SCP-3080-JP
アイテム番号: SCP-3080-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 新たなSCP-3080-JPが発見された場合、直ちに回収を行い各サイトの焼却炉にて処分してください。回収の際、SCP-3080-JPの異常性により運搬が困難である場合は専用の裁断器具を用いてSCP-3080-JPを損傷させてください。また、公的なWebサイト及びSNS上におけるSCP-3080-JPに関する情報は、財団Webクローラによって監視され、即時削除されます。
説明: SCP-3080-JPは日本国内で発見される、自立的に行動する靴の総称です。年間で約80件の実例が確認されており、その数は年々増加傾向にあります。SCP-3080-JPに指定される靴に規則性は無く、短靴から長靴まで様々な実例が存在します。SCP-3080-JPの殆どが市販された靴であることから非異常性の靴がSCP-3080-JPへと変化する条件が存在すると推測されていますが、現在までSCP-3080-JPが発生する瞬間を目撃/記録した事例は確認されておらず、仮説の域を出ていません。
SCP-3080-JPは人間の歩行を模倣しているかのような挙動を示します。歩幅や歩き方といった特徴は一定ではなく実体によって異なりますが、人間に再現不可能な程に逸脱する事はありません。また、それらは実体の元となった製品のターゲット層と想定される人物像と必ずしも一致するとは限らず、顕著な例として女児向けホビーアニメのキャラクターが印刷された幼児用シューズのSCP-3080-JPが大柄な成人男性と思しき挙動を示した例が挙げられます。
SCP-3080-JPは現在地から最も近傍に存在する海辺まで移動します。感覚器が存在しないにも拘らずSCP-3080-JPは最適なルートを辿って海辺に到達する事が可能です。海辺に到達したSCP-3080-JPはその場に数分留まった後、海洋へ入水します。入水後のSCP-3080-JPは異常性を喪失し、それまで確認されていた行動は一切見受けられなくなります。この事から、海洋への入水がSCP-3080-JPの最終的な目的だと推測されています。
また、SCP-3080-JPの危機回避能力は極めて低く、海辺までの移動時に歩行者や車両との接触によって損傷する場合があります。SCP-3080-JPの片方が移動不可能な程に損傷した場合、遺された片方のみで移動するため移動速度が大幅に減速し、更に損傷が両方に及んだ場合にはその場で異常性を喪失します。なお、片方が移動不可能な程に損傷した時点で海辺へ到着する確率は極端に低くなります。これは、片方を失ったSCP-3080-JPは足を引きずる様に地面と靴底を擦り合わして移動するため、無傷のSCP-3080-JPと比べて消耗が激しいからです。
追記: 入水後のSCP-3080-JPを再度観察した結果、微力ではあるものの潮流に対し不規則なタイミングで抵抗している事が判明しました。これを受け入水前の複数のSCP-3080-JPにGPS発信機を取り付け異なる地点から入水させたところ、全ての予想経路の交点としてニューカレドニアのウベア島を指し示しました。現地にエージェントを派遣し調査した結果、実際にSCP-3080-JPと推測される靴の漂流物が幾つか漂着する様子が確認されました。特筆すべき点として、これら全ての靴はウベア島に漂着した直後に粉状へと変化し、崩壊しました。
ウベア島