SCP-3115-JP
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アイテム番号: SCP-3115-JP

オブジェクトクラス: Anomalous Keter Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3115-JPを取り囲むように収容サイト-81APを建設し、収容サイト-81AP内部は密閉します。収容サイト-81APの内部の空気を換気する必要に迫られた場合は、空気を加熱処理してから放出します。SCP-3115-JP-1の結実が確認された場合、酸素ボンベと防護服を装着した機動部隊り-05("白雪姫")によって採取し、収容サイト-81APに併設された焼却炉を用いて700℃以上で焼却します。

未確認のSCP-3115-JPを発見するため、日本全域で捜索が行われます。


説明: SCP-3115-JPは、青森県██市に自生していた108本のリンゴ(Malus domestica)の樹です。SCP-3115-JPから採取できるリンゴはSCP-3115-JP-1に指定されます。

SCP-3115-JP及びSCP-3115-JP-1は、2007年3月にYouTube上にて投稿された動画1によって認知されました。動画にはSCP-3115-JP-1を20個摂食する様子が収録されていました。動画の投稿者にはBクラス記憶処理を行い、動画の削除のタイミングでカバーストーリー「編集による偽の映像」が適用されました。

SCP-3115-JP-1は一年中採取することができ、少なくとも1日に10個以上、ピーク時は1日に50個以上採取できます。また通常リンゴの栽培には農薬の使用など人の手が介在することが必須ですが、SCP-3115-JPは発見当時から自生しており、人の手が介在した痕跡は発見できませんでした。

SCP-3115-JP-1は非異常のリンゴに比べ芳香と糖度に異常性があります。SCP-3115-JP-1に曝露した場合、曝露者は非異常のリンゴと比較して強い芳香を感じ、約1時間の曝露により空腹を訴えます。CT検査を行った結果、曝露した時間に応じて胃の内容物が通常の消化よりも早く減少することが確認されています。この性質によって、SCP-3115-JP-1は満腹時にも問題なく摂食できます。またリンゴの一般的な糖度は13度ですが、SCP-3115-JP-1の糖度は平均して21度ありました。非異常のリンゴと比べて賞味に適していたことから、SCP-3115-JP及びSCP-3115-JP-1は当初Anomalousアイテムに指定されており、サイト-81██の職員は希望すればSCP-3115-JP-1を摂食することができました。

SCP-3115-JPの発見からおおよそ10年が経過した段階で新たな異常性が報告されました。サイト-81██に従事している職員に脱毛、閉経、老眼、筋肉量の低下などのいわゆる老化現象が、日本人の平均から10~20年ほど早く発生しました。調査の結果、リンゴにアレルギーがありSCP-3115-JP-1を摂食していなかった職員にはこの兆候が比較的緩やかに見られたことから、SCP-3115-JP-1の異常性が指摘されました。この事実が判明した段階で、研究目的以外のSCP-3115-JPが自生するエリアへの進入及びSCP-3115-JP-1の採取・摂食は禁止されました。オブジェクトクラスがKeterに変更され、未確認のSCP-3115-JPの調査を行うことが決定しました。


実験の結果から、SCP-3115-JP-1から発生する芳香は消化器官に働きかけをすることが判明しました。

SCP-3115-JP-1の芳香は消化器官に働きかけ、消化の速度を異常に早めます。胃液の生産量や腸内での栄養吸収の増加などが確認されていますが、消化速度の異常な向上の理由は依然として判明していません。SCP-3115-JP-1が満腹でも摂食できるのは、この性質によるものだと考えられています。

また、SCP-3115-JP-1の芳香に曝露すると血液中の酸化された物質の濃度が適正値を大幅に超過します。体内にエネルギーを供給するときに発生する活性酸素によるものと推測されており、前述の消化器官の活動の活発化との関連性が指摘されています。活性酸素は過剰量存在する場合、体内の細胞を攻撃することで体内にダメージを累積させ、老化を早めると考えられている物質です。

SCP-3115-JP-1の芳香の組成を調査しましたが、特定することはできませんでした。ただし、650℃の高温で熱した場合異常性を失うことが判明しています。


追記1: 2023年にSCP-3115-JPの調査が完了し、日本には現時点で発見されているSCP-3115-JP以外のSCP-3115-JPは存在しないことが確認されました。それに伴い、オブジェクトクラスがKeterからEuclidに変更されました。他国でも調査が行われていますが、現時点でSCP-3115-JPは発見されていません。

追記2: SCP-3115-JPの特別収容プロトコルが施行されて以降、青森県の平均寿命が徐々に改善されています。青森県は1995年から2020年まで男女ともに平均寿命が最も短い県で、2020年では平均寿命が男性79.27歳、女性86.33歳でした。しかし2025年の調査では男女ともに最下位から脱し、2030年の調査では男性82.12歳、女性88.95歳となり、全国平均と同程度まで改善しています。さらに、SCP-3115-JPが植生する██市では全年代において2020年と比べて平均寿命が4歳ほど改善されており、SCP-3115-JP-1の芳香がもたらす老化が青森県全体に及んでいた可能性が指摘されています。

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