
パラメータ: “SCP-3063の恒久的な収容”。
結果: SCP-3063顕現体は活動を停止し、死亡したと断定された。死骸はサイト-63地下の安全な収容ユニットに収容された。2,376日後、双翅目の卵がロバーツ上席研究員の体内に出現した。彼の死から3ヶ月後、新たなSCP-3063個体が確認された。
解釈: またしても、この種の契約条項は、その時点でのSCP-3063顕現体にのみ適用されるようである。
永遠にも等しい時間なのだよ。
実験#: 3063-3
担当者: キャロライン・フェアウェザー博士
パラメータ: “SCP-3063のあらゆる活動の恒久的な停止”。
結果: 実験#3063-1と同一の結果。
解釈: SCP-3063にとっての“恒久的”とは、影響者の死に先立つ2,376日間にしか適用されないことが明確になりつつある。
それだけの価値はあるのか?
実験#: 3063-4
担当者: ウィリアム・マーロウ上席研究員
パラメータ: “SCP-3063の真の性質に関する知識”。
結果: SCP-3063は燃焼した。この文書(実験ログを除く)の印刷コピーがマーロウ上席研究員の前に出現した。プロセスは通常通り進行した。
解釈: SCP-3063が契約において不正を行わないと仮定した場合、この文書は正確かつ真実と見做されるべきである。
君には決められない。
実験#: 3063-5
担当者: パトリック・マクガン博士
パラメータ: “SCP財団が現在既に保有している知識を除く、明確に理解可能なSCP-3063の知識”。
結果: SCP-3063は燃焼した。この実験と次回の実験の結果を印刷した紙がマクガン博士の前に出現し、マクガン博士はペンを頸動脈に突き刺して自殺した。
解釈: SCP-3063は事前予知能力を有するか、または未来の出来事に直接影響を及ぼすことが可能である。
しかし君は何処かで、
実験#: 3063-6
担当者: ジョナサン・メイブリー博士
パラメータ: “選択肢すら無いのかよ?”
結果: メイブリー博士は重篤な肺塞栓症に見舞われ、医療センターへ向かう途中に死亡した。SCP-3063は燃焼した。
解釈: 実験#3063-5参照。
暗い心の奥底で、
SCP-3063の接触を受けた職員は、その出来事を報告し、機会を利用して無力化の努力を継続することが期待される。
あるかもしれないと考えている。

SCP-3063の描写と一致する実体や出来事の記録が初期のカナン人集落から発見されているため、SCP-3063は最低でも4,000年前から活動していると考えられます。活動率がほぼ一定であると仮定した場合、これは615件の契約に相当します。SCP-3063の活動期間が予想より遥かに長い可能性は十分にあり、財団考古学チームは現在その証拠となるような過去記録を捜索しています。
聞こえるか?
手順18-アイスリップ: 未収容の人物がSCP-3063の影響によって死に瀕している場合は、機動部隊ベータ-5が動員され、当該人物にシペルメトリン390グラムを投与します。追加のシペルメトリンが影響者の半径10mに散布されます。影響者と生成されたハエが死亡した後、死体は焼却されます。民間人の目撃者にはクラスA記憶処理治療が施され、問題の地域は不特定毒物の流出事故を装って最大30日まで民間人の立ち入りを禁止します。
翅の唸りが聞こえるか?

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