SCP-3074-JP

クレジット

タイトル: SCP-3074-JP - 竿
著者: drikara
作成年: 2025

---

本記事は、CC BY-SA 4.0ライセンスの下で提供されます。これに加えて、本記事の作成者、著者、翻訳者、または編集者が著作権を有するコンテンツは、別段の定めがない限りCC BY-SA 3.0ライセンスが付与されており、同ライセンスの下で利用することができます。

「コンテンツ」とは、文章、画像、音声、音楽、動画、ソフトウェア、コードその他の情報のことをいいます。

---

⚠️コンテンツ警告

この記事には男性器に関する話題への言及や男性器の直接的な呼称が含まれます。

⚠️ コンテンツ警告

アイテム番号: SCP-3074-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3074-JPの入口はコンクリートで封鎖されました。SCP-3074-JPへのアクセスは禁止されます。

説明: SCP-3074-JPは高知県室戸市室戸岬に存在する時空間異常です。SCP-3074-JPの入口は洞窟のような形状をしており、内部に侵入し約30〜40mほど進行するとSCP-3074-JP世界の同位置（高知県室戸市室戸岬）へと辿り着きます。SCP-3074-JPは後述の異常現象の影響を除き基底現実と共通点の多い空間であり、基底現実の並行世界と考えられています。SCP-3074-JPはとある異常現象（SCP-3074-JP世界の報告書でSCP-████-JP-EXと呼称されるSCiP）によりAK-クラス:世界終焉シナリオに至っています。以下は同世界線に存在する財団の職員によって作成された報告書です。なお脚注は基底現実の財団職員によって付記されたものです。

SCP-████-JP-EX影響下にある"竿"

アイテム番号: SCP-████-JP-EX

オブジェクトクラス: Explained

特別収容プロトコル: SCP-████-JP-EXは収容できません。新たにSCP-████-JP影響下におかれた実例が発見された場合、対象に関する情報を文書や数値などでできる限り記載し、データ保管用PCに保管してください。対象が危険物である場合など対象を視認できないことで重大な事故に繋がることが予想される場合は可能な限り対象の回収に努めてください。対象が人間の場合は標準人型収容チャンバーに収容し、適宜メンタルチェックを実施してください。

説明: SCP-████-JP-EXは男性器の比喩に使われたものが"モザイク化"する現象です。モザイク化されたものを人間が知覚する場合モザイクがかかったように認識されます。人間の視覚に与える影響以外の物理的な性質には変化が見られません。一定以上の回数比喩が行われる、もしくは一定以上の人数が男性器のメタファーだと認識するなどがモザイク化の条件になっていると推測されていますが詳細は不明です。モザイク化が解除された例は発見されていません。モザイク化されたものの現物に加え、それを写した写真やそれを模して描かれたイラストもモザイク化されます。文章や数値による形状や見た目の説明は可能です。

以下は2004年11月現在モザイク化されているもののリストです。

• 竿¹
• バナナ²
• バット³
• キノコ/マツタケ/シメジ/エノキ/マッシュルーム⁴
• ホース⁵
• ウインナー/ソーセージ/フランクフルト⁶
• ドリル⁷
• ゾウ⁸
• カメ⁹
• 筆¹⁰
• シャフト
• こけし
• マイク
• 鞭
• シャベル
• 鍵¹¹
• すりこぎ棒
• バトン
• 縦笛/横笛/リコーダー/フルート¹²
• 尺八
• トーテム
• 剣
• 刀¹³
• 七支刀¹⁴
• 槍
• うまい棒¹⁵
• ピストル
• 大砲/砲台
• レバー
• テント¹⁶
• 矛
• 棍棒
• バズーカ
• ミサイル
• 核弾頭¹⁷
• アメリカンドッグ¹⁸
• きりたんぽ¹⁹
• ちんすこう²⁰
• 恵方巻き²¹
• キャンディ/ペロペロキャンディ²²
• アイスキャンディ²³
• ヘビ
• コブラ
• キングコブラ（Ophiophagus hannah）
• ナマズ
• ウナギ
• 天狗²⁴
• ウツボ
• チンアナゴ（Heteroconger hassi）
• ナマコ
• ユムシ（Urechis unicinctus）²⁵
• ミル貝²⁶
• タケノコ²⁷
• ダイコン
• 煙突
• 灯台
• ポケットモンスター²⁸
• 触覚
• 角²⁹
• 幹
• 茎
• 丸太
• 大木/大樹
• 東京タワー³⁰
• ロケット³¹
• 機関車
• 地蔵
• チンチンナブルム³²
• 鉛筆³³
• 注射器³⁴
• 眞良一実³⁵
• 息子³⁶
• 脚³⁷

実験記録SCP-3074-1:

対象: D-52389

目的: モザイク化の基準を特定するため、物品ごとに男性器のイメージを想起するか否かを調べる。

実施方法: 様々な物品を見せ、枕詞として「私の」を付けて物品の名称を呼称したときに男性器のイメージを想起したかどうかを問う。

<記録終了>

エージェント貫木: D-52389、私のクレヨン、と言われたときあなたはこれが男性器のことを指していると思いますか？

[エージェント貫木が卓上のクレヨンを手に取りD-52389に見せる。]

D-52389: はぁ？お前頭おかしくなったのか？

エージェント貫木: 私は正常です。では私の竿、と言われたら、あなたはこれが男性器のことを指していると思いますか？

[エージェント貫木が卓上の竿を手に取りD-52389に見せる。竿はモザイク化されている。]

D-52389: ああ、なるほどな。意味がわかったよ。一個目はノー、二個目はイエスだ。

[エージェント貫木が卓上のワイヤレスイヤホンを手に取りD-52389に見せる。]

エージェント貫木: では私のワイヤレスイヤホンと言われたら、あなたはこれが男性器のことを指していると思いますか？

[D-52389が顔を顰めてエージェント貫木を眺めている。]

エージェント貫木: では私の蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具と言われたら。

[D-52389がエージェント貫木の話を遮る。]

D-52389: 待て待て待て。

エージェント貫木: どうしました？

D-52389: ちょっとだけ話してもいいか？

エージェント貫木: ええ構いません。

D-52389: 例えばよ。塩ってちんこのイメージあるか？

エージェント貫木: ありませんね。

D-52389: 俺の塩。どうだ。竿みたいにちんこをイメージしたか？

エージェント貫木: しませんね。

D-52389: じゃあよ。

[D-52389が実験のためにエージェントが用意したテーブルの上の食卓塩を取り、股間に当てがう。]

エージェント貫木: えっ、何をしてるんですか。

[D-52389が食卓塩を股間の位置に固定したまま右手で蓋を開ける。]

D-52389: ほら、開いちゃうぜ。

エージェント貫木: えっ、何で開けてるんですか。やめてください。

[D-52389が蓋の開いた食卓塩の瓶を股間に当てがった状態で腰を振動させる。瓶の穴から食卓塩が卓上に落ちる。]

D-52389: ほら。これならどうだ？

エージェント貫木: あっ、やめてください。だめです。やめて。

D-52389: 何でやめてほしいんだ？

エージェント貫木: だめです。このままだとモザイク化されちゃいます。塩出ちゃってます。はやく。蓋を閉めてください。

[D-52389が食卓塩の蓋を閉め、瓶を卓上に置き、椅子に座る。]

D-52389: どうだ？ちんこっぽかったか？

エージェント貫木: ええ、とても。

[エージェント貫木がハンカチで額の汗を拭う。]

D-52389: 思うんだけどよ、ちんこって棒状だろ。だから棒っぽいものはちんこっぽく見えやすい。バナナとか。

エージェント貫木: 形状に由来して男性器が想起されうるものの典型ですね。

D-52389: でもちんこに例えられる理由ってそれだけじゃねぇ気がするんだよ。例えばバズーカとか、ホースとか、中にある何かが飛び出るってのを小便とか射精に見立ててちんこっぽく感じるってのはあるんじゃねぇかな。

エージェント貫木: ですがバズーカもホースも何かを放出するという機能に加えて形状も細長い形状のものです。塩は違います。だから塩には男性器のイメージはなかったのですが。

D-52389: だから、そんなもんはどうとでもなるってことだよ。股間に当てて塩を出した。そしたらもう形状とかいらなかっただろ？

エージェント貫木: 確かに。

D-52389: さっきここ来る途中でロッカー拭いてたやついたよな。

エージェント貫木: ええ。

D-52389: あいつに俺のロッカーも綺麗に拭いてくれよってニヤニヤしながら言ったらどうだ？

エージェント貫木: 男性器をタオルで摩擦してほしいというニュアンスが含まれていると思いました。

D-52389: だよな。つまり。

エージェント貫木: つまり？

D-52389: 何がちんこっぽくて何がちんこっぽくないかなんて探るのは無意味だってことだ。お前らはいろんなものがモザイクになっていく、この現象の詳細を突き止めようとしてるんだろ？

エージェント貫木: 業務に関することは答えられません。

D-52389: まぁいいや。つまりこの世にはちんこのイメージが付き得るものが多すぎるってことだよ。

[エージェント貫木が大きく唾を飲み込む。]

D-52389: 形が似てたらちんこ。何かが飛び出たらちんこ。握るものはちんこ。咥えるものはちんこ。舐めるものはちんこ。名前が似てたらちんこ。

[D-52389が卓上の物品を一つずつ指差していく。エージェント貫木がハンカチで額の汗を拭う。]

D-52389: 全部モザイク化しちまうんだ。

エージェント貫木: あっ、D-52389、指が。

[D-52389の人差し指にモザイクがかかっている。]

<記録終了>

補遺████-JP-1: 2012年2月現在モザイク化されている対象は推定500項目を超えています。SCP-████-JP-EXの異常性は日常生活、文化形成、技術の発達と伝承に大きく影響を与えています。収容は不可能と見られていますが、少しでも異常性の拡散を防ぐために、あらゆる男性器を思わせる形状や機能を極力排除することで対処を試みています。

補遺████-JP-2: SCP-████-JP-EXの異常性の拡散を防ぐため、男性器のメタファーとなりうる形状や機能を可能な限り廃止する措置を講じてきましたが、もはやこれまでのアプローチでは拡散に対処できないと判断しました。そのため大衆に対し、男性器および性に関する話題、知識、行動を禁忌化するプロパガンダを展開します。

補遺████-JP-3: モザイク化の基準は曖昧な個人の主観の集合体に由来していると見られ、その範囲は我々の想定以上の広がりを見せています。現状モザイク化の拡大阻止が達成できないばかりか、性を禁忌化するプロバガンダによって生物としての正常な繁殖機能と文化を破壊しています。モザイク化拡大の防止は不可能と判断し、オブジェクトクラスをExplainedに変更、あらゆるものがモザイク化することを前提とした対抗策の構築を行います。

補遺1: SCP-3074-JPの入口を視認した際にモザイクがかかったように見える現象を確認しました。これはSCP-3074-JP世界におけるSCP-████-JP-EXの異常性に酷似しており、何らかの要因で基底現実に感染、侵食した可能性が考えられます。特筆すべき点として、SCP-3074-JPの入口を封鎖する業務にあたった職員複数名の間でSCP-3074-JPの入口をその形状から女性器に喩える内容の談話が繰り返されていたという報告がされています。

SCP-3074-JP入口

Footnotes

1. 細長い形状や腰の辺りで構える様子が男性器に近かったと考えられる。

2. 細長く反りのある形状が男性器を想起させたと考えられる。

3. SCP-3074-JP世界ではバットがモザイク化されて以降野球にラケット式が採用されている。

4. 傘の部分が冠状溝を想起させるためだと思われる。

5. 形状に加えて液体を放出する機能に起因していると見られる。

6. 形状もさることながら、肉類を用いているため触感や見た目もかなり男性器に酷似していたことに起因し、初期にモザイク化したと思われる。

7. マイクロペニスかつ包茎である状態を指す「ドリルチンチン」に起因するものだと考えられる。

8. 基底現実でも主に幼児の男性器を指して”ゾウさん”という呼称が使われている。

9. 頭部の形状や甲羅に頭部を収納する様子から男性器に喩えられたと考えられる。基底現実でも男性器の冠状溝より先を指して”亀頭”という名称が使用されており、男性器のイメージは非常に強いものであったと考えられる。

10. 元来「筆おろし」という単語は新品の道具を初めて使用すること前半に使われた慣用句であったが、特に男子が初めての性交渉を経験することに使われることが多い。

11. シリンダー錠やレバータンブラー錠など棒状のものを差し込んで開錠するタイプの鍵全般がモザイクされており、SCP-3074-JP世界では主にカードキーや電子キーが流通している。

12. SCP-3074-JP世界ではモザイク化の影響により管楽器全体が製造、使用されていない。

13. 果物ナイフのような刃渡りの小さいものを含め刀剣類全般がモザイク化されている。

14. 奈良県天理市の石上神宮に伝えられた鉄剣。中心となる剣身から6本の枝刃を持ち、これらの刃に個別にモザイクがかかっていると見られる。

15. SCP-3074-JP世界ではメーカーがモザイク化直後に同商品の製造を中止し、うまい玉という商品を代替として販売している。

16. 勃起により衣服が隆起した様子をメタファー化したものと思われる。

17. モジュール化されたものが男性器のイメージにリンクするようで核爆弾全般のモザイク化には至っていない。

18. アメリカ製のものの方が濃いモザイクがかかっているという記録が残っている。アメリカ製のものはコーンミールを原料としたコーンブレッド生地が衣に用いられ、形状がより細長く男性器に近い仕上がりになる傾向に起因すると見られる。

19. 名前からの連想でモザイク化されたと思われる。

20. 形状としては男性器との類似が少なかったが、この名前でモザイク化を回避することは難しかったと思われる。

21. 長い形状に加えてそれを頬張るという様子が口淫を想起させたものと思われる。

22. 持ち手として棒を挿した状態で固められたものを特にペロペロキャンディと言い、この形態のものがモザイク化されやすい形状にあったという記録が残っている。

23. ペロペロキャンディと同様に舐めて食する様子からモザイク化されたと思われる。

24. 鼻部のみモザイク化される。

25. 基底現実でも九州地方ではイイマラ、英語ではPenis fishと呼称されるなど、男性器との深い関わりが見られる。

26. 他のものより一段と濃いモザイクがかかる傾向にあったという記録が残っている。

27. 2003年にモザイク化が確認されたという記録が残っている。同時期に流行した"たけのこにょっき"と呼称されるゲームのイメージを受けて男性器のメタファーとして用いられるようになったと思われる。

28. 発売直後は異常性の影響下になかったが、英語圏では”Pocket monster”が男性器を表す単語として用いられていたため、SCP-3074-JP世界では海外展開と同時にモザイク化したという記録が残っている。

29. 特にサイなどのように角を一本のみ有する場合はより濃いモザイクがかかる傾向にある。

30. モザイク化された東京タワーを注視することによる交通事故、見物客が押し寄せる事態など多くの問題が発生したためSCP-3074-JP世界では1966年に解体されたという記録が残っている。細長い形状が男性器に喩えられたと考えられており、SCP-3074-JP世界では建築基準法が1967年に改正され、建築物の幅が高さの8割を下回る建築物の建造が不可能になっている。

31. ロケットの喪失によりSCP-3074-JP世界の宇宙開発など多分野に重大な影響を及ぼしたと見られている。

32. 古代ローマ時代に魔除けとして使用されていた勃起した男性器を模った鈴。同様に宗教関連物と思われるモザイク化の例がその後32件発生したという記録が残っている。生殖器崇拝の文化は古来より世界各地に存在したという記述が多く見られており、世界中の宗教に混乱を招いていたと見られる。

33. 細長い形状の筆記用具を製作することが困難になり、SCP-3074-JP世界では筆記する文化が基底現実に比べ大きく衰退している。

34. SCP-3074-JP世界ではSCP-3074-JPの影響により注射器が使用できないため、基底現実に比べ医療技術が大きく劣っている。

35. 1979年生まれの日本人女性。基底現実でも同一人物と見られる日本人女性の存在が確認されている。その名前からの発想で男性器に喩えられモザイク化されたものと思われ、1993年当時14歳まではモザイク化されていなかったという記録が残っている。以降同氏と同様にSCP-3074-JPの影響下にある人物の例が167件確認されたという記録が残っている。

36. 特定の人物から見て1親等直系卑属の男性。この条件に該当する人物間以外ではモザイク化されないため、関係性が異常性発生のトリガーと推測される。

37. 股関節から足趾までの下肢全体がモザイク化の対象となる。東欧では足をファルスとして扱う考え方が根付いており、スラブ文化圏では男性器を表す表現としてтретья нога（第3の足）という語彙が見られる。サンクトペテルブルクで発見されたという記録が残っていることから、このイメージに起因してモザイク化されたと見られる。