
ノースカロライナ州ダーリントン(USA)、1961年頃。
アイテム番号: SCP-3089
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 財団運営Bot(I/O-SILVER)が、SCP-3089に関する指標の検出のためにオンラインコミュニティを監視します。SCP-3089に感染したコミュニティが特定された場合は、当該コミュニティの全ての構成員を収容し、公的記録からその存在を示す全ての証拠を除去するために、機動部隊ミュー-4 (“デバッガー”)、ニュー-13(“ラズチャック愚連隊”)、ガンマ-5 (“燻製ニシンの虚偽”)による共同作戦が実施されます。
脱皮する前のSCP-3089-A個体は標準的な人間収容室に封じ込めします。ステージIIの個体は、症状の進行状況を確認するため、48時間周期で財団の医療スタッフから遠隔監視されます。
ステージIIIの個体はHTH収容室1に移送されます。
説明: SCP-3089は、肉体的・財政的・社会的成功を収めるための手段の開発に焦点を当てているコミュニティで顕在化する現象です。正確な病理学はまだ理解されていないものの、影響を受けたコミュニティは幾つかの指標で識別できます — 最も顕著な特徴は、セトレイディまたは“歌い手”(15~19世紀にかけてアイルランドで活動していたドルイド教団)に関連する儀式の適用を介して物質的な成功を達成することへの固執です。

SCP-3089-A個体(ステージIII、検死解剖後)。
SCP-3089-A個体は、SCP-3089-B — チッチゼミの一種、Cicadetta montanaに由来する外因性遺伝物質の組み込みを引き起こすキメラ現象の一形態 — に罹患した被影響コミュニティの構成員です。SCP-3089-Bは以下の進行段階に従って発症します。
- ステージI: 蛹。 個体は代謝・脳活動・心拍数・体温が著しく抑制された状態に入ります。3~6時間かけて、この個体の表皮は硬化し、緻密かつ脆い殻に変化します。
- ステージII: 変態。 無数の小さな内部奇形腫が個体の体内に発生します。2~3週間かけて、これらの奇形腫は膨張し、周辺の軟組織を溶解して全ての機能性を置き換えます。
- ステージIII: 羽化。 軟組織の大半が置換されると、個体は休眠状態から覚醒し、外皮の殻から脱皮します。この時点で個体は意思疎通が不可能となっており、利用可能な任意の手段で土中に潜り込もうと試みます。
ステージIIIでは、多数の臓器(目、肺、内部生殖器など)が痕跡器官と化しています。脳の検査では、構造上の基準からの深刻な逸脱が示されます。
SCP-3089は1961年、ノースカロライナ州にある1つの町の住民全員の失踪に続いて、財団に発見されました。この町は事件後に破壊され、周辺地域は観察のために買収されました。
補遺3089.1: 七重祝福の聖職
以下の音声記録は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ダーリントンに位置する“七重祝福の聖職”の事務所で発見された磁気カセットから回収されました。これらはバーソロミュー・ジェナー牧師による説教の記録から成っています。各カセットには、説教の題名と実施日時がラベル付けされています。
補遺3089.2: 追加資料