アイテム番号: SCP-3160-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3160-JPが設置されている小学校には用務員に変装した財団職員3名が配置されます。16:00以降で小学校内に残っている児童を発見した場合はSCP-3160-JP-1との接触を避けながら帰宅させて下さい。
SCP-3160-JP-1には異常性の抑制を目的とした定期的なインタビューとカウンセリングが行われます。経過記録は主任研究員である場幅博士へ提出してください。
説明: SCP-3160-JPは等身大型の人体模型です。SCP-3160-JPは構成こそ通常の物品と同様の性質を有しますが、特定条件下に移行した段階で異常性を発現します。
SCP-3160-JPの異常性は日本時間16:00に到達した段階で発現し、SCP-3160-JPから対象と同様の見た目を有したピステファージ実体1(以下、SCP-3160-JP-1)を1体表出させます。現在、SCP-3160-JP-1は小学校内で広まっている怪談などの噂に由来する存在であると定義されており、在校生による「恐怖心」や「好奇心」等の感情が一種の信仰として実体を存続させていると考察されています。
表出後のSCP-3160-JP-1はSCP-3160-JPが設置されている学校内を徘徊し、最終的に同施設内の音楽室へと侵入します。
SCP-3160-JP-1が音楽室内に侵入した場合、対象は内部に設置されているグランドピアノ2を使用し演奏を開始します。楽曲は主に「バガテル第25番3」を演奏し、これを聞いた人間に対して「音楽室の怪談を流布する」という行動指針を潜在意識化に定着されます。この影響を受けた人間は積極的に該当する音楽室に纏わる怪談や噂話の伝播を行い、この際の主な話の構成や怪異の内容に関しては無意識下で創作し説明します。
現在、SCP-3160-JPが設置されている小学校内ではSCP-3160-JPの存在と音楽室に纏わる怪談が広く流布されており、特に音楽室に関連する情報は記憶処理を用いても抹消する事が出来ません。これに関して担当研究者は「潜在意識下への刷り込みという異常性により、表層部分の記憶処理を行ったとしても影響を完全に除去できないのではないか」と考察しています。なお、これらもピスティファージ実体ならではの異常性であると推測されており、人間の心理・思考に依存する存在であるがゆえに人間の思考にも影響を与える事が可能であると予想されています。
現状、SCP-3160-JP-1の存在性や規模は安定した状態を維持しています。これに関しては信仰の摂取対象が満6歳~満12歳に限定されかつ加齢と共にSCP-3160-JPに関する知識を児童が忘却する為、摂取する信仰が一定の水準で維持されているからだと推測されています。
発見経緯: SCP-3160-JPは██県██市の███小学校にて発見されました。当時、該当する小学校では「学校の七不思議」という名目の噂が流行しており、当初こそ通常の怪談話であると財団も認識していました。ですが、具体的かつ詳細な実体に関する伝聞や明確な目撃情報、一部記憶処理が無効化される情報の存在などから現地での調査を実施しました。結果、現場に派遣されたエージェントによって活動中のSCP-3160-JP-1が目撃され、経過観察の後に対象の収容が完了しました。
現在、SCP-3160-JPの収容に関してはオブジェクト保護の観点から現状を維持したうえで、SCP-3160-JP-1との対話が継続されています。なお、これらの活動によりピアノ演奏に関わる異常性の抑制に成功しています。
補遺: 以下はSCP-3160-JP-1に対して行ったインタビューの記録です。