アイテム番号: SCP-3153
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3153は、施工シート3153-Aに指定されているように、サイト-64のムカデに適した人口生息域で飼育します。生息域の内部は非特異的な大都市圏のように装飾し、自分たちがまだ外世界に住んでいるとSCP-3153を納得させることを意図した視覚的小道具・音響効果を添えます。ムカデに必要とされる通常の世話に加えて、SCP-3153は1~5名のDクラス職員、もしくはレベル2サイト全域クリアランスを有しており自発的に交流を望んでいるGoI-466(ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ)1の従業員2との週1回の社会的交流セッションを行うことで健康を維持します。社会的交流を通したSCP-3153個体の健康維持を望む人物は、まず過剰な感情的愛着への傾向を検出するための心理評価を通過しなければいけません。各セッションの時間は最大1時間までとし、SCP-3153のその後の生物学的・行動的変化は研究者によって詳細に監視されます。SCP-3153の遺伝的特徴がどのように機能しているかをより良く理解するため、全ての顕著な変化は記録に残されます。野生のSCP-3153個体と接触した民間人にはクラスB記憶処理を施し、個体はGoI-466によって回収されます。
説明: SCP-3153は外見的にScolopendra polymorpha(テキサスタイガーセンチピード)に類似する生命体の一種であり、オレゴン州北西部の在来種です。体長は約1.76m、重量は平均82kgです。外側を覆うキチン質の甲殻を除き、SCP-3153個体は機能的に全能性幹細胞と似た、しかし遥かに急速に発展する生体組織の未分化の塊です。SCP-3153個体はこの塊から新しい器官・肢・組織を形成することが可能ですが、これは個体がどの程度人間と交流し、強い感情的愛着を形成したかに依存しています。SCP-3153個体が形成できる適応能力の種類は、その個体が愛着を抱いている人間を模倣し、喜ばせるための雑な試みに限られているようです。
最初のうち、SCP-3153個体は洗練された動物並みの知性で行動します。援助の手段には対象者が朝に必要とする小物を持ってくる、対象者宅への侵入者と知覚した相手にまとわりつく等が含まれます。模倣の手段には対象者と同じ物を食べる、対象者のベッドに営巣する等があります。注目すべき事に、個体が愛着を持っている対象者が明確なやり方で発展に報いない限り、個体は著しい根気強さを見せ、また深刻な負傷から数秒で回復します。対象者がどれほど攻撃的になっても個体は反撃せず、対象者に向かって臆病かつ寛容な振舞いを示します。
これらの行動は、対象者が個体との友好的な意思疎通を試みる、少量の食料を餌として残す、その他何らかの手段で愛着心に報いようと試みるまで持続します。この間、SCP-3153は、恐らくは対象者の模倣と交流を容易にする努力の一環として、幹様細胞の塊から過剰な量の準人体部位や生体組織を分泌することが知られています。しかしながら、この時点では人間の性質に対するSCP-3153の理解度はまだ粗末であるため、これらの流出物はほぼ例外なく歪んだ不安定な物です。ただし、危険性を呈することは滅多にありません。
徐々にSCP-3153個体は人間の表情を理解していきます。個体は時折、直立して抱擁に似たやり方で対象者を包み込み、概して対象者の近くに留まり保護しようとします。個体はまた、人間ほど明確にではないものの、言語と技術、並びにそれらを扱うための解剖学的適応への確固たる理解力を発展させます。時間をかけて、愛着を持っている対象者のような姿になるために、個体はより多くの適応を蓄積させます。しかしながら、個体は人間の形状や動作を正確に再現できません。
流出物の量はこの時点で増大する傾向があります。流出物は依然として無害ですが、そのまま抑制されなければ非異常性の害虫の蔓延を招く可能性があります。流出量の減らし方について正しく指示を受けた個体は92%の例でそれに従います。注目すべき事に、このような指示を受けた後、個体の46%は流出した生物学的素材を自らの意思で食物の形状に再形成し、例外なくそのアイテムを明白な贈り物として対象者に提示しました。これらの食用品に対する拒絶は、SCP-3153個体に相当な悲哀の反応を引き起こすことが観察されています。SCP-3153個体の知性と生物学的組織の生成能力についての更なる調査は保留されています。
証拠は、SCP-3153個体が如何なる精神影響系の異常物も生成せず、個体とその関連対象者の間に生じる交流がごく平凡なものであることを示します。これまでのところ、対象者の68%は成功裏に愛着プロセスを完了しており、全体的な生産性は21%向上しています。SCP-3153個体や類似の異常存在をセラピーに利用する案が、█████博士の研究論文“人情味ある害虫たちと有害な人間たち: ホモ・サピエンスと異常節足動物との間における非伝統的な友情の発生について”で提言されています。