アイテム番号: SCP-3079-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3079-JPはサイト-81-109の標準物品収容ロッカー内に収容されます。SCP-3079-JPを許可なく持ち出すことは禁止されており、実験の実施には担当職員1名からの許可が必要となります。
SCP-3079-JP-Aの実行は予期せぬ異常性活性化に繋がるとして禁止されています。SCP-3079-JP-Aの実行が確認された場合、対応チームによって即座に無力化措置が取られます。
説明: SCP-3079-JPは「絶対に叶う恋の魔法」と題された書籍です。出版形式は文庫本、総ページ数は250ページであることが確認されています。外見や素材に異常な点はなく、非活性時は通常の書籍と同様に扱うことが可能です。現在までに31の実例が回収されており、各実例ごとに枝番号に指定されています。
SCP-3079-JPは上下を逆にした状態で表紙を開くことにより活性化します。活性化に伴い、SCP-3079-JPに記載されている内容は変化します。変化後の内容(SCP-3079-JP-Aに指定)は異常事象を引き起こすことを目的とした動作手順とその解説となっています。SCP-3079-JPは表紙を閉じた状態で更に上下を逆にすることによって非活性化します。
SCP-3079-JPは日本国宮城県仙台市にある小学校から回収されました1。回収場所は該当校の図書室です。後の調査により、SCP-3079-JPが不明な人物によって寄贈されたものであることが明らかになっています。SCP-3079-JPを寄贈した人物は現在まで特定されていません。
当時、該当校の近辺では10〜12歳の女児を中心として「恋の魔法」に関する噂が流行しており、それに興味を持った財団による調査の結果、SCP-3079-JPが発見されました。その後の実験により、SCP-3079-JPの異常性が明らかになっています。SCP-3079-JPの作者や製造元は不明であり、現在も調査が行われています。
補遺3079-JP.1: 特筆すべき内容
以下はSCP-3079-JP-Aの内容2の一部抜粋です。全内容はこちらから閲覧可能です。
SCP-3079-JP-A-1
題名: 彼との出会い
内容: 夕方の町外れの公園で四つ葉のクローバーを探してみましょう。中々クローバーが見つからず、いよいよ諦めようとしたとき。貴女にとっての運命の人がクローバーを持ってやってくるはずです。
付記: SCP-3079-JP-A-1は15:30〜17:30までの間にのみ実行可能です。実行した場合、実行者を中心とした因果律改変が発生します。これにより、現場には実行者の知人が訪れることとなります。
SCP-3079-JP-A-12
題名: 楽しいトークタイム
内容: 彼と話している時に話題に詰まったのなら、四つ葉のクローバーを持ち出して「これ、覚えてる?」と聞いてみてください。彼は「もちろん」と言って、貴女と出会った時のことを語り出すでしょう。
付記: SCP-3079-JP-A-12の実行に伴い、対象となる人物は特定の記憶を獲得します。この記憶は「公園で四つ葉のクローバーを探している」と要約可能なものであることが判明しています。なお、この際に獲得した記憶は記憶処理によって除去することが可能です。
SCP-3079-JP-A-27
題名: 別れが辛くても
内容: 彼が遠くに行ってしまう。そんな時は、彼に四つ葉のクローバーで作った栞を渡してあげてください。また会った時に、彼に覚えていてもらうために。
付記: SCP-3079-JP-A-27を実行することにより、実行者と対象の間に儀式的関連性が発生します。この結果、儀式論的な"引き合わせ"が発生し、実行者と対象は(実行から数年以内に)再会することになります。この再会に伴い、対象は実行者に関する記憶を想起します。
SCP-3079-JP-A-39
題名: 彩られた時間
内容: 彼と一緒に過ごす時は、四つ葉のクローバーで作ったお守りを持つようにしましょう。そうすれば、彼と過ごす時間が素敵なものになるはずです。
付記: SCP-3079-JP-A-38を実行した場合、実行者と対象の心理状態に変化が発生します。この変化により、実行者と対象は通常のヒトと比較して幸福感を感じやすくなることが判明しています。この影響はSCP-3079-JP-A-39の実行を中止することによって除去可能です。
SCP-3079-JP-A-48
題名: 苦しまないように
内容: 彼が苦しんでいるのなら、貴女は傍にいてあげてください。それだけで彼の気持ちは安らぐでしょう。そして、彼は目を閉じます。その目は、二度と開かないでしょう。
付記: SCP-3079-JP-A-48は対象が瀕死状態にある時にのみ実行可能です。実行に伴い、対象は一切の身体的・精神的苦痛を感じなくなります。しかしながらSCP-3079-JP-A-48に救命効果はなく、実行によって対象の死を回避することは不可能です。
SCP-3079-JP-A-53
題名: 伝え忘れた言葉
内容: 彼がいなくなってから何年も経ったある日、貴女はきっと苦悩するでしょう。どうして彼に好意を伝えなかったのか、と後悔するでしょう。そんな時、貴女は家の棚に仕舞われた四つ葉のクローバーでできた栞を見つけます。それを見て、貴女は泣くでしょう。彼と過ごした日を思い出すでしょう。
その後悔と苦悩を乗り越えて、貴女は言うのです。
「愛していた」と。
付記: SCP-3079-JP-A-53は非異常性の動作手順です。SCP-3079-JP-A-53の記載されているページには水性インクで「想いはしっかり伝えるべきだ」と書かれています。この文字を書いた人物や、その意図は特定されていません。









