アイテム番号: SCP-3116-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-3116-JPの収容はその性質上困難です。SCP-3116-JPの存在を民間人によって特定されるリスクを低減するため、カバーストーリー「精神疾患」を流布し、全国の心療内科・精神科の受診記録を定期的に確認してください。カルテ記録にてSCP-3116-JP-1と疑われる者が発見された場合は記憶処理を実施してSCP-3116-JPの異常性を取り除いてください。
説明: SCP-3116-JPは不特定の人間に発生する夢見現象です。SCP-3116-JPの異常性に曝露した者(以下、SCP-3116-JP-1)は概ね以下の出来事を夢で体験します。
- 夜間、SCP-3116-JP-1が屋外で満月を見上げている。
- 1人のアジア系の老年男性がSCP-3116-JP-1に近づき、「赤い糸に縋りなさい」といった趣旨の発言をする。
- SCP-3116-JP-1が自身の身体の一部に糸が結ばれている事に気づく。
- SCP-3116-JP-1がその糸を辿っていき、SCP-3116-JP-1が恋愛感情を抱いている人物(以下、SCP-3116-JP-2)のもとに辿り着く。その様子を見て老年男性が笑い声をあげる。
SCP-3116-JP-1は異常性の曝露から数日〜数年以内にSCP-3116-JP-2へ自身の好意を伝えて交際を申し込む傾向にあります。SCP-3116-JP-1は交際を申し込み、承諾されるまでSCP-3116-JPを知覚することが確認されています。また、SCP-3116-JPの影響は記憶処理によって取り除くことが可能です。
以下はSCP-3116-JPの内容を具体的に記憶していた人物に対してのインタビュー記録です。
財団が把握している事例から推測するとSCP-3116-JPは約30,000人に1人の割合で発症します。好発年齢や性差においての規則性は確認されていません。
SCP-3116-JP-1に想定外の精神影響が出現した事例(補遺参照)が確認されていることから、カバーストーリー「精神疾患」によって「老人が思い人のもとへ案内する夢は性的欲求のコントロールが不全であり、性犯罪を犯すリスクがある。見続けるのであればメンタルカウンセリングやセラピーを受けることが推奨されている。」との風説を流布することによる隠蔽工作が実施されています。これはSCP-3116-JP-1が夢見現象について他言することに羞恥心を感じさせることでSCP-3116-JP-1の周囲の人物がSCP-3116-JPの異常性を認知することを防ぐことに加え、心療内科・精神科へ受診するように誘導することでSCP-3116-JP-1の特定を容易にする目的があります。
補遺: SCP-3116-JPの異常性に曝露し、交際を開始したことで異常性の影響を脱した人物(橘祐太郎氏)が再度異常性に曝露した事例が発見されました。SCP-3116-JP-1が異常性の消失後に再度曝露したのは本事例が初です。また、2回目の曝露では夢の中で体験する事象がこれまでの傾向と異なり精神的苦痛を伴う内容であったことから、現在SCP-3116-JPの異常性が変質する可能性があるとして解明が進められています。今後、異常性の変質によってSCP-3116-JPが一般社会に与える影響が大きくなる可能性を考慮してオブジェクトクラスをKeterに変更する案が可決され、積極的な隠蔽の必要性もあると判断されたことから上述したカバーストーリーの流布も行われました。
以下は橘祐太郎氏への1回目及び2回目のインタビュー記録です。