あなたはこのページの編集履歴を閲覧しています。
以下に表示されているのは2005-10-15 16:48のリビジョン2です。
フランス、フォンテーヌブローにあるSCP-3121が回収された場所
アイテム番号: SCP-3121
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3121はサイト-66のSafeクラス小型生物(SaMBio)収容通路、C棚の8番ケージに収容されています。暫定的な食事として1日2回、スプーン1杯の栄養補助剤入りフルーツミックスを与えます。模範的な行動に応じて週1回、生きた新鮮なミルワームを食事として提供しても構いません。
SCP-3121に道具や構造物の製作を許可することで、表面的な苦痛の兆候は緩和されます。模範的な行動に応じて、藁・小さな棒・植物の葉などの原料をSCP-3121のケージに導入しても構いません。SCP-3121の小屋は娯楽素材の木切れを用いて建造されているため、清掃時にも交換しないでください。
説明: SCP-3121は身長9.8cmのヒト型知性体です。その体躯の小ささに加えて、当該実体は他にも標準的な人間形態学からの逸脱を示します。SCP-3121の皮膚は海緑色で、いぼ状の結節に覆われています。また、SCP-3121は太い眉、目立つ頬骨、著しく尖った耳・鼻・顎などの異常発達した顔面特徴を有します。全体的な容姿はヨーロッパの民間伝承におけるインプやホブゴブリンを彷彿とさせるものがあります。
外見は別として、現時点ではSCP-3121は他の異常性を示さないと考えられています。SCP-3121の生物学的な機能や必要条件は、類似する大きさの非異常哺乳類に予想される範疇のようです。SCP-3121は男性的な第一次・第二次性徴を両方とも示します。
SCP-3121は、11世紀から14世紀にかけて用いられたドイツ語の一種、中高ドイツ語に類似する方言を話します。この言語の後期形、初期新高ドイツ語にある程度精通している財団言語学者のレナ・ライテラー博士はSCP-3121との会話が可能です。SCP-3121は現在インタビューに非協力的であり、苦痛の行動兆候を示し、頻繁に自らの“妻”の所在を訊ねています。
SCP-3121は2005/10/13、フランス北部に位置するフォンテーヌブローの森で、木切れから雑に構築した小屋に住んでいるのを発見されました。小屋の内部から見つかった材質は、2体の実体が居住していたことを示唆します。SCP-3121が述べる“妻”は初期回収当時も現場付近に居たものの、収容職員に目撃されることなく捕獲を逃れたと考えられています。
補遺:
日付 |
2005-10-15 11:29 UTC |
質問者 |
レナ・ライテラー博士 |
監督者 |
ジェイコブ・カリー上席研究員 (知性体収容スペシャリスト) |
特に明記しない限り、対話は古風な高地ドイツ語から翻訳されている。
ライテラー博士: こんにちは、SCP-3121。
[SCP-3121はケージの隅へ走っていき、身をすくめる。]
ライテラー博士: 調子はどうですか? 不便などありませんか?
SCP-3121: 私に何を求めている? ど- どうか頼む、私をここから去らせてくれ。私は出て行きたい。
ライテラー博士: 気持ちは分かります。恐らく、ここを非常に奇妙な場所だと考えているでしょうね。
[11秒間の対話無し。]
ライテラー博士: 私の言葉が理解できますか?
[5秒間の対話無し。]
SCP-3121: ああ。
ライテラー博士: それは良かったです。私はあなたを傷付けたくはありません。あなた自身に関する質問を幾つかしたいだけなのです。宜しいですか?
[SCP-3121は沈黙している。]
ライテラー博士: あなたは—
SR カリー: [英語] 協力しなければ処罰のリスクがあるとアノマリーに伝えろ。
ライテラー博士: [英語] そ- それはまだ必要ないと思います。今始めたばかりではないですか。
SR カリー: [英語] 私たちはこの恐怖反応を利用すべきだ。知性体、特に収容初期の奴らには効果がある。それは確かだ。
ライテラー博士: [SCP-3121に] SCP-3121、私の質問に答えて頂ければ、もっと良い生活が送れますよ。あなたは何処からやって来たのですか?
[SCP-3121は沈黙している。]
ライテラー博士: あなたは何歳ですか? 自分の年齢は分かりますか?
[SCP-3121は沈黙している。]
ライテラー博士: 他にもあなたのような人々がいるのですか? つまり、あなたのような見た目の生物たちが?
[SCP-3121は呻き声を発する。]
SCP-3121: 頼む、私を解放してくれ。妻はきっと私の身を案じているだろう。私は- 妻の下へ帰りたい。きっと私を探している。妻に会いたい。出してくれ。妻に会いたい。
SR カリー: [英語] アノマリーは何と言っている?
ライテラー博士: [英語] 彼の- いえ、それの妻について語っています。アノマリーは自分の妻の下へ帰りたい、妻は自分を探しているだろうと言っています。
SR カリー: [英語] 良いぞ、脆弱性が明らかになった。必要に応じてこれを利用できる。続けてくれ。
ライテラー博士: [SCP-3121に] あなたの奥さんは何処にいると思いますか? あなたの為に彼女を連れてくることも可能です。
SCP-3121: 伝えるつもりは無い。君たちは彼女を捕まえられない、妻はとてもswinde。私より賢いから、私のように捕まることは無いだろう。私を妻の下へ行かせてくれ。此処から出して彼女の下へ向かわせてくれ。
ライテラー博士: [英語] 何処へ行けば妻を見つけられるか訊ねてみました。対象は我々に伝える気は無いと、そして妻はとても賢く — 苛烈、という意味だと思いますが、そういう訳で我々は彼女を捕まえられないだろうと言いました。
SR カリー: [英語] そうか、これでは埒が明かないな。アノマリーは明らかにまだ収容環境に順応していない。ただ今を以て当インタビューを終了とする、時刻は- 11時32分。理由は対象の非協力的態度。リスク最小限のため低優先度とする。
ライテラー博士: [英語] もう少しだけ時間を頂けないでしょうか-
[音声終了]
監督者コメント: 今、翻訳されたログを読んでいる。不服従による処罰リスクの話は私の予想ほど明確には伝えられていなかった。これは次回のインタビューで修正されるべきだろう。
私たちはこの“妻”を発見する必要がある。
— ジェイコブ・カリー上席研究員
あなたはこのページの編集履歴を閲覧しています。
以下に表示されているのは2005-10-24 19:02のリビジョン5です。
SCP-3121は現在も発展中の現象です。以下は暫定的な文書であり、変更の対象となります。
アイテム番号: SCP-3121
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-3121-A(旧SCP-3121)の収容は以前のプロトコルに従います。 変更保留中
SCP-3121-Bの発見と収容は高優先度の任務です。財団データクローラはインターネットトラフィック、民間の電話メッセージ、監視カメラ映像、緊急サービス無線などのあらゆる監視ベクターにおいて、SCP-3121-B活動の可能性がある事案への言及をモニターします。SCP-3121-Bの目撃が疑われる場合、直近の出動可能な機動部隊がSCP-3121-Bの最後の既知の居場所へ速やかに派遣されます。全ての生存しているSCP-3121-B活動の目撃者は可能な限り早急に発見し、記憶処理を施します。
説明: SCP-3121-A(旧SCP-3121)は身長9.8cmのヒト型知性体であり、外見はヨーロッパの民間伝承におけるインプやホブゴブリンに類似します。SCP-3121-Aは男性的な第一次・第二次性徴を示し、中高ドイツ語に似た方言で会話が可能です。財団は現在SCP-3121-Aを収容しています。
SCP-3121-BはSCP-3121-Aに類似するヒト型知性体です。SCP-3121-Bは収容されておらず、敵対的かつ危険です。映像記録によると、SCP-3121-Bはヒトの頭蓋内腔に侵入することによって瞬時に長距離を移動する異常な能力を持ちます。
SCP-3121-Bは、過去にSCP-3121-Aが言及していた“妻”であると考えられています。
補遺:
場所 |
クロアチア、ザグレブ |
日付 |
2005-10-23 09:13 (07:13 UTC) |
ソース |
監視カメラ映像 |
注記: 音声無し。
09:13:43 – 09:13:52 歩行者たちが通りを歩いている。3台の車が隣接する道路を通り過ぎる。異常な活動は発生していない。
09:13:53 – 09:13:57 フレームの右下で、カメラから顔を背けている禿げた男性が突然立ち止まり、左手で後頭部を掴む。
09:13:59 – 09:14:06 禿げた男性 — 後ほどタマーシュ・ノヴァク(54)と特定 — はバランスを崩し、腕を壁に押し当てて身体を支える。
09:14:07 – 09:14:18 禿げた男性は壁にもたれてしゃがみ込んだ姿勢になり、両手で頭を掴んでいる。緑色のショールを羽織り、買い物袋を提げた中年女性が、フレーム下から小走りで画面内に映り込んでくる。彼女は禿げた男性の隣で立ち止まり、彼の方に身を屈める。彼女は男性の健康状態を懸念しているようである。
09:14:19 – 09:14:31 黒いコートを着た若い男性が状況を観察するために歩み寄り、緑ショールの女性と短く言葉を交わす。若い男性はその後、携帯電話を掛け始める。壁に向かってしゃがんでいる禿げた男性は激しく身震いし始める。目撃者たちは、この時点で禿げた男性が大声で呻き始めたと報告している。
09:14:32 – 09:14:40 禿げた男性(まだカメラから顔を背けている)は身震いを止め、倒れ込む。3秒後、緑ショールの女性はいきなり立ち上がり、後ろに倒れ込む。映像はこの理由らしき出来事を捉えている — 禿げた男性の後頭部の頭皮は、突然現れた大きな切り傷で裂かれている。小さな淡い色の物体がリズミカルに動いているのが傷口から観察できる。物体の動きは、あたかも頭部が内側から切り開かれようとしているように、禿げた男性の頭部が僅かに揺れているのと一致する。
09:14:34 – 09:14:39 さらに3人が様々な場所から現場に近付いてくる。傷口は大きさを増し、大量に出血している。全ての傍観者はこれにパニックを起こしているようである。
09:14:40 – 09:14:45 男性の頭部の傷口が膨張する。身長約10cmの小さな姿が切り傷から飛び出し、地面に飛び降りる。混乱が発生する。全ての傍観者は飛び上がる、走るなどして小型実体から離れようとする — 例外として、緑ショールの中年女性は倒れ込んだ後、仰向けに横たわったままである。
09:14:46 – 09:14:56 2人の男性傍観者が現場から逃走する。小型実体は周囲を見渡し、数名の人物を指差す。目撃者たちは、実体が指差しながら未知の言語で特定のフレーズを繰り返していたと報告している。実体はその後、地面に横たわっている中年女性の顔の上に登る。
09:14:57 – 09:15:10 血液が女性の身体下の歩道に急速に溜まり、女性は自らの蟀谷と喉を掴む。検死解剖は、小型実体が女性の頭部に登る際、鋭利な器具を使って女性の首と顔にある幾つかの動脈を切断したことを示している。小型実体は女性の顔に向かって屈みこむ。映像からは明らかでないが、目撃者たちは、この時点で小型実体が女性の左目を切り裂いたと報告している。
09:15:11 – 09:15:19 女性はまだ血が噴き出している喉から弱々しい声を発する。その場に残っていた傍観者たちが叫び、身振りで苦悩を示すが、介入しようと前に出る者はいない。小型実体は切り付けるのを止め、恐らくは左眼窩を通って女性の顔の中に姿を消す。
09:15:20 – 09:15:25 女性の頭部が僅かに揺れ、その後は動かなくなる。暗い色の煙が彼女の頭部から立ち昇る。
09:15:26 – 09:15:30 死んだ女性の買い物袋から1個の缶が転がり出し、車道に落ちる。缶は1台の車に轢かれる。赤い液体がアスファルトの上に噴出する。
場所 |
日本、大阪市 |
日付 |
2005-10-23 16:15 (07:15 UTC) |
ソース |
監視カメラ映像 |
注記: 時間帯を考慮に入れると、以下は映像記録1の終了直後に始まっている。音声無し。
16:15:30 – 16:15:38 8人の青少年から成るグループが輪になって立っている。
16:15:39 – 16:15:45 グループの中の1人が倒れ込み、両手で後頭部を掴む。
[以降の記録は除去済]
状況報告、2005/10/24、SR ジェイコブ・カリー
SCP-3121-Aはインタビューにおいて“妻”が自分を探していると語った。アノマリーのこの証言は真実だったようだ。
この妻、SCP-3121-Bの活動は以下のように表現し得る。対象は人間の頭部を — 最も多くの場合、目を通して — 切り開き、頭蓋骨の薄い部分を貫通する。目撃者の報告によれば、アノマリーは大きな金属釘を使ってこれを行っている。SCP-3121-Bは脳内に入ると未知の行動を取る。すると、SCP-3121-Bと完全な球状の大脳組織が消失し、人間の脳内には焼灼された穴が残される。
SCP-3121-Bは地球上の何処か違う場所にいる別人の脳内に再出現し、その人物の後頭部を切り開いて退出する。そして上記のプロセスを他の人物に対して繰り返す。脳間移動は瞬間的に起こる。SCP-3121-Bの移動に距離限界やパターンは観察されていない。分析はSCP-3121-Bの出現対象となる人間が無作為に選択されることを示唆している。
私たちは目撃者に話しかけるSCP-3121-Bの音声サンプルを入手した。ライテラー女史によれば、当該アノマリーはSCP-3121-Aと同一の言語を話しており、発言内容はSCP-3121-Bの“夫”の居場所に関する質問として翻訳される。罵りの言葉もまた含まれている。
SCP-3121-Bの収容は極めて重要である。SCP-3121-Bの活動は頻繁で予測できない。活動はしばしば公共の場で発生する。SCP-3121-Bの能力に曝された民間人48名のうち、2名だけが生き延びた。両名ともに大量の脳組織を失ったため、極度かつ永久的な脳損傷に苛まれている。
多数の死者の隠蔽と目撃者への記憶処理はリソースの浪費だ。生放送中、もしくは知名度の高い人物に対して発生するSCP-3121-B活動は重大な緊急事態を招くだろう。現状は深刻な情報侵害を呈しているのだ。
SCP-3121-Aは、SCP-3121-Bやその異常な移動能力に関する情報提供に協力していない。この情報の取得可能性を上昇させるため、私は当該アノマリーの特権を全て剥奪し、より厳格な尋問技術を導入した。
– SCP-3121収容責任者代理、SR ジェイコブ・カリー
あなたはこのページの編集履歴を閲覧しています。
以下に表示されているのは2005-11-01 08:51のリビジョン9です。
アイテム番号: SCP-3121
オブジェクトクラス: Euclid
収容以前にSCP-3121-Bの移動能力に曝露したことが知られている人物たちの所在地
特別収容プロトコル: SCP-3121-AとSCP-3121-Bは個別に収容されます。各実体は高度脅威知的異常存在に適したエアロック付きチャンバーに収容されます。実体が異常な移動能力を行使するリスクを最小化するため、人間による接触は可能な限り避けるべきです。
敵対的かつ攻撃的なSCP-3121-Bにはより一層の注意が求められます。SCP-3121-Bは常に肉体的に拘束されるべきであり、インタビューやその他の必要に応じた緊密な交流の間は余分な拘束具が追加されます。
説明: SCP-3121-Aと-Bは身長約10cmの小さなヒト型知性体であり、外見はヨーロッパの民間伝承におけるインプやホブゴブリンに類似します。性徴から判断する限り、SCP-3121-Aは男性で、SCP-3121-Bは女性です。両実体は中高ドイツ語に似た方言で会話が可能です。
SCP-3121-Bはヒトの脳の間を瞬時に移動する異常能力を実証しています。SCP-3121-Aもまたこの能力を保有しているか否かは不明です。
SCP-3121は2005/10/13、フランス北部に位置するフォンテーヌブローの森から単体で回収されました。この時、SCP-3121-Bは収容職員に見つかることなくSCP-3121-Aの収容を目撃したと推定されます。1週間後の2005/10/21、SCP-3121-Bは自らの異常な移動能力を、SCP-3121-A(SCP-3121-Bは“夫”であると主張)の捜索と思しき目的のために行使し始めました。世界48ヶ国の人物141名がSCP-3121-Bの移動能力に曝露したことが判明しており、うち135名はその後に外傷性脳損傷で死亡しています。
SCP-3121-Bはバングラデシュの農村地帯でバイク用ヘルメットを被った女性の脳内に出現した後、ヘルメットを破壊して脱出できなかったために収容されました。被害者の女性は脳卒中と誤解されて地元の病院に搬送され、病院の医療職員たちがヘルメット内から発せられる擦過音やくぐもった叫び声に気付きました。機動部隊サイ-8(“スピアハンターズ”)は現場で実体を確保することに成功しました。
補遺:
日付 |
2005-10-31 15:05 UTC |
質問者 |
レナ・ライテラー博士 |
監督者 |
ジェイコブ・カリー上席研究員 (SCP-3121収容主任) |
特に明記しない限り、対話は古風な高地ドイツ語から翻訳されている。
注記: このインタビューの期間中、SCP-3121-Bは着座者に電気ショックを与えることが可能な椅子に拘束されていた。
SCP-3121-B: [記録に残っていない事前対話からの続き] -鬼畜め、お前たちはどちらも言語に尽くせぬほどの畸形だ。卑怯者の虱、地虫、惨めな地虫ども! お前たちの種族全てが18の地獄で永遠の責め苦を受けるがいい。汚らわしい血の悪疫、憎しみに満ちた蛮族、大地の恥-
[SR カリーが電気ショックを送り、SCP-3121-Bを沈黙させる。]
ライテラー博士: SCP-3121-B、我々と話してください。私はあなたを傷付けずに会話したいのです。誰にとってもその方が良い。
[SCP-3121-Bは荒く呼吸し、手で口を拭う。]
SCP-3121-B: 私を此処で殺すつもりなのは分かっている。私は死など恐れぬぞ、謀殺者。
ライテラー博士: 信じてはもらえないでしょうが、我々はあなたに死んでほしくないのだと保証します。それは我々の望むところではありません。
SCP-3121-B: 私を馬鹿にしているのか? どうして今さら私がお前たちの種族を信用できる? あのように私たちの民を殺戮したお前たちを! 何世紀も続く虐殺! まるで私たちが泥の中を這う害虫でもあるかのように! 汚らわしい腐敗の権化め。まだ殺し足りないか? 私たちは風前の灯火、滅びゆく定めだ。夫と私はもう200年も同族を見かけていない。私たち2人が最後の生き残りなのか? これがお前たちの所業か? [笑う。] 私たちを完全に滅ぼすつもりなのだな? 悍ましい悪魔! 悪臭満ちた溜池の暗い底から生まれた邪悪-
ライテラー博士: [英語、SR カリーに] 電気を流さないでください。これは有用な情報です。
ライテラー博士: [SCP-3121-Bに] SCP-3121-B、あなたが人々の頭を通じて移動していた目的は何だったのですか?
SCP-3121-B: お前の卑しい言葉は理解できない。何を言っている?
ライテラー博士: 失礼しました。あなたが頭の中に入って別な場所へ現れていた時、あなたは何を探していたのですか?
SCP-3121-B: 夫を探していた! お前たちは間違いなく彼を此処に置いているはずだ。彼の存在を感じる[?]。私には分かる。
ライテラー博士: 何故、彼に会いたいのですか?
SCP-3121-B: 何故? それすら分からないのか? お前たちは怪物そのものだ。私は過去800年、あの男と共に暮らし、愛していた。お前たちの寿命の十倍も互いの心を満たし合ってきた — 十倍だ。お前たちのような儚い蜉蝣に、私たちが共に培ってきた愛の深さは理解できまい。彼がいなければ私の命など無価値だ。私は決して-
[SR カリーが電気ショックを送り、SCP-3121-Bを沈黙させる。]
ライテラー博士: [英語、SR カリーに] やめて! 何をするんですか?
SCP-3121-B: 外道ども! 汚物、不潔な- [解釈できないほど高音域の、罵倒語と推定される金切り声]
SR カリー: [英語] アノマリーの振舞いからは怒りが読み取れた。
ライテラー博士: [英語] 興奮していただけです、怒りではありません。彼女は情報を提供していたのですよ — 有用な情報を。
SCP-3121-B: [金切り声を上げ続けている]
SR カリー: [英語] アノマリーが情報を提供していたのだ。収容下のオブジェクトに言及する際には人称代名詞を使うべきではない。これは基本的なプロトコルだぞ。
SCP-3121-B: [金切り声を上げ続けている]
SR カリー: [英語] しかし確かに、この一連の流れには… 失望させられたよ。アプローチを再考しなければならないだろう。今回のセッションでSCP-3121-Bに我々と対話する意欲があったとは思えない。また別な機会に試さなければな。
[3秒間の対話無し。]
ライテラー博士: 確かに。
[音声終了]
監督者コメント: インタビューは失敗だった。SCP-3121-AとSCP-3121-Bは十分な情報を提供していない。
SCP-3121-Bの特異な瞬間移動手段についてより多くの知見を得るのは重要だ。私はインタビュー中に観察された感情的反応に基づく尋問を計画している。当該の尋問は、極限まで激しい急性の感情ストレスをSCP-3121-Bに加えるものとして設定される。私はこれがSCP-3121-Bの反抗的態度と優越感を低下させるだろうと期待している。有用な答えが得られる可能性も高い。
— ジェイコブ・カリー上席研究員、SCP-3121収容主任
本日17:00、ジェイコブ・カリー上席研究員はSCP-3121-A、-Bの両実体に対する心理ストレス運動を実施しました。カリー上席研究員はSCP-3121-Aを上記インタビューログで使用された電気ショック椅子に座らせました。SCP-3121-Bは同じ部屋に拘束され、カリー上席研究員が徐々に強い電気ショックをSCP-3121-Aに加える様子を見るのを強制されました。留意点として、SCP-3121-AとSCP-3121-Bが収容されてから互いに顔を合わせたのはこれが最初でした。
ストレス運動の開始から25分後、SCP-3121-Bは自らの拘束を破壊してカリー上席研究員を無能力化し、彼を対象とする[編集済]。その後、SCP-3121-Bはカリー上席研究員の遺体を使用して移動能力を活性化させ、SCP-3121-Aと共に消失しました。この事案に鑑みて、SCP-3121-AとSCP-3121-Bは現在未収容と見做されています。両実体の行方は不明です。
カリー上席研究員の死を考慮して、SCP-3121インタビューの翻訳者だったレナ・ライテラー博士がSCP-3121収容主任に昇進しました。
あなたはこのページの編集履歴を閲覧しています。
以下に表示されているのは2017-11-02 10:15の現行リビジョン21です。
オブジェクトクラス: Keter (補遺: SCP-3121オブジェクトクラス評価を参照)
特別収容プロトコル: SCP-3121-Aと-Bはスウェーデン、スモーランド地方の森林に位置する現在の所在地で現地収容されます。SCP-3121の主な居住構造を中心とする400m×400mの立入禁止区域が維持され、警備員2名によって巡回され、通行人の侵入を防ぐための反ミーム障壁で囲まれています。
これまでの経験から、SCP-3121-Aと-Bは人間を目撃しない限り敵対行動に及ばないことが示唆されているため、収容活動は財団職員が両実体から見つからないように実施する必要があります。
説明: SCP-3121-Aと-Bは身長約10cmの小さなヒト型知性体であり、外見はヨーロッパの民間伝承におけるインプやホブゴブリンに類似します。性徴から判断する限り、SCP-3121-Aは男性で、SCP-3121-Bは女性です。両実体はお互いを“夫”/“妻”であると述べ、強い情緒的愛着を示します。
SCP-3121-Aと-Bは中高ドイツ語に似た方言で会話が可能です。両実体は道具作りと荒野環境における生存への高い熟練度を示し、それらを活用した狩猟採集生活を実践しています。SCP-3121の食事は主に液果、塊茎、昆虫から成ります。
SCP-3121-Bへの過去のインタビューは、両実体が最低でも800歳であることを示唆します。同じインタビューから、SCP-3121-Aと-Bはかつて数多く存在した類似種族の僅かな — 恐らく唯一の — 生き残りである可能性が示されています。
SCP-3121-Aと-Bは以前サイト-66に収容されていましたが、財団職員のカリー上席研究員が[編集済]。
SCP-3121が主要居住構造として用いる放棄された狩猟小屋
2年後の2007/08/03、SCP-3121はスウェーデンのスモーランド地方にある現在地で発見され、現行の収容プロトコルが実装されました。
初期収容下から共に脱走して以来、SCP-3121実体はどちらも敵対行動を示していません。現在地におけるSCP-3121の観察結果は全て、両個体が屋内活動に従事する、手芸品を製作する、または収容領域を(通常、手を繋いで)散歩する様子を示すものでした。
補遺:
2017-11-05: SCP-3121収容主任のレナ・ライテラー上席研究員は、12年間の温順な活動に鑑みて、SCP-3121をKeterからEuclidに格下げする申請を行いました。申請は既に第一審査を通過しています。