SCP-3161-JP
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アイテム番号: SCP-3161-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-3161-JPは現在収容されていません。SCP-3161-JPの活動が確認された場合、周辺エージェントは即座に周囲を封鎖し各オブジェクトの捕獲にあたってください。捕獲にあたっては甲種耐水装備、乙種火炎放射器の使用が許可されます。SCP-3161-JPが各種SNSを含むメディアに拡散された場合、カバーストーリー"ゲリラ特撮ショー"、"季節外れのハロウィン"を流布してください。

説明: SCP-3161-JPは本来各個別にオブジェクト指定されていた2つのオブジェクト(SCP-3161-JP-A、SCP-3161-JP-B)の総称であり、暫定的な統合ナンバリングです。各オブジェクトが統合された経緯は後述します。

SCP-3161-JP-A概要

SCP-3161-JP-Aは日本人女性の██ ██です。重度の強迫性障害を有しており、不潔恐怖の傾向を示しています。

SCP-3161-JP-Aは自身の角質細胞が異常分泌する異常性を有しています。この分泌はSCP-3161-JP-Aの精神状況と相関しており、精神の健康状態が悪化することで分泌量が増大することが確認されています。この異常性により、SCP-3161-JP-Aの周囲は多くの場合垢やフケによって汚れた状態になる事が確認されます。

SCP-3161-JP-Aから剥離した角質は皮膚分泌物と交合し、一般的に垢と呼称された段階で、生物的な挙動を取るようになります。これらの角質(以下、SCP-3161-JP-A-1)は発生後、周囲を移動しつつ、他のSCP-3161-JP-A-1を捜索します。それに伴い、他のSCP-3161-JP-A-1を発見すると、各SCP-3161-JP-A-1は混ざりあうように、一つのSCP-3161-JP-A-1として捜索活動を再開します。これらの捜索、交合はSCP-3161-JP-A-1が約5cm程になるまで継続されます。

この条件を満たしたSCP-3161-JP-A-1は大まかに人形を模した形状に変化し、その後、周囲の風がなく、一定温度を維持可能なスペースへ移動し休眠状態に移行します1。休眠状態に移行したSCP-3161-JP-A-1は一般的通常男性と同等の全長まで急速に増殖します。この増殖速度はSCP-3161-JP-Aの意志で指定可能であり、最短で20秒、最長で約2週間ほどになることが確認されています。

増殖したSCP-3161-JP-A-1は休眠状態から回復し、SCP-3161-JP-Aの周囲へ非異常性の手段を用いて移動します。SCP-3161-JP-AがSCP-3161-JP-A-1を視認した段階で移動は停止し、以降SCP-3161-JP-Aに追従する形で行動します。この状態へ移行したSCP-3161-JP-A-1はSCP-3161-JP-Aから与えられる指示、命令へ意図性の有無にかかわらず従う事が確認されています。この命令はSCP-3161-JP-A-1の形態を変更すること、SCP-3161-JP-A-1を分解したうえで移動させることも可能であることが確認されています。

これらの性質上、SCP-3161-JP-A-1は焼却や水流による高圧洗浄などで容易に無力化が可能です。

SCP-3161-JP-A来歴

SCP-3161-JP-Aは自身による119番通報から発見されました。発見時、SCP-3161-JP-Aは火災に巻き込まれており、これはSCP-3161-JP-A-1を燃やそうとしたことによる事故であることが後続聴取により判明しています。発見段階で消失しているものも含め、SCP-3161-JP-A-1は24体が確認されていました。

SCP-3161-JP-Aは主に関東近辺でコスプレイヤーとして活動していることが確認されていました。関係者の証言やSNS等の調査により、20██/██/██以降、活動は中断されており、活動中断の約2ヵ月前よりSCP-3161-JP-A-1の出現が目撃されています。これらの目撃例においてSCP-3161-JP-A-1はカメラマンやコスプレの相方を担当していたことが確認されています。

収容後の調査により、SCP-3161-JP-Aの室内で空の薬瓶が発見されました。この薬瓶には以下の文章がラベルに記載されていたことが確認されています。

関連文書XXX-JP-01

ワオ!とうとう博士の大発明「THE コスプレ」が見つかっちゃったね!このTHE コスプレがあれば、いつだってキミはカメラの中心! ずっと見守ってくれるし助けてくれるファンが生まれるんだ! でも残念ながらこの製品は試作品、良い子の諸君はまだ手に入れられないんだよ。残念! でもこの超レアなTHE コスプレを見つけられたキミは超ラッキー!博士ファンのみんなに自慢しちゃおう!
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02. THE [損傷により判別不能]
03. THE 戦闘員(セット品)
04. THE コスプレ(セット品)【発売中止】
05. THE カウントダウン【発売中止】
06. THE [損傷により判別不能]
07. THE 人を呪わば穴二つ【発売中止】
08. THE フルスロットル【発売中止】
09. THE ハクサ嵂ス、ア、キ、ニ、、、゙、ケ
10. THE ワンダーテインメント・ドラゴン【発売中止】
11. THE あなたの知らない世界

保護者の皆様へのお詫び: 本製品はTHEシリーズの一環として発売する予定でしたが、諸事情のため生産が困難になりました。そのため、補填としてTHE コスプレと同様の効果が期待される製品をお送りしますので御了承のほどをよろしくお願いします。また、この製品を使用したことによる一切の事象に当社は関与しません。

この文章はSCP-1878-JP-GOI-a2の調査時に発見されたものと同様であり、SCP-3161-JP-Aの起源には要注意団体"博士"が関与しているものと推測されます。

SCP-3161-JP-B概要

SCP-3161-JP-Bは未知の金属と繊維から構成された空色を基調とした装甲服及び各種装備を装着している人型実体です。SCP-3161-JP-Bは"超流消防士リヴァイアサン・アズール"と自称する超電救助隊HEROの「レスキューチーム」の所属であると証言しており、要注意団体"超電救助隊HERO"による既存オブジェクトとの関連性が調査されています。

下記はSCP-3161-JP-Bが使用している各種装備の詳細です。

装備 説明
着用している防護服 一般的な耐火防護服と類似しているが、空色である。SCP-3161-JP-Bは"リヴァイアサン・スーツ"と呼称。耐火性、耐爆性に優れており、火災の中でも長時間活動が可能であると証言している
手甲部に装着されたノズル SCP-3161-JP-Bは"リヴァイアサン・ウォーターカッター"と呼称。ニトロエンジンが搭載されていると証言するが真偽は不明。背部のタンクから水を送り込み、200m/sからマッハ5までの速度で水を噴射することが可能である。火災を発見すると自動的に火元へ照準を向けることが可能である
背部に背負ったタンク 上記ノズルへ水を送り出すと証言しているタンク。SCP-3161-JP-Bの使用する水量は明らかにその容積以上であるが、内部に何らかの液体が封入されていることが確認される
火災を感知するセンサー SCP-3161-JP-Bは"リヴァイアサン・アイ"と呼称。頭部のゴーグルに搭載されていると証言しており、外部からは電子音での案内音声のみ確認できる

SCP-3161-JP-Bは20██/██/██、火災現場において消火活動を実施していたところ財団に捕捉され、収容されました。収容に対してSCP-3161-JP-Bは協力的であり、火災の鎮静まで活動を行うことを条件に無抵抗で収容されました。以下は収容後のインタビュー記録です。

音声記録3161-JP-01 - 日付 20██/██/██

インタビュアー: 楠木博士

対象者: SCP-3161-JP-B

≪再生開始≫

楠木博士: 初めまして

SCP-3161-JP-B: ああ、初めまして。自己紹介は必要か?

楠木博士: そうですね。こちらの情報では"超流消防士リヴァイアサン・アズール"と伺っていますが

SCP-3161-JP-B: そうだな、その名乗りで間違いない。それで? 聞きたいことはなんだ? 先に言っておくが仲間の素性は明かせない。俺にも義理があるからな

楠木博士: 了解しました。では確認しますが、これまで関与したと推測される案件の一覧を用意しました。これらに対し関与の有無を教えていただけますか?

[以下、30分ほど事実確認が続く]

楠木博士: ご協力に感謝します。しかし、正直に言いますと意外ですね

SCP-3161-JP-B: 俺がここまで協力的なことに、か? まあ、そうだろうな。レスキュー、ポリス、裏方に至るまで、HEROは自分を強く持っている。レッド、ホワイト、バイオレット、ゴールド……。だから、そちらさんみたいな悪の組織に対しては強く反発するだろうさ。俺は、なんというか、そういうシンプルに考えることができなくなっちまった

楠木博士: それは上層部に対して不満を抱いている、と?

SCP-3161-JP-B: あー、そういうことじゃない、そういうことじゃない。確かに思うとこがないとはいわない。俺たちを動力としてしか考えてない奴や不埒な奴だっているだろうしな。だけど、それとは別なのさ。……まあ、人を傷つけるのはどうかと思うが、俺だって活動の中で人を傷つけたこともあった、……殺したことは、ないと思うが、救えなかったこともあったしな。何にせよ、俺たちの多くは望んで改造された人間だ。たとえ使い潰されても正義のためと納得できるなら、それは一つの正義だろ

楠木博士: では、何かきっかけがあったのですか?

SCP-3161-JP-B: いや、ないさ。強いて言うなら先に言った連中が、それぞれ別の形で壊れてしまったとき、レッドが自己倒錯に陥り、ホワイトが自己犠牲に徹し、バイオレットが自己矛盾に至り、ゴールドが自己崩壊に終わったと聞かされたとき。それぞれの正義で潰れちまったと聞かされたとき、俺はそれでもと言えなかった。それを正義だとは名乗れなかった、それだけだ。俺は弱かったんだよ、ヒーローにはなれなかった、それだけだ

楠木博士: そのスーツを脱ぐことはできないのですか? 我々の主たる研究対象はそのスーツおよび装備です。それさえ失えばあなた自身は、この環境に甘んじる必要はなくなる可能性も

SCP-3161-JP-B: ハハッ、俺たちはな、改造人間だ。勝手に改造されて、ハイおしまいなんてのは虫が良すぎるだろ?

≪再生終了≫

インシデントレポート3161-JP-01 - 日付 20██/██/██

20██/██/██、サイト-81██が複数のSCP-1878-JP-GOI及びSCP-1878-JP-GOI-αによって襲撃を受けました。これら実体群は質量によって警備員とゲートを突破後、標準人形オブジェクト収容房を破壊し、複数の収容違反を発生させました。この収容違反によりDクラス職員を含む█名がSCP-1878-JP-GOIの内容物となったことにより死亡、█名が収容違反の余波により死亡、ほか██名が重軽傷を負いました。収容違反後に回収された複数の音声ログ、映像ログの解析によりこの行動の目的の一つはSCP-3161-JP-Aの拉致ないしは殺害であったと推測されます。

以下は回収された音声ログです。

音声記録3161-JP-02 - 日付 20██/██/██

付記: 当音声はSCP-3161-JP-Aの収容房に設置された録音機器によるものです

≪再生開始≫

[データ破損]

SCP-3161-JP-A: なんで、なんで私が、私は被害者でしょう!?

SCP-1878-JP-GOI-α: "THE コスプレ"、君は本官と同じ"Technical High-end Equipment"シリーズ。いわば本官の兄妹なのだよ。もっとも、本官は正義を守る使命があるが、君は刑法罪を犯している。すなわち不詳の身内ということになるわけだな

[掻きむしるような音が録音されている]

SCP-3161-JP-A: お前たちが、お前たちのせいで、私は、私はもっと綺麗になるはずで、カッコよくなるはずで、みんなの視線を集めるはずで

SCP-1878-JP-GOI-α: ふむ、本官に怒るのはお門違いじゃないかな。全部、君が選んだことじゃないか

[約20秒の沈黙]

SCP-1878-JP-GOI-α: おや、違ったのかね? 本官の認識では、君はもっと有名になるために自ら"THE コスプレ"になることを選んだはずだ。その危険性はラベルに書かれていたはずだし、もう少し長期的に考えることもできたはずだ。地道に協力者を増やし、自分のボディメンテナンスを怠らず、ひたむきに頑張ることができたはずだ。君はそれを怠り、短期的な方法に手を伸ばした。過程を経ずに結果を掴み取ろうとした。そして得たのではないか? 多くの注目を、多くの視線を

SCP-3161-JP-A: 注目、視線!? 私は、私はこんなもの必要はなかった。私はただ

SCP-1878-JP-GOI-α: そうか。まあ仕方がない、よくあることだ。本官は同じような小悪党をよく見てきた。短慮で行動し、誰かに与えられた力で大義なく結果だけを掠め取ろうとする。自分で選択したくせにその責任を取ることができない。君もそういった人間だったというだけのことだ。ただの我儘だな

SCP-3161-JP-A: わ、私は

SCP-1878-JP-GOI-α: それに君、凄く汚いぞ。本当なら"THE コスプレ"は清潔感を与えるために相棒の老廃物を利用してたらしいからその副作用かもしれないな? ほら、キャラクターはお風呂に入らなくっても綺麗だ。本来はその目的だったのだろうが、薬剤にしたことで表皮に変化が出たか? それとも表皮を衣服と判断しているのか? ま、興味深いサンプルではあるが皮膚の一部があれば十分だろう

[衣擦れのような音が録音されている。状況からSCP-1878-JP-GOI-αが内容物を排出し、SCP-3161-JP-Aへ近づいている音と推測される]

SCP-1878-JP-GOI-α: 君をこのまま残しておいては市民にどれほどの迷惑がかかるか分からない。よって本官はこれより君を拘束する。本来は"シュートキャッチャー"で行いたいのだが、生憎本官は以前の事件において負傷していてね、暴れられると少々困るんだ。時間がかかると"財団"の連中もやってくるだろうしな

SCP-3161-JP-A: 化物……!

SCP-1878-JP-GOI-α: 化物? ハハハ、君の方がよほど怪人だろう。本官は巡回機動捜査官ライダー・モノクローム! 例えこの身が砕けても平和を守るヒーローさ! では、さようなら、我が妹にして小悪党のデッドストック! さぁ、出動

[爆発音が録音されている]

SCP-3161-JP-B: 唸れ超高圧水流砲!!!

[データ破損]

≪再生停止≫

この音声記録と複数の映像ログ、関連した職員の証言から、該当事案時、SCP-1878-JP-GOIの襲撃により偶発的に収容違反状態に陥ったSCP-3161-JP-BがSCP-3161-JP-Aと合流、以降逃走を続けながら職員を救出していたことが確認されています。SCP-3161-JP-Bの有する高圧水流はSCP-1878-JP-GOIに有効であること、収容されていたSCP-3161-JP-A-1が数的有利であったため、両オブジェクトの活躍によりサイト-81██における人的被害は約82%軽減されたと試算されます。

この状況より、一時的にSCP-3161-JP-B及びSCP-3161-JP-Aとの協力体制が非常権限により締結。周辺サイトから機動部隊が到着するまでの約60分、SCP-1878-JP-GOI-αに対し抵抗が続けられました。以下は抵抗時、SCP-3161-JP-Aに貸与されていた装備に付与されていたウェアラブルカメラによる映像ログです。

映像記録3161-JP-01 - 日付 20██/██/██

≪再生開始≫

[SCP-3161-JP-BがSCP-1878-JP-GOIを破裂させる]

SCP-3161-JP-B: よっしゃ、ここはクリアだな。無理するなよ"THE コスプレ"。先生たちの言うにはあと数分耐えきれば応援が来ると。ライダー・モノクロームだったか? あんなパチモン野郎、流石にそれだけの前には逃げるしかないだろ

[SCP-3161-JP-Bが片手をあげる。画面が僅かに振れる]

SCP-3161-JP-A: なんで私、こんなことしてるんだろ

SCP-3161-JP-B: ホントだな、なんでこんなことしてんだろうな、俺たち。さっきまで閉じ込められてた相手に

SCP-3161-JP-A: 助けなくっても、よかったんだよ。そっちはヒーローかもしれないけどさ

[画面が振れ、バラバラと剝がれた角質が落下する]

SCP-3161-JP-B: 俺は、ヒーローなのか?

SCP-3161-JP-A: ヒーローだと思う。誰かの危機に現れて、助けてるんだから

SCP-3161-JP-B: そうか、ヒーローか。俺はてっきりヴィランだと思ってたがな

SCP-3161-JP-A: ヴィラン? なんで?

SCP-3161-JP-B: 俺の持論だが、ヒーローは芯を外に持つ。ヴィランは芯を中に持つ。つまりは好き勝手やるのさ

[SCP-3161-JP-A-1の一体がSCP-1878-JP-GOIの襲撃を受ける。SCP-3161-JP-Aによる分解命令、SCP-3161-JP-Bの水流により排除される。襲撃地点からSCP-1878-JP-GOIのものと思わしき体液が施設奥へと続いている]

SCP-3161-JP-B: 指令室、確認できるか。どうやら奴さん、この先に逃げ込んでいるとみえる。この先はどんな場所だ?

指令室: その先は隔壁により遮断されたホールになっています。つまり、それ以上進むことはできません。おそらく相手も同じ状態であると推測されます。ただし、司令塔であるSCP-1878-JP-GOI-αは不完全とはいえ一定地点を転移可能のため油断しないでください

SCP-3161-JP-B: 了解。では俺たちはここで待機しておこう。"THE コスプレ"、いいな?

[頷くような揺れ。直後、SCP-3161-JP-Bの頭部ゴーグルが発光する]

頭部ゴーグル: 火災発生、火災発生。リヴァイアサン・アズール、出動せよ

SCP-3161-JP-B: 火災!? だが電気系統は完全に止めてるって先生らは、距離は!?

頭部ゴーグル: 距離は

SCP-1878-JP-GOI-α: ゼロだ! 例え、この身が砕けても! 巡回機動捜査官ライダー・モノクローム! さぁ、出動だ!

[炎に包まれたSCP-1878-JP-A1に乗りSCP-1878-JP-GOI-αが出現する。SCP-3161-JP-Bが自動的に標的をSCP-1878-JP-A1へ固定し、SCP-1878-JP-GOI-αがその背後を取る]

SCP-1878-JP-GOI-α: 炎を囮にする作戦は成功のようだな、君の水鉄砲は自動的に炎の方向を向く。君さえ封じてしまえばあとは失敗作だけだ。容易に無力化できるだろう

SCP-3161-JP-B: おいおい人質かよ。ヒーローともあろうものが卑怯な真似しやがる

[SCP-1878-JP-GOI-αがSCP-3161-JP-Bを締め上げる。SCP-3161-JP-Bがうめき声をあげる]

SCP-1878-JP-GOI-α: 正義を成すためにはときに法を犯す覚悟も必要なのさ。さて、"THE コスプレ"、今回の目的は財団の情報略取に加え、君の回収だ。他の超電救助隊がいることは嬉しい誤算だったがね。そして聞こえているだろう、財団の諸君。本官はこれ以上の武力行使を望まない。君たちにはこの2人を引き渡しさえすれば手出しはしない。悪くない取引だと思うのだが

指令室: テロリストとは交渉を行わない。これは自明の理です。両者を解放しなさい、SCP-1878-JP-GOI-α

SCP-1878-JP-GOI-α: 清々しいまでのお題目を感謝する。では、交渉は決裂だ、本官はこれより可能な限り市民の敵たる悪の秘密基地を破壊する。ああ、我が妹、"Technical High-end Equipment"の評判を下げたデッドストック。君のせいで悪の秘密基地は暴かれた。感謝するよ! 本官はこれで正義を成す! しかしヒーローの来歴に多少の犠牲は付き物だ、そうだろ?

SCP-3161-JP-A: 糞野郎が

[SCP-1878-JP-GOI-αの前面部が開き、内部の人間を排出する。SCP-3161-JP-Bを内部へ押し込む様子を見せる]

SCP-1878-JP-GOI-α: HEROを取り込むのは初めてだ、ここは決め台詞といこうじゃないか

[画面が振れ、バラバラと剝がれた角質が落下する。拘束されているSCP-3161-JP-Bがかすかに頷く]

SCP-3161-JP-B: 好きなようにやりな

SCP-1878-JP-GOI-α: 例え、この身が砕けても! 巡回機動捜査官ライダー・モノクローム! さぁ、出動

[剝がれた角質がSCP-3161-JP-A-1に成長しSCP-1878-JP-GOI-αの背後に立つ]

SCP-3161-JP-A: 爆発しろ!

[SCP-3161-JP-A-1が急激に体積を増し、破裂する。衝撃でSCP-1878-JP-GOI-αはSCP-3161-JP-Bから外れ、壁に叩きつけられたのち、再度排出した人間を取り込む]

SCP-1878-JP-GOI-α: 貴様! 他の人間がどうなってもいいのか!? 他者を思わぬその心こそが、貴様を

SCP-3161-JP-B: 悪いが、爆発ってのはヒーローの十八番でね。そして何より俺は"超流消防士リヴァイアサン・アズール"なんだよ。ダサい白黒服なんざ着たかねえや

[SCP-3161-JP-Bが水流を発射する。SCP-1878-JP-GOI-αはかわし、通路の奥からSCP-1878-JP-GOIを呼び寄せる]

SCP-3161-JP-A: アズール

SCP-3161-JP-B: なあに、痛いだけだ、苦しいだけだ、それでも、と喚くしかないんだ。今やれることをやるしかないんだ。大丈夫だ、大丈夫だぞ、俺はまだ、立てる

SCP-3161-JP-A: 誰に見られなくっても? 誰に認められなくっても? 誰かから与えられた結果だけでも?

SCP-3161-JP-B: なあに、まだまだ足りなかっただけだ。俺はヒーローになる前にスーツを着ちまった、それだけのことだった。だから、この足が立てるうちに、この手が伸びるうちに、貰っちまった結果に応えられる過程を増やしていくさ。世の中はシンプルじゃないんだ、俺みたいなヒーロー見習いがいてもいいだろ。それもこれも、お前を助けたからだ、感謝する、"THE コスプレ"。

SCP-1878-JP-GOI-α: 何が、何がヒーロー見習いだ、本官の前に立つお前たちは全て小悪党にすぎない

SCP-3161-JP-B: バカ言え、これからが俺の変身だよ

[SCP-3161-JP-Bが両手を構える。視線がSCP-3161-JP-Bの横へと移動する]

SCP-3161-JP-A: 私も、変身したい。そっちの定義ならヒーローじゃなくてヴィランだけど。私は、きっと私のためにしか、変身できないけど

SCP-3161-JP-B: なに、ヒーロー見習いに生まれたてのヴィラン、似たもの同士じゃねえの。で、これは持論だが、ヴィランなら自爆スイッチは必要だと思うぞ

SCP-3161-JP-A: まるでそれじゃあ、悪の改造人間ね。……指令室、私は今からそっちの信頼を裏切ります

[画面が振れ、バラバラと剝がれた角質が落下する。剝がれた角質がSCP-3161-JP-A-1に成長し、再度分裂する。SCP-3161-JP-Aが両腕を交差させる]

SCP-3161-JP-A/SCP-3161-JP-B: 変身!

[分裂したSCP-3161-JP-A-1がSCP-3161-JP-Aの全身に付着し、映像が途絶する。後の映像ログにより、蓮を模したコスチュームに包まれていたことが確認される]

SCP-3161-JP-A: 征け! 戦闘員共! あの悪なる偽物を排除しろ! この世界にヴィランはただ一人! 注目を浴びるのはこの私だけでいい!

SCP-3161-JP-B: 唸れ超高圧水流砲! パチモン野郎を巻き込んで、全てを巻き込む大河となれ! 

[データ破損]

≪再生停止≫

周辺サイトから機動部隊が到着した段階でSCP-3161-JP-A、SCP-3161-JP-B、SCP-1878-JP群は逃走し、追跡が行われたものの失敗に終わりました。SCP-1878-JPはこの事案において大きなダメージを受けたものと推測され、出現頻度が大きく下がっていることが確認されています。

補遺: 上記インシデント以降、SCP-3161-JP-A、SCP-3161-JP-Bは同時に出現が確認されています。これらの行動様式は主にSCP-3161-JP-AがSCP-3161-JP-A-1を用いた軽犯罪を行い、SCP-3161-JP-Bがそれを鎮静するという流れを取っています。また、このイベント時、SCP-3161-JP-A、SCP-3161-JP-Bは積極的に衆目へ触れる、撮影されようとする傾向が確認されます。これを受け、暫定的に同一オブジェクトとしてナンバリングが行われ、Keterクラスオブジェクトに指定されます。

また、これらの出現イベントに関与する形で複数の非異常性事件の解決、事故の早期救出が行われていることが確認されていますが、意図的なものであるかどうかは不明です。

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