
SCP-3145-JP発生前に撮影されたエコー写真
アイテム番号: SCP-3145-JP
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: N/A
説明: SCP-3145-JPは2024年10月22日、アメリカ在住のスーザン・ビュール(26)が前置胎盤1を理由に帝王切開手術を受けた際に発生した異常現象です。現象発生前に行われた検査では異常は見られず、またスーザン氏と夫のテイラー氏、そして親族にも異常性は見つけられませんでした。
手術記録3145-01
日時: 2024年10月22日
手術内容: 脊椎麻酔を施した後、帝王切開手術を行う。
事後報告: 腹壁切開、膀胱子宮腔腹膜を切開するまで異常現象は発生しなかった。しかし子宮筋を切開した時点で、胎児及び卵膜、胎盤、臍帯、羊水(SCP-3145-JP-A群)は消失すると同時に左胸が大きく膨張した。手術はただちに中断され、切開部分は縫合された。
術後、スーザン氏は財団が管理する病棟に移送され、監視下に置かれた。夫のテイラー氏には母子ともに専門にて精密検査が必要であるという旨を説明したが、スーザン氏にはカバーストーリー等による隠蔽が不可能であると判断したため、異常現象に関する説明が行われた。
検査の結果、SCP-3145-JP-Aはスーザン氏の左肺臓と置換する形で瞬間的に転移し、成長していた。左肺臓及が消失しているにもかかわらず呼吸機能等に異常は見られなかったが、左肋骨及び皮膚は異常に伸展しており、スーザン氏は胸部の張り、痛みを訴えた。またSCP-3145-JP-A群は胎盤に類似した膜(以降、胎盤膜と呼称)に包まれており、胎児の呼吸様運動、胎動、四肢の伸展屈曲運動は通常通り行われていた。
術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | 33.7cm | 35.9cm |
胎児の身長 | 48.2cm | 56.2cm |
手術記録3145-02
日時: 2024年10月24日
手術内容: 全身麻酔を施した後、開胸手術を行いSCP-3145-JP-A群の摘出を試みた。
事後報告: 臓側胸膜の切開を始めた時点でSCP-3145-JP-A群はスーザン氏の右上腕部と置換する形で瞬間的に転移し、成長した。消失していた左肺臓は再出現し、通常通りの機能を果たし始めた。右上腕の筋組織、骨組織、神経組織、血管は消失しているにもかかわらず手指の運動などは問題なく行えていたが、皮膚は異常に伸展していた。また血流は完全に停止していたが、壊死などは発生しなかった。
術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | 35.9cm | 39.7cm |
胎児の身長 | 56.2cm | 61.8cm |
手術記録3145-03
日時: 2024年10月28日
手術内容: スーザン氏の許可を得て、全身麻酔を施し右腕を付け根部分で切除した。
事後報告: SCP-3145-JP-A群の転移、成長は発生しなかった。栄養を補給する手段がないにもかかわらず、胎児は生存し続けた。
術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | 39.7cm | 39.7cm |
胎児の身長 | 61.8cm | 61.8cm |
手術記録3145-04
日時: 2024年10月31日
手術内容: 右上腕部からSCP-3145-JP-A群の摘出を試みた。
事後報告: 皮膚を切開した時点でSCP-3145-JP-A群はスーザン氏の脳と置換する形で瞬間的に転移し、成長した。脳が消失しているにもかかわらず生体機能等に異常は見られなかったが、病室で座って待機していたスーザン氏は急激な頭部の重量増加によって頸椎を損傷し、下半身不随に陥った。また頭蓋骨及び頭皮は異常に伸展した。
スーザン氏への聴取の結果、摘出手術の継続が決定された。術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | 39.7cm | 44.9cm |
胎児の身長 | 61.8cm | 69.0cm |
手術記録3145-05
日時: 2024年11月3日
手術内容: 全身麻酔を施した後、開頭術を行いSCP-3145-JP-A群の摘出を試みた。
事後報告: 頭蓋骨に穴を開けた時点でSCP-3145-JP-A群はスーザン氏の膀胱と置換する形で瞬間的に転移し、成長した。皮膚及び骨盤は異常に伸展していた。
術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | 44.9cm | 47.2cm |
胎児の身長 | 69.0cm | 74.6cm |
手術記録3145-06~14
日時: 2024年11月5日~11月29日
手術内容: 全身麻酔を施した後、SCP-3145-JP-A群の摘出を試みた。
事後報告: いずれの手術でもSCP-3145-JP-A群はスーザン氏の体内に瞬間的に転移し、成長した。転移した箇所は順番に以下の通りである2。
- 右大腿部
- 左腕
- 右眼球
- 心臓
- 口唇部
- 左手薬指
- 左第2肋骨
- 臀部
- 胃、小腸、大腸
スーザン氏への聴取の結果、摘出手術の継続が決定された。
術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | 47.2cm | 70.3cm |
胎児の身長 | 74.6cm | 93.8cm |
手術記録3145-15
日時: 2024年12月1日
手術内容: 全身麻酔を施した後、開腹手術を行いSCP-3145-JP-A群の摘出を試みた。
事後報告: 腹壁を切開した時点でSCP-3145-JP-A群はスーザン氏の子宮と置換する形で瞬間的に転移し、成長した。腹部の皮膚、子宮は異常に伸展していた。特筆すべき点として、胎児はスーザン氏と垂直になるように起立しており、胎盤膜も球形から人型に変形した。
スーザン氏への聴取の結果、摘出手術の継続が決定された。術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | 70.3cm | - cm |
胎児の身長 | 93.8cm | 99.5cm |
手術記録3145-16
日時: 2024年12月4日
手術内容: 脊椎麻酔を施した後、帝王切開手術を行いSCP-3145-JP-A群の摘出を試みた。
事後報告: 子宮筋を切開した時点でスーザン氏はSCP-3145-JP-A群の子宮内へ転移し、SCP-3145-JP-A群は5歳程度の女児へと変化した。SCP-3145-JP-A群の腹部の皮膚、子宮は異常に伸展していた。スーザン氏の切開跡が縫合されていない状態で子宮内に転移したため、子宮内はスーザン氏の血液で満たされ、最終的にスーザン氏は死亡した。
検査の結果、SCP-3145-JP-A群の体質、言語、知能は一般的な人間と差異が見られなかった。術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | - cm | - cm |
胎児の身長 | 99.5cm | 103.6cm |
手術記録3145-16
日時: 2024年12月5日
手術内容: 経腟分娩が不可能と判断されたため、全身麻酔を施した後、帝王切開手術を行いスーザン氏の摘出を試みた。
事後報告: 転移は発生せず、スーザン氏の摘出に成功した。検査及び経過観察の結果SCP-3145-JP-A群から異常性が消失したと判断され、夫のテイラー氏の元へカバーストーリー「シングルファザー」の適用とともにSCP-3145-JP群とスーザン氏の遺骨が届けられた。SCP-3145-JP-A群はキャサリンと名付けられた。
術前 | 術後 | |
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胎盤膜の直径 | - cm | - cm |
胎児の身長 | 103.6cm | 103.6cm |

キャサリン・ビュール