SCP-3082-JP
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アイテム番号: SCP-3082-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3082-JPはサイト-81██の低脅威度物品収容ロッカーに保管されます。

説明: SCP-3082-JPは000号規格1のカプセル剤です。SCP-3082-JP内には、異常性を示す未知の物質が封入されています。

SCP-3082-JPが健常な男性器を有するヒト(Homo sapiens)に服用・吸収された場合、異常性が発現します。当該ヒト(以下、対象)には、体内における鉄分の排泄の抑制、および吸収の促進が確認されます。したがって、対象の体内における鉄分量が増加します。

体内における鉄についての覚書: 鉄(26Fe)は、成人男性では1日に約1~2mgが吸収され、ほぼ同量が体外へ排出されます2。体内には、赤血球内のヘモグロビンに用いられているものや、フェリチンという分子と結合して貯蔵されているものなど、合計3~5gが存在しています。体内にある鉄のほとんどは体内で再利用されます。

鉄は、Fe2+として吸収された後、酵素によりFe3+に酸化され、トランスフェリンという分子と結合した状態で各器官へ輸送されます。特に骨髄においては、赤血球の造血の際に、ヘモグロビンにFe2+が用いられます。

同時に、対象の体内におけるトランスフェリン量も増加します。一方、フェリチンやヘモグロビンの量は有意に増加しません。

更に、陰茎の海綿体の細胞にトランスフェリン受容体3およびフェロポーチン14が多量に出現します。血液が陰茎に流入するとトランスフェリンも陰茎に流入しますが、その際にトランスフェリン受容体によりFe3+が細胞内に取り込まれることとなります。Fe3+はエンドソームに運搬され、Feへ還元された後5、磁気モーメントの向きを揃えて沈着します。

以上の要約: 鉄原子はそれ自体が磁石と見なせますが、通常の状態ではその磁力が相殺されているので、磁石のように振る舞いません。外部から磁場を加えることで磁力が発現されます。


対象の陰茎においては、磁力の向きが揃っているので、外部から磁場を印加しなくとも磁力が発生しています。

以上より、対象の陰茎は、亀頭側をN極とした磁石となります。その磁束密度は、勃起11の程度や陰茎の長さと大まかに比例し、最大に勃起した場合約3.9×103Gガウス12となります。なお、対象の陰茎の勃起度合いが減衰する際には、フェロポーチン1によってその分の鉄が除去されます13。また、当該プロセスにおいて、陰茎の磁石化を除く健康被害は確認されていません。

対象の陰茎における保磁力は約3.0×103Oeエルステッド14であることが判明していますが、その原理は不明です。工業的には、適切な種類および量の不純物を混ぜることにより保持力を大きくすることが可能であるため、対象の陰茎において、細胞内の何らかの物質が不純物として機能していると推測されています。

SCP-3082-JPは、縦12cm、直径10cm、重量700gのソレノイドコイルおよび蓄電池と共に販売されていました。当該装置の機構自体は非異常ですが、便宜上SCP-3082-JP-Aに指定されます。SCP-3082-JP-Aは所謂オナホールに装着することが可能です。当該オナホールに対象の陰茎を挿入・抜去することでソレノイドを貫く磁束が変化し、非常に微弱ながら誘導電流を発生させることができます。

補遺: SCP-3082-JPおよび-Aの開発者を自称する人物(PoI-3082-JP)が発見されました。PoI-3082-JPは、SCP-3082-JP開発の動機として「TENGA WORKOUT GEARに触発された」旨の証言をしています。

TENGA WORKOUT GEARについての覚書: TENGA WORKOUT GEAR(品番TWG-001およびTWG-00215)は、株式会社TENGA16によって販売されている、男性向けオプション機器です。

TENGA WORKOUT GEARは、一部のTENGA CUP17に装着可能な、ステンレス製で、97mm×93mm×173mm、4000gのキャップ状の道具です。当該道具を装着したTENGA CUPを動かすことにより、自慰と筋力トレーニングを同時に実施することが可能です。また、通常のダンベルのように使用したり、握った状態で腕立て伏せを行ったりすることも想定されています。

なお、SCP-3082-JP-Aを用いた発電は、同じく手を用いる発電(手回し発電機等)と比較しても非常に効率が悪いものです。さらに、磁気モーメントの整列は外部エントロピー的な作用である、つまりこの時点で(異常な手段で)エネルギーを取り出していることになるため、当該エネルギーで発電を行うことも可能であるはずです。これに対してPoI-3082-JPは、「研究において効率を求めると失敗する」「自家発電18ができることが重要」旨を述べています。PoI-3082-JPに対する措置は検討中です。

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