
夢中。
アイテム番号: SCP-3094-JP
オブジェクトクラス: Dagdagiel
特別収容プロトコル: SCP-3094-JPの実在を覚えている個人は存在していないため収容は不要です。1
説明: SCP-3094-JPは夢の中に存在する一室であり、深刻な苦痛や精神的不調を経験している個人は誰しも睡眠中にアクセスすることが出来ます。SCP-3094-JPは一般的な洋式ホテルの内装を取っており、個人専用の個室として現れます。
SCP-3094-JPの内部にはベッド、革椅子、木机と紙とペン、小さなランプ、書棚、ユニットバスその他ホテルに典型的な清潔なオブジェクトが備え付けられています。ベッドの傍のコップには個人の好みと嗜好を反映し、コーヒー、紅茶、緑茶、白湯のいずれかが満たされています。空になったカップは気づいた時には再び同様の飲料で満たされます。気が向けば自分で飲料を作っても構いません。湯が入ったポットとインスタントコーヒー、ティーバックが簡易キッチンにあります。
書棚には多数の書籍が保管されおり、多くの場合懐かしさを覚えるものと興味を惹かれるもので上下に分かれています。滞在中、書籍は自由に閲覧可能です。
部屋の時間は深夜2時11分で固定されています。窓の向こうには闇と曖昧な光が見え、おそらくは都市部のどこかに立地しているものと見られますが、外に出ていくことも飛び降りることも出来ません。時おり、外では小雨が降っているのが確認出来ます。騒音や人の声は一切聞こえてきません。
テレビ及び机の上のラジオは任意の際に起動して構いません。起動する度、あなたの人生の中で特に思い入れの深い映像や音楽を視聴できます。
上から二段目の机の引き出しにはカラフルなキャンディが入った深皿が置いており、様々なフレーバーを味わうことが出来ます。甘いものが好みならば赤、酸味が欲しいならば黄かオレンジがおすすめです。水色の包み紙のものは少しほろ苦く悲しい味がし、これを食べればお腹は一杯になります。カップの飲料と同様にこれも気づいた時には補充されています。
個人によって異なるタッチの絵画が部屋に配置されており、これを眺めると安心感を経験します。涙がとめどなく溢れる場合もあれば、あれだけ流れていた涙が止まる場合もあります。
ベッドでは通常通り睡眠を取ることが可能ですが、全てのランプを消灯して睡眠を取った場合個人はSCP-3094-JPを退出し現実で目覚めます。この手法を用いない限り個人が現実で目覚めることはありません。個人がSCP-3094-JPに長期間滞在した場合においても現実世界の時間が経過することはなく、個人は望む期間内部にて滞在を行うことが可能です。
SCP-3094-JP内にいる限り現実の問題は解決しません。ですが、問題に向き合うも必要もありません。この部屋に留まる限りあなたの平穏は約束されます。
あなたが確信を持ってSCP-3094-JPを出ていく選択をしたのならば、アノマリーに関するあらゆる情報は急速に忘却されていきます。あなたが目覚めた時、あなたはSCP-3094-JPで起きた一切のことを覚えていません。それは詳細を思い出せない夢として認識されます。
あなたは何度もこの部屋を訪れ、そしてこの部屋を退出しました。あなたは幾度の選択をしました。どの選択も無意味なものではありませんでした。
もう全てが嫌になったのならばいつまでもここにいても構いません。この部屋で出来る限りの安らぎをあなたに提供します。
何度も考え、時間を過ごしそれでもあなたが向き合うことを選択するのなら、光を消して眠りについて下さい。
どちらの選択も決して誤ったものではありませんでした。
グッドナイトGoodnight。またのご来訪をお待ちしております。