アイテム番号: SCP-3132
オブジェクトクラス: Safe
更新版特別収容プロトコル: 2017年1月5日現在、サイト-208は厳格なレベルW4隔離下に置かれています。サイト-208と他サイト間の全ての人事異動は禁止されます。物資の配達は全て無人機で行われます。サイト-208職員と外界との間で電話を使用し連絡することは出来ません。
サイト-208に配置されている全職員はEクラスとして再分類され、通常通りの職務を継続することができます。その報酬として、全ての賃金と手当は2ランク分増加されます。
SCP-3132は、6m×6mの収納クローゼットの中央にある、標準Safeアイテムロッカーに保管されます。SCP-3132を必要とするすべての実験は、特別な吸音層を備えた部屋で行わなければなりません。関節炎または他の関節関連の苦痛を持つ個人でのSCP-3132を使用した実験は現在禁止されています。
全てのSCP-3132-1実体は、吸音層を備えた人型実体収容セルに収容されます。
説明: SCP-3132はヒトの椎骨の石膏レプリカです。SCP-3132は付近の人間に対し、複数のステージで進行する幾つかの異常な影響を示します。
ステージ1: SCP-3132から2.3m以内に人間がいるとき、その人物は軽度の幻聴を経験し始めます。対象はこの音を「関節を鳴らしたときに鳴る音」と同様であると説明します。対象がSCP-3132から半径2.3m以上離れた場合、即座に幻聴は消失します。ステージ1は10分から40分程続きます。
ステージ2: ステージ1終了後、対象がSCP-3132範囲内に存在した場合、対象は脊椎関節に大きな不快感を感じ始めます。そのため、ほとんどの対象は背中の関節を鳴らそうとし、成功した場合、対象は有意な安堵を報告します。この不快感は、対象が背中の関節を上手く鳴らせたかどうかに関わらず、約1時間後に消失します。
ステージ3: 対象がステージ2の間に背中の関節をうまく鳴らせた場合、ステージ3へ進行します。この段階では、対象は脊椎関節のみを鳴らすことができ、他の関節は、どのような方法でも鳴らすことは出来ません。特筆すべき点として、椎骨は順番通りにしか鳴らないことに注意してください。この順番は、対象が胴体を時計回りに回した場合L4-L5関節から上に、反時計回りに回した場合C1-C2関節から下へとなります。
上から下に音を鳴らすと、椎骨の関節は下降するロ長調に対応する1連の音を発します。これらの音は平均65dBであり、下から上に鳴らした場合、関節は代わりに80dBの上昇ニ短調に対応する1連の音を発します。
対象以外の、これらの音を聞いた人間は永久にステージ3に入り、以後SCP-3132-1と呼称されます。加えて、SCP-3132-1実体の脊椎関節から生成された全ての音は、その音を聞いた人間を新たなSCP-3132-1実体に変換する性質を保持しています。
実験番号: 3132-29
対象: D-19060、D-28888
[記録開始]
(D-19060とD-28888は背中の動きを防ぐために拘束されている。SCP-3132の拡散を防ぐため、対象は防音室にいる。彼らのコメントはテキスト読み上げ装置を介してフアレス博士に伝えられている。)
D-19060: 今日も相変わずの実験。今日のメニューは何だい?
フアレス博士: 待機してください。数分以内にあなたを解放し、次のステップに進みます。貴方達はチャンバーの周りに配置されたマイクに、様々なパターンで背中を鳴らしてもらうことになるでしょう。
D-28888: 凄え。なあ、後で5人で実験して、バンドを始められないかどうかを確かめてみないか。
D-19060: クレイジーエイト。お前の一週間の中で最高のアイデアだ。何処かにそれを書き留めて置くことは出来るか?
フアレス博士: 私がこれらの実験を提案する立場にないことは分かっているでしょう。ただし、上司には必ず言及することを約束します。
D-19060: おお!
フアレス博士: では、拘束を解除します。D-19060は赤いマークの付いた場所へ。D-28888は青いスポットの方へ行き、両者とも向かい合ってください。
Dクラスは指定された場所に進む。
D-19060: ラジャー。
D-28888: 了解。
フアレス博士: すばらしい。これで、ライトが点滅したら、D-19060は反時計回りに、D-28888は時計回りに体を捻ってください。
フアレス博士がいくつかのモニターをチェックし、ボタンを押してライトを付ける。Dクラスは指示通りに体を捻り、音が鳴っている。後の分析によると、この音は本来それらの音の増加的干渉の結果として予想されるよりもはるかに大きな音量が生じていたことが示されていた。
フアレス博士: 完璧です。では、D-28888は緑色のスポットに移動して、D-19060の反対を向いてください。D-19060、その場に留まってください。ライトが点滅したら、2人とも反時計回りに回転してください。
両方のDクラスがうなずく。フアレス博士がもう一度ボタンを押すと、Dクラスは指示通りに体を捻り、音が鳴る。音は予想通りに、さらに大きく歪んだ状態で発生する。
フアレス博士: うーむ…。(フアレス博士はノートに記録を行う。)最後のテストをもう1度行います。それで、今日の仕事は終わりです。
D-28888とD-19060がハイタッチをする。
フアレス博士: はいはい。D-28888は黄色い場所に、D-19060は灰色の点に。そこに立ったら、二人とも時計回りに体を捻ってください。
フアレス博士がボタンを押すと、博士のペンが床に落ちた。フアレス博士がペンを取り戻すために屈むと同時にDクラスは体を捻り始める。フアレス博士が屈んだ時、マイクの範囲内で彼の背中が予期せず鳴る。この時、D-19060とD-28888の間から大きな衝撃波が発生し、実験室の壁とほとんどの機器が部分的に破壊された。
<終了報告書>フアレス博士と2人のDクラスは負傷し、部分的な難聴を患いましたが、生存しています。ほとんどの録音装置は爆風によって破壊されましたが、残存した2つの装置からの分析により、中心から発せられる音を発見することに成功しました。最新の分析では、「ああ、それはいいねOh, that's nice」という言葉を話す声に似ていることがわかっています。さらに重要なことに、この衝撃波は多くのサイト職員に聞かれており、SCP-3132の感染能力を持っていることが判明しました。 - サイト-208管理官ヴィジャサナ
これを受け、特別収容プロトコルが更新されました。
補遺01/04/17: サイト-208と地域管理官の通信記録
失敗しました。SCP-3132は今朝の時点で事実上収容を破っています。現在、こちらの職員の90%はSCP-3132-1実体です。標準プロトコルに従い、封鎖手順を実行しましたが、明日には全職員が影響を受けると推定されています。
さらに、このサイトの全ての電話回線とインターホンを無効にし、ここにある他のSCPオブジェクトを移送する準備をしました。他に何をすべきなのでしょうか?
サイト-208管理官ヴィジャサナ
貴方達にはSCP-3132に関する実験を考えうる限り全て試して欲しいのです。貴方達は、もう行き詰まってしまったも同然なので。
ソリス地域管理官
ページリビジョン: 8, 最終更新: 27 Jan 2022 18:05