アイテム番号: SCP-3099-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3099-JPはサイト-8123の専用飼育エリアに収容されます。SCP-3099-JPの食事・排泄等に関する作業はDクラス職員によって行われ、作業後の職員には即座にクラスA記憶処理が施されます。
説明: SCP-3099-JPは年齢の異なる37頭の雑種犬です。このうち22頭は年齢不明の高齢犬で、6頭は5~10歳程度、9頭は生後数ヶ月程です。SCP-3099-JPは財団のフロント組織1によって複数の住宅から回収されました。SCP-3099-JP発見現場に居住していたとみられる人物は全て行方不明となっており、調査の結果いずれの人物も経済的に困窮していたことが判明しています。行方不明者らは地域社会から孤立していたため失踪時期が判然としておらず、彼らとSCP-3099-JPとの直接の関係性は未だ不明です。
SCP-3099-JPは多数の認識災害を発生させる事が可能であり、その全てが自身に注目を集める目的で作用します。なお、認識災害はクラスA記憶処理で除去が可能です。認識災害がもたらす影響はSCP-3099-JPの行為ごとに異なっており、少なくとも以下の行為で特有の認識災害が確認されています。
- 鳴き声を出す行為: 認識した人物はSCP-3099-JPへの関心を強めます。
- 舌を垂らす行為: 認識した人物はSCP-3099-JPへの執着を喚起します。
- 腹部を見せる行為: 認識した人物はSCP-3099-JPへの愛着を自覚します。
- 排泄行為: 認識した人物はSCP-3099-JPの排泄物を積極的に処理します。
- 飛び跳ねる行為: 認識した人物はSCP-3099-JPを過度に称賛します。
- 人間の膝で眠る行為: 認識した人物はSCP-3099-JPの頭部を撫でます。
- 人間の目を見つめる行為: 認識した人物はSCP-3099-JPが善良であるという確信を抱きます。
- 虫や小動物を殺す行為: 認識した人物はSCP-3099-JPが自身より優れた存在であると主張します。
- マウンティング行為: 認識した人物はSCP-3099-JPがこれまでに受けた痛みを想像します。
- 睡眠: 認識した人物は「SCP-3099-JPと同じ空間にいたい」という欲求を感じます。
- 飲食行為: 認識した人物は食事がSCP-3099-JPの嗜好と合致しているかについて不安を抱きます。
- 交尾: 認識した人物はSCP-3099-JPに対して性的コンテンツの提供を試みます。
- 爪を噛む行為: 認識した人物はSCP-3099-JPが犬であり、債務と無関係であることを確認します。
- 吠える行為: 認識した人物はSCP-3099-JPの力を称賛し、高所得者への侮蔑的言動を繰り返します。
- 顔を舐める行為: 認識した人物はSCP-3099-JPの知性を称え、四年制大学卒業者及び大学院修了者を批判します。
- 尻尾を振る行為: 認識した人物はSCP-3099-JPの美しさを賛美し、芸能人の容貌に関する中傷を繰り返します。2
- 歯を見せて笑う行為: 認識した人物はSCP-3099-JPが犬であり、日本国憲法26条2項、27条1項、30条3と無関係であることを確認します。
- 人間を噛む行為: 噛まれた人物はSCP-3099-JPが優れた犬であると主張し、仰向けになって腹部を見せます。
補遺: SCP-3099-JPの存在が財団に認知されるまで、当該実体群は地域住民の飼育下に置かれていました。SCP-3099-JPは住民から豊富な食料を与えられており、常に一定の関心、愛情を享受していました。財団による収容活動と並行して住民への記憶処理が実施されましたが、その後の追跡調査の結果、住民の大学進学率・退職率・離婚率に若干の増加が確認されました。この調査結果とSCP-3099-JPの異常性との関連性は不明ですが、住民への継続的な監視が現在検討されています。