SCP-3077
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アイテム番号: SCP-3077

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3077は、使用中以外はサイト-81の安全が確保された冷凍保存容器に収納してください。SCP-3077-1の偶発的発生を防止するため、SCP-3077の保存または輸送に用いる全ての容器は最大容量まで満たさねばなりません。SCP-3077-1および-2は、SCP-3077担当主任研究員の許可がある場合にのみ作成可能です。SCP-3077-1および-2は完全に保安された気密実験室でのみ作成し、実験終了時には焼却により破壊するか冷凍保存に戻さねばなりません。

説明: SCP-3077は、約2280リットルの黒糖蜜です。「ティリーのとっても短気で途方もなく珍奇な糖蜜!1」と書かれたラベルの貼られたオーク樽10個に入った状態で発見されました。SCP-3077は可動であり、適切な小容量に制限されるか、超低温に置かれていない限り、SCP-3077本体が膨大な数のSCP-3077-1に分解します。

SCP-3077-1は、下肢がなく痩せこけたヒューマノイドに見える、凝固したSCP-3077の塊です。サイズには個体差が大きいですが、平均では1.0メートルの高さで、7-8リットルのSCP-3077で構成されます。SCP-3077-1は粗野な発声をすることができますが、発話は不能です。SCP-3077-1は頭部に顔面の構造物と考えられる開口部を持つことが多いものの、開口部の数・大きさ・形状・配置は個体により異なります。SCP-3077-1は何らかの変形を持つことも多く、頻度の高い変形は崩れた頭蓋と身体の各パーツの不均衡であり、SCP-3077-1の1/3近くが、身体の様々な部位で結合しています。

SCP-3077-1は、人間に遭遇するまで、あてもなく徘徊します。人間に遭遇すると、SCP-3077-1はその場に存在する全ての人間によじ登り、口の中に入ろうとします。SCP-3077-1は異常な強度や耐久性を持たないため、襲撃当初は撃退することが可能です。しかし、SCP-3077-1は176℃を超える温度への曝露以外の方法では効果的に終了されません。暴力により破壊されたとしても、SCP-3077-1は直ちに新たな個体として再構成され、襲撃を再開します。Dクラス職員での実験により、SCP-3077-1は犠牲者が疲労困憊し、自衛できなくなるまで襲撃を続けることが確認されています。

SCP-3077-1は、犠牲者の口腔内に入った後、未知の手段により犠牲者の中枢神経系を乗っ取って支配し、痙攣様の操り人形のような動きをさせます。この段階で、犠牲者はSCP-3077-2に指定されます。脳波所見ではSCP-3077-2の意識は完全に清明であることがわかっています。典型的には、SCP-3077で構成された触手が口から生じて不規則に顔面を走行し、全身の皮下に触手が観察されます。

SCP-3077-1に侵されていない人間を発見すると、SCP-3077-2は最大限の能力を発揮してパフォーマンスを行います。パフォーマンスの内容は、無秩序な踊りと、嗄れた滅裂な歌唱です。パフォーマンスは観客が見えなくなるか、SCP-3077-2が死亡するまで継続します。SCP-3077-2は数日間生存しますが、脱水により死亡します。SCP-3077-2は自身では食事や水分を摂取しませんが、拘束下に経静脈点滴または強制給餌を行うことで生存させ続けることができます。SCP-3077-2が死亡すると、SCP-3077-1は宿主を捨て、新たな犠牲者を捜します。

回収記録: SCP-3077は、GoI-233(ハーマン・フラーの不気味サーカス)の所在がインディアナ州██████████郡にあるとの匿名の電話を契機に、財団により発見されました。機動部隊カッパ-14("あっ! サイドショー・ボブ2!")が派遣され、到着の際に、SCP-3077の入った樽・積み重なった40体の焼死体(SCP-3077-2だったことが後に確認)・女性1名(PoI-3077-01に指定)を発見しました。 回収時、PoI-3077-01は縛られ、猿轡と目隠しをされていました。

以下は、機動部隊隊長のボディカメラから回収された、PoI-3077-01と機動部隊カッパ-14の予備的インタビューです。

<ログ開始>

隊長: なんてこった、こいつは生きてるぞ。お嬢さん? お嬢さん、聞こえるか?(PoI-3077-01は頷き、理解を示したように発声する) よし。今からほどくからな、それでいいか?

(PoI-3077-01は再びうなずき、隊長は拘束の解除を進める。その間に、隊長は文書3077-01を発見する。)

PoI-3077-01: ああ、本当にありがとう。ここで死ぬんだと思ってたわ。

隊長: お嬢さん、君に何があったか、それかこの死体に何があったか、教えてくれるかい。

PoI-3077-01: あなたたち、警官? S.W.A.T.チームかなんかみたいね。

隊長: 我々が誰かということは、今のところ重要じゃない。ハーマン・フラーのサーカスがこの辺りにいるって情報を得て我々はやって来たんだが、君の……カラフルな服装から、大胆に推測すると、奴らがピエロを絞っているところに遭遇した不運な客、ってわけじゃなさそうだな。違うか?

PoI-3077-01:わずかにためらう)ええ、そうよ、私はサーカスにいたの。でももうサーカスから抜けたのは確か。私の名前はサッカリナ・スウィート、カーニバル菓子職人よ。サーカスでは魔法のお菓子を作ってたんだけど、奴らは私を縛り上げて、この何もないところに放り出したのよ。もう知ったこっちゃないわ。(目に見えてうろたえる)奴らは私のベイビーたちを殺したの、私がここで何もできない間に生きたまま焼いたの! 自由にしてくれるって約束してくれたら、あなたが知りたいこと、全部教えてあげるわ。

隊長: 君がどうなるか決めるのは私の仕事じゃないが、安全な場所には連れて行こう。ここで起こったことを教えてくれたら、大いに我々の役にたつだろうし、インテリたちも君に優しくしようって気を起こすかもしれない。

PoI-3077-01: 十分ね。教えるわ。たぶん始まりは何ヶ月か前。私は驚異の糖蜜の研究をしてて、新しいレシピを考えようとして、古いおばあちゃんの魔導書を読んでた。それで、簡単な調整をいくつかすれば、糖蜜をシュガー・ゴーレムにできるって思いついたの。ねばねばでセンチな小さい人間が、観衆のために歌って踊るのよ。そうすれば大ヒットになって、私のサーカスでの序列が上がるって思ったの。だから、アイデアをイッキィに話して……

隊長: イッキィって?

PoI-3077-01: 今の団長。イッキィと逆さ顔男が団長をやってるの。フラーに何があったかって聞かないでよね、私は知らないから。私が来る前の話で、誰も話したがらなかったの。

エージェント・ヌニェス: ああ、サーカスの元スターのインタビュー で、女性の団長のことを読んだことがある。魅力的だって。

PoI-3077-01: 彼女はピエロ。頭文字が大文字のピエロよ、人間じゃないって意味で。気があるの?

エージェント・ヌニェス: ピエロは嫌いさ。

隊長: ヌニェス、仕事だぞ。お嬢さん、話を続けてくれ。

PoI-3077-01: アイデアをイッキィに話して、イッキィも気に入ってくれたわ、名前だけ「シュガー・ベイビーズ」に変えられたけど。必要なものを全部揃えてくれて、さっそく取り掛かった。ゴーレムは作れたんだけど、私の目論見通りじゃなかったの。ほんと、恐ろしい代物よ、でもサーカスのものは全部恐ろしいから、誰も気にしないみたいだった。

PoI-3077-01: 歌ったり踊ったりするには形が崩れすぎてたけれど、ゴーレムたちはずっと頑張ってた。歌ったり踊ったりっていうのが私の望みだってわかってたの。とっても嫌な気持ちになったわ、神が生き物を創ったら、神の期待を満たすにはひ弱過ぎた、みたいな感じ。

PoI-3077-01: ゴーレムは小さくて滑りやすかったし、バラバラになってまた元に戻れるからダークなドタバタ喜劇を演目に組み入れられるってことで、私たちはアクロバットと体操の演目をすることにイッキィが決めたわ。最初に思ってたのとはだいぶ違うことになったけど、それをやることにして、調教師やパフォーマーとも協力したわ。

PoI-3077-01: 全部スムーズに行って、「サッカリナ・スウィートの素晴らしい崇高なシュガー・ベイビーズ!」3初演の夜が来たわ。サーカスの連中、頭文字を揃えるのが好きなのよね。まあとにかく、私たちは舞台に上がって、スポットライトが照らしてたわ。でも、ゴーレムたちはパフォーマンスしなかった。私のゴーレムたち、私のベイビーたちは、ただ座って、観客を見てた。そして、地獄みたいな騒動になったの。

PoI-3077-01: ゴーレムは観客の方に散らばっていって、口の中に飛び込んだ。喉を無理やり降りていって、肉の操り人形みたいに内側から動かしだしたの。ゴーレムたち、強度はないんだけど、動こうと思えば素早く動けるの。観衆の中で一番弱そうな人たちを狙ってた、小さい子もいた。そんなこと、ゴーレムたちがこれまでしたことなかったから、呆然としたわ。

隊長: くそっ、それがこの死体か? みんな、聞こえたか? 死体はレベル4異常バイオハザードだ! 完全な危険物取り扱いプロトコルを適用して、順に袋詰めとタグ付けしろ! 樽も同じ!

エージェント・ゼレンスキー: 了解!

隊長: お嬢さん、続けてくれ。

PoI-3077-01: マニー、こいつが逆さ顔男ね、マニーが場をなんとかしようとしてて、ゴーレムが彼の口にも入ったわ。でも、そのゴーレムは叫びながら飛び出て来た。逆さまな顔の後ろに何があるか知らないけど、たぶんとってもめちゃくちゃなんだと思う。私のベイビーたちが手に入れた以外の観客は怖がって逃げた。ベイビーたちは、新しい体を使って歌ったり踊ったりしてくれたわ。私がずっとそうして欲しかったように。

PoI-3077-01: イッキィはもうカンカン。彼女、いつもは頭おかしいくらいハッピーなんだけど、怒ったときにはそのエネルギーが全部怒りに向くのね。彼女は私の喉を掴んで持ち上げたわ、見た目より随分力があるの。そうして首を締め始めた。彼女は私に向かって、裏切り者、全部計画したんだろう、客を殺して、マニーも殺そうとした、イッキィのガールフレンドや家族も殺されるかもしれなかった、とか言ってた。私が気を失うまで、ずっと怒鳴ってた。

隊長: 君を殺そうとしたのか? どうして殺さなかったんだと思う?

PoI-3077-01: なんで彼女が私を殺さなかったのか、わからないわ。マニーが彼女を止めたのかも。世界の皆が松明と鍬を持ってフリークを殺そうとしてるんだから、フリークはフリークを殺しちゃいけない、って前にマニーが言ってた。

PoI-3077-01: 目が覚めたら、私は縛られてて、マニーが私を運んでいた。カレイドスコープを通ったんだと思うけど、目隠しをされてたからわからないわ。彼は、ベイビーたちの焼けた死体のそばに私を置いた。私に何をするのかって聞いたけど、彼は答えなかったわ。彼が言ったのは、「すまないね。慰めになるかわからないけど、これまで見た初演の中で最悪ってわけじゃなかったよ」とだけ。

PoI-3077-01: あなたたち、これから私に何するつもり?

隊長: 食料と、必要な医療を提供する。それから、一番近い収容施設に連れて行く。言われることをして、聞かれる質問には全部答えるんだ。そうしたら、いつか壁の外を見られるかもしれない。

PoI-3077-01: わかった。今は、とにかくこの死体の臭いから遠ざかりたいわ。

PoI-3077-01: 砂糖が焼ける匂い、これ以上我慢できないわ。

<ログ終了>

PoI-3077-01は現在、SCP-3077とGoI-233のいずれにも関係するPoIとして、サイト-81に拘留されています。実験により、SCP-3077-1はPoI-3077-01を攻撃せず、SCP-3077-2はPoI-3077-01がいるとその周りに集まることが確認されています。しかしながら、PoI-3077-01はSCP-3077-1および-2のいずれをも操る能力を持たないようです。異常現象について専門知識を持ち精通しているにもかかわらず、PoI-3077-01は非異常性の人間であることが実験により証明されています。現時点ではPoI-3077-01はSCP指定を受けていませんが、異常現象への精通とGoI-233の内部情報を持っていることから貴重な人材とみなされるべきです。実験や尋問に協力的であるため、協力と良好な行動が継続されることを条件に、標準の来客特権と、監督下での限定的なサイト-81の一般的設備利用が許可され、低セキュリティ居住ウィングに収容される予定です。

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