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SCP-316 |
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アイテム番号: SCP-316
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-316は、権限のない職員の悪用を防止する事以外の特別収容手順は必要ありません。SCP-316を作動させる者は事故による曝露を避けるため、全身用高反射ウェアを着用しなければなりません。機密情報に関与する職員は、SCP-316が持つ暗示状態への誘導能力のため、これの視距離に入ってはいけません。
説明: SCP-316はブロンズ製の古いアセチレンランプです。外装はいかなる製造品とも一致せず、手作りでもないように見えます。電球は普通のもので、SCP-316の機構に妨害されることなく交換できます。内部の電気回路は銅と異なる未知の金属で構成されています。外側に、2本のD形(単一形)電池を挿入できる電池収納部があります。
SCP-316は、2本のD形電池が互い違いに正端部へ嵌めこまれていなければ動作しません。スイッチを入れると、SCP-316の電球は白色のほぼ不透明な光を放射します。この光を浴びた時、反射性を持たない物象は、波長が可視スペクトル全域に分布している、均質化された反射光子のパターンへと分子構造を並び換えられます。実際には、累積曝露時間がおおよそ6秒を超えると、影響を受けた面はすべての色を失い、元の面と同じ明度の灰色の陰を保持します。反射した面は影響を受けませんが、反射しているのではなくSCP-316の光を止めているように見えます。
SCP-316は生物または感覚のある有機物に対して、一時的な、しかし激烈な効果を持っています。この効果は、対象の一部が光に接している間は対象を通して内部に均等に広がります。効果は累積曝露時間がおおよそ27秒を越えてから現れ、その後24時間で徐々に減衰します。色の喪失に加えて大部分の対象が体験した効果は以下のとおりです。
- 色盲
- 体温低下
- 気力の低下
- 行動の鈍化
- 単調で不明瞭な発話
- 不注意
- 短期記憶喪失
- 無感動
- 些細なことへの感情的な反応
- 命令に対する無抵抗な協力
- 関連する嘘や欺瞞の欲求の欠如
- 洞察力や創造的な考えの制限
SCP-316の効果から回復したあと、多くの被験者は一週間ほど不快感や憂鬱感の症状があったと報告しています。一度回復したほぼ全員の被験者が、SCP-316を浴びていた時の不快感を表明し、さらなる曝露を激しく拒否します。
非協力的な生物SCPの沈静化のため、SCP-316との対面実験が承認されました。
補遺316-a:
SCP-316は████年テキサスで、詐欺罪で逮捕された色盲の男の住宅から回収されました。伝えられるところによると、男は無色の紙幣を使用しコンビニエンスストアで買い物をしようと試みました。シークレットサービスの捜査官がその紙幣が明らかに品質がよく本物のようだったことに注目し、同様にインクが連邦使用のものと化学的に一致したため、財団が調査しました。対象の家はほとんど色がなく、夜間の誘導灯にSCP-316を使用していたようでした。近所の住民は対象が“家に引きこもり”、“気が滅入るほどのろま”だったと証言しました。対象は処分され、その財産は破壊されました。
補遺316-b:
実験記録316を参照。