本アノマリーは脅威存在破壊指令の対象となり、解体部門によって無力化されました。破壊指令については「解体の経緯」を参照してください。
アイテム番号: SCP-3128-JP-D
収容クラス: Safe Decommissioned
特別収容手順(アーカイブ版): SCP-3128-JPは研究サイト-45のC-ブロックに収容されます。SCP-3128-JPの収容房はセキュリティクリアランスレベル4/3128-JPを持つ職員以外の入室を禁止しています。収容房への侵入、またはSCP-3128-JPの起動を試みた人物に対しては即時の終了処分が認められています。
説明: SCP-3128-JPは直径1.5m、長さ4mの円筒形の装置です。SCP-3128-JPの側面にはタッチパネル式のインターフェースが設置され、これによってSCP-3128-JPを起動することが可能です。起動したSCP-3128-JPは自身を中心に現実性を大幅に低下させます。影響が及ぼされる範囲のヒューム値は最大でも0.0005Hmまでになり、これによって範囲内の構造体は現実性の拡散によって崩壊します。またこの範囲は最低でも半径75億kmにまで拡大し、これは地球で起動した場合は太陽系を覆いつくすことが可能です。
SCP-3128-JPは20██年にズシャ国のニコヤ山に出現しました。多財団連盟からの情報によると、SCP-3128-JPは並行世界の一つであるSCPF-G6L8D宇宙を起源とします。SCPF-G6L8D宇宙は多くの並行宇宙と戦争状態にあり、敗戦濃厚になるとSCP-3128-JPと同型の兵器を無差別に他宇宙へ転移させました。兵器としての完成度に難があったため、対象となった宇宙の7割では不発に終わりました。しかし残りの宇宙は最低でも現地文明の消失、場合によっては宇宙そのものの崩壊という結果になりました。
解体の経緯: 20██年に西ザマニア共和国政府から、エリア-S8Dへ監査の申し立てがなされました。財団は守秘義務から断るも国内の安全保障を理由に圧力をかけられ、エリア-S8Dの監理官と本部の協議によりこの監査を受けることになりました。
エリア-S8Dの業務はSafeクラスアノマリーの収容が主だったもので、特に異常生物学の研究が進んでいたために周辺国のアノマリーも多数収容下にありました。西ザマニア共和国はアフリカの西部に位置する内陸国で、気候や情勢が比較的安定していることからも収容施設の建設には適していると判断されていました。
監査を終えた西ザマニア政府からSCP-3128-JPを含む複数のアノマリーの収容に対する抗議がなされました。財団は建造前にSafeクラスアノマリーのみを取り扱うことは説明しており、またそれから逸脱した運営はされていないためその安全性の理解を求めました。しかし西ザマニア政府は該当するアノマリーの国外退去か破壊を要求しました。財団が拒否をするとこれを「SCP財団による主権侵害」と主張し、国連に提起しました。
提起自体が一般社会に露呈することは阻止したものの西ザマニアに同調する国家は多く、各国が自国内の財団施設の監査を決断しました。これを受けて財団本部の関係性の深いアメリカが中心となって事態の収拾を図りました。しかし各国の監査で西ザマニアと同様の結果や一部の国が強制的に持ち出したアノマリーによる被害が報告され、財団に対する抗議はさらに増大しました。
最終的に西ザマニアを中心として、国連主導で財団に対しての解体命令が議題に挙がりました。しかしGOC事務総長のD. C. アルフィーネが介入し、各国の意見に同調しつつも財団の有用性を主張し、解体ではなくGOCの管理下で一部アノマリーの解体および管理体制の改善を提案しました。財団はこれに反対するも、各国からの施設の押収を示唆した圧力をかけられました。
GOCの提案を受けて始めたO5評議会の会議は、大きく3つの意見に分かれました。第一案はアンニュイ・プロトコルを含む全世界的な正常化プロトコルによる事態の収拾、第二案は全施設を公海上に移設することによる特定国家に頼らない収容体制の構築、第三案は提案の受諾です。第一案はGOCの徹底的な対抗によって失敗する可能性が高く、第二案は収容下にあるアノマリーの総数からして実現性が低いことから却下され、大幅な制限はあるものの継続的な運営が可能な第三案の提案の受諾に決定しました。
GOCが財団の管理を開始すると、解体部門の業務を大幅に拡大し、危険度の高いアノマリーを対象とした脅威存在破壊指令を発布しました。
あなた達財団と我々GOCは手段こそ違えど、人類種の保護という目的で動く組織なことに間違いはないであろう。しかしこの異なる手段というのが決定的な差なのだということが、今回の事案で明確になったと思っている。
あなた達は言う、これは世界を滅ぼす危険性を秘めているが触らなければ問題ないため安全Safeであると。確かにある面では正しいのだろう。しかしそれで、そのアノマリーを勝手に持ち込まれた側は安心するだろうか。もしあなた達の近くに起動しなければ安全だからと核兵器を持ち込まれても安心するだろうか。
これが我々とあなた達の違いだ。財団には安心を作ることは出来ない。そしてそれは崇高な理念を秘密主義で説明をしなかった結果でもある。
しかし違うからと言ってそのすべてを否定する必要もない。あなた達財団は極めて優秀だ。だからこれからは我々GOCとともに同じ目的に向かっていこうではないか。
事務総長D. C. al Fine
国際連合世界オカルト連合








