SCP-3126-JP
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アイテム番号: SCP-3126-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3126-JPは、サイト-81██の低脅威度物品収容ロッカーに収容されます。

説明: SCP-3126-JPは異常な小型懐中電灯です。側面のボタンを押下することで、点灯・消灯を切り替えることが可能です。SCP-3126-JPは破壊耐性を有しており、内部の機構は判明していません。財団は現在、10本のSCP-3126-JPを収容しています。

SCP-3126-JPは大まかに円柱状(底面の直径2.0 cm、長さ5.5 cm)で、重量は10 g程度と非常に小型・軽量であるにもかかわらず、光度500,000 cd程度1の非常に強い光を放つことが可能です。また、SCP-3126-JPの構造上、この光は非常に細い範囲に放たれます。このような光を直視した場合、一時的に視力への深刻な影響が与えられることとなります。なお、SCP-3126-JPは電源が確認されないにもかかわらず光を放ち続けることが可能であり、外部エントロピー的性質を有していることが推定されています。

補遺: SCP-3126-JPは、██県██市における、不審な光の目撃情報により発見されました。

██市では、「異常に強い光を目撃した」旨の相談が自治体や警察に複数なされていました。財団はこの事実を認識していましたが、非異常の事案である可能性が低くないとして、警察による調査を注視する程度の介入に留めていました。

自治体になされた最初の相談から1週間後、「異常に強い光によって目を眩まされた」ことを原因とした交通事故が発生しました。当該事故は、自動車が歩行者1名を轢いたものであり、歩行者は死亡、自動車の運転手も重症2を負いました。なお、運転手が重症を負っていたため、事故の原因が判明したのは発生3週間後でした。

その後、同市内や近隣の自治体にて同様の事案が███件報告され、死亡事故も複数発生しました。この地域は比較的交通事故が少なかったこともあり、住民の間で不安が高まりました。警察が大規模な捜査を開始したほか、近隣住民へは注意喚起が行われました。

警察による調査の結果、この光の発生には、都市部に生息するハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)が関与していることが判明しました。また、ハシブトガラスが異常な物品(SCP-3126-JP)を使用していることも判明し、捜査は秘密裏に財団へと引き継がれました。現在、カバーストーリーの流布や記憶処理が進行中です。

カラスらがSCP-3126-JPを用いて事故を起こした原因として、以下が推測されています。

  • カラスらは、何らかの理由で遺棄されていたSCP-3126-JP(または、盗難したSCP-3126-JP)を用い、恐らく当初は遊戯を行っていた3
  • その後、強い光を発するという性質に気付き、SCP-3126-JPを光らせる行為もとるようになった。
  • その際、SCP-3126-JPの光が偶発的に自動車の運転手へ直撃したことにより、先述の事故が発生した。

交通事故の少ない地域の住民らにとって、この事故は衝撃的なものであったと考えられます。住民らが事故現場に供えた花や飲食物は、一般的なものより多量でした。この際、供えられた食品を、雑食性であるハシブトガラスらが摂食・貯食4していたことが判明しています。

その後に発生した事故においても比較的多量の供え物がなされており、その中の食品はカラスらに回収されていました。このことから、カラスらが「事故が発生すると食品が設置される」と学習し、SCP-3126-JPを用いて意図的に人間を轢かせたという提言がなされています。

なお、██市周辺に生息するカラスを対象とした実験により、当該地域のカラスは、他の食品よりも菓子を積極的に摂食・貯食することが判明しています(嗜好の範疇であると考えられます)。また、SCP-3126-JPによる事故の被害者が幼児・小児である割合は有意に高いことが判明しています。このような年齢層の被害者には菓子が多く供えられる傾向があることから、カラスらが選択的に幼児・小児を殺害させようとしていたという提言がなされています。しかし、一般的なカラスにはこの水準の知能はないと判断されており、当該提言は却下されました。

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